受信メールの設定を構成する (Windows SharePoint Services)

  • SMTP サービスをインストールおよび構成する

  • Active Directory を構成する

  • 電子メール ドロップ フォルダに対する権限を構成する

  • DNS マネージャを構成する

  • Outlook 2003 から添付ファイルを構成する

  • 受信メールの設定を構成する

  • SharePoint サイトの受信メールを構成する

以下の手順を使用して、Windows SharePoint Services 3.0 の受信メールの設定を構成します。

これらの設定を構成するまで、受信メールを使用する Windows SharePoint Services 3.0 の機能は利用できません。

Windows SharePoint Services 3.0 で受信メールの設定を構成する前に、次の点を確認します。

  • 受信メールを計画する (Windows SharePoint Services)」を読み終えている。

  • サーバー ファーム内の 1 つ以上のサーバーがインターネット インフォメーション サービス (IIS) の簡易メール転送プロトコル (SMTP) サービスを実行しているか、SMTP サービスを実行している別のサーバーの名前を知っている。このサーバーは、ドメインのメール サーバーから中継された電子メールを受け入れるように構成される必要があります。

  • サーバー ファーム内の 1 つ以上のサーバーが Microsoft SharePoint Directory Management Service を実行しているか、SharePoint Directory Management Web Service を実行している別のサーバーの名前を知っている。

  • SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトのアプリケーション プール アカウントには、Active Directory ディレクトリ サービス内のコンテナの右側に [ユーザー アカウントの作成、削除、および管理] がある。

  • サーバーの全体管理のアプリケーション プール アカウント、Windows SharePoint Services Timer サービスのログオン アカウント、Web アプリケーションのアプリケーション プール アカウントが電子メール ドロップ フォルダに対する正しい権限を持っている。

  • Active Directory を実行しているドメイン コントローラが受信メールで使用することを計画しているメール サーバーの DNS マネージャに MX (メール エクスチェンジャ) エントリを持っている。

    注意

    以下のセクションでは、これらすべての構成手順を説明します。

SMTP サービスをインストールおよび構成する

Windows SharePoint Services 3.0 の受信メールは SMTP サービスを使用します。SMTP サービスは、ファーム内の 1 つ以上のサーバーにインストールできます。または、管理者は別のサーバー上のサービスから転送された電子メールのための電子メール ドロップ フォルダを用意することができます。他のサーバーの管理者が SMTP の構成を変更して受信メールの可用性に影響を与える可能性があり、また電子メール ドロップ フォルダに対する権限を構成する追加の手順が必要になるため、ドロップ フォルダ オプションはお勧めしません。

ドロップ フォルダを使用しない場合は、受信メールの受信と処理に使用される各サーバーに SMTP サービスをインストールする必要があります。一般に、これにはファーム内のすべてのフロントエンド Web サーバーが含まれます。

Windows SharePoint Services Web Application サービスを開始する

SMTP サービスを実行している各サーバーは、Windows SharePoint Services Web Application サービスも実行している必要があります。これらのサーバーをフロントエンド Web サーバーと呼びます。多くの場合、このサービスは既に構成されています。

重要

この手順を完了するには、サーバーの全体管理サイトでの Administrators グループのメンバシップが必要です。

Windows SharePoint Services Web Application サービスを開始する

  1. ナビゲーション バーの [サーバー構成の管理] をクリックします。

  2. [サーバー構成の管理] ページで、[トポロジおよびサービス] セクションの [サーバーのサービス] をクリックします。

  3. [サーバーのサービス] ページのサービスのリストで Windows SharePoint Services Web Application を確認し、[開始] をクリックします。

SMTP サービスをインストールする

SMTP サービスは IIS のコンポーネントです。これは、受信メールを構成するファーム内のすべてのフロント エンド Web サーバーにインストールする必要があります。

重要

この手順を実行するには、ローカル コンピュータの Administrators グループのメンバである必要があります。

SMTP サービスをインストールする

  1. コントロール パネルで、[プログラムの追加と削除] をクリックします。

  2. [プログラムの追加と削除] で、[Windows コンポーネントの追加と削除] をクリックします。

  3. Windows コンポーネント ウィザードの [コンポーネント] ボックスで、[アプリケーション サーバー] をクリックし、[詳細] ボタンをクリックします。

  4. [アプリケーション サーバー] ダイアログ ボックスの [アプリケーション サーバーのサブコンポーネント] ボックスで、[インターネット インフォメーション サービス (IIS)] をクリックし、[詳細] ボタンをクリックします。

