Outlook 2010 での変更点

 

適用先: Office 2010

トピックの最終更新日: 2017-01-19

Microsoft Office Outlook 2007 から Microsoft Outlook 2010 での変更により、移行時の検討事項が影響を受ける場合があります。この記事では変更点の一覧を示します。Office Outlook 2003 からアップグレードする場合は、「Outlook 2007 での変更点」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=160240\&clcid=0x411) および「Outlook 2007 での移行に関する考慮事項」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=162899\&clcid=0x411) も参照してください。

この記事の内容


  • 新機能


  • 変更された機能


  • 削除された機能


  • 移行時の検討事項

新機能

ここでは、Outlook 2013 の新機能について説明します。

64 ビット版

Microsoft Office 2010 では、Outlook の 32 ビット版と 64 ビット版を使用できるようになりました。どちらの Outlook を使用するかは、Windows オペレーティング システムのエディション (32 ビットまたは 64 ビット)、およびコンピューターに既に Office がインストールされている場合は 32 ビット版と 64 ビット版のどちらの Office 2010 がインストールされているかに依存します。Office を同じコンピューターにインストールする場合は、Outlook のビット版を、常に Office 2010 と同じビット版にします。詳細については、「64 ビット版の Office 2010」を参照してください。

環境内に Outlook オブジェクト モデルを使用する MAPI アプリケーション、アドイン、または VBA マクロがある場合は、アプリケーションのビット版は、インストールされている Outlook 2013 のバージョンと同じにする必要があります。詳細については、「64 ビット版の Office 2010」の「Outlook 用の MAPI アプリケーションに関する考慮事項」および「Developing Outlook 2010 Solutions for 32-Bit and 64-Bit Systems (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=208699\&clcid=0x411) (英語) を参照してください。

Bitness レジストリ キー

Outlook 2013 をインストールすると、Outlook 2013 のインストールが 32 ビット版または 64 ビット版のどちらであるかを示す "Bitness" というレジストリ キーが設定されます。組織内で、Outlook 2013 がどちらでインストールされているかを調べるために、コンピューターを監査する管理者に便利な機能です。


  • レジストリ パス: HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Office\14.0\Outlook


  • レジストリ キー: Bitness


  • 値: x86 または x64

64 ビット版の Microsoft Office 2010 の詳細については、「64 ビット版の Office 2010」を参照してください。

会議出席依頼の予定表プレビュー

Microsoft Outlook では、会議出席依頼に予定表のプレビューが表示されます。予定表プレビュー機能では、予定表に目的の会議のほか、競合する会議や隣接する会議も表示されます。定期的な会議への会議出席依頼を表示するときには、予定表プレビュー機能を使用して一連の会議インスタンス間を移動できます。

スレッド アクション

Outlook 2013 は、ユーザーが受信ボックスをより効果的に管理できるように、いくつかの新機能を備えています。その 1 つとして、[無視] および [クリーンアップ] コマンドがあります。リボン上の [無視] ボタンを使用すると、ある特定のスレッドとそのスレッドに対する今後の返信をすべて、[削除済みアイテム] フォルダーに直接移動できます。また、[クリーンアップ] ボタンを使用すると、最新のメッセージは残したまま、スレッド内の余分な古いメッセージを [削除済みアイテム] フォルダーに移動できます。

複数の Exchange アカウント

Outlook 2013 は、同時に複数の Exchange アカウントに接続できます。Exchange アカウントは、同じドメインやサーバーに属していても、異なるドメインやサーバーに属していてもかまいません。

Outlook Social Connector

Outlook Social Connector は、友人、プロファイル、アクティビティ、状態に関する情報など、ソーシャル ネットワーク データをソーシャル ネットワークから Outlook 2013 に取得するアドインです。電子メール メッセージの下部にある人物情報ウィンドウに、送信者の写真、名前、役職などの情報が表示されます。また、会議や添付ファイルを含む、そのユーザーとのコミュニケーション履歴のほか、ソーシャル ネットワークから取得したアクティビティ フィードも閲覧できます。詳細については、「有効化またはカスタマイズする Outlook 2010 機能を決定する」の「Outlook Social Connector」セクションおよび Outlook Social Connector 1.1 プロバイダーのリファレンス情報 (英語) (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=208703\&clcid=0x411) (英語) を参照してください。

