Exchange 2007 ハイブリッド展開での Free/Busy 情報の共有について

 

適用先: Exchange Server 2010 SP2, Exchange Server 2010 SP3

トピックの最終更新日: 2015-03-09

ハイブリッド展開の大きなメリットの 1 つとして、社内組織ユーザーと Exchange Online 組織ユーザーの間で空き時間 (予定表の空き時間) 情報を共有できることが挙げられます。両方の組織のユーザーは、あたかも物理的に同じ組織内にいるかのように、互いの予定表を閲覧することができます。これにより、会議やリソースを簡単にしかも効率的にスケジューリングできます。

Exchange 2007 展開において空き時間情報の共有機能を有効にするには、ハイブリッド展開において次のようないくつかのコンポーネントが必要になります。

  • フェデレーションの信頼   社内組織と Microsoft Office 365 サービス組織の両方で、Microsoft Federation Gateway とのフェデレーションの信頼を確立しておく必要があります。フェデレーションの信頼関係は、Exchange 組織向けのパラメーターを定義する Microsoft Federation Gateway と 1 対 1 の関係にあります。ゲートウェイはこれらのパラメーターを使用して、社内組織と Office 365 サービス組織の間の信頼を仲介し、社内組織ユーザーと Exchange Online 組織ユーザー間の空き時間情報を交換します。

    ゲートウェイを使用したフェデレーションの信頼関係は、Office 365 サービス組織でアカウントが作成されたときに、既定で自動的に設定されます。ハイブリッド構成の管理ウィザードが、社内組織の Microsoft Federation Gateway との既存のフェデレーション信頼が存在するかどうかを自動的に確認します。存在する場合は、既存のフェデレーション信頼がハイブリッド展開のサポートに使用されます。存在しない場合、ウィザードは社内組織の Microsoft Federation Gateway とのフェデレーションの信頼を作成しますまた、ウィザードは、ハイブリッド構成の管理ウィザード内で選択されたすべてのドメインを社内組織のフェデレーションの信頼に追加します。

    詳細情報:フェデレーション委任について

  • 組織上の関係   組織上の関係は、社内組織と Exchange Online 組織の両方に必要で、ハイブリッド構成の管理ウィザードによって自動的に構成されます。組織で共有される空き時間情報のレベルは、組織上の関係によって定義されます。

    規定では、空き時間データの共有アクセス レベルは、社内組織と Exchange Online 組織の両方で [時刻、件名、場所を指定して空き時間情報にアクセス] に設定されています。社内組織ユーザーと Exchange Online 組織ユーザー間の空き時間データの共有アクセスを変更する場合は、ハイブリッド構成の管理ウィザードの終了後に組織上の関係を手動で設定できます。

    詳細情報:フェデレーション委任について

ハイブリッド展開するように組織を構成する場合、空き時間予定表の共有アクセス権限は、どのシナリオでも、ハイブリッド構成の管理ウィザードによって自動的に構成されます。Microsoft Federation Gateway を使用してフェデレーションの信頼を作成することと、社内組織と Exchange Online 組織の組織上の関係を構成することは、ハイブリッド展開の要件です。ハイブリッド展開において社内組織ユーザーと Exchange Online 組織ユーザー間で空き時間情報の共有を有効にしない場合は、ハイブリッド構成の管理ウィザードの終了後に、シェルと Set-HybridConfiguration cmdlet を使用して空き時間情報の共有を手動で無効にすることができます。

次の表に示すハイブリッド展開での機能は、フェデレーションの信頼と組織上の関係に応じて異なります。

メッセージの範囲 機能

電子メール クライアント

  • メッセージ追跡

  • メール ヒント

  • 複数のメールボックスの検索

トランスポート

  • メールボックスの移動

  • セキュリティで保護された組織内のメッセージ配信

準拠

  • Exchange Online Archiving

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