  5. [インターネット インフォメーション サービス (IIS)] ダイアログ ボックスで、[SMTP Service] チェック ボックスをオンにします。

  6. [OK] をクリックして [アプリケーション サーバー] ダイアログ ボックスに戻ります。

  7. [OK] をクリックして Windows コンポーネント ウィザードのメイン ページに戻ります。

  8. [次へ] をクリックします。

  9. SMTP サービスのインストールが終了したら、[Windows コンポーネント ウィザードの完了] ページで [完了] をクリックします。

SMTP サービスを構成する

SMTP サービスをインストールしたら、ドメインのメール サーバーから中継された電子メールを受け入れるようにサーバーを構成する必要があります。

明示的に除外したサーバー以外のすべてのサーバーから中継された電子メールを受け付けるように構成できます。また、特に除外したサーバー以外のすべてのサーバーから中継された電子メールを拒否することができます。サーバーは個別に追加することも、サブネットまたはドメイン単位のグループで追加することもできます。

重要

この手順を実行するには、ローカル コンピュータの Administrators グループのメンバである必要があります。

SMTP サービスを構成する

  1. [スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム] をポイントします。次に、[管理ツール] をポイントし、[インターネット インフォメーション サービス (IIS) マネージャ] をクリックします。

  2. IIS マネージャで、構成する SMTP サーバーが含まれるサーバー名を展開します。

  3. 構成する SMTP 仮想サーバーを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

  4. [アクセス] タブで、[アクセス制御] の [認証] をクリックします。

  5. [認証] ダイアログ ボックスで、[このリソースで使用する認証方法を選択してください。] の [匿名アクセス] チェック ボックスがオンになっていることを確認します。

  6. [OK] をクリックします。

  7. [アクセス] タブで、[中継の制限] の [中継] をクリックします。

  8. 任意のサーバーからの中継を有効にするには、[この仮想サーバーを中継に使用するコンピュータを選択してください。] の [以下のリストに含まれるコンピュータ以外のすべて] を選択します。

  9. 1 つ以上の特定のサーバーからの中継を受け付けるには、以下の手順に従います。

    1. [この仮想サーバーを中継に使用するコンピュータを選択してください。] の [以下のリストに含まれるコンピュータのみ] を選択します。

    2. [追加] をクリックし、サーバーを IP アドレスで 1 つずつ追加するか、サブネットまたはドメインを使ってグループで追加します。

    3. [OK] をクリックして、[コンピュータ] ダイアログ ボックスを閉じます。

  10. [OK] をクリックして、[中継の制限] ダイアログ ボックスを閉じます。

  11. [OK] をクリックして、[プロパティ] ダイアログ ボックスを閉じます。

SMTP コネクタを Exchange Server に追加する

一部のシナリオでは、Microsoft Exchange Server コンピュータからのメールが SMTP サービスを実行している Windows SharePoint Services 3.0 サーバーに自動的に中継されない場合があります。 これらのシナリオでは、Exchange メール サーバーの管理者は、すべてのメールが SMTP サービスを実行している Windows SharePoint Services 3.0 サーバーを使用する Windows SharePoint Services 3.0 ドメインに送信されるように SMTP コネクタを追加できます。

SMTP コネクタの詳細については、Exchange Server のヘルプ ドキュメントを参照してください。

Active Directory を構成する

受信メールは、Microsoft SharePoint Directory Management Service を使用して、貴社の組織で使用するディレクトリ サービスに SharePoint サイトを接続します。Microsoft SharePoint Directory Management Service を有効にした場合、ユーザーは SharePoint サイトから配布グループを作成および管理できます。これにより、電子メールを使用する SharePoint リストをアドレス帳などのディレクトリ サービスで確認できます。また、SharePoint リストから承認を必要とする配布グループ要求を選択する必要もあります。Microsoft SharePoint Directory Management Service は、ファーム内のサーバーにインストールすることができます。または、リモートで Microsoft SharePoint Directory Management Service を使用することもできます。

ファームまたはサーバーで Microsoft SharePoint Directory Management Service を使用するには、Active Directory で指定したコンテナに対してユーザー アカウントの作成、削除、および管理権限が持てるように、サーバーの全体管理アプリケーション プール ID アカウントを構成する必要があります。 これを実行するには、サーバーの全体管理アプリケーション プール ID アカウントに権限を委任するのが適切です。Active Directory 管理者は、組織単位 (OU) をセットアップして、ユーザー アカウントの作成、削除、および管理権限をコンテナに委任する必要があります。リモート ファーム上で Microsoft SharePoint Directory Management Service を使用する利点は、複数のファーム サービス アカウントの組織単位に権限を委任する必要がないことです。

