ユーザーのユニファイド メッセージングの有効化

 

適用先: Exchange Server 2010 SP2, Exchange Server 2010 SP3

トピックの最終更新日: 2011-03-19

ユーザーのユニファイド メッセージング (UM) を有効にすると、ユーザーに UM プロパティの既定のセットが適用され、ユーザーはユニファイド メッセージング機能を使用できるようになります。ユーザーのユニファイド メッセージングを有効にするときには、そのユーザーにセッション開始プロトコル (SIP) アドレスまたは E.164 アドレスを追加するかどうかを選択できます。ただし、その場合にもユーザーの内線番号が構成されている必要があります。

この内線番号は、ユニファイド メッセージングの有効化ウィザードを使用して自動または手動で構成できます。内線電話番号、SIP Uniform Resource Identifier (URI)、E.164 ダイヤル プランに関連付けられている UM が有効な各ユーザーには、内線番号が必要です。内線番号は UM メールボックス ポリシーの UM ダイヤル プランで指定されているとおりの正しい桁数である必要があります。ユーザーが E.164 ダイヤル プランに関連付けられている場合、ユニファイド メッセージングの有効化ウィザードを使用することにより、ユーザーの E.164 アドレスを手動で構成できます。ユーザーを SIP URI や E.164 ダイヤル プランに関連付ける場合、そのユーザーの内線番号と SIP または E.164 アドレスを手動で入力する必要があります。

注意

ユーザーの Exchange ユニファイド メッセージング プロキシ アドレス (EUM アドレス) を追加、削除、または変更するには、ユーザーのメールボックス プロパティの [電子メール アドレス] タブで [EUM アドレス] メニュー項目を使用する必要があります。

UMが有効なユーザーに関連する他の管理タスクについては、「ユニファイド メッセージング ユーザーの管理」を参照してください。

前提条件

実行内容

  • EMC を使用してユーザーのユニファイド メッセージングを有効にする

  • シェルを使用してユーザーのユニファイド メッセージングを有効にする

EMC を使用してユーザーのユニファイド メッセージングを有効にする

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「ユニファイド メッセージングのアクセス許可」の「UM メールボックス」。

  1. コンソール ツリーで、[受信者の構成] をクリックします。

  2. 結果ウィンドウで、ユニファイド メッセージングを有効にするユーザーのメールボックスを選択します。

  3. 操作ウィンドウで、[ユニファイド メッセージングを有効にする] をクリックします。

  4. ユニファイド メッセージングの有効化ウィザードの [概要] ページで、次のフィールドに入力します。

    • [ユニファイド メッセージング メールボックス ポリシー]   このテキスト ボックスを使用して、ユーザーのメールボックスと関連付ける UM メールボックス ポリシーを選択します。

      UM メールボックス ポリシーでは、PIN ポリシー、ダイヤル制限、ユーザーに送信されるユニファイド メッセージング メッセージのメッセージ テキストなどの設定を定義します。UM が有効なユーザーそれぞれを、少なくとも 1 つの UM メールボックス ポリシーと関連付ける必要があります。ただし、UM が有効なユーザーは、1 つの UM メールボックス ポリシーとだけ関連付けることができます。

    • [Outlook Voice Access にアクセスするための PIN を自動的に生成する]   このボタンをクリックして、UM が有効なユーザーの PIN を自動的に生成します。これは既定の設定です。このオプションを選択すると、受信者と関連付けられた UM メールボックス ポリシーで構成された PIN ポリシーに基づいて、自動的に PIN が生成されます。ユーザーの PIN を保護するために、この設定を使用することをお勧めします。

    • [PIN を手動で指定する]   受信者がユニファイド メッセージング システムにアクセスするために使用する PIN を手動で指定するには、このボタンをクリックします。

      指定する PIN は、この受信者と関連付けられた UM メールボックス ポリシーで構成された PIN ポリシーの設定に従っている必要があります。たとえば、UM メールボックス ポリシーが 7 桁以上の PIN だけを受け付けるように構成されている場合、このテキスト ボックスに入力する PIN は 7 桁以上である必要があります。

    • [電話による最初のログオン時に、ユーザーに PIN のリセットを要求する]   このチェック ボックスをオンにして、ユーザーが電話からユニファイド メッセージング システムにアクセスしたときに、ユーザーにユニファイド メッセージング PIN をリセットさせます。

      データや受信トレイへの権限のないアクセスを防ぐために、UM が有効なユーザーが初めてログオンするときに PIN の変更を強制することは、セキュリティ上のベスト プラクティスです。これは既定の設定です。

  5. ユニファイド メッセージングの有効化ウィザードの [拡張構成] ページで、次のフィールドに入力します。

    • [メールボックスの内線番号を自動的に生成する]   ユーザーのメールボックスの内線番号を、Active Directory ディレクトリ サービスに指定された電話番号から自動的に生成し、フィールドに表示するには、このボタンをクリックします。既定では、この設定は有効になっています。このオプションは、ユーザーが SIP URI または E.164 ダイヤル プランに関連付けられている場合は無効になります。

      ユーザーの内線番号をこのフィールドに表示するためには、EMC でユーザーのプロパティの [アドレスおよび電話] タブにある "勤務先" フィールドに電話番号を入力します。また、Active Directory ユーザーとコンピューターを使用してユーザー アカウントの [全般] タブで "電話番号" フィールドを構成することにより、ユーザーの電話番号を構成することもできます。

      このオプションを選択すると、ユーザーに対して自動的に生成される内線番号は、選択した UM メールボックス ポリシーと関連付けられたダイヤル プランで指定された桁数に従います。たとえば、ダイヤル プランが 5 桁の内線番号を使用するように構成されている場合、ユニファイド メッセージング サーバーはユーザーの電話番号の最後の 5 桁を取り出してこのフィールドに表示します。通常、UM ダイヤル プランは 3 ~ 7 桁の内線番号を使用するように構成されます。

