Exchange 2010 を無人モードでインストールする

 

適用先: Exchange Server 2010 SP2, Exchange Server 2010 SP3

トピックの最終更新日: 2012-07-23

コマンド プロンプト ウィンドウからセットアップ プログラムを使用して、無人モードで Microsoft Exchange Server 2010 をインストールできます。無人セットアップを実行するには、コマンド プロンプトから Exchange 2010 をインストールする必要があります。

注意

Exchange 2010 を実行しているコンピューターにいずれかのサーバーの役割をインストールした後は、Exchange 2010 セットアップ ウィザードを使用して他のサーバーの役割をこのコンピューターに追加することはできません。サーバーの役割をコンピューターに追加する必要がある場合は、コントロール パネルの [プログラムの追加と削除] を使用するか、コマンド プロンプト ウィンドウで Setup.com を使用する必要があります。

インストール後に実行するタスクの詳細については、「Exchange 2010 のインストール後のタスク」を参照してください。

前提条件

  • 電子メール メッセージが正しく流れるようにするには、それぞれの Active Directory サイトにメールボックス サーバーの役割とハブ トランスポート サーバーの役割の両方をインストールする必要があります。

  • クライアント アクセスが正しく機能するためには、メールボックス サーバーの役割を持つ Active Directory サイトごとにクライアント アクセス サーバーをインストールする必要があります。

  • メールボックス サーバーの役割、ハブ トランスポート サーバーの役割、クライアント アクセス サーバーの役割、およびユニファイド メッセージング (UM) サーバーの役割は、同じコンピューターまたは異なるコンピューターにインストールできます。エッジ トランスポート サーバーの役割は組織の境界ネットワーク内の別のコンピューターにインストールする必要があります。

  • インストールを開始する前に、各サーバーの役割が適切な前提条件とシステム要件を満たしていることを確認する必要があります。

  • 次の手順を実行するには、これまでに Active Directory スキーマを準備していない場合、使用するアカウントに Schema Admins グループのメンバーシップが委任されていることを確認する必要があります。組織に最初の Exchange 2010 サーバーをインストールしている場合は、Enterprise Admins グループのメンバーシップを持つアカウントを使用する必要があります。既にスキーマを準備していて、組織に最初の Exchange 2010 サーバーをインストールしていない場合は、使用するアカウントが Exchange 2010 "Organization Management/組織の管理" 役割グループのメンバーである必要があります。

    "Delegated Setup/委任されたセットアップ" 役割グループのメンバーである管理者は、"Organization Management/組織の管理" 役割グループのメンバーによって既に準備された Exchange 2010 サーバーを展開できます。委任されたセットアップの詳細については、「Exchange 2010 Server の準備を行い、セットアップを委任する」を参照してください。Exchange 2010 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可について」を参照してください。

注意

Exchange 2010 のインストール中、Active Directory を準備しているときには、システム メールボックスが、ユーザーと管理者がログオンできないルート ドメインに作成されます。これらのシステム メールボックスは、メッセージの承認、電子情報開示などの Exchange 2010 の機能向けに作成されます。

警告

サーバーに Exchange 2010 をインストールした後は、サーバー名を変更しないでください。Exchange 2010 のサーバーの役割をインストールした後でサーバーの名前を変更することは、サポートされていません。

