リモート メールボックスの作成
適用先: Exchange Server 2010 SP2, Exchange Server 2010 SP3
トピックの最終更新日: 2011-03-19
Microsoft Exchange Server 2010 社内組織内に、クラウドベース サービス内の関連付けられたメールボックスを持つメールが有効なユーザーを作成するには、リモート メールボックスの新規作成ウィザードを使用します。
リモート メールボックスは、社内 Active Directory 内に存在するメールが有効なユーザーと、クラウドベース サービス内に存在する関連付けられたメールボックスによって構成されます。新しいリモート メールボックスを作成すると、メールが有効なユーザーが社内 Active Directory 内に作成されます。次に、ディレクトリ同期が構成されている場合、この新しいユーザー オブジェクトがクラウドベース サービスへ自動的に同期され、ユーザー メールボックスに変換されます。リモート メールボックスは通常のユーザー メールボックスとして、または会議室や備品用のリソース メールボックスとして作成できます。
サービス内にメールボックスを作成するには、ディレクトリ同期およびメール フローが正しく構成されている必要があります。メールボックスはサービス内にすぐには作成されず、ディレクトリ同期のスケジュールに応じて作成されます。
リモート メールボックスの詳細については、「Understanding Remote Mailboxes」を参照してください。
リモート メールボックスに関連する他の管理タスクについては、「ユーザーのメールボックスの管理」を参照してください。
EMC を使用してリモート メールボックスを作成する
この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「メールボックスのアクセス許可」の「リモート メールボックス」。
リモート メールボックスを作成するには、リモート メールボックスごとにこのウィザードを使用する必要があります。このウィザードを使用して複数のリモート メールボックスを作成することはできません。
コンソール ツリーで、[受信者の構成] をクリックします。
操作ウィンドウで、[リモート メールボックスの新規作成] をクリックします。
[概要] ページで、次のいずれかのオプションを選択します。
[ユーザー メールボックス] ユーザーが電子メール メッセージ送受信用に所有するリモート メールボックスをクラウドベース サービス内に作成するには、このボタンをクリックします。ユーザー リモート メールボックスをリソース スケジュール用に使用することはできません。
[会議室メールボックス] 会議スケジュール用の場所リソースとして使用するリモート メールボックスをクラウドベース サービス内に作成するには、このボタンをクリックします。会議室リモート メールボックスは会議出席依頼にリソースとして含めることができ、受信要求を自動的に処理するように構成できます。
[備品用メールボックス] 会議スケジュール用のリソースとして使用するリモート メールボックスをクラウドベース サービス内に作成するには、このボタンをクリックします。備品用リモート メールボックスは会議出席依頼にリソースとして含めることができ、受信要求を自動的に処理するように構成できます。
ベスト プラクティスとして、プロジェクターやオーディオ装置など、別の会議室に移動できる共有会議室装置に対しては、メールボックスを作成します。
[ユーザー情報] ページで、以下のフィールドに入力します。
[既定の組織単位の代わりに、On-Premiseの組織単位を指定します] 既定値 (受信者の範囲) 以外の組織単位 (OU) を選択するには、このチェック ボックスをオンにします。
[名] このボックスを使用して、ユーザーの名を入力します。このフィールドは省略可能です。
[イニシャル] このボックスを使用して、ユーザーのイニシャルを入力します。このフィールドは省略可能です。
[姓] このボックスを使用して、ユーザーの姓を入力します。このフィールドは省略可能です。
[名前] このボックスを使用して、ユーザーの名前を入力します。これは、Active Directory に示される名前です。既定では、このボックスに [名]、[イニシャル]、[姓] ボックスに入力する名前が格納されます。これらのボックスを使用しなかった場合は、このフィールドに名前を入力する必要があります。名前は 64 文字以下にする必要があります。
[ユーザー ログオン名 (ユーザー プリンシパル名)] このボックスを使用して、ユーザーがリモート メールボックスにログオンする際に使用する名前を入力します。ユーザー ログオン名は、ユーザー名とサフィックスから構成されます。一般的にサフィックスは、ユーザー アカウントが存在するドメイン名です。このフィールドは必須です。
[パスワード] このボックスを使用して、ユーザーがリモート メールボックスにログオンする際に必要なパスワードを入力します。
注意
作成するユーザー アカウントが属するドメインでのパスワードの長さ、複雑さ、および履歴に関する要件を満たすパスワードを指定してください。
[パスワードの確認入力] このボックスを使用して、[パスワード] ボックスに入力したパスワードを確認します。
[ユーザーは次回のログオン時にパスワード変更が必要] リモート メールボックスに初めてログオンする際、パスワードをユーザーに再設定するように求める場合は、このチェック ボックスをオンにします。
このチェック ボックスをオンにした場合は、新しいユーザーが初めてログオンすると、パスワードの変更を求めるダイアログ ボックスが表示されます。このパスワードが正常に変更されるまで、ユーザーはどのような作業も実行できません。
アーカイブ メールボックスをクラウドベース サービス内のリモート メールボックスへリンクする場合は、[アーカイブ メールボックス] ページの [アーカイブ メールボックスを追加する] チェックボックスをオンにします。アーカイブ メールボックスは、クラウドベース サービス内にも作成されます。リモート メールボックス用のアーカイブ メールボックスを作成すると、既定のアイテム保持ポリシー設定または定義されているアイテム保持ポリシー設定に基づいて、メールボックス アイテムがプライマリ ユーザー メールボックスからアーカイブへ自動的に移動します。詳細については、「個人アーカイブについて」を参照してください。
