組み込みツールを使用して Web アプリケーションをバックアップおよび復元する (Office SharePoint Server 2007)

Microsoft Office SharePoint Server 2007 に含まれているツールを使用して、Web アプリケーションをバックアップおよび復元することができます。サーバーの全体管理 Web サイトでは、単純な UI ベースの方法を使用して、コンテンツのバックアップや回復を管理したり、ジョブ履歴や状態を表示することができます。stsadm コマンドライン ツールを使用すると、コンテンツのバックアップと回復をコマンド ライン ベースの方法で迅速かつ柔軟に行うことができます。stsadm コマンドライン ツールと Windows Scheduler を一緒に使用して、遅延バックアップまたは定期的なバックアップのスケジュールを設定することができます。

Office SharePoint Server 2007 に含まれているデータ保護ツールと SharePoint データを保護する他のツールとの比較については、「バックアップと復元ツールを選択する (Office SharePoint Server)」を参照してください。

Office SharePoint Server 2007 のデータをバックアップして復元するには、次のいずれかの方法を使用します。

SharePoint の組み込みツールを使用して Web アプリケーションをバックアップする

この手順を使用して、SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトを使用した Web アプリケーションのバックアップを行います。

重要

この手順を完了するには、ファームの管理者 SharePoint グループのメンバシップが最低限必要です。

ユーザー インターフェイスを使用して Web アプリケーションをバックアップするには

  1. SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトの [サーバー構成の管理] ページで、[バックアップと復元] セクションの [バックアップの実行] をクリックします。

  2. [バックアップするコンポーネントの選択] ページで、バックアップする Web アプリケーションのチェック ボックスをオンにします。下位の Web アプリケーションとコンテンツ データベースのチェック ボックスがすべて自動的にオンになります。 [バックアップ オプションへ] をクリックします。

  3. [バックアップ オプションの選択] ページの差分バックアップでは、前回のバックアップ以降に作成または変更されたデータをバックアップします。完全バックアップと差分バックアップを組み合わせて実行する場合、復元プロセスでは、前回の完全バックアップと前回の差分バックアップが必要になります。

    • [バックアップ コンテンツ] セクションで、選択した Web アプリケーションが表示されていることを確認します。

    • [バックアップの種類] セクションで [完全] を選択します。

    • [バックアップ ファイルの場所] セクションで、バックアップ フォルダの UNC パスを入力します。

  4. [OK] をクリックします。

    [更新] をクリックして、[バックアップと復元の状態] ページでバックアップ ジョブの状態を表示できます。このページは 30 秒ごとに自動的に更新されます。バックアップや復元は Timer Service ジョブなので、バックアップが開始されるまで数秒かかる場合があります。

    エラーが表示された場合は、前に指定した UNC パスにある spbackup.log ファイルを表示すると、詳細情報を確認できます。

Stsadm コマンドライン ツールを使用した Web アプリケーションをバックアップするには、以下の手順を使用します。

重要

この手順を実行するには、少なくともローカル コンピュータの Administrators グループのメンバである必要があります。

コマンド ラインを使用して Web アプリケーションをバックアップするには

  1. SharePoint 製品とテクノロジがインストールされたドライブで、%COMMONPROGRAMFILES%\Microsoft shared\Web server extensions\12\Bin に移動します。

  2. どのノードをバックアップするかがまだ判明しない場合は、次のコマンドを入力します。

    stsadm -o backup -showtree

    注意

    角かっこ ([ ]) に囲まれたアイテムは、直接的にはバックアップの対象として選択できませんが、それらの親アイテムが選択された場合にバックアップされます。

  3. Web アプリケーションをバックアップするには、次のコマンドを入力します。

    stsadm -o backup -directory \\<サーバー名>\<フォルダ名> -backupmethod full -item <Web アプリケーション名>

    ここで、*\\<サーバー名>\<フォルダ名>はバックアップ フォルダの UNC パス、<Web アプリケーション名>*はバックアップする Web アプリケーションの名前を表します。showtree パラメータにより表示されたとおりの完全なファーム パスの表記、または一意の名前が付いている場合はパス内のコンポーネントの名前を使用できます。たとえば、"Windows SharePoint Services Web Application\SharePoint-80" と指定します。

  4. バックアップが正常に完了すると、コマンド プロンプト ウィンドウに次の文字列が表示されます。

    Completed with 0 warnings.
    Completed with 0 errors.
    Backup completed successfully.
    ---------------------------------------------------------
    Operation completed successfully.
    
