Exchange 2007 SP1 の新しいトランスポート機能

  • [アーティクル]

 

適用先: Exchange Server 2007 SP1

トピックの最終更新日: 2007-08-22

Microsoft Exchange Server 2007 Service Pack 1 (SP1) では、トランスポート機能に関していくつかの拡張が行われています。このような拡張機能には、ハブ トランスポート サーバーの役割に影響を与えるもの、エッジ トランスポート サーバーの役割に影響を与えるもの、およびハブ トランスポート サーバーの役割とエッジ トランスポート サーバーの役割に共通するコア トランスポート機能に影響を与えるものがあります。

Exchange 2007 SP1 でのコア トランスポートに関する機能強化

Exchange 2007 SP1 では、コア トランスポート機能に対して次の機能強化が行われました。

  • バック プレッシャ   バック プレッシャは、ハブ トランスポート サーバーの役割およびエッジ トランスポート サーバーの役割のシステム リソース監視機能です。この機能を使用すると、ハブ トランスポート サーバーおよびエッジ トランスポート サーバーは、高いリソース使用に対応できます。Exchange 2007 SP1 では、空きディスク領域の要件が 4 GB から 500 MB に変更されました。詳細については、「バック プレッシャについて」を参照してください。
  • Exchange 管理コンソールでの構成オプションの追加   Exchange 2007 SP1 では、Exchange 管理コンソールで構成できるトランスポート機能の設定が増えました。詳細については、「トランスポート サーバーのプロパティの構成」を参照してください。

Exchange 2007 SP1 でのハブ トランスポート サーバーの役割に関する機能強化

Exchange 2007 SP1 では、ハブ トランスポート サーバーの役割でのメッセージ処理およびルーティング機能に対し、次の機能強化が行われました。

  • 優先度キュー   Outlook ユーザーがメッセージに割り当てるメッセージ優先度が、カテゴライザで考慮されるようになりました。これにより、高重要度で送信されるメッセージは、優先的に処理され、重要度の設定が低いメッセージよりすばやく配信されます。詳細については、「Exchange 2007 SP1 および SP2 の優先度キューについて」を参照してください。
  • Active Directory サイト リンク**   Set-AdSiteLink** コマンドレットは、Active Directory サイト リンクに Exchange 固有の設定を構成するために使用します。Exchange 2007 SP1 では、Set-AdSiteLink コマンドレットに MaxMessageSize パラメータが追加されました、このパラメータを使用すると、管理者は、Active Directory ディレクトリ サービス サイト間を中継されるメッセージの最大メッセージ サイズを制限できます。
  • ルーティング グループ コネクタ   Exchange 2007 が Microsoft Exchange Server 2003 または Exchange 2000 Server と共存するときは、ルーティング グループ コネクタを使用して、Exchange 2007 のルーティング グループと従来のルーティング グループの間でメッセージを中継します。Exchange 2007 SP1 では、New-RoutingGroupConnector コマンドレットと Set-RoutingGroupConnector コマンドレットに、MaxMessageSize パラメータが追加されました。このパラメータを使用すると、管理者は、Exchange 2007 ハブ トランスポート サーバーと Exchange 2003 または Exchange 2007 のブリッジヘッド サーバーの間を中継されるメッセージの最大メッセージ サイズを制限できます。
  • 送信コネクタの構成   Exchange 2007 SP1 では、Exchange 管理シェル コマンドレットに追加された IsScopedConnector パラメータ、および Exchange 管理コンソールに追加された [スコープ送信コネクタ] チェック ボックスにより、送信コネクタの範囲を単一の Active Directory サイトに簡単に限定できます。送信コネクタの範囲を限定すると、送信コネクタの送信元サーバーと同じ Active Directory サイト内にあるハブ トランスポート サーバーのみが、その送信コネクタをルーティングの決定において考慮します。
  • AD RMS プレライセンス オブジェクト   Exchange 2007 SP1 には、AD RMS プレライセンス エージェントが含まれます。ハブ トランスポート サーバーでこの Windows RMS (Rights Management Services) エージェントを有効にすることにより、Outlook ユーザーが保護されたメッセージにアクセスできるように機能を向上させることができます。詳細については、「AD RMS プレライセンス エージェントの管理」を参照してください。
  • X.400 権限のあるドメイン   Exchange 2007 SP1 は、権限のあるドメインとしての X.400 アドレス スペースの構成をサポートし、X.400 の長いアドレスもサポートします。詳細については、「Exchange 2007 SP1 および SP2 での X.400 の権限のあるドメインのサポート」を参照してください。
  • トランスポート ルール   Exchange 2007 SP1 では、ボイス メール、FAX メッセージ、不在着信通知などのユニファイド メッセージング メッセージに対し、トランスポート ルールを適用できます。トランスポート ルールの詳細については、「トランスポート ルールの概要」を参照してください。

Exchange 2007 SP1 でのエッジ トランスポート サーバーの役割に関する機能強化

Exchange 2007 SP1 では、エッジ トランスポート サーバーの役割に対して次の機能強化が行われました。

EdgeSync 同期

Exchange 2007 SP1 では、EdgeSync コマンドレットに対し、管理者の使いやすさを向上させる次の機能強化が行われました。

  • Start-EdgeSynchronization**   Start-EdgeSynchronization** コマンドレットは、Active Directory から Active Directory Application Mode (ADAM) ディレクトリ サービスに対するデータの同期を直ちに開始するために使用します。Exchange 2007 SP1 では、Server パラメータのサポートがこのコマンドレットに追加され、管理者はリモート コンピュータからコマンドレットを実行できます。
  • Test-EdgeSynchronization**   Test-EdgeSynchronization** コマンドレットは、購読済みのエッジ トランスポート サーバーの同期状態についてのレポートを提供する、診断用のコマンドレットです。Exchange 2007 SP1 では、一連のパラメータが追加され、個別のユーザーについて同期の結果を検証できるようになりました。

詳細については、「EdgeSync 同期プロセスについて」を参照してください。

複製構成

複製構成スクリプトを使用すると、管理者は、複数のエッジ トランスポート サーバーを展開するときに、一貫した構成を適用できます。Exchange 2007 SP1 では、複製される情報に、TransportConfig オブジェクトが含まれるようになりました。TransportConfig オブジェクトは、エッジ トランスポート サーバーの役割に対するサーバー全体の設定を制御します。複製される構成情報にこのオブジェクトを含めることで、サーバーの展開、バックアップ、および復元の手順が簡素化されます。詳細については、「エッジ トランスポート サーバーの複製構成の使用」を参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。