クイック操作

クイック操作は、ワンクリックで複数の操作を同時に実行できるボタンです。独自のクイック操作を作成すると、電子メールの管理を一度のクリック操作で実行できます。

移動オートコンプリート リスト

受信者オートコンプリート リストは、Exchange Server に保存されるようになりました。ユーザーの受信者オートコンプリート リストは、同じ Exchange アカウントに接続された Outlook 2013 を実行する任意のコンピューターから使用できます。新しいインライン Delete 関数を使用すると、リストから名前を簡単に削除できます。

リボン

Outlook メイン ウィンドウのメニューとツール バーは、Microsoft Office Fluent ユーザー インターフェイス (UI) の一部であるリボンに置き換えられました。リボンの各タブはカスタマイズでき、独自に作成したタブに置き換えることもできます。[ファイル] タブの [オプション] メニューから新しいタブを作成して、お気に入りのコマンドやグループを 1 つにまとめることができます。また、組織の要件を満たすように既存のタブをカスタマイズすることもできます。

Office Communicator 2007 R2、Office Communications Server 2007 R2、Lync 2010、Lync Server 2010 で使用できる機能

Microsoft Lync 2010 (以前の Microsoft Lync) との統合が以前のバージョンの Outlook より強化されているため、Outlook 2013 からライブ会話を開始できます。名前の上にマウス カーソルを移動してユーザーの状態を確認した後に、インスタント メッセージング、音声、またはビデオを利用して会話をすぐに、直接開始します。

Microsoft Exchange Server 2010 で使用できる機能

次の機能は、Microsoft Exchange Server 2010 と Outlook 2013 で使用できます。

  • 予定表機能   組織と外部パートナーの間で、フェデレーション信頼関係を確立して、空き時間情報、予定表、または連絡先を共有できるようになりました。フェデレーションは、信頼関係の基盤を構築するアーキテクチャで、Exchange 組織間や構内組織間で、情報共有を安全かつ容易に実施できます。また、Outlook 予定表の新しいグループ スケジュール ビューを使用すると、複数の予定表を横一列ではなく、縦一列に表示したり、使用頻度の高い予定表グループを 1 か所から保存できます。グループ スケジュール ビューは、グループのスケジュールを表示したり、グループの会議のスケジュールを作成したりしやすいように最適化されています。

  • 電話応答およびルーティングのルール   Exchange Server 2010 のユニファイド メッセージングを使用すると、発信者番号と連絡先情報に基づいて、発信者別または発信者グループ別に、電話応答およびルーティングのルールを作成できます。

  • 権限管理の一元化   送信電子メールに対して、コンテンツや受信者に基づいて Information Rights Management ポリシーを自動的に適用するルールを設定できます。

  • 電子メール アーカイブの統合   Outlook 2013 と Exchange Server 2010 では、個人用アーカイブ機能を使用できます。この機能を使用すると、個人用フォルダー ファイル (.pst) を使用する必要がなく、組織のメッセージング データの制御を回復できます。.pst ファイルと同様、個人用アーカイブ機能もユーザーのプライマリ メールボックスのサイズには影響しません。ただし, .pst ファイルとは異なる点として、電子メール アーカイブ フォルダーはオンラインで保存されているため、ユーザーは Microsoft Outlook Web アプリケーションを使用するか、別のコンピューターから Outlook 2013 を使用して、アーカイブされているファイルにアクセスできます。これらのどちらかのクライアント アプリケーションを使用して、アーカイブ メールボックスを表示し、プライマリ メールボックスとアーカイブの間でメッセージを移動またはコピーできます。

  • メール ヒント   この機能は、電子メールについての一般的なミスを回避する構成可能な警告システムです。電子メールを作成したときに、余分な情報が含まれていると、その情報が表示されます。メール ヒントは情報バーに表示されます。これは、バナーに "このメッセージはまだ送信されていません。" と表示されるのに似ています。メール ヒントによって電子メール メッセージの送信が妨げられることはありません。ただし、メッセージの配信や対象ユーザーについて予期せずに発生する現象が明らかになります。たとえば、受信者が有効であるかどうか、受信者は組織外のユーザーであるかどうか、受信者は外出中であるかどうか、配布リストのサイズが異常に大きくなっていないかどうか、メッセージが配信されていない可能性がないかどうかがわかります。

  • 保護されたボイス メール   この機能を使用すると、ユーザーのメールボックスに暗号化されたボイス メールを送信できます。保護されたボイス メッセージは、転送されないように "プライベート" に設定できます。