Setup.com を使用して Exchange 2010 を無人モードでインストールする

  1. Exchange 2010 をインストールするサーバーにログオンします。

  2. Exchange 2010 DVD を DVD ドライブに挿入し、コマンド プロンプトでその DVD ドライブに移動するか、または Exchange 2010 インストール ファイルが格納されているネットワーク上の場所に移動します。

  3. コマンド プロンプトで、組織の該当するコマンドを実行します。

    Setup.com [/mode:<setup mode>] [/role:<server roles to install>] [/InstallWindowsComponents] [/OrganizationName:<name for the new Exchange organization>] [/TargetDir:<target directory>] [/SourceDir:<source directory>][/UpdatesDir:<directory from which to install updates>] [/DomainController:<FQDN of domain controller>] [/AnswerFile:<filename>] [/DoNotStartTransport] [/EnableLegacyOutlook] [/LegacyRoutingServer] [/EnableErrorReporting] [/NoSelfSignedCertificates] [/AdamLdapPort:<port>] [/AdamSslPort:<port>] [/LanguagePack:<language pack bundle>] [/AddUmLanguagePack:<UM language pack name>] [/RemoveUmLanguagePack:<UM language pack name>] [/NewProvisionedServer:<server>] [/RemoveProvisionedServer:<server>] [/ExternalCASServerDomain:<domain>] [/MdbName:<mailbox database name>] [/DbFilePath:<Edb file path>] [/LogFolderPath:<log folder path>] [/Upgrade] [/Hosting]
    
    • [/mode: <セットアップ モード>、または /m:<セットアップ モード>]

      セットアップ モードを指定するには、/mode パラメーターを使用する必要があります。モードを指定しない場合は、セットアップでは既定のインストール モードが使用されます。次のいずれかのモードを選択します。

      Install   新しい役割をインストールまたは既存のインストールに役割を追加 (メンテナンス モード) する場合は、このモードを使用します。このモードは、Exchange セットアップ ウィザードおよび無人インストールの両方から利用できます。

      Uninstall   Exchange インストールを削除する場合または単一のサーバーの役割を既存のインストールから削除 (メンテナンス) する場合は、このモードを使用します。このモードは、Exchange セットアップ ウィザードおよび無人インストールの両方から利用できます。

      Upgrade   Exchange の既存のインストールがある場合で、新しいバージョンをインストールする場合には、このモードを選択して使用します。このモードは、Service Pack のインストールに使用されます。このモードは、Exchange セットアップ ウィザードおよび無人インストールの両方から利用できます。

      RecoverServer   サーバーに致命的な障害が発生し、データを回復する必要がある場合にはこのモードを使用します。障害の発生したサーバーと同じ完全修飾ドメイン名 (FQDN) を使用してサーバーをインストールし、/m:RecoverServer スイッチを指定してセットアップ実行する必要があります。復元する役割は指定しないでください。セットアップ プログラムは、Active Directory 内の Exchange Server オブジェクトを検出し、対応するファイルと構成を自動的にインストールします。サーバーを回復した後、データベースを復元し、追加設定を再構成できます。

      RecoverServer モードで実行する場合、サーバーに Exchange をインストールしておくことはできません。Exchange サーバー オブジェクトは Active Directory に存在している必要があります。このモードは、無人インストール中にのみ使用できます。

    • [/roles: <サーバーの役割>,/role:<サーバーの役割>、または*/r:<サーバーの役割>]*

      インストールまたはアンインストールするサーバーの役割を指定するには、/roles パラメーターを使用する必要があります。以下の役割から、1 つ以上の役割を選択します。複数の場合はコンマで区切ります。

      ClientAccess (CA または C)

      EdgeTransport (ET または E)

      注意

      1 台のコンピューター上でエッジ トランスポート サーバーの役割と他のサーバーの役割を共存させることはできません。エッジ トランスポート サーバーの役割は、境界ネットワーク内および Active Directory フォレストの外側に展開する必要があります。

      HubTransport (HT または H)

      Mailbox (MB または M)

      UnifiedMessaging (UM または U)

      ManagementTools (MT または T)

      注意

      ManagementTools を選択した場合は、EMC および Exchange 管理シェルの Exchange コマンドレットをインストールします。その他のサーバーの役割をインストールした場合、管理ツールは自動的にインストールされます。

      たとえば、クライアント アクセス サーバーの役割とメールボックス サーバーの役割を指定するには、次のように指定します。Setup.com /roles:ClientAccess,Mailbox。または次のように指定します。Setup.com /r:C,M

    • [/InstallWindowsComponents]

      Exchange 2010 SP1 のインストール中に、選択した Exchange 2010 SP1 のサーバーの役割それぞれで必要な Windows の役割および機能をインストールできます。再起動が必要な場合、セットアップはインストールが終了した位置から再開されます。たとえば、/InstallWindowsComponents を指定するには、次のように指定します。Setup.com /roles:ClientAccess,Mailbox /InstallWindowsComponents

