メッセージングのポリシーと準拠に関する新機能

  • [アーティクル]

 

適用先: Exchange Server 2010 SP2

トピックの最終更新日: 2011-12-01

Microsoft Exchange Server 2010 にはメッセージングのポリシーと準拠に関する新機能があります。この機能によって、組織はメッセージの保持、個人情報の保護、および法令に基づくメッセージング レコード開示要求の実行に関する規則に準拠できます。

目次

メッセージング レコード管理

複数のメールボックスの検索

訴訟ホールド

Information Rights Management の保護

個人アーカイブ

トランスポート ルールの述語とアクション

メッセージング レコード管理

メッセージング レコード管理 (MRM) は Exchange のレコード管理テクノロジで、組織における電子メールおよびその他の通信に関連する法的リスクの軽減に役立ちます。Exchange 2010 では、次の新しい保持機能を使用して MRM が実行されます。

  • 保持タグ   保持タグは、メッセージとフォルダーにアイテム保持設定を適用するために使用します。保持タグには次の 3 種類があります。

    • 既定ポリシー タグ (DPT)

    • 保持ポリシー タグ (RPT)

    • 個人タグ

  • アイテム保持ポリシー   アイテム保持ポリシーは、メールボックスに適用可能な保持タグのグループです。

アイテム保持ポリシーを組織のメールボックスに適用すると、ユーザーの電子メールのワークフローまたは電子メールの組織の方法に影響を与えずに、メッセージ保持設定を適用できます。またユーザーは保持タグを使用して、保存要件に基づいてメッセージとフォルダーにタグ付けできます。Exchange Server 2007 の管理フォルダー機能では保存目的のためだけにメッセージをフォルダーに移動する必要がありましたが、この操作が不要となりました。

注意

Exchange 2007 で導入された MRM テクノロジである管理フォルダーは、Exchange 2010 でも使用できます。詳細については、「管理フォルダーについて」を参照してください。

Exchange 2010 のアイテム保持機能の詳細については、「保持タグおよびアイテム保持ポリシーについて」を参照してください。

メッセージング レコード管理

複数のメールボックスの検索

Exchange 2010 では、組織が (組織ポリシー、準拠の要件、訴訟の一環として) 法令に基づく証拠開示を要求された場合、複数のメールボックスの検索を使用して Exchange メールボックスにある関連コンテンツを検索できます。Exchange 2010 では、Exchange 組織全体のメールボックスにある電子メール コンテンツをシームレスに検索できます。

複数のメールボックスの検索の詳細については、「複数のメールボックスの検索について」を参照してください。

メッセージング レコード管理

訴訟ホールド

Exchange 2010 で検出の管理役割を割り当てられているユーザーは、複数のメールボックスの検索を使用してメールボックス コンテンツを検索し、開示要求に従うことができます。ただし、メールボックスを所有しているかアクセス許可を持っているユーザーはメッセージを削除できます。また、アイテム保持ポリシーや管理フォルダーのメールボックス ポリシーがメールボックスに適用されていると、管理フォルダー アシスタントによってメッセージが削除される可能性があります。

Exchange 2010 では、メールボックスに対して訴訟ホールドを有効にすることで、意図的な、ポリシーベースの、または偶発的なメッセージの削除から保護することができます。これにより、Exchange 検索によって削除されたメッセージにインデックスが付けられます。その結果、複数のメールボックスの検索を使用してメールボックスを検索した際に、これらのメッセージが返されます。メールボックスに対して訴訟ホールドが有効になると、メッセージに加えられた変更もすべて、異なるバージョンとして保存されます。

訴訟ホールドの詳細については、「訴訟ホールドについて」を参照してください。

メッセージング レコード管理

Information Rights Management の保護

重要なビジネス情報を保護することは、情報保護において重要です。多くの国、地域、および (金融サービスや医療などの) 各業界の規則では、組織が顧客や従業員から収集した個人情報を保護することが必要となっています。ほとんどの業務上の通信は電子メールで行われ、ユーザーも情報と文書の保管に電子メールを使用します。

このような重要情報を保護するため、Exchange 2010 には次の Information Rights Management (IRM) 機能があります。

  • Active Directory Rights Management サービス (AD RMS) 権利ポリシー テンプレートのサポート。

  • IRM で保護されたメッセージの添付ファイルの永続的な保護。

  • Outlook 保護ルールは、ルール条件に基づいて Microsoft Outlook 2010 の中でメッセージを保護します。

  • トランスポート ルールの条件に基づき、トランスポート保護ルールによってメッセージを保護する。

  • トランスポート解読によって、ハブ トランスポート サーバー上の IRM で保護されたメッセージを解読し、メッセージング ポリシーを適用する。

  • ジャーナルレポート解読によって、IRM で保護されたメッセージの解読済みコピーをジャーナル レポートに添付する。

  • Microsoft OfficeOutlook Web App での IRM のサポート。

  • ユニファイド メッセージングのボイス メール メッセージの IRM による保護。

IRM 機能の詳細については、「Information Rights Management について」を参照してください。

メッセージング レコード管理

個人アーカイブ

個人アーカイブによって、履歴メッセージング データの格納用に、代替の格納場所がユーザーに提供されます。Outlook 2010 および Outlook Web App を使用すると、ユーザーは個人用アーカイブにシームレスにアクセスできます。ユーザーはこれらのクライアント アプリケーションのいずれかを使用して、プライマリ メールボックスとアーカイブ間で、個人アーカイブの表示およびメッセージの移動またはコピーを行うことができます。またアーカイブ ポリシーを使用して、メッセージをプライマリ メールボックスからアーカイブに自動的に移動することもできます。

ユーザーは個人アーカイブを使用してメッセージング データを一貫表示し, .pst ファイルの管理に必要なユーザー オーバーヘッドをなくすことができます。.pst ファイルを使用しないことで、組織のさまざまなリスクを大幅に減らすことができます。

個人アーカイブの詳細については、「個人アーカイブについて」を参照してください。

メッセージング レコード管理

トランスポート ルールの述語とアクション

トランスポート ルールによって、ルールで指定された条件でメッセージが検査されます。例外の場合を除き、条件に合うメッセージに適用される指定のアクションがあります。Exchange 2010 には新しい述語およびアクションがいくつか含まれており、ルールを作成する際の柔軟性がさらに向上しています。詳細については、「トランスポート ルールの述語」と「トランスポート ルールのアクション」を参照してください。

また New-TransportRule コマンドレットと Set-TransportRule コマンドレットが拡張されているため、すべての述語とアクションを 1 つのコマンドで指定できます。これらのコマンドレットでは、すべての述語とアクションがパラメーターとして使用できます。これらのコマンドレットの詳細については、「New-TransportRule」および「Set-TransportRule」を参照してください。

メッセージング レコード管理

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