  • Exchange ActiveSync を利用したテキスト メッセージング   Windows Mobile 6.5 から Windows Phone 7 までの電話またはブラウザー対応携帯電話は、Exchange ActiveSync (待ち時間が長く、帯域幅が狭いネットワークで機能するように最適化された同期プロトコル) を使用してテキスト メッセージにアクセスできます。

  • ボイス メールのプレビュー   Microsoft 音声テクノロジにより、ボイス メール メッセージは、ユーザーが電子メールで受信するテキストやテキスト メッセージに変換されます。

Microsoft Exchange Server 2010 の詳細については、「Microsoft Exchange 2010」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=163579\&clcid=0x411) および「Exchange 2010 の新機能」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=164425\&clcid=0x411) を参照してください。

変更された機能

ここでは、Outlook 2013 での機能変更についてまとめます。

アドインの復元

アドインの復元は Outlook 2013 プラットフォームの重要な機能です。アドインの復元とは、Outlook がアドインを読み込む前と後で、Outlook が実行と応答を継続的に正しく行うことを意味します。Outlook は、接続されたアドインの一覧を Windows イベント ログに書き込み、接続されたアドインごとにアドインの起動時間を記録します。また、Outlook は、イベントのコールバック中にアドインがクラッシュすると Windows イベント ログに書き込みます。ユーザー操作によって Outlook アプリケーションが閉じられるときにアドインによって Outlook のパフォーマンスに悪影響が及ぶことを回避するために、Outlook は新しい高速シャットダウン プロセスを使用します。新しいシャットダウン プロセスの詳細については、「Outlook 2010 でのシャットダウンの変更」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=203255\&clcid=0x411) を参照してください。

スレッド ビュー

Outlook 2013 のスレッド ビューが変更されました。スレッド ビューには、Microsoft Outlook フォルダー内の電子メール メッセージがスレッド表示されます。Outlook 2013 でスレッド ビューにアクセスするには、[表示]、[スレッド]、[スレッドとして表示] を順にクリックします。ユーザーは、この強化されたスレッド ビューを使用して、膨大な量の受信電子メール メッセージを処理したり、情報の過剰な負荷を軽減したりできます。また、電子メールについてユーザーの生産性を高めることもできます。

IMAP サポートの強化

Outlook 2013 では、IMAP アカウントを以前のバージョンより簡単に設定できるようになりました。Outlook 2013 に新しいアカウントを追加すると、Web メール アカウントの自動構成によって、IMAP をサポートする Web メール アカウント (Google Gmail など) についてアカウントの種類が IMAP に設定されます。これは既定で行われます。ユーザーは、これを POP3 に変更することもできます。そのためには、[新しいアカウントの追加] ダイアログ ボックスで [自分で電子メールを設定する (手動設定)] を選択します。

Outlook 2013 では、IMAP アカウントの削除および送信操作も強化されています。IMAP アカウント用に [削除済みアイテム] フォルダーが別に用意されています。また、Office Outlook 2007 では [送信済みアイテム] フォルダーが必要でしたが、Outlook 2013 では不要です。これは、他の電子メール アカウントの種類に対する Outlook の動作と一致しています。

Outlook 2013 と Office Outlook 2007 SP2 では、Outlook の IMAP ユーザーに対する応答性が向上しています。メッセージのオンデマンド ダウンロードは、バックグラウンドで行われるようになりました。

パフォーマンスの向上

Outlook 2013 の起動および終了が Office Outlook 2007 より迅速になりました。Outlook 2013 のパフォーマンス全体が Office Outlook 2007 より向上しています。

メニューとコマンド

  • Alt キーボード ショートカットOutlook 2013 へのリボンの導入に伴い、Alt キーボード ショートカットが変更されました。Alt キーを押すと、コマンド キー ヒントが表示されます。

  • [フォルダー デザインのコピー] [フォルダー デザインのコピー] コマンドは、リボンの [表示] タブの [現在のビューを他のメール フォルダーに適用する] に置き換えられました。

  • [現在のビュー] ウィンドウと [整理] ウィンドウ   Outlook 2013 では、[連絡先]、[タスク]、[メモ] のナビゲーション ウィンドウから、[現在のビュー] ウィンドウが削除されました。また、Office Outlook 2007 では [ツール] メニューの [整理] をクリックすると表示されていた [整理: 受信トレイ] ウィンドウも、Outlook 2013 では削除されました。ビューの変更と書式設定は、リボンの [表示] タブの機能を使用して行うことができます。

