ネットワーク インストール ポイントから Office 2013 を展開する
適用先: Office 2013, Office 365 ProPlus
トピックの最終更新日: 2016-12-16
概要: Office 2013 の展開元のネットワーク インストール ポイントとしてネットワーク共有を使用する方法について説明します。
対象ユーザー: IT 担当者
Office 2013 を展開する方法の 1 つに、一元管理する場所 (ネットワーク ファイル サーバーの共有フォルダーなど) からの展開があります。Office を展開するネットワーク インストール ポイントを作成することによって、ユーザーがインストールできる Office 製品および言語を制御できます。また、Office が組織全体で一貫して展開されるようにすることもできます。
ネットワーク インストール ポイントを使用して Office を展開するための基本的な手順は、次のとおりです。
適切な Office 製品および言語のファイルをすべて、ネットワーク上の場所にコピーします。
ネットワーク共有を作成し、適切なアクセス許可を割り当てます。
ユーザーに、ネットワーク インストール ポイントから Office セットアップ プログラムを実行させ、Office をユーザーのローカル コンピューターにインストールします。Office をインストールするには、ユーザーがコンピューターのローカル管理者である必要があります。
もう 1 つの方法は、ネットワーク インストール ポイントから Office のサイレント (無人) インストールを実行する、ユーザーからの入力を必要としないスクリプトを作成することです。その後、グループ ポリシーを使用して、または、Microsoft System Center Configuration Manager などのソフトウェア配布製品を使用して、スクリプトを展開できます。ユーザーがコンピューターのローカル管理者でない場合、この方法を使用できます。
注意
グループ ポリシーを使用して Office を展開する方法の詳細については、「グループ ポリシーのコンピューター スタートアップ スクリプトを使用して Office 2013 を展開する」を参照してください。
ネットワーク インストール ポイントを使用して、Windows インストーラー (MSI) を使用するバージョンの Office (Office Standard 2013 など)、またはClick-to-Runバージョンの Office (Office 365 ProPlus など) を展開できます。
この記事の内容
Office の展開にネットワーク インストール ポイントを使用する計画に関する考慮事項
ネットワーク インストール ポイントを使用して、Windows インストーラー (MSI) を使用するバージョンの Office を展開する
ネットワーク インストール ポイントを使用して、クイック実行バージョンの Office を展開する
Office の展開にネットワーク インストール ポイントを使用する計画に関する考慮事項
ネットワーク インストール ポイントに必要なディスク容量は、展開している Office 製品および言語に依存します。同じネットワーク インストール ポイントに複数の製品を含めることができます。たとえば、ネットワーク インストール ポイントに、Office Standard 2013、Project Professional 2013、および Visio Professional 2013 のインストール ファイルを含めることができます。また、ネットワーク インストール ポイントに複数の言語の言語ファイルを含めることもできます。たとえば、英語の言語ファイルと同じネットワーク インストール ポイントに、フランス語およびスペイン語の言語ファイルを含めることができます。
ネットワーク インストール ポイントを作成して Office を展開する場合、ネットワーク共有に適切なアクセス許可を割り当てる必要があります。ユーザーがセットアップ プログラムを実行して Office をインストールできるには、ネットワーク共有への読み取り権限だけが必要です。Office セットアップを構成して、ネットワーク共有にインストール ログ ファイルを置く場合、そのネットワーク共有に対する読み取りと書き込みの権限がユーザーに必要です。
注意
ネットワーク共有を作成し、Windows Server でアクセス許可を割り当てる方法の詳細については、「共有フォルダー」を参照してください。
Office 製品および言語ファイルは、ネットワーク上の複数の場所から入手できるようにすることをお勧めします。ネットワーク インストール ポイントを複数にすると、次のような利点があります。
可用性 複数のネットワーク インストール ポイントを作成すると、ユーザーが Office インストール ファイルのネットワーク ソースにいつでもアクセスできるようにするのに役立ちます。Windows Server の分散ファイル システム (DFS) 役割サービスを使用して、複数の場所に複製されたネットワーク共有を作成できます。詳細については、「DFS の管理」を参照してください。
近接性 ネットワーク インストール ポイントは、Office をインストールしているユーザーと同じネットワークの一部にあることが理想的です。この場合、ネットワーク帯域幅に対する影響を最小にすることができ、ユーザーのインストール エクスペリエンスを向上できます。たとえば、ユーザーがブランチ オフィスにいる場合、ブランチ オフィスのファイル サーバー上にネットワーク インストール ポイントを作成できます。そうすると、ユーザーはローカル ネットワークから Office をインストールできます。これは、別のオフィスのネットワーク インストール ポイントからネットワーク経由でインストールするよりも速く実行できます。
一貫性 ネットワーク インストール ポイントをコピーすることによって、確実に同じ Office 構成が組織全体にインストールされるようにできます。
柔軟性 組織内の地域のオフィスは、Office のインストールの際、ネットワーク インストール ポイントをコピーしてから、地域に特有のカスタマイズを追加できます。
ネットワーク インストール ポイントを使用して、Windows インストーラー (MSI) を使用するバージョンの Office を展開する