    • [/OrganizationName:<組織名>、または /on:<組織名>]

      新しい Exchange 組織に付ける名前を指定するには、/OrganizationName パラメーターを使用します。このパラメーターが必要なのは、組織に最初のサーバーをインストールしており、Setup /PrepareAD を実行していない場合です。既存の Exchange 組織にサーバーをインストールしている場合、または既に Setup /PrepareAD を実行している場合、このパラメーターは使用できません。

      注意

      Exchange 2010 セットアップ ウィザードでは、既定値は [最初の組織] です。コマンド ライン バージョンのセットアップでは既定値はありません。

      Exchange 組織の名前には、以下の文字のみを含めることができます。

      A ~ Z

      a ~ z

      0 ~ 9

      スペース (先頭または末尾を除く)

      ハイフンまたはダッシュ

      組織名の長さは、64 文字以下です。組織名を省略 (空白に) することはできません。組織名にスペースが含まれる場合は、二重引用符 (") で囲む必要があります。

    • [/TargetDir:<インストール先フォルダー>、または /t:<インストール先フォルダー>]

      Exchange 2010 ファイルをインストールする場所を指定するには、/TargetDir パラメーターを使用します。既定の場所は Program Files\Microsoft\Exchange Server です。C:\ などのルート ディレクトリには Exchange 2010 をインストールできません。ROM ドライブ、RAM ディスク、ネットワーク ドライブ、リムーバブル ディスク、または種類の不明なドライブには、Exchange 2010 をインストールできません。Exchange が既にサーバーにインストールされている場合 (サーバーの役割を追加している場合など) は、インストール ディレクトリを変更できません。インストール先フォルダーにスペースが含まれる場合は、二重引用符 (") で囲む必要があります。

    • [/SourceDir:<インストール元フォルダー>、または /s:<インストール元フォルダー>]

      既存の Exchange 2010 サーバーにサーバーの役割を追加しており、セットアップを実行しているフォルダーがインストール元フォルダーではない場合、/SourceDir パラメーターを使用して Exchange 2010 ファイルのインストール元の場所を指定します。既定値は、セットアップを実行している現在のディレクトリになります。インストール元フォルダーにスペースが含まれる場合は、二重引用符 (") で囲む必要があります。

    • [/UpdatesDir:<更新プログラムのフォルダー>、または /u:<更新プログラムのフォルダー>]

      /UpdatesDir パラメーターを使用して更新プログラムのインストール元のディレクトリを指定します。更新プログラムのフォルダーにスペースが含まれる場合は、二重引用符 (") で囲む必要があります。更新プログラムのディレクトリ内のファイルは、Updates.exe ファイルか 1 つ以上の *.msp ファイルのどちらかです。セットアップは、指定した Exchange サーバーの役割をインストールする前に、更新プログラムをインストールします。

      既定では、セットアップ プログラムは更新プログラムのフォルダーとしてインストール メディアのルート フォルダーを使用します。セットアップ時に更新プログラムの既定のフォルダーとは別のフォルダー内の更新プログラムを検出する場合に、このパラメーターを使用します。更新プログラムのフォルダーは 1 つしか指定できません。

    • [/DomainController:<ドメイン コントローラーの FQDN>、または /dc:<ドメイン コントローラーの FQDN>]

      /DomainController パラメーターを使用して、セットアップ時に Active Directory との読み書きに使用するドメイン コントローラーを指定します。NetBIOS または完全修飾ドメイン名 (FQDN) 形式を使用できます。指定するドメイン コントローラーは、セットアップを実行するサーバーと同じ Active Directory サイトにあり、以下の要件を満たしている必要があります。Windows Server 2003 Standard Edition、SP1 以上 (32 ビットまたは 64 ビット)、または Windows Server 2003 Enterprise Edition、SP1 以上 (32 ビットまたは 64 ビット)、または Windows Server 2008 Standard または Enterprise (32 ビットまたは 64 ビット)、または Windows Server 2008 R2 Standard または Enterprise、または Windows Server 2008 Datacenter または R2 Datacenter。このパラメーターを使用しない場合、使用するドメイン コントローラーはセットアップ プログラムによって選択されます。