サーバーの全体管理のアプリケーション プール アカウントが、電子メールに使用可能なリストまたはサイトの Web アプリケーションのアプリケーション プール アカウントと異なる場合、以下の手順を完了するときは Web アプリケーションのアプリケーション プール アカウントを使用する必要があります。その後、追加の権限をサーバーの全体管理アプリケーション プール アカウントに委任する必要があります。

次の手順は、Microsoft Windows Server 2003 SP1 (DNS マネージャを含む) および Microsoft Exchange Server 2003 SP1 を実行するドメイン コントローラで実行します。展開によっては、これらのアプリケーションは同じドメイン内の複数のサーバー上で動作します。

重要

この手順を完了するには、Domain Administrators グループのメンバシップまたはドメイン管理の委任された権限が必要です。

組織単位を Active Directory で作成する

  1. [スタート] をクリックし、[コントロール パネル] をポイントします。次に、[管理ツール] をポイントし、[Active Directory ユーザーとコンピュータ] をクリックします。

  2. [Active Directory ユーザーとコンピュータ] で、サーバー ファームを含む第 2 レベル ドメインのフォルダをダブルクリックし、[新規] をポイントして、[組織単位] をクリックします。

  3. 組織単位の名前を入力し、[OK] をクリックします。

組織単位を作成したら、ユーザー アカウントの作成、削除、および管理権限をコンテナに委任することをお勧めします。

重要

この手順を完了するには、Domain Administrators グループまたは Active Directory の Enterprise Administrators グループのメンバシップ、あるいは管理の委任された権限が必要です。

権限をアプリケーション プール アカウントに委任する

  1. [Active Directory ユーザーとコンピュータ] で、作成した組織単位を見つけます。

  2. 組織単位を右クリックし、[制御の委任] をクリックします。

  3. 制御の委任ウィザードのウェルカム ページで [次へ] をクリックします。

  4. [ユーザーまたはグループ] ページで、[追加] をクリックして、Web アプリケーションが使用するアプリケーション プール ID アカウントの名前を注力します。

  5. [ユーザー、コンピュータ、およびグループの選択] ダイアログ ボックスで、[OK] をクリックします。

  6. 制御の委任ウィザードの [ユーザーまたはグループ] ページで [次へ] をクリックします。

  7. 制御の委任ウィザードの [委任するタスク] ページで [ユーザー アカウントの作成、削除、および管理] チェック ボックスをオンにして、[次へ] をクリックします。

  8. 制御の委任ウィザードの最後のページで、[完了] をクリックしてウィザードを終了します。

アプリケーション プール ID アカウントの権限を直接追加する場合は、次の手順を実行します。

重要

この手順を完了するには、アカウント オペレータ グループ、Domain Administrators グループ、Active Directory の Enterprise Administrators グループのメンバシップ、または管理の委任された権限が必要です。

アプリケーション プール アカウントの権限を追加する

  1. [Active Directory ユーザーとコンピュータ] で、[表示] メニューをクリックし、[高度な機能] をクリックします。

  2. 作成した組織単位を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

  3. [プロパティ] ダイアログ ボックスで、[セキュリティ] タブをクリックし、[詳細設定] をクリックします。

  4. [追加] をクリックし、Web アプリケーションのアプリケーション プール ID アカウントの名前を入力します。

  5. [OK] をクリックします。

  6. [アクセス許可エントリ] セクションで、アプリケーション プール ID アカウントをダブルクリックします。

  7. [アクセス許可] セクションで、[許可] の [権限の変更] チェック ボックスをオンにします。

  8. [OK] をクリックして、[アクセス許可] ダイアログ ボックスを閉じます。

  9. [OK] をクリックして、[プロパティ] ダイアログ ボックスを閉じます。

  10. [OK] をクリックして、[Active Directory ユーザーとコンピュータ] プラグインを閉じます。

代わりにリモートの Microsoft SharePoint Directory Management Service を使用する場合は、Web サービスの URL を知っている必要があります。この URL の一般的な形式は、http://server:adminport/_vti_bin/SharePointEmailWS.asmx です。

異常な環境で Active Directory を構成する

Directory Management Service を使用しており、サーバーの全体管理アプリケーション プールが使用しているアカウントが、受信メールを有効にするリストまたはサイトの Web アプリケーションとは異なる場合、追加の権限をサーバーの全体管理アプリケーション プール アカウントに委任する必要があります。これらの権限を委任しないと、そのリストまたはサイトで受信メールを有効にできません。