  • [移動] メニュー   Office Outlook 2007 の [移動] メニューのコマンドは、ナビゲーション ウィンドウの機能と重複していました。[移動] に表示されていたキーボード ショートカットは現在も有効であり、ナビゲーション ウィンドウの各ボタンのヒントとして表示されます。たとえば、Ctrl+1 キーで [メール]、Ctrl+2 キーで [予定表]、Ctrl+3 キーで [連絡先]、Ctrl+4 キーで [タスク] の各ウィンドウに移動できます。

  • [会議の計画]   Office Outlook 2007 の予定表ビューの [アクション] メニューから表示されていたこのダイアログ ボックスは、予定表ビューのリボンの [ホーム] タブの [グループ スケジュール] コマンドに置き換えられました。

  • [グループ スケジュールの表示]   Office Outlook 2007 の予定表ビューの [アクション] メニューから表示されていたこのダイアログ ボックスは、リボンの [ホーム] タブの [予定表の管理] セクションおよび予定表ビューのナビゲーション ウィンドウにある各コマンドで置き換えられました。リボンの [予定表グループ] オプションで、[新しい予定表グループの作成] をクリックすると予定表グループを作成でき、[新しい予定表グループとして保存] をクリックすると現在表示している予定表を保存できます。ナビゲーション ウィンドウでは、表示する予定表グループを選択でき、グループを右クリックすると、[グループ名の変更]、[グループの削除]、および [新しい予定表グループ] の各コマンドを表示できます。

パブリック フォルダーで既定で禁止されるスクリプト

既定では、パブリック フォルダーにはスクリプトを格納できません。これはセキュリティのための手段です。この既定の設定を変更する場合は、[セキュリティ センター] で [パブリック フォルダー内でスクリプトを許可する] オプションを有効にできます。

[パブリック フォルダー内でスクリプトを許可する] オプションを有効にするには

  1. [ファイル] メニューの [オプション] をクリックします。

  2. [セキュリティ センター] をクリックします。

  3. [セキュリティ センターの設定] をクリックします。

  4. [セキュリティ センター] ダイアログ ボックスで、[電子メールのセキュリティ] をクリックします。

  5. [フォルダー内のスクリプト] で、[パブリック フォルダー内でスクリプトを許可する] チェック ボックスをオンにします。

  6. [OK] をクリックして [セキュリティ センター] ダイアログ ボックスを閉じ、[OK] をクリックして [Outlook のオプション] ダイアログ ボックスを閉じます。

検索ツール

Outlook 2013 では、大量の電子メール、予定表アイテム、および連絡先ファイルを容易に検索および管理できます。新しい Outlook 2013 リボンの [検索] タブには、検索結果の絞り込みを容易にする検索フィルター オプションが表示されます。また、[すべてのサブフォルダー] を選択すると、検索範囲を簡単に変更できます。[件名]、[添付ファイルあり]、[未読] など、後で検索フィルター ボタンを使用して検索を調整できます。また、詳細検索を実行することも、最近実行した検索を表示して再度実行することもできます。

Outlook 2010 と Exchange Server 2010 の連携で強化された機能

Outlook 2013 は、次の点でも強化されています。これらは Exchange Server 2010 を通じて使用できる機能です。

  • 予定表の信頼性の向上   Outlook 2013 と Exchange Server 2010 のロジックが強化され、Office Outlook 2007 より予定表の信頼性が向上しています。強化された点として、たとえば、サーバーとクライアントで更新されたアイテムのバージョンが異なる場合に、オンライン モードで競合を解決できます。また、定期的な会議の複数のインスタンスを個別に変更することもできます。

    Exchange Server 2010 には、予定表修復アシスタント (CRA) が導入されています。CRA は、単独の会議アイテムと定期的な会議アイテムで発生する矛盾点を自動的に検出して訂正します。これは、Microsoft Exchange メールボックス アシスタント サービスが実行される Exchange Server 2010 メールボックス上のメールボックスを対象とした処理です。

  • 保持および法令遵守機能の強化   メッセージやフォルダーに保持ポリシーを適用できます。このポリシーを適用すると、組み込みフォルダー (受信トレイ、送信済みアイテムなど) にポリシーを強制できます。また、オンライン アーカイブにより、オンライン専用フォルダーを長期保存およびアーカイブに使用することもできます。

