管理フォルダーの移植

  • [アーティクル]

 

適用先: Exchange Server 2010 SP2, Exchange Server 2010 SP3

トピックの最終更新日: 2015-03-09

Exchange Server 2007 で導入された管理フォルダーおよびメッセージング レコード管理 (MRM) 機能は、Microsoft Exchange Server 2010 では、アイテム保持ポリシーおよび新しい Exchange 2010 MRM 機能に置き換えられています。管理フォルダーの移植ウィザードを使用すると、管理フォルダーを保持タグに移植して、管理フォルダーと同じ保持設定を維持できます。

考慮事項

管理フォルダーを保持タグに移植する場合は、以下を考慮してください。

  • 管理フォルダーには、管理コンテンツ設定が関連付けられています。これらの設定を使って、保持の有効期限、保存期間用のアクション、メッセージの種類など、ユーザーのメールボックス内のアイテムのライフ サイクルを制御します。この場合のメッセージの種類とは、電子メール メッセージ、予定、会議出席依頼、ボイス メールといったメッセージの種類のことです。

  • 管理フォルダーでは、異なるメッセージ クラスが関連付けられた複数の管理コンテンツ設定を使用できます。

  • 以下の保持タグでは、異なるメッセージ クラスはサポートされません。

    • アイテム保持ポリシー タグ (RPT)。受信トレイや削除済みアイテムなどの既定フォルダーに適用されます。

    • 個人タグ。Microsoft Outlook 2010 および Microsoft Office Outlook Web App ユーザーが、カスタム フォルダーや個別のメッセージに適用するために使用できます。

  • 既定ポリシー タグ (DPT)。メールボックス全体に適用されます。Voicemail メッセージ クラスがサポートされるのは、この保持タグのみです。また、アスタリスク (*) 記号が指定されている場合は、All メッセージ クラスもサポートされます。

  • 移植する管理フォルダーに異なるメッセージ クラスのための複数の管理コンテンツ設定がある場合、保持タグは 1 つだけ作成され、移植されたタグの保存期限には、管理コンテンツ設定のメッセージ クラスとは関係なく、すべての管理コンテンツ設定の中で一番後の保存期限が使用されます。

    たとえば、管理フォルダー Corp-DeletedItems の次の管理コンテンツ設定を確認します。

    管理コンテンツ設定 メッセージ クラス 保存期限 保存期間用のアクション

    CS-DeletedItems

    *

    60

    完全に削除

    CS-DeletedItems-Voicemail

    Voicemail

    14

    完全に削除

    CS-DeletedItems-Fax

    Fax

    120

    削除して回復を許可する

    管理フォルダー Corp-DeletedItems を保持タグ Ported-DeletedItems に移植した場合、タグの設定は次のようになります。

    保持タグ メッセージ クラス 保存期限 保存期間用のアクション

    Ported-DeletedItems

    *

    120

    (移植される管理フォルダーに関連付けられているすべての管理コンテンツ設定の中で一番後の保存期限)

    削除して回復を許可する

  • 既定では、種類が All の管理された既定フォルダーが DPT に移植されます。

  • All 以外のフォルダーの種類のうち、既定の管理フォルダーは RPT に移植されます。

  • 管理されたカスタム フォルダーは個人タグに移植されます。

  • 管理フォルダーの移植によって作成された保持タグは、LegacyManagedFolder プロパティに管理フォルダーの名前を含みます。保持タグを移植または作成した後、タグをアイテム保持ポリシーへリンクし、そのポリシーをメールボックスに適用する必要があります。管理フォルダー アシスタントでメールボックスを処理し、移植された保持タグに一致する管理フォルダーが見つかった場合、アシスタントによって保持タグが管理フォルダーに適用されます。このようにするには、移植された保持タグがユーザーのアイテム保持ポリシーにリンクされている必要があります。

MRM に関連する他の管理タスクについては、「メッセージング レコード管理の展開」を参照してください。

実行内容

  • EMC を使用して管理フォルダーを移植する

  • シェルを使用して管理フォルダーを移植する

EMC を使用して管理フォルダーを移植する

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「メッセージングのポリシーと準拠のアクセス許可」の「メッセージング レコード管理」。

  1. [組織の構成] > [メールボックス] に移動します。　

  2. 操作ウィンドウで、[管理フォルダーからタグへのポート] をクリックします。

  3. [概要] ページで、以下のフィールドに入力します。

    • [タグ名]   このボックスを使用して、新しい保持タグの名前を入力します。この名前の最大の長さは、64 文字です。

    • [アップグレードする管理フォルダーを選択する]** [参照]** をクリックして、移植する管理フォルダーを選択します。

    • [コメント]   このボックスには、Outlook でユーザーに表示されるコメントを入力します。たとえば、そのフォルダーで MRM が有効になっていることをユーザーに知らせるには、"メッセージは 120 日後にこのフォルダーから削除されます" のようなメッセージを入力することができます。このコメントの長さの上限は 255 文字です。ローカライズされたコメントを構成するには、Set-RetentionPolicyTag コマンドレットを使用します。

  4. [完了] ページで以下のことを確認し、[終了] をクリックしてウィザードを終了します。

    • [完了] の状態は、ウィザードでタスクが正常に完了したことを示します。

    • [失敗] の状態は、タスクが完了しなかったことを示します。タスクが失敗した場合は、説明の概要を確認し、[戻る] をクリックして構成を変更します。

シェルを使用して管理フォルダーを移植する

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「メッセージングのポリシーと準拠のアクセス許可」の「メッセージング レコード管理」。

この例では、管理フォルダー MF-Corp-DeletedItems を保持タグ Tag-Corp-DeletedItems に移植します。

New-RetentionPolicyTag -Name 'Tag-Corp-DeletedItems' -ManagedFolderToUpgrade 'MF-Corp-DeletedItems'

構文およびパラメーターの詳細については、「New-RetentionPolicyTag」を参照してください。

その他のタスク

管理フォルダーを移植した後で、次のタスクも実行できます。

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