ネットワーク インストール ポイントから Windows インストーラー (MSI) を使用するバージョンの Office 2013 を展開するには、まず、インストール メディアからネットワーク共有に Office 製品と言語のファイルをコピーします。
Windows インストーラーを使用するバージョンの Office 2013 では、コアとなるセットアップ ファイルがすべての Office 製品と言語パックで共有されます。コアとなるセットアップ ファイルは同一なので、ネットワーク インストール ポイントには、コアとなるセットアップ ファイルのコピーが 1 つだけ必要です。たとえば、ネットワーク インストール ポイントに言語パックをコピーする場合、ネットワーク インストール ポイントにすでに存在している Office セットアップ ファイルを上書きするかどうかを確認するメッセージが表示されます。ファイルは同一なので、そのような重複したファイルをネットワーク インストール ポイントにコピーする作業は省略できます。
セットアップを実行するときにネットワーク インストール ポイントに複数の Office 製品がある場合は、インストールする製品を選択するように求めるメッセージが表示されます。セットアップを実行するときにネットワーク インストール ポイントに複数の Office 言語がある場合は、セットアップ中に [カスタマイズ] を選択すると、インストールする言語を選択できます。
Office をインストールした後は、通常、Office の更新、変更、または再インストールにネットワーク インストール ポイントを使用する必要はありません。Office のインストール時に、各ユーザーのコンピューターにローカル インストール ソースが自動的に作成されるからです。ただし、ローカル インストール ソースが破損したり削除されたりした場合、セットアップは元のネットワーク インストール ポイントを使用して、ユーザーのコンピューター上にローカル インストール ソースを再作成します。
必要なときにネットワーク インストール ポイントが確実に利用できるようにするには、Office カスタマイズ ツール (OCT) を使用して、[追加のネットワーク ソース] を指定できます。元のネットワーク インストール ポイントが利用できない場合、[追加のネットワーク ソース] リスト内のサーバーが、指定した順に検索されます。[追加のネットワーク ソース] を指定する方法の詳細については、「Office 2013 の Office カスタマイズ ツール (OCT) リファレンス」を参照してください。
注意
ネットワーク インストール ポイントから同時に Office をインストールしている複数のユーザーのネットワーク帯域幅に対する影響が心配な場合、製品および言語ファイルをユーザーのコンピューターにコピー (プリキャッシュ) することができます。ユーザーはその後、そのローカル インストール ソースからセットアップ プログラムを実行できます。詳細については、「ローカル インストール ソースから Office 2013 を展開する」を参照してください。
ネットワーク インストール ポイントから Office を展開する作業の一部として、インストールをカスタマイズしたり、サイレント (無人) インストールを実行する、ユーザーからの入力を必要としないスクリプト化されたインストールを作成したりする場合があります。次の記事では、Windows インストーラーを使用するバージョンの Office のインストールをカスタマイズ、またはスクリプト化するのに役立つ情報を紹介しています。
Office のインストールをカスタマイズするには (たとえば、どのアプリケーションと機能をインストールするかを設定)、Office カスタマイズ ツールを使用します。このツールによって、セットアップ カスタマイズ ファイル (.msp) が作成されます。このファイルはネットワーク インストール ポイントの Updates フォルダーに置きます。詳細については、「Office 2013 の Office カスタマイズ ツール (OCT) リファレンス」を参照してください。
インストールする言語を指定するには、Config.xml ファイルの AddLanguage 要素を構成します。詳細については、「Office 2013 の Config.xml ファイル参照」を参照してください。
スクリプトで使用するセットアップのコマンド ライン オプションの詳細については、「Office 2013 のセットアップ コマンド ライン オプション リファレンス」を参照してください。
Windows インストーラーを使用するバージョンの Office のサイレント (無人) インストールを実行する方法の詳細については、「Office 2013 のサイレント インストールを構成する」を参照してください。
ネットワーク インストール ポイントを使用して、クイック実行バージョンの Office を展開する
Click-to-Runバージョンの Office をネットワーク インストール ポイントから展開するには、Office 展開ツールを使用します。
まず、カスタマイズした Configuration.xml ファイルを作成し、Office 展開ツールでダウンロードする Office 製品および言語を指定します。Configuration.xml で、SourcePath 属性を使用して、ネットワーク共有をダウンロード場所として指定できます。次に、/download コマンドを使用して Office 展開ツールを実行します。ツールによって、カスタマイズした Configuration.xml ファイルの情報が読み込まれ、指定したネットワーク共有に、指定した Office 製品および言語がダウンロードされます。
ユーザーのコンピューターに特定の Office 製品および言語をインストールするには、Configuration.xml ファイルで、ネットワーク共有が SourcePath として指定されていることを確認してから、/configure コマンドを使用して Office 展開ツールを実行します。
Office 展開ツールを使用して、ネットワーク インストール ポイントから Click-to-Runバージョンの Office を展開する方法の詳細については、次の記事を参照してください。