  • 管理の簡素化   ロールベースのアクセス制御 (RBAC) を使用して、リソースとユーザーがアクセスする機能を制御できます。特化されたユーザー グループごとにロールの割り当てポリシーを作成し、より厳しい権限や、より緩やかな権限をグループに付与するようにポリシーをカスタマイズします。たとえば、法的証拠開示のためにメールボックスの検索を実施する法令遵守提供ロール、企業ディレクトリの従業員情報を更新する人事ロール、メールボックスのクォータを管理するヘルプ デスク ロールを作成できます。また、配布グループの作成および管理、メッセージ配布の追跡など、ユーザー自身が管理できるタスクもあります。

Microsoft Exchange Server 2010 の詳細については、「Microsoft Exchange 2010」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=163579\&clcid=0x411) を参照してください。

削除された機能

ここでは、Outlook 2013 で削除された機能について説明します。

[管理] タブ

パブリック フォルダーの [プロパティ] ダイアログ ボックスの [管理] タブが削除されました。[フォルダー アシスタント] ボタンは [全般] タブにあります。[モデレート フォルダー] ボタンは削除され、フォルダーのモデレートは利用できなくなりました。詳細については、「Public folder moderation has been deprecated in Outlook 2010 (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=227779\&clcid=0x411) (英語) を参照してください。

Exchange 同期用の ANSI 形式のオンライン Outlook データ ファイル (.ost)

ANSI 形式のオフライン Outlook データ ファイル (.ost) は、グループ ポリシーで上書きしない限り作成できなくなりました。既定では、Outlook 2013 で新しく作成されるプロファイルは Unicode 形式になります。

代替表示名が必要な場合を除くすべての状況で、Unicode 形式の Outlook データ ファイル (.ost) が推奨されます。代替表示名を使用するには、既定の Outlook データ ファイル (.ost) を ANSI 形式に設定するようにグループ ポリシーを構成します。設定するグループ ポリシー キーは、Microsoft Outlook 2010\Account Settings\Exchange and Microsoft Outlook 2010\Miscellaneous\PST Settings の Outlook 2013 グループ ポリシー テンプレートにあります。ANSI 形式の .ost ファイルは複数の Microsoft Exchange Server アカウントを持つプロファイルには使用できないことに注意してください。

自動整理ベースの保持

ユーザーは、グループ ポリシーを使用して Outlook 2013 から自動整理の保持ポリシーを展開できないようになりました。保持ポリシーを使用する必要がある場合は、Microsoft Exchange Server 2007 および Microsoft Exchange Server 2010 のメッセージング レコード管理 (MRM) 機能の利用を検討することをお勧めします。

予定表のタイム ゾーンの変更ツール

予定表のタイム ゾーンの変更ツールは、Outlook 2013 では削除されています。予定表のタイム ゾーンの変更は、Microsoft Office Outlook 2007 で導入され、このツールにアクセスするには、[ツール]、[オプション]、[予定表オプション]、[タイム ゾーン] を順にクリックし、[タイム ゾーン] ボックスの一覧から選択を行いました。予定表のタイム ゾーンの変更は、別途提供されている Web ツールである、Microsoft Office タイム ゾーン データ更新ツールを使用して実行できます。このツールは、現在は Microsoft ダウンロード センターから提供されています。

[タイム ゾーンの切り替え] ボタンは、[タイム ゾーン] ダイアログ ボックスに表示されないようになりました。また、このボタンに関連するコードやユーザー インターフェイスはすべて削除されています。Outlook 2013 で作成される新しい予定表アイテムには、タイム ゾーンを変更しなくても、開始時間と終了時間が正しく表示されます。下位レベルのクライアントおよびサーバーでタイム ゾーンを変更する場合は、タイム ゾーン データ更新ツールを使用できます。

連絡先の関連アイテム検索フォルダーのカスタマイズ

Outlook 2013 では、[<連絡先フォルダー> プロパティ] ダイアログ ボックスの [関連アイテム] タブは、使用度が低いという理由で削除されました。この機能では、関連アイテム ビューで各連絡先アイテムを検索できるようにフォルダー グループのリストをカスタマイズできました。