注意

組織単位のサーバーの全体管理アプリケーション プール アカウントに次の権限を委任する前に、Web アプリケーションのアプリケーション プール アカウントに権限を委任する必要があります。

管理者は組織単位のフル コントロールをサーバーの全体管理アプリケーション プール アカウントに委任する必要があります。この委任が完了すると、管理者は受信メールを有効にできます。

組織単位のフル コントロールをサーバーの全体管理アプリケーション プール アカウントに委任するには

重要

この手順を完了するには、Domain Administrators グループまたは Active Directory の Enterprise Administrators グループのメンバシップ、あるいは管理の委任された権限が必要です。

組織単位のフル コントロールをサーバーの全体管理アプリケーション プール アカウントに委任する

  1. 組織単位を右クリックし、[制御の委任] をクリックします。

  2. 制御の委任ウィザードで、[次へ] をクリックします。

  3. [追加] をクリックし、サーバーの全体管理アプリケーション プール アカウントの名前を入力します。

  4. [OK] をクリックします。

  5. [次へ] をクリックします。

  6. 制御の委任ウィザードの [委任するタスク] ページで、[委任するカスタム タスクを作成する] を選択し、[次へ] をクリックします。

  7. [このフォルダ、このフォルダ内の既存のオブジェクト、およびこのフォルダ内の新しいオブジェクトの作成] を選択し、[次へ] をクリックします。

  8. [アクセス許可] セクションで、[すべての子オブジェクトの作成] と [すべての子オブジェクトの削除] を選択します。

  9. [次へ] をクリックします。

  10. 制御の委任ウィザードの最後のページで、[完了] をクリックしてウィザードを終了します。

組織単位のフル コントロールをサーバーの全体管理アプリケーション プール アカウントに委任すると、管理者はリストの電子メールを有効にできます。フル コントロールを委任した後、管理者はリストまたはドキュメント ライブラリの電子メールを無効にできません。というのも、サーバーの全体管理アカウントは連絡先をリストからではなく組織単位全体から削除しようとするからです。

サーバーの全体管理アプリケーション プール アカウントにサブツリーの削除権限を追加するには

管理者がリストで受信メールを無効にできるようにするには、サーバーの全体管理アプリケーション プール アカウントにサブツリーの削除 権限を追加する必要があります。

重要

この手順を完了するには、アカウント オペレータ グループ、Domain Administrators グループ、Active Directory の Enterprise Administrators グループのメンバシップ、または委任された管理権限が必要です。

サーバーの全体管理アプリケーション プール アカウントにサブツリーの削除権限を追加する

  1. [Active Directory ユーザーとコンピュータ] で、[表示] メニューをクリックし、[高度な機能] をクリックします。

  2. 組織単位を右クリックして、[プロパティ] をクリックします。

  3. [プロパティ] ダイアログ ボックスで、[セキュリティ] タブをクリックし、[詳細設定] をクリックします。

  4. [アクセス許可エントリ] セクションで、サーバーの全体管理アプリケーション プール アカウントをダブルクリックします。

  5. [アクセス許可エントリ] セクションで、[許可] の [サブツリーの削除] を選択します。

  6. [OK] をクリックして、[アクセス許可] ダイアログ ボックスを閉じます。

  7. [OK] をクリックして、[プロパティ] ダイアログ ボックスを閉じます。

  8. [OK] をクリックして、[Active Directory ユーザーとコンピュータ] プラグインを閉じます。

権限を追加した後、ファームの Internet Information Services (IIS) を再起動する必要があります。

Active Directory の詳細については、Active Directory のヘルプ ドキュメントを参照してください。

電子メール ドロップ フォルダに対する権限を構成する

受信メール設定を詳細設定モードに設定した場合は、所定のアカウントが電子メール ドロップ フォルダに対する正しい権限を持っていることを確認する必要があります。

Windows SharePoint Services Timer サービスのログオン アカウントの電子メール ドロップ フォルダ権限を構成する

Windows SharePoint Services Timer サービスのログオン アカウントが電子メール ドロップ フォルダの変更権限を持っていることを確認します。このサービスのログオン アカウントが変更権限を持っていない場合、電子メール対応のドキュメント ライブラリは重複する電子メール メッセージを受信します。

