Microsoft Application Virtualization を使用して Office 2010 を展開する
適用先: Office 2010
トピックの最終更新日: 2016-11-29
この記事では、中規模な組織で Microsoft Application Virtualization を使用して Microsoft Office 2010 を展開する場合のプロセスと手順に関する詳細な技術的なガイダンスを提供します。
この記事の内容
Application Virtualization の概要
展開プロセスについて
テスト環境で Office 2010 を展開する
インフラストラクチャを展開するための参考資料
Application Virtualization の概要
Microsoft Application Virtualization (App-V) は、エンタープライズ レベルのアプリケーション仮想化ソリューションです。このソリューションを使用すると、アプリケーションの展開、更新、サポートを、リアルタイムのサービスとして必要に応じて実行できます。App-V を使用すると、個々のアプリケーションが、ローカルにインストールされた製品から中央管理されたサービスに変わります。App-V は、ボリューム ライセンス利用者向けの Microsoft Desktop Optimization Pack (MDOP) に含まれる 6 つのテクノロジのうちの 1 つです。
対象ユーザー
この記事の対象ユーザーは IT 担当者です。この IT 担当者には、中から大規模組織で作業するネットワーク管理者、コンサルタント、IT 管理者を含めることができます。
前提条件
事前の知識と経験は、この記事内にある情報の理解と適用に役立ちますが、特に次の領域の経験が役立ちます。
Microsoft Visual C++ 2005 SP1 再頒布可能パッケージ
アプリケーションの仮想化
2007 Microsoft Office system または Office 2010
展開プロセスについて
サポートするインフラストラクチャを App-V 用に配備した後に、Microsoft Office Professional Plus 2010 の展開プロセスで、次の主要な要素の作成と定義を行います。
パッケージのシーケンス処理
パッケージの発行
配布ポイント
Application Virtualization Desktop Client
パッケージ パッケージとは、インストール ソース ファイルのセットです。Microsoft Application Virtualization は、このパッケージを管理および配布して、ソフトウェアの展開を行います。
シーケンス処理 シーケンス処理とは、Microsoft Application Virtualization Sequencer を使用してアプリケーション パッケージを作成するプロセスです。このプロセスでは、アプリケーションが監視され、アプリケーションのショートカットが構成されて, .osd, .sft, .sprj, .ico ファイルを含むシーケンス処理されたアプリケーション パッケージが作成されます。
公開 公開とは、サーバー上のソフトウェア パッケージを有効にして、クライアント コンピューターでそのソフトウェア パッケージを使用できるようにしたり、ユーザーとグループに展開したりするための方法です。
配布ポイント 配布ポイントとは、仮想アプリケーション パッケージを App-V クライアントにストリーミングできる場所です。
Application Virtualization Desktop Client Application Virtualization Desktop Client では、クライアント コンピューターで仮想アプリケーションが使用できるように必要なコンポーネントがインストールされます。
テスト環境で Office 2010 を展開する
このセクションでは、軽量の Application Virtualization インフラストラクチャ用のテスト ネットワーク環境の図と説明を示します。また、Microsoft Application Virtualization を使用して Office Professional Plus 2010 を展開する手順についても説明します。このセクションでは、さまざまな Office 2010 ライセンスの説明や、App-V 仮想化に関する一般的な情報、App-V の Office 展開と他の Office 展開の種類との比較については説明しません。
この図では、Windows Server 2008 を実行するサーバー (A) は、電子ソフトウェア配布 (ESD) サーバーまたは App-V Management Server を表します。クライアント コンピューター (B、C) は、同じバージョンの Windows を実行します。クライアント コンピューター (B) は、シーケンス コンピューターとしてセットアップされます。クライアント コンピューター (C) は、仮想化アプリケーション パッケージを受け取るコンピューターです。
シーケンス処理された Office 2010 パッケージを作成する
シーケンス処理された Office 2010 アプリケーション パッケージを作成するには、App-V Sequencer コンピューターで次の手順を実行します。
Microsoft Office 2010 をダウンロードして、インストーラーを App-V Sequencer コンピューターの一時ディレクトリに配置します。
コマンド ラインから Deployment Kit をインストールし、関連付けられた Windows インストーラー (.msi) ファイルのパスと、環境用の適切なライセンス パラメーターを指定します。
たとえば、次のコマンドを入力し、Enter キーを押します。
msiexec /i OffVirt.msi PROPLUS=1
注意
使用するコンピューターのオペレーティング システム アーキテクチャに一致するバージョンの Deployment Kit をインストールする必要があります。