      Setup /PrepareSchema または Setup /PrepareAD を実行する場合、または Setup /PrepareAD がまだ実行されておらず組織で最初の Exchange 2010 サーバーをインストールする場合、セットアップ プログラムはスキーマ マスターのドメイン コントローラーを使用して、Active Directory の読み書きを行う必要があります。スキーマ マスターではないドメイン コントローラーを指定すると、セットアップ プログラムは停止し、エラー メッセージを返します。

    • [/AnswerFile:<ファイル名>、または /a:<ファイル名>]

      セットアップ用のパラメーターを格納したファイルの場所を指定する場合は、/AnswerFile パラメーターを使用します。このファイルを使用することによって、同一のパラメーターで複数のコンピューターに Exchange 2010 をインストールできます。応答ファイルで、次のパラメーターを使用できます。EnableLegacyOutlookLegacyRoutingServerOrganizationNameDoNotStartTransportUpdatesDirEnableErrorReportingNoSelfSignedCertificatesAdamLdapPort、および AdamSslPort

      注意

      応答ファイルでは、パラメーターにスラッシュ (/) を付けないでください。

      次の例は、AnswerFile01.txt という応答ファイルの内容です。

      EnableErrorReporting
      UpdatesDir=C:\Exchange2010_Updates
      

      次の例は、この応答ファイルを使用するためのセットアップ コマンドを示したものです。

      Setup.com /Mode:Install /Roles:Mailbox /AnswerFile:C:\AnswerFile01.txt
      
    • [/DoNotStartTransport]

      セットアップの完了時に Microsoft Exchange Transport サービスが起動しないように指定するには、/DoNotStartTransport パラメーターを使用します。既定では、ハブ トランスポート サーバーの役割またはエッジ トランスポート サーバーの役割のいずれかをインストールした後に、セットアップ プログラムは Microsoft Exchange Transport サービスを開始します。エッジ トランスポート サーバーまたはハブ トランスポート サーバーが電子メール メッセージを受け付ける前に、たとえば、スパム対策エージェントの構成などの追加の構成を行う必要がある場合はこのパラメーターを使用します。/RecoverServer パラメーターを使用してハブ トランスポート サーバーまたはエッジ トランスポート サーバーを回復する場合に、このパラメーターを使用することをお勧めします。これによって、Microsoft Exchange Transport サービスを開始する前に、障害が発生したサーバーから新しいサーバーの適切な場所にキュー データベースを移動できます。

      注意

      Microsoft Exchange Transport サービスは、ハブ トランスポート サーバーの役割およびエッジ トランスポート サーバーの役割のみで実行されます。

    • [/EnableLegacyOutlook]

      Microsoft Outlook 2003 以前の Outlook を実行しているクライアント コンピューターがあることを指定するには、/EnableLegacyOutlook パラメーターを使用します。Exchange 2010 によって、メールボックス サーバーにパブリック フォルダー データベースが作成されます。すべてのクライアント コンピューターが Office Outlook 2007 を実行している場合は、パブリック フォルダーは Exchange 2010 ではオプションです。このパラメーターを使用しない場合、Exchange 2010 はメールボックス サーバーにパブリック フォルダー データベースを作成しません。後でパブリック フォルダー データベースを追加できます。

      このパラメーターを使用できるのは、組織に最初のメールボックス サーバーをインストールする場合だけです。

      既存の Exchange Server 2003 組織に最初のメールボックス サーバーをインストールする場合は、既定で、セットアップ プログラムにより Exchange 2010 サーバーにパブリック フォルダー データベースが作成されます。このパラメーターを指定する必要はありません。この組織で以降メールボックス サーバーをインストールする際に、セットアップ プログラムはパブリック フォルダー データベースを作成しません。

    • [/LegacyRoutingServer]