種類が HTTP のアカウントの DAV 接続

分散オーサリングとバージョン管理 (DAV) 接続は、Outlook 2013 では削除されています。DAV は、Windows Live Hotmail に接続して電子メールを同期するときに使用されていた古いメカニズムです。Hotmail 接続には新しいメカニズムがあり、Web ダウンロードを行うことで、電子メール、連絡先、および予定表の同期を実行できます。この変更による Hotmail ユーザーへの実質的な影響はありません。一方、他の DAV アカウント (Hotmail 以外のアカウント) に接続するユーザーは、この接続ができなくなり、電子メールを同期できなくなります。

Exchange 2000 の接続

Outlook 2013 から Microsoft Exchange Server 2000、またはそれより以前のバージョンの Exchange に接続することはできません。Exchange Server 2000 を実行する環境では、Outlook 2013 からサーバーに接続しようとすると、サポートされていないサーバー バージョンであることを示すエラー メッセージが表示されます。また、Microsoft Outlook 2010 のパブリック フォルダーも Exchange Server 2000 には接続できませんが、エラー メッセージは表示されません。このような環境では、Exchange Server 2003、Exchange Server 2007、または Exchange Server 2010 に移行する必要があります。

Exchange メッセージ セキュリティ機能サポート

Outlook 2013 では、Exchange メッセージ セキュリティ機能サポートは削除されています。メッセージ セキュリティのサポートには、S/MIME を使用する必要があります。Exchange メッセージ セキュリティ機能をサポートするインフラストラクチャは、Exchange 2000 SP2 で廃止予定対象となりました。S/MIME の詳細については、「S/MIME について」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=167356\&clcid=0x411) を参照してください。

最近使用したフォルダーの一覧

[ファイル] | [開く] メニューの最近開いた他のユーザーのフォルダーの一覧は削除されています。代替機能として、代理人の使用、ユーザー プロファイルへの Exchange アカウントの追加、または仕事と予定表の共有を検討してください。[他のユーザーのフォルダー] は、Outlook 2013 でも、リボンの [ファイル] タブの [開く] から使用できます。

Outlook 整合性チェック ツール (.ost)

Outlook オフライン フォルダー (.ost) 整合性チェック ツール (scanost.exe) は、Outlook 2013 には含まれていません。このツールは、Outlook データ ファイル (.ost) のエラー修正ツールとして、以前のバージョンで推奨されました。

特定のフォルダーにエラーがある場合は、フォルダーを再同期できます。

  1. フォルダーを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

  2. 表示されるダイアログ ボックスで、[オフライン アイテムをクリア] ボタンをクリックし、[OK] をクリックします。

  3. Outlook 2013 リボンで、[送受信] タブをクリックします。

  4. [フォルダーの更新] をクリックします。

上記以外の場合は, .ost ファイルを削除し、Outlook で Exchange から情報を再度ダウンロードすることをお勧めします。ただし、サーバー上に存在しないローカル データがある場合は例外です。その場合は、データを Outlook データ ファイル (.pst) にエクスポートし, .ost ファイルを削除して、サーバー データを再度ダウンロードできるようにした後に、[ファイル] タブの [開く] オプションからアクセスできる [重複したらインポートしない] オプションを使用して, .pst ファイル データをインポートします。

写真のサイズ変更オプション

添付されている写真のサイズを変更する Outlook 2013 オプションから、640×480 または 800×600 ピクセルは除外されています。画像のサイズを変更する場合、Outlook 2013 では、これまでサポートされていた 3 つの選択肢の中で最も大きなサイズ (1024×768) が使用されます。これが既定値です。

また、サイズ変更オプションは、[ファイル] タブに移動されました。

サイズ変更オプションを簡素化し、よりわかりやすい場所に配置することを目的として、このような変更が行われました。

消印

Outlook 2013 では、消印機能が削除されています。[迷惑メールのオプション] ダイアログ ボックスから [電子メール クライアントで通常のメールと迷惑メールを区別できるように、電子メールの送信時にメッセージに消印を押す] オプションが削除され、Outlook 2013 では消印が生成されません。

公開された Office Online 予定表のプレビュー

Office Online 予定表共有サービス Web サイトでは、公開予定表を定期受信しなくても、共有予定表を Web ブラウザーで表示および管理できました。ユーザー間で予定表が共有されたことが通知されたら、Outlook 内で [この予定表のプレビューを表示] オプションを選択できました。