    • [メールボックスの内線番号を手動で入力する]   ユーザーのメールボックスの内線番号を手動で構成するには、このボタンをクリックします。

      このオプションを選択する場合は、ユーザーの内線番号を指定する必要があります。このオプションを選択する場合は、ユーザーの有効な内線番号を指定する必要があります。番号はダイヤル プランで指定された桁数と一致している必要があります。このフィールドは 1 ~ 20 桁の範囲の数字を格納するように構成できます。通常、内線番号は 3 ~ 7 桁で、UM メールボックス ポリシーと関連付けられたダイヤル プランで構成されます。

      既存のテレフォニー環境で内線番号が使用されている場合は、それらの内線番号と同じ桁数を指定する必要があります。指定する桁数は、UM メールボックス ポリシーが選択された後の既定の設定です。

    • [自動的に生成される SIP リソース識別子]   ユーザーのメールボックスの SIP リソース識別子または SIP アドレスを自動的に生成する場合は、このボタンをクリックします。Microsoft Office Communications Server 2007 を展開している場合は、Active Directory の msRTCSIP-PrimaryUserAddress 属性からユーザーの SIP アドレスが取得されます。この属性が入力されていない場合は、ユーザーのプライマリ SMTP アドレスが SIP アドレスに使用されます。既定では、たとえば tony.smith@contoso.com のように、この設定は有効になっています。

      このオプションは、ユニファイド メッセージングを有効にしているユーザーが SIP URI ダイヤル プランに関連付けられている場合にのみ使用可能です。E.164 ダイヤル プランに関連付けられているユーザーのメールボックスを構成している場合、このオプションは使用できません。

      SIP URI ダイヤル プランにユーザーを関連付ける場合、ユーザーのメールボックスの内線番号を手動で入力することも必要になります。この内線番号は、ユーザーが Outlook Voice Access を使用して Exchange 2010 メールボックスにアクセスするときに使用されます。このフィールドで構成する桁数は、SIP URI または E.164 ダイヤル プランで構成された桁数と一致する必要があります。

      このオプションは、ユーザーが内線電話番号ダイヤル プランに関連付けられている場合は使用できません。

    • [手動で入力された SIP リソース識別子]   ユーザーの SIP アドレスまたは E.164 アドレスを手動で入力する場合に、このボタンをクリックします。このオプションは、ユニファイド メッセージングを有効にしているユーザーが SIP URI または E.164 のダイヤル プランに関連付けられている場合に使用可能です。Communications Server 2007 を展開している場合は、Active Directory の msRTCSIP-PrimaryUserAddress 属性からユーザーの SIP アドレスが取得されます。この属性が入力されていない場合は、たとえば tony.smith@contoso.com のような、ユーザーのプライマリ SMTP アドレスが SIP アドレスに使用されます。このオプションは、ユーザーが電話内線ダイヤル プランに関連付けられている場合は有効になりません。

      ユーザーを E.164 ダイヤル プランと関連付けている場合は、ユーザーの E.164 アドレスを手動で入力する必要があります。入力された番号は、たとえば +14255551234 のように、正しい E.164 形式である必要があります・。

      SIP または E.164 のダイヤル プランにユーザーを関連付けている場合、ユーザーのメールボックス内線番号を手動で入力することも必要になります。この内線番号は、ユーザーが Outlook Voice Access を使用して Exchange 2010 メールボックスにアクセスするときに使用されます。このフィールドで構成する桁数は、SIP URI または E.164 ダイヤル プランで構成された桁数と一致する必要があります。

  6. [ユニファイド メッセージングの有効化] ページで構成設定を確認します。[有効にする] をクリックして、ユーザーのユニファイド メッセージングを有効にします。構成を変更するには、[戻る] をクリックします。

  7. [完了] ページで、ユーザーのユニファイド メッセージングが正常に有効になったかどうかを確認します。

    • [完了] の状態は、ウィザードでタスクが正常に完了したことを示します。

    • [失敗] の状態は、タスクが完了しなかったことを示します。タスクが失敗した場合は、説明の概要を確認し、[戻る] をクリックして構成を変更します。

  8. [完了] をクリックして、ユニファイド メッセージングの有効化ウィザードを完了します。

シェルを使用してユーザーのユニファイド メッセージングを有効にする

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「ユニファイド メッセージングのアクセス許可」の「UM メールボックス」。

この例は、tonysmith@contoso.com というメールボックスのユニファイド メッセージングを有効にし、ユーザーの内線番号と PIN を設定して、MyUMMailboxPolicy という UM メールボックス ポリシーをユーザーのメールボックスに割り当てます。

Enable-UMMailbox -Identity tonysmith@contoso.com -UMMailboxPolicy MyUMMailboxPolicy -Extensions 51234 -PIN 5643892 -PINExpired $true

この例は、tonysmith@contoso.com の SIP が有効なメールボックスのユニファイド メッセージングを有効にし、MyUMMailboxPolicy という UM メールボックス ポリシーを割り当てて、ユーザーの内線番号、SIP リソース識別子、および PIN を設定します。

Enable-UMMailbox -Identity tonysmith@contoso.com -UMMailboxPolicy MyUMMailboxPolicy -Extensions 51234 -PIN 5643892 -SIPResourceIdentifier "tonysmith@contoso.com" -PINExpired $true

構文およびパラメーターの詳細については、「Enable-UMMailbox」を参照してください。

その他のタスク

ユーザーのユニファイド メッセージングを有効にした後、次の操作も実行できます。

詳細情報

ユニファイド メッセージング ユーザーについて

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