      最初のルーティング グループ コネクタの作成先となるルーティング グループにある Exchange 2003 ブリッジヘッド サーバーを指定するには、/LegacyRoutingServer パラメーターを使用します。これらの Exchange サーバー バージョンが同じ組織内に共存している場合、Exchange 2010 と Exchange 2003 との間でのメール フローに、ルーティング グループ コネクタが必要になります。

      組織で最初のハブ トランスポート サーバーをインストールしており、既存の組織に Exchange 2003 サーバーがある場合にのみ、このパラメーターを使用できます。このシナリオでは、Exchange 2010 と Exchange 2003 との間でメール フローを確立するため、このパラメーターが必要になります。

    • [/EnableErrorReporting]

      セットアップ中のエラー報告機能を有効にするには、/EnableErrorReporting パラメーターを使用します。エラー報告機能を有効にすると、Microsoft エラー報告サービスによって、どのように Exchange 2010 が使用されているかと、発生する可能性がある問題に関する情報が収集されます。この情報は、マイクロソフトが問題を診断し、解決方法を提供するために役立てられます。

      インストール モードでセットアップを実行する場合にのみ、このパラメーターを使用できます。

      エラー報告機能を有効にした場合、セットアップ プログラムにより次のレジストリ キーが 0 に設定されます。

      HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\ExchangeServer\E14\DisableErrorReporting

      既定では、このレジストリ キーは 1 に設定されており、エラー報告機能は無効です。

    • [/NoSelfSignedCertificates]

      SSL (Secure Sockets Layer) セッションまたはトランスポート層セキュリティ (TLS) セッション用の有効な証明書が他に見つからないときに、セットアップで自己署名証明書を作成しない場合は、/NoSelfSignedCertificates パラメーターを使用します。証明書がない場合、クライアントとクライアント アクセス サーバーまたはユニファイド メッセージング サーバーとの間の通信は暗号化されません。

      このパラメーターを使用できるのは、クライアント アクセス サーバーの役割、またはユニファイド メッセージング サーバーの役割のどちらかをインストールしている場合のみです。

    • [/AdamLdapPort:<ポート>]

      エッジ トランスポート サーバーの役割の Active Directory ライトウェイト ディレクトリ サービス (AD LDS) インスタンスのために使用する LDAP ポートを指定する場合は、/AdamLdapPort パラメーターを使用します。既定値は 50389 です。Exchange は、ADAM LDAP ポートを次のレジストリ キーに格納します。

      HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\ExchangeServer\v14\EdgeTransportRole\AdamSettings\MSExchangeAdam\LdapPort

      このパラメーターを使用できるのは、エッジ トランスポート サーバーの役割をインストールしている場合のみです。

    • [/AdamSslPort:<ポート>]

      エッジ トランスポート サーバーの役割の AD LDS インスタンスのために使用する SSL ポートを指定する場合は、/AdamSslPort パラメーターを使用します。未使用の有効なポート番号を指定できます。既定値は 50636 です。Exchange は、Active Directory ライトウェイト ディレクトリ サービス (AD LDS) SSL ポートを次のレジストリ キーに格納します。

      HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\ExchangeServer\v14\EdgeTransportRole\AdamSettings\MsExchangeAdam\SslPort

      このパラメーターを使用できるのは、エッジ トランスポート サーバーの役割をインストールしている場合のみです。

    • [/LanguagePack:<言語パック バンドルへのパス> or /lp:<path to language pack bundle>]

      追加する Exchange 言語パックを指定するには、/LanguagePack パラメーターを使用します。詳細については、「Exchange 2010 の言語サポート」を参照してください。

    • [/AddUmLanguagePack:<UM 言語パック名>]

      /AddUmLanguagePack パラメーターを使用して、追加する UM 言語パックを指定します。UM 言語パックを追加する場合、発信者および Outlook Voice Access ユーザーは、別の言語で UM システムを操作します。ユニファイド メッセージング言語の一覧については、「ユニファイド メッセージングのクライアント言語のサポート」を参照してください。