  5. エラーや警告が発生した場合、またはバックアップが正常に完了しなかった場合は、手順 3. で指定したフォルダ内の spbackup.log ファイルを確認してください。

バックアップをスケジュールまたは延期する

SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトからバックアップのスケジュールを設定することはできません。ただし、バッチ ファイルを作成してから、Windows Server 2003 のタスク スケジューラを使用して、特定の時刻にバッチ ファイルを実行することで、プロセスを自動化できます。Office SharePoint Server 2007 の組み込みツールを使用してバックアップを実行すると、パフォーマンスに影響を与えることがあります。このため、バックアップのスケジュールは、夜間や週末など、オフピーク時に設定することをお勧めします。

Web アプリケーションの完全なバックアップを実行するバッチ ファイルを作成するには、以下の手順を使用します。この手順では、バックアップ用に共有フォルダを既に作成していることを前提としています。共有フォルダの作成方法に関する詳細については、「ファームのバックアップと復元の準備をする (Office SharePoint Server 2007)」を参照してください。

ヒント

タスク スケジューラを使用する場合、コンピュータのシステム日付と時刻が正確であることを確認してください。 この情報を確認または変更するには、タスク バーの時間インジケータをダブルクリックします。

バッチ ファイルを作成するには

  1. [スタート] ボタンをクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。

  2. notepad」と入力し、[OK] をクリックします。

  3. メモ帳で、次のテキストを入力します。

    @echo off
    echo ===============================================================
    echo Back up sites for the farm to C:\backup
    echo ===============================================================
    cd \Program Files\Common Files\Microsoft Shared\web server extensions\12\BIN
    @echo off
    stsadm -o backup -directory <\\server name\folder name> -backupmethod full -item <Web application name> 
    echo completed
    

    ここで、*\\<サーバー名>\<フォルダ名>はバックアップ フォルダの UNC パス、<Web アプリケーション名>*はバックアップする Web アプリケーションの名前を表します。 showtree パラメータにより表示されたとおりの完全なファーム パスの表記、または一意の名前が付いている場合はパス内のコンポーネントの名前を使用できます。たとえば、"Windows SharePoint Services Web Application\SharePoint-80" と指定します。

  4. メモ帳の [ファイル] メニューの [名前を付けて保存] をクリックします。

  5. [名前を付けて保存] ボックスで、バッチ ファイルを保存するフォルダを選択します。

  6. ".bat" ファイル名拡張子を使用します。[ファイル名] ボックスに、backup_batch.bat などのように、ファイルの名前を入力します。

  7. [ファイルの種類] ボックスで、[すべてのファイル] をクリックします。

  8. [保存] をクリックします。

バックアップのスケジュールを設定するには

  1. スケジュールされたタスク ウィザードを起動し、[次へ] をクリックします。

  2. [参照] をクリックして、作成したバッチ ファイルを指定し、[開く] をクリックします。

  3. タスクの名前 (backup_batch など) を入力します。

  4. このタスクを実行する頻度 (週単位など) を選択し、[次へ] をクリックします。

  5. このバックアップを定期的に自動実行するには、[週単位] や [月単位] など、間隔を選択します。このバックアップを 1 回だけ実行する場合、または 1 回のバックアップを遅延させる場合は、[1 回のみ] を選択します。

  6. バックアップの時刻と開始日を決定します。

  7. ユーザーの名前とパスワードを入力し、[次へ] をクリックします。このタスクは、そのユーザーによって起動されているかのように実行されます。

  8. [完了] をクリックします。

    タスクの詳細設定を構成するには、ウィザードの最後のページで [[完了] をクリックしたときに詳細プロパティを開く] チェック ボックスをオンにします。こうすると、[完了] をクリックしたときにプロパティ ダイアログ ボックスが開きます。[タスク] タブで実行しているプログラムを変更したり、[スケジュール] タブでスケジュールを調整したりすることができます。また、[設定] タブで設定値をカスタマイズしたり、[セキュリティ] タブでユーザーとグループのアクセス許可を設定したりすることができます。

組み込みツールを使用して SharePoint Web アプリケーションを復元する

組み込みツールを使用して SharePoint Web アプリケーションを復元するには、以下の手順を実行します。

重要

この手順を完了するには、ファームの管理者 SharePoint グループのメンバシップが最低限必要です。

ユーザー インターフェイスを使用して Web アプリケーションを復元するには

  1. SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトの [サーバー構成の管理] ページの [バックアップと復元] セクションで、[バックアップからの復元] をクリックします。

  2. [バックアップの場所の選択] ページの [バックアップ ファイルの場所] セクションで、バックアップ フォルダの汎用名前付け規則 (UNC) パスを入力します。