重要

この手順を完了するには、電子メール ドロップ フォルダがあるローカル コンピュータ上の Administrators グループのメンバシップが必要です。

電子メール ドロップ フォルダの権限を構成する

  1. Windows エクスプローラで、ドロップ フォルダを右クリックし、[プロパティ] をクリックし、次に [セキュリティ] タブをクリックします。

  2. [セキュリティ] タブの [グループ名またはユーザー名] で、[追加] ボタンをクリックします。

  3. [ユーザー、コンピュータ、またはグループの選択] ダイアログ ボックスで、[選択するオブジェクト名を入力してください] ボックスに Windows SharePoint Services Timer サービスのログオン アカウントの名前を入力し、[OK] をクリックします。

    注意

    このアカウントは、[サービス] コンソールにあるサービスの [プロパティ] ダイアログ ボックスの [ログオン] タブに示されます。

  4. [ユーザーまたはグループの権限] ボックスで、[変更] の横にある [許可] チェック ボックスをオンにします。

  5. [OK] をクリックします。

Web アプリケーションのアプリケーション プール アカウントの電子メール ドロップ フォルダ権限を構成する

サーバーの全体管理およびフロントエンド Web サーバーの 1 つ以上の Web アプリケーションに別々のアプリケーション プール アカウントを展開で使用する場合、各アプリケーション アカウントは電子メール ドロップ フォルダに対する権限を持っている必要があります。Web アプリケーションのアプリケーション プール アカウントが必要な権限を持っていない場合、電子メールは Web アプリケーションのドキュメント ライブラリに配信されません。

ほとんどの場合、受信メール設定を構成し、電子メール ドロップ フォルダを選択すると、権限は以下の 2 つのワーカー プロセス グループに追加されます。

  • WSS_Admin_WPG。これは、サーバーの全体管理のアプリケーション プール アカウントおよび Windows SharePoint Services Timer サービスのログオン アカウントを含み、フル コントロールの権限を持ちます。

  • WSS_WPG。これは、Web アプリケーションのアプリケーション プール アカウントを含み、読み取りと実行、フォルダ内容の一覧での表示、および読み取り権限を持ちます。

ある場合には、これらのグループは電子メール ドロップ フォルダについて自動的に構成されていないことがあります。たとえば、サーバーの全体管理がネットワーク サービス アカウントとして実行されている場合、電子メール ドロップ フォルダの作成時に、受信メールに必要なグループまたはアカウントは追加されません。これらのグループが電子メール フォルダに自動的に追加されているかどうかを確認することをお勧めします。グループが自動的に追加されていない場合は、グループを追加するか、必要な特定のアカウントを追加できます。

重要

この手順を完了するには、電子メール ドロップ フォルダがあるローカル コンピュータ上の Administrators グループのメンバシップが必要です。

電子メール ドロップ フォルダの権限を構成する

  1. Windows エクスプローラで、ドロップ フォルダを右クリックし、[プロパティ] をクリックし、次に [セキュリティ] タブをクリックします。

  2. [セキュリティ] タブの [グループ名またはユーザー名] で、[追加] ボタンをクリックします。

  3. [ユーザー、コンピュータ、またはグループの選択] ダイアログ ボックスで、[選択するオブジェクト名を入力してください] ボックスに Web アプリケーションのワーカー プロセス グループの名前またはアプリケーション プール アカウントを入力し、[OK] をクリックします。

    注意

    このアカウントは、IIS のアプリケーション プールの [プロパティ] ダイアログ ボックスにある [識別] タブに示されます。

  4. [ユーザーまたはグループの権限] ボックスで、[変更] の横にある [許可] チェック ボックスをオンにします。

  5. [OK] をクリックします。

DNS マネージャを構成する

受信メールでは、Windows SharePoint Services 3.0 を実行しているホストまたはサブドメインの DNS マネージャで MX (メール エクスチェンジャ) リソース レコードを追加する必要があります。これは、ドメインの既存の MX レコードに含まれていません。

重要

この手順を実行するには、ローカル コンピュータの Administrators グループのメンバである必要があります。

MX (メール エクスチェンジャ) リソース レコードを追加する

  1. DNS マネージャで、Windows SharePoint Services 3.0 のサブドメインを含むドメインの前方参照ゾーンを選択します。

  2. ゾーンを右クリックし、[新しいメール エクスチェンジャ] をクリックします。

  3. [ホストまたはドメイン] ボックスに、Windows SharePoint Services 3.0 のホストまたはサブドメイン名を入力します。

  4. [メール サーバーの完全修飾ドメイン名 (FQDN)] ボックスに、Windows SharePoint Services 3.0 を実行しているサーバーの完全修飾ドメイン名を入力します。このドメイン名の形式は、一般に subdomain.domain.com です。