      UM 言語パックをインストールするには、ユニファイド メッセージング サーバーの役割が既にインストールされている必要があります。

      言語パックを追加するときに、セットアップ プログラムは既定で、言語パックの .msi ファイルはインストール ディレクトリの ServerRoles\UnifiedMessaging ディレクトリに存在すると想定します。別の場所を指定するには、/SourceDir パラメーターを使用します。

      注意

      言語パック名に "umlang-" を含めたり、拡張子に .msi を設定したりしないようにしてください。たとえば、ドイツ語の言語パックは、umlang-de-DE.msi です。この言語パックをインストールするには、次のコマンドを実行します。Setup.com/AddUmLanguagePack:de-DE

      注意

      言語パックの .msi ファイルを実行して言語パックをインストールすることはできません。言語パックをインストールするには、Setup.com を使用する必要があります。

    • [/RemoveUmLanguagePack:<UM language pack name>]

      削除するユニファイド メッセージング言語パックを指定するには、/RemoveUmLanguagePack パラメーターを使用します。

      注意

      言語パック名に "umlang-" を含めたり、拡張子に .msi を設定したりしないようにしてください。たとえば、ドイツ語の言語パックは、umlang-de-DE.msi です。この言語パックを削除するには、次のコマンドを実行します。Setup.com/RemoveUmLanguagePack:de-DE

      注意

      言語パックの .msi ファイルを実行して言語パックを削除することはできません。言語パックを削除するには、Setup.com を使用する必要があります。

    • [/NewProvisionedServer:<サーバー名>、または /nprs:<サーバー名>]

      サーバーのセットアップを委任できるように Active Directory にプレースホルダー サーバー オブジェクトを作成する場合は、/NewProvisionedServer パラメーターを使用します。Exchange サーバー管理者の役割のアクセス許可を持つユーザーにこのサーバー オブジェクトへのアクセス許可を与えた場合、そのユーザーはサーバーに Exchange 2010 をインストールできます。セットアップ中に、このサーバー オブジェクトに関する属性が追加されます。サーバー名を指定しない場合、Setup.com は Active Directory にローカル サーバーのプレースホルダー サーバー オブジェクトを作成します。

      /NewProvisionedServer パラメーターを指定して Setup.com を実行するには、Exchange 2010 "Organization Management/組織の管理" 役割グループのメンバーであること、Active Directory 内に既存の Exchange 組織があること、少なくとも 1 つの Exchange 2010 サーバーが組織にインストールされていることが必要になります。また、指定するサーバーのコンピューター アカウントが Active Directory に存在する必要があります。

      /NewProvisionedServer パラメーターを指定してサーバーの準備が完了すると、EMC、または Get-ExchangeServer コマンドレットの結果にそのサーバーが表示されます。

    • [/RemoveProvisionedServer:<サーバー名>、または /rprs:<サーバー名>]

      /RemoveProvisionedServer パラメーターを使用して作成したプレースホルダー サーバー オブジェクトを削除するには、NewProvisionedServer パラメーターを使用します。そのサーバーに Exchange 2010 をインストールする前であればいつでもサーバー オブジェクトを削除できます。Exchange 2010 のインストール後は、このパラメーターを使用してサーバー オブジェクトを削除することはできません。準備されたサーバー オブジェクトを削除する場合にのみ、このパラメーターを使用できます。Exchange 2010 がインストールされているサーバーで /RemoveProvisionedServer パラメーターを指定して Setup.com を実行した場合、Setup.com は正常に完了しますが、サーバー オブジェクトは削除されません。

      サーバー名を指定しない場合、Setup.com は、Active Directory からローカル サーバーと同じ名前のプレースホルダー サーバー オブジェクトを削除します。

      /RemoveProvisionedServer パラメーターを指定して Setup.com を実行するには、Exchange "Organization Management/組織の管理" 役割グループのメンバーである必要があります。

    • [/ExternalCASServerDomain:<domain>]

      クライアント アクセス サーバーに外部ドメインを指定し、OWA/ActiveSync/Web Services/OAB 仮想ディレクトリの外部 URL を構成するには、このパラメーターを使用します。たとえば、ExternalCASServerDomain を指定するには、次のように指定します。Setup.com /roles:ClientAccess,Mailbox /ExternalCASServerDomain:Mail.Contoso.com。詳細については、「外部クライアント アクセス名前空間の構成」を参照してください。