Outlook 予定表共有サービス用 Web サイトは、Outlook 2013 では使用されません。つまり、[この予定表のプレビューを表示] オプションは、Outlook 2013 では削除されています。現在でも予定表を公開して共有することはできますが、予定表の内容を表示するには、Outlook 内で表示する予定表を定期受信する必要があります。Web アクセスの場合は、Windows Live Calendar の予定表を定期受信する必要があります。Outlook の公開された Office Online 予定表を定期受信するユーザーには影響しません。

クイック ビューアー

クイック ビューアーは、Windows 95、Windows 98、および Windows NT 4.0 に搭載されたファイル ビューアーです。Outlook 内の関連コードが Outlook 2013 では削除されました。サポートされているオペレーティング システムを使用するユーザーのユーザー エクスペリエンスに関連する変更はありません。

リモート メール

リモート メールは、Outlook 2013 から削除されています。リモート メール機能は、Outlook 2003 で導入されたキャッシュ モードに置き換わりました。

サーチ ツール バー アドイン

サーチ ツール バー アドイン セットアップ コードは、Outlook 2013 では削除されています。サーチ ツール バー アドインは、Windows デスクトップ サーチを使用して、オンライン モードの Exchange Server メールボックス ストアのローカル インデックス作成機能を提供していました。この変更の結果、オンライン Exchange メールボックス内の電子メールは、エクスプローラーの検索結果に表示されなくなりました。オンライン インデックス作成を行うこのアドインは、古いコンポーネントであり、Outlook の起動時と終了時のパフォーマンス低下の原因となります。Outlook の信頼性が向上し、Exchange 帯域幅使用が大幅に削減されます。高速検索には、Exchange キャッシュ モードを使用し、オンライン モードの場合には、Exchange 2007 および Exchange Server 2010 の Exchange Search を使用してください。

このフォルダーへのリンクの送信

Office Outlook 2007 およびそれ以前の一部のバージョンでは、この機能によって、パブリック フォルダーにリンクする .xnk ファイルが添付された新しいメール メッセージを開くことができました。Office Outlook 2007 では、セキュリティ強化のために, .xnk というファイル名拡張子を持つ Microsoft Exchange Server パブリック フォルダー ショートカットへのアクセスは無効になっています。これが既定値です。したがって、Outlook 2013 では、パブリック フォルダーのショートカット メニューの [このフォルダーへのリンクの送信] は削除されています。代わりに、グループ作業には SharePoint Server の使用を検討してください。

送信オプション

Outlook 2013 では、送信オプションを使用して電子メール メッセージの形式を指定する機能が削除されています。この機能は、以前は Apple のコンピューターで電子メールを受信するユーザーへ電子メールを送信する場合に役立っていました。現在の Apple のコンピューターでは、Multipurpose Internet Mail Extensions (MIME) 形式の電子メール メッセージを読むことができます。Office Outlook 2007 で送信オプション コマンドを使用するには、[宛先] ボックスに電子メール アドレスを入力し、そのアドレスの名前の確認を行ってからアドレスを右クリックし、[送信オプション] をクリックします。

グループ名の網かけ

グループ名を網かけにする機能は、Outlook では削除されました。Office Outlook 2007 でこの機能を使用するには、列見出しを右クリックし、[ユーザー設定]、[現在のビューの編集]、[その他の設定] の順にクリックします。

サードパーティ製 Exchange クライアント拡張機能は読み込まれない

サードパーティ製 Exchange クライアント拡張機能は Outlook 2013 に読み込まれません。Exchange クライアント拡張機能のベンダーに問い合わせて、ソリューションの更新に関する詳細情報を確認することをお勧めします。サードパーティ製 Exchange クライアント拡張機能は、Microsoft Visual C++、Visual Studio Tools for Office、または Outlook COM アドインを作成可能なサードパーティ製ツールを使用して構築されるアドインに置き換わりました。

Web ブラウザー サポート

Web ブラウザー サポートは Outlook 2013 で削除されています。次の関連機能も削除されました。

  • Outlook 内での Web ページ表示

  • 予定表の [Web ページとして保存] オプション

  • Outlook 内でのインターネット検索

  • Outlook 内での Web ページへの移動

注意

別の方法で予定表を Web ページとして保存する必要がある場合は、予定表を電子メール メッセージに挿入し、以下の方法を使用して .html ファイルとして保存します。このファイルを作成した後は、Microsoft Word 2010 を使用して構成できます。
予定表を Web ページとして保存するには