[リモート メールボックスの新規作成] ページで、構成設定を確認します。構成を変更するには、[戻る] をクリックします。新しいリモート メールボックスを作成するには、[新規作成] をクリックします。
[完了] ページで以下のことを確認し、[終了] をクリックしてウィザードを終了します。
[完了] の状態は、ウィザードでタスクが正常に完了したことを示します。
[失敗] の状態は、タスクが完了しなかったことを示します。タスクが失敗した場合は、説明の概要を確認し、[戻る] をクリックして構成を変更します。
シェルを使用して 1 つのリモート メールボックスを作成する
この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「メールボックスのアクセス許可」の「リモート メールボックス」。
この例では、ユーザー Chris Ashton 用として、社内 Active Directory 内にメールが有効なユーザーを作成し、関連付けられたリモート メールボックスをクラウドベース サービス内に作成します。このユーザーの詳細は次のとおりです。
リモート メールボックスのエイリアスは Chris です。
ユーザーの名は Chris、姓は Ashton です。
名前および表示名は Chris Ashton です。
ユーザー プリンシパル名 (UPN) は ChrisAshton@contoso.com です。
社内組織単位の Users コンテナー内にメールが有効なユーザーが作成されます。
New-RemoteMailbox -Alias chris -Name "Chris Ashton" -FirstName Chris -LastName Ashton -DisplayName "Chris Ashton" -UserPrincipalName ChrisAshton@contoso.com -OnPremisesOrganizationalUnit Users
RemoteRoutingAddress パラメーターを指定していないため、クラウドベース サービス内のリモート メールボックスの SMTP アドレスは Exchange によって自動的に計算されます。これは、社内組織とクラウドベース サービスの間にメール フローが構成されていることが前提になっています。また、この例では、ディレクトリ同期が構成されていることも前提になっています。
この例では、3 階会議室用のメールボックスを作成します。この会議室の詳細は次のとおりです。
会議室のリモート メールボックスのエイリアスは 3rdfloorconf です。
名は 3rd Floor、姓は Conference Room です。
名前および表示名は 3rdFloor Conference Room です。
UPN は 3rdfloorconf@contoso.com です。
社内組織単位の Room コンテナー内にメールが有効なユーザーが作成されます。
New-RemoteMailbox -Alias 3rdfloorconf -Name "3rdFloor Conference Room" -FirstName "3rd Floor" -LastName "Conference Room" -DisplayName "3rdFloor Conference Room" -UserPrincipalName 3rdfloorconf@contoso.com -OnPremisesOrganizationalUnit Conference -Room
RemoteRoutingAddress パラメーターを指定していないため、クラウドベース サービス内のリモート メールボックスの SMTP アドレスは Exchange によって自動的に計算されます。これは、社内組織とクラウドベース サービスの間にメール フローが構成されていることが前提になっています。また、この例では、ディレクトリ同期が構成されていることも前提になっています。
シェルを使用して既存ユーザーのメールを有効にする
この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「メールボックスのアクセス許可」の「リモート メールボックス」。
この例では、社内ユーザー john@contoso.com のメールを有効にし、関連付けられたリモート メールボックスをクラウドベース サービス内に作成します。
Enable-Mailbox john@contoso.com
Enable-RemoteMailbox コマンドレットを使用して複数のユーザーのメールを有効にし、それらのユーザーのリモート メールボックスをクラウドベース サービス内に作成することもできます。これを行うには、パイプ処理することにより Get-User コマンドレットの結果を Enable-RemoteMailbox コマンドレットへ渡します。Get-User コマンドレットを実行する場合は、まだメールが有効化されていないユーザーのみを返す必要があります。これには、RecipientTypeDetails パラメーターに値 User を指定する必要があります。また、指定する基準を満たすユーザーのみを要求する Filter パラメーターを使用することによって、返される結果を制限することもできます。その結果をパイプ処理することにより Enable-RemoteMailbox コマンドレットへ渡します。
たとえば、このコマンドによって、まだメールが有効でないユーザーのうち "会社名" ユーザー フィールドにテキスト "Contoso" が含まれるユーザーのメールを有効にします。
Get-User -RecipientTypeDetails User -Filter { Company -Eq 'Contoso' } | Enable-RemoteMailbox
RemoteRoutingAddress パラメーターを指定していないため、クラウドベース サービス内のリモート メールボックスの SMTP アドレスは Exchange によって自動的に計算されます。これは、社内組織とクラウドベース サービスの間にメール フローが構成されていることが前提になっています。また、これらの例では、ディレクトリ同期が構成されていることも前提になっています。
パイプライン処理の詳細については、「パイプライン処理」を参照してください。
その他のタスク
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