Windows エクスプローラーを開いて Q:\ ドライブに移動します。8.3 形式を使用してインストール フォルダーを作成します (例: Temp123.xyz)。
アプリケーションの名前を含む Sequencer コンピューターにディレクトリを作成します。Sequencer の出力はこのディレクトリに保存します。
Microsoft Application Virtualization Sequencer を開くには、[スタート] メニューから、[すべてのプログラム]、[Microsoft Application Virtualization]、[Microsoft Application Virtualization Sequencer] の順に選択します。
[パッケージの作成] をクリックします。
パッケージの名前を作成します。
新しいディレクトリ (例: Q:\Temp123.xyz) にインストールし、[OK] をクリックします。
[監視の開始] をクリックして、インストール プロセスの監視を有効にします。
Office 2010 の Setup.exe を開始します。
[インストールの種類を選択してください] ページで、[ユーザー設定] をクリックします。
注意
Office のインストール手順で、ハード ディスクにインストールする場合に [ハード ディスク ドライブにインストールする] がオンになっていることを確認します。
[ファイルの場所] タブで、手順 4. で選択したインストール ディレクトリと同じパスを構成します。
[インストール] をクリックします。
インストールが完了した後、監視の開始段階中に仮想アプリケーションを確認します。[スタート] メニューから [実行] を選択します。
実行可能な仮想ファイルのパスを入力し、仮想アプリケーションを起動します。
たとえば、Microsoft Word を開始するには、
「Q:\Temp123.xyz\Office14\WINWORD.EXE」と入力して、[OK] をクリックします。
注意
仮想アプリケーションの実際のパスを入力する必要があります。
アプリケーションを開始して、プライマリ機能ブロックを作成します。
[アプリケーション] ページで、[次へ] をクリックします。
目的のアプリケーションを選択して起動し、各アプリケーションのプライマリ機能ブロックを生成します。
注意
Microsoft OneNote、Microsoft Outlook、および Microsoft SharePoint Workspace を開始することは推奨されません。これらの設定はカスタマイズ可能なためです。同様に、この手順で F1 キーを押してヘルプを起動することも推奨されません。
[次へ] をクリックします。
シーケンス処理の完了後、[終了] をクリックします。
パッケージを保存するには、[パッケージ] をクリックし、[名前を付けて保存] をクリックします。
シーケンス処理された Office 2010 パッケージを発行する
シーケンス処理された Office 2010 パッケージを発行するには、ESD サーバーまたは App-V Management Server で次の手順を実行します。
App-V Management Console を開きます。
[管理ツール] を開始し、[Application-Virtualization Management Console] を選択します。
[server.net] を展開し (必要な場合)、[アプリケーション] ノードを選択します。
[アプリケーション] を右クリックし、[アプリケーションのインポート] を選択します。
D:\Content\..\ に移動して、新しい *.sprj ファイルをダブルクリックします。
[全般] ページで、[次へ] をクリックします。
[ユーザーの [送る] メニューに作成する] を選択し、[次へ] をクリックします。
[ファイルの関連付け] ページで、[次へ] をクリックします。
[アクセス許可] ページで、[追加] をクリックし、アプリケーションの名前を入力します。
[グループの選択] ダイアログ ボックスで、アプリケーションにアクセスする適切なユーザー グループに移動します。
[OK] をクリックし、[次へ] をクリックします。
インポート ウィザードを完了するには、[完了] をクリックします。
Office 2010 を実行するようにクライアント コンピューターを構成する
Office 2010 を実行するようにクライアント コンピューターを構成するには、クライアント コンピューターで次の手順を実行します。
Application Virtualization Desktop Client をインストールしていない場合はインストールします。
Deployment Kit をダウンロードして、実行可能ファイル (.exe) を抽出します。
実行可能ファイルを抽出すると、Offvirt.msi ファイルが使用できるようになります。
管理者特権でのコマンド プロンプトを開きます (管理者特権でのコマンド プロンプトを開くには、[スタート] をクリックし、[コマンド プロンプト] を右クリックして、[管理者として実行] をクリックします)。
抽出した Offvirt.msi ファイルが含まれるディレクトリを参照します。
コマンド プロンプトで次のコマンドを入力し、Enter キーを押します。
msiexec /i Offvirt.msi [ライセンス フラグ]
注意
正しいライセンス フラグを指定して、Deployment Kit を正しく構成する必要があります。不適切なフラグを使用すると、機能が正しく実行されない可能性があります。
仮想 Office パッケージを展開します。
新しく発行したアプリケーションにアクセスするには、クライアント コンピューターをログオフし、発行段階でアプリケーションを割り当てられたユーザー グループのメンバーとしてログオンします。これで、指定したショートカットの場所のクライアント コンピューターでアプリケーションを使用できます。
インフラストラクチャを展開するための参考資料
次の参考資料は、App-V を使用して Office 2010 の展開をテストするためのインフラストラクチャを理解および構成するのに役立つ場合があります。