  3. [復元するバックアップの選択] ページで、復元に使用するバックアップ ファイルを選択し、[復元の続行] をクリックします。

  4. [復元するコンポーネントの選択] ページで、復元する Web アプリケーションを選択し、[復元の続行] をクリックします。

  5. [復元オプションの選択] ページで、以下を行います。

    1. [復元するコンポーネント] セクションで、選択した Web アプリケーションが表示されていることを確認します。

    2. [復元オプション] セクションで、[同じ構成] を選択します。
      現在のファームが上書きされることを通知するメッセージが表示されます。[OK] をクリックします。

    3. [新しい名前] セクションで、各コンポーネントの新しい名前と URL を入力するか、または既定値をそのまま使用します。

  6. [OK] をクリックします。

Stsadm コマンドライン ツールを使用して Web アプリケーションを復元するには、以下の手順を実行します。

重要

この手順を実行するには、少なくともローカル コンピュータの Administrators グループのメンバである必要があります。

コマンド ラインを使用して Web アプリケーションを復元するには

  1. SharePoint 製品とテクノロジがインストールされているドライブ上で、%COMMONPROGRAMFILES%\Microsoft Shared\Web server extensions\12\Bin ディレクトリに変更します。

  2. 復元する特定のバックアップのバックアップ GUID を取得するには、次のコマンドを入力して Enter キーを押します。

    stsadm -o backuphistory -directory <UNC パス>

    ここで、UNC パスは、バックアップが格納されている共有フォルダへのパスです。

  3. 復元する Web アプリケーションの名前が不明な場合は、次のコマンドを入力して Enter キーを押します。

    stsadm -o restore -showtree -directory <UNC パス> -backupid <backuphistory の GUID>

    ここで、UNC パスは、バックアップが格納されている共有フォルダへのパス、バックアップ履歴の GUID は、復元するバックアップ パッケージの GUID です。

    注意

    角かっこ ([ ]) で囲まれたアイテムは復元できません。

  4. Web アプリケーションを復元するには、次のコマンドを入力し、Enter キーを押します。

    stsadm -o restore -directory <UNC パス> -backupid <backuphistory の GUID> -item <ツリーから作成されたパス> -restoremethod overwrite

    ここで、UNC パスは、バックアップの共有フォルダへの UNC パス、バックアップ履歴の GUID は、復元する特定のバックアップ パッケージの GUID、ツリーの作成したパスは、-showtree パラメータを指定した場合に表示される完全ファーム パス表記です。

  5. 選択したすべてのアイテムが上書きされることを示す警告が表示された場合は、「y」と入力して Enter キーを押します。

  6. 指示に従って、Web アプリケーションおよびコンテンツ データベースのユーザー名とパスワードを入力します。

  7. 復元が正常に完了すると、コマンド プロンプト ウィンドウに次の文字列が表示されます。

    Completed with 0 warnings.
    Completed with 0 errors.
    Restore completed successfully.
    ---------------------------------------------------------
    Operation completed successfully.
    
  8. 復元が正しく完了しなかった場合は、次のメッセージが表示されます。

    The restore job failed. For more information, see the error log that is located in the backup directory. 
    

    参照対象エラー ログは、バックアップ共有フォルダの sprestore.log ファイルです。

関連項目

概念

ファームのバックアップと復元 (Office SharePoint Server 2007)
ファーム全体のバックアップおよび復元 (SharePoint Server 2007)
復元ファームを作成する (Office SharePoint Server 2007)
組み込みのツールを使用してサイト コレクションのバックアップと復元を行う (Office SharePoint Server 2007)
データベースをバックアップおよび復元する (Office SharePoint Server)
SSP のバックアップおよび復元 (Office SharePoint Server 2007)
SSO をバックアップおよび復元する (Office SharePoint Server 2007)
組み込みツールを使用して個人用サイトをバックアップおよび復元する (Office SharePoint Server 2007)
組み込みツールを使用した InfoPath フォームのバックアップおよび復元 (Office SharePoint Server 2007)
DPM を使用してアイテムをバックアップおよび復元する (Office SharePoint Server)
DPM を使用してサイトをバックアップおよび復元する (Office SharePoint Server)