    • [/MdbName:<mailbox database name>]

      メールボックス サーバーの役割のインストール時に作成される既定のデータベース名を入力するには、このパラメーターを使用します。この名前は組織内で一意である必要があります。メールボックス サーバーの役割のインストール時に、このパラメーターを使用しない場合、自分の名前付け規則に沿った新しいデータベースを作成することができます。そして、必要に応じてメールボックスを移動して作成された既定のデータベースを削除します。たとえば、MdbName を指定するには以下を指定します。Setup.com /roles:Mailbox /MdbName:MailboxDatabase01

    • [/DbFilePath:<Edb file path>]

      メールボックス サーバーの役割のインストール時に .edb ファイルへの完全パスを入力するには、このパラメーターを使用します。たとえば、Dbfilepath を指定するには次のように指定します。Setup.com /roles:Mailbox /Dbfilepath:D:\DatabaseFiles\MailboxDatabase01.edb

    • [/LogFolderPath:<log folder path>]

      メールボックス サーバーの役割のインストール時に、データベース ログを配置するディレクトリへのフォルダー パスを入力するには、このパラメーターを使用します。たとえば、ログのフォルダー パスを指定するには、次のように指定します。Setup.com /roles:Mailbox /Logfolderpath:D:\DatabaseFiles\LogFolder

    • [Upgrade]

      Exchange の既存のインストールがある場合で、新しいバージョンをインストールする場合には、このパラメーターを使用します。このモードは、サービス パックのインストールに使用されます。

    • [/Hosting]

      ホストの特徴と機能を有効にするには、このパラメーターを使用します。たとえば、ホスト モードを指定するには、次のように指定します。Setup.com /roles:Mailbox /Hosting

      このパラメーターはマルチテナント型の展開で使用可能です。社内展開には使用できません。マルチテナント型の展開の詳細については、「マルチテナント サポート」を参照してください。

    • [/?]

      Setup.com コマンドのヘルプを表示するには、/? パラメーターを使用します。

  4. セットアップによって、Exchange 2010 をインストールするコンピューターのローカルにセットアップ ファイルがコピーされます。

  5. インストールするサーバーの役割に固有のすべての前提条件を含め、前提条件が確認されます。すべての前提条件を満たしていない場合、セットアップは失敗し、失敗の理由を説明するエラー メッセージが返されます。すべての前提条件を満たしている場合は、Exchange 2010 がインストールされます。

  6. インストールが正常に完了したことを確認します。詳細については、「Exchange 2010 のインストールを確認する」を参照してください。

以下に、Setup.com の使用例を示します。

  • Setup.com /mode:Install /role:Mailbox,HubTransport /TargetDir:"C:\Exchange 2010"

    このコマンドは、メールボックス サーバーの役割、ハブ トランスポート サーバーの役割、および管理ツールを C:\Exchange 2010 ディレクトリにインストールします。

  • Setup.com /r:M,C,U

    このコマンドは、メールボックス サーバーの役割、クライアント アクセス サーバーの役割、ユニファイド メッセージング サーバーの役割、および管理ツールをインストールします。

  • Setup.com /mode:Uninstall /role:HT

    このコマンドは、ハブ トランスポート サーバーの役割をサーバーから削除します。

  • Setup.com /mode:Uninstall

    このコマンドは、Exchange 2010 をサーバーから完全に削除し、このサーバーの Exchange の構成を Active Directory から削除します。

  • Setup.com /mode:Install /role:Mailbox,HubTransport /OrganizationName:MyOrg

    このコマンドは、MyOrg という名前の Exchange 組織を Active Directory に作成し、さらにメールボックス サーバーの役割、ハブ トランスポート サーバーの役割、および管理ツールをインストールします。

  • Setup.com /mode:Upgrade

    このコマンドは、Exchange の既存のバージョンをアップグレードします。アップグレードのパラメーターは Service Pack のインストールに使用されます。