  1. リボン上の [電子メールの作成] をクリックします。

  2. 電子メール メッセージの本文内で、予定表を挿入する場所にカーソルを位置付けます。

  3. [挿入] タブの [予定表] をクリックします。

  4. [日付範囲] ドロップダウン リストで、予定表に含める日付範囲を選択し、[OK] をクリックします。

  5. [ファイル] タブの [名前を付けて保存] をクリックし、[名前を付けて保存] ダイアログ ボックスで以下の手順を実行します。

    1. ナビゲーション ウィンドウで、ファイルを保存するフォルダーをクリックします。

    2. [ファイル名] ボックスに、予定表に使用する名前を入力します。

    3. [ファイルの種類] ドロップダウン リストで、[HTML] を選択します。

    4. [保存] をクリックします。

移行時の検討事項

いくつかの新しい機能とユーザー インターフェイスの変更が Outlook 2013 に追加されましたが、Outlook 2013 での Outlook データ ファイル (.ost と .pst) および Outlook プロファイル ファイル (.prf) の形式は、以前のリリースと互換性があります。

Outlook データ ファイル (.pst と .ost)

Outlook 2013 では、以前のバージョンの Outlook で作成された Outlook データ ファイルを開いて使用できます。Outlook データ ファイル (.pst) を持つユーザーは、ファイルの変換や移行を行わなくても、ファイルを引き続き使用できます。Exchange アカウントが Exchange キャッシュ モードを使用するように構成されているユーザーは、オフライン Outlook データ ファイル (.ost) を持ちます。Outlook 2013 への一括アップグレードを実行する場合に、これらの .ost ファイルを再作成する必要はありません。

.ost ファイルをコンピューター間で移動することはできません。したがって, .ost ファイルをコンピューター間でコピーしないでください。また、ユーザー状態移行ツール (USMT) を使用して .ost ファイルを移行することもできません。

既定では、Office Outlook 2003 から Outlook 2013 を使用して作成された Outlook .pst および .ost ファイルは、より大きなサイズのファイルに対応する (2 GB の制限がなくなりました) Unicode ファイル形式の改訂版を使用します。非 Unicode ANSI のデータ ファイル形式も、Outlook 2013 でサポートされています。

ユーザーが現在所有している .ost ファイルが非 Unicode ANSI 形式である場合は、Unicode 形式にアップグレードすることをお勧めします。

Outlook プロファイル ファイル (.prf)

以前のバージョンの Outlook と同様に、Outlook プロファイル ファイル (.prf) を使用して、追加の Outlook 設定または MAPI サービスを指定するオプションを設定できます。Outlook 2013 .prf ファイル形式は変更されましたが、Office Outlook 2007、Office Outlook 2003、および Outlook 2002 バージョンのファイルは Outlook 2013 で正常に機能します。Outlook 2013 を展開するために .prf ファイルを更新することを予定している場合は、Office 2010 Office カスタマイズ ツール (OCT) を使用して .prf ファイルを作成し直すことをお勧めします。その後、新しい .prf ファイルに設定をエクスポートし、そのファイルを使用して Outlook の必要な追加設定や MAPI サービスを指定します。

Office 2010 から Office 2007 に戻した場合

Outlook 2013 は、複数の Exchange 電子メール アカウントを使用できるように変更されています。この変更に起因して、ユーザーが Outlook 2013 を削除して Office Outlook 2007 を再インストールした後、以前と同じユーザー プロファイルで Office Outlook 2007 を起動しようとしても、Outlook 2013 にアップグレードされたユーザー プロファイルは機能しません。このような場合は、該当するユーザー プロファイルを削除し、Windows の [コントロール パネル] と [メール] オプションを使用して、ユーザー プロファイルを作成し直す必要があります。

VBA の設定の移行

Office 2010 では、Visual Basic for Applications (VBA) 6.0 が VBA 7.0 に更新されています。VBA 7.0 の設定は、移行後に既定値にリセットされ、元の値には自動的に再設定されません。これは、次の表に示すように、Office 2010 では VBA のレジストリ設定が異なるハイブにあるためです。

バージョン レジストリ サブキー

2007 Office system およびそれ以前のバージョン

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\VBA\6.0\Common

Office 2010

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\VBA\7.0\Common

詳細については、「Office 2010 に移行するユーザー レジストリ設定」を参照してください。