Windows Server バックアップを使用した Exchange データのバックアップと復元

 

適用先: Exchange Server 2010 SP2, Exchange Server 2010 SP3

トピックの最終更新日: 2010-11-01

Microsoft Exchange Server 2010 は、Exchange データのボリューム シャドウ コピー サービス (VSS) ベースのバックアップを作成できる Windows Server Backup を備えています。Windows Server Backup を使用して、Exchange データベースのバックアップと復元を行うことができます。バックアップする必要があるアイテム、バックアップの格納場所、およびバックアップの復元方法について完全に理解することは、Exchange の管理者にとって重要なことです。Exchange 2010 でバックアップする必要があるアイテムの詳細については、「バックアップ、復元、および障害復旧について」を参照してください。

新しいプラグインは WSBExchange.exe という実行可能プログラムの形式で提供されます。これは、Windows Server Backup の Microsoft Exchange サーバー拡張というサービスとして実行するように構成されています (このサービスの短い名前は WSBExchange です)。プラグインはすべての Exchange 2010 メールボックス サーバーに移動的にインストールされ、既定で手動で開始するように構成されます。プラグインは Windows Server Backup を有効にして、Exchange 対応の VSS バックアップを作成します。

注意

プラグインを使用するには、Windows Server Backup 機能がインストールされている必要があります。ただし、Windows Server Backup コマンドライン ツールをインストールする必要はありません。これらのツールは、Exchange 2010 と互換性がない古いバージョンの Windows PowerShell コマンドライン インターフェイスを必要とします。Windows Server Backup をインストールすると、WBAdmin.exe コマンドライン ツールもインストールされます。Windows コマンド プロンプト (cmd.exe) からこのコマンドライン ツールを実行できます。

Windows Server Backup を使用して Exchange サーバーをバックアップする方法の詳細については、「Windows Server バックアップを使用して、Exchange のバックアップを実行する」を参照してください。

Windows Server Backup で作成されたバックアップからデータを復元する方法の詳細な手順については、「Windows Server バックアップを使用して Exchange のバックアップを復元する」を参照してください。

Windows Server Backup を使用して Exchange データをバックアップする前に、プラグインの次の機能とオプションについて理解しておくことをお勧めします。

  • バックアップは VSS ベースのみです。プラグインの有無にかかわらず、Windows Server Backup を使用して、ストリーミング Extensible Storage Engine (ESE) バックアップを作成することはできません。

  • Windows Server Backup では、バックアップがボリューム レベルで作成されます。データベースと、データベースのログ ストリームをバックアップするには、そのデータベースとログが含まれているボリューム全体をバックアップする必要があります。すべてのデータは、そのデータが含まれているボリューム全体をバックアップしない限り、バックアップできません。

  • バックアップは、バックアップするサーバー上でローカルに実行する必要があります。また、プラグインを使用してリモート VSS バックアップを作成することはできません。Windows Server Backup またはプラグインのリモート管理機能はありません。ただし、リモート デスクトップまたはターミナル サービスを使用して、バックアップをリモートで管理できます。

  • バックアップは、ローカル ドライブまたはリモート ネットワーク共有に作成できます。

  • 完全バックアップのみを作成できます。ログの切り捨ては、Exchange データベースを含むボリュームまたはフォルダーの完全バックアップが正常に完了した後にのみ行われます。

  • データを復元する場合、復元できるのは Exchange データのみです。このデータは、元の場所または別の場所に復元できます。データを元の場所に復元する場合、Windows Server Backup とプラグインによって、既存データベースのマウント解除や回復したデータベースへのログの再生などの回復プロセスが自動的に処理されます。

  • 復元プロセスは回復用データベース (RDB) を直接サポートしていません。ただし、別の場所に復元する場合は、必要に応じて、回復したデータを別の場所から RDB に手動で移動できます。

  • Exchange データを復元するときには、バックアップしたすべてのデータベースをまとめて復元する必要があります。1 つのデータベースを復元することはできません。

データベース可用性グループに対する Windows Server バックアップの使用

バックアップ中のデータをホストしてるサーバーが、データベース可用性グループ (DAG) のメンバーで、アクティブ データベース コピーとパッシブ データベース コピーの両方をホストしている場合、Microsoft Exchange Replication service VSS writer を無効にする必要があります。Microsoft Exchange Replication Service VSS Writer が有効になっていると、バックアップ処理は失敗します。

Microsoft Exchange Replication Service VSS Writer を無効にするには、以下の手順を実行します。

  1. ローカルの管理者アクセス権を持つアカウントを使用してサーバーにログオンし、レジストリ エディター (regedit) を開始します。

    注意

    レジストリに誤った変更を加えると、オペレーティング システムの再インストールを必要とするような重大な問題を引き起こす場合があります。レジストリを誤って変更したことによる問題は、解決できないことがあります。レジストリを変更する前に、重要なデータをバックアップしてください。

  2. HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\ExchangeServer\v14\Replay\Parameters に移動します。

  3. EnableVSSWriter という名前の新しい DWORD 値を追加し、その値を 0 に設定します。

  4. レジストリ エディターを終了し、Microsoft Exchange Replication サービスを再起動します。

重要

後で Microsoft Exchange Replication Service VSS Writer が無効になっているサーバー上のパッシブなデータベース コピーをバックアップするために別のソリューションを使用する必要が生じた場合には、上記のレジストリ キーを削除して、Microsoft Exchange Replication サービスを再起動する必要があります。

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