  • Setup.com /PrepareAD /on:"My Org"

    このコマンドは、My Org という名前の Exchange 組織を作成し、Exchange 2010 用に Active Directory を準備します。

  • C:\Exchange2010\bin\Setup.com /m:Install /r:C /SourceDir:d:\amd64

    このコマンドは、インストール元ディレクトリとして D:\amd64 を使用し、クライアント アクセス サーバーの役割を既存の Exchange 2010 サーバーに追加します。

  • Setup.com /role:Mailbox,HubTransport /UpdatesDir:"C:\Exchange2010\New Patches"

    このコマンドは、指定したディレクトリの修正プログラムを使用して ExchangeServer.msi を更新し、その後メールボックス サーバーの役割、ハブ トランスポート サーバーの役割、および管理ツールをインストールします。

  • Setup.com /mode:Install /role:Mailbox,HubTransport /DomainController:DC01

    このコマンドは、ドメイン コントローラー DC01 を使用して Active Directory への照会と変更を行いながら、メールボックス サーバーの役割、ハブ トランスポート サーバーの役割、および管理ツールをインストールします。

  • Setup.com /mode:Install /role:Mailbox /AnswerFile:c:\ExchangeConfig.txt

    このコマンドは、ExchangeConfig.txt ファイルの設定を使用して、メールボックス サーバーの役割をインストールします。

  • Setup.com /mode:Install /role:EdgeTranport /DoNotStartTransport

    このコマンドは、エッジ トランスポート サーバーの役割と管理ツールをインストールします。インストール後、Exchange は Microsoft Exchange Transport サービスを開始しません。

  • Setup.com /mode:Install /role:Mailbox,HubTransport /TargetDir:"C:\Exchange2010" /EnableLegacyOutlook

    このコマンドは、メールボックス サーバーの役割、ハブ トランスポート サーバーの役割、および管理ツールを C:\Exchange2010 ディレクトリにインストールします。このコマンドはまた、メールボックス サーバーにパブリック フォルダー データベースを作成します。

  • Setup.com /mode:Install /role:Mailbox,HubTransport /TargetDir:"C:\Exchange2010" /LegacyRoutingServer:Ex2003.contoso.com

    このコマンドは、メールボックス サーバーの役割、ハブ トランスポート サーバーの役割、および管理ツールを C:\Exchange2010 ディレクトリにインストールします。このコマンドはまた、ハブ トランスポート サーバーから指定されたレガシ Exchange サーバーへのルーティング グループ コネクタと、レガシ Exchange サーバーからハブ トランスポート サーバーへのルーティング グループ コネクタを作成します。

  • Setup.com /mode:Install /role:Mailbox,HubTransport /EnableErrorReporting

    このコマンドは、メールボックス サーバーの役割、ハブ トランスポート サーバーの役割、および管理ツールをインストールします。このコマンドはまた、エラー報告機能を有効にします。

  • Setup.com /mode:Install /role:ClientAccess /NoSelfSignedCertificates

    このコマンドは、クライアント アクセス サーバーの役割と管理ツールをインストールしますが、自己署名証明書を作成しません。

  • Setup.com /r:ET /AdamLdapPort:50390 /AdamSslPort:50640

    このコマンドは、エッジ トランスポート サーバーの役割と管理ツールをインストールし、LDAP にポート 50390、SSL にポート 50640 を使用するように Active Directory ライトウェイト ディレクトリ サービス (AD LDS) インスタンスを構成します。

  • Setup.com /rprs:Exchange03

    このコマンドは、Active Directory からオブジェクト Exchange03 を削除します。

  • Setup.com /mode:Install /languagepack:<"C:ExchangeLanguagePack"> /role:Mailbox,HubTransport

    このコマンドは、言語パック バンドルと、メールボックス サーバーの役割およびハブ トランスポート サーバーの役割をインストールします。

  • Setup.com /AddUmLanguagePack:ko-KR

    このコマンドは、韓国語のユニファイド メッセージング言語パックを %ExchangeSourceDir%\ServerRoles\UnifiedMessaging ディレクトリからインストールします。

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