  5. [OK] をクリックします。

Outlook 2003 から添付ファイルを構成する

Microsoft Outlook 2003 から送信されるメッセージの添付ファイルは、電子メール対応のドキュメント ライブラリで区別されるように UUEncode または Binhex 形式でエンコードされる必要があります。別のエンコーディングを使用する Outlook 2003 からの添付ファイルは一覧で表示されませんが、添付ファイルを含む電子メール メッセージは一覧で表示されます。

受信メールの設定を構成する

Windows SharePoint Services 3.0 を実行しているサーバー上で受信メールを有効にする前に、ファーム内のフロントエンド Web サーバーやドメイン コントローラの Active Directory および DNS マネージャで SMTP サービスを構成し、これらのサービスを実行している他のサーバーの名前を知っている必要があります。

この手順を使用して、受信メールで使用する設定を構成します。また、安全な受信メール サーバーおよび受信メール表示アドレスのオプションを構成することもできます。

重要

この手順を完了するには、サーバーの全体管理サイトでの Administrators グループのメンバシップが必要です。

受信メールの設定を構成する

  1. ナビゲーション バーの [サーバー構成の管理] をクリックします。

  2. [サーバー構成の管理] ページで、[トポロジおよびサービス] セクションの [受信メールの設定] をクリックします。

  3. このサーバー上のサイトで電子メールの受信を有効にする場合は、[受信メールの設定] ページのセクションの [受信メールの有効化] で [はい] をクリックします。

  4. [自動] または [詳細設定] モードを選択します。

    [詳細設定] を選択した場合は、SMTP サーバーを使用する代わりにドロップ フォルダを指定できます。

  5. SharePoint Directory Management Service に接続する場合は、[Directory Management Service] セクションで [はい] をクリックします。

    1. [新しい配布グループと連絡先を作成する Active Directory コンテナ] ボックスに、**OU=ContainerName, DC=domain, DC=**com の形式でコンテナの名前を入力します。ここで ContainerName は Active Directory 内の組織単位の名前です。domain は第 2 レベルのドメインです。com はトップレベルのドメインです。

      注意

      サーバーの全体管理アプリケーション プール アカウントには、ユーザー アカウントの作成、削除、および管理権限を委任する必要があります。アクセスは、Active Directory の組織単位のプロパティで構成されます。

    2. [受信メール用 SMTP メール サーバー] ボックスに、SMTP メール サーバーの名前を入力します。これらのサーバー名は、DNS マネージャのメール サーバーの MX エントリにある完全修飾ドメイン名と一致する必要があります。

    3. 認証されたユーザーからのメッセージのみを受け入れるには、[認証されたユーザーからのメッセージのみを受信する] で [はい] をクリックします。それ以外の場合は、[いいえ] をクリックします。

    4. SharePoint サイトからの配信グループの作成を許可するには、[SharePoint サイトからの配布グループの作成を許可する] で [はい] をクリックします。それ以外の場合は、[いいえ] をクリックします。

    5. [配布グループに関する依頼の承認設定] で承認を必要とする操作を選択します。操作には以下があります。

    • 新しい配布グループの作成

    • 配布グループの電子メール アドレスの変更

    • 配布グループのタイトルと説明の変更

    • 配布グループの削除

  6. リモートの SharePoint Directory Management Web Service を使用する場合は、[リモートを使用する] を選択します。

    1. [Directory Management Service の URL] ボックスに、使用する Microsoft SharePoint Directory Management Service の URL を入力します。

    2. [受信メール用 SMTP メール サーバー] ボックスに、SMTP メール サーバーの名前を入力します。これらのサーバー名は、ドメイン サーバー上の DNS マネージャのメール サーバー用 MX エントリにある完全修飾ドメイン名と一致する必要があります。

    3. 認証されたユーザーからのメッセージのみを受け入れるには、[認証されたユーザーからのメッセージのみを受信する] で [はい] をクリックします。それ以外の場合は、[いいえ] をクリックします。

    4. SharePoint サイトからの配信グループの作成を許可するには、[SharePoint サイトからの配布グループの作成を許可する] で [はい] をクリックします。それ以外の場合は、[いいえ] をクリックします。

  7. Microsoft SharePoint Directory Management Service を使用しない場合は、[いいえ] をクリックします。

  8. [受信メール サーバーの表示アドレス] セクションで、[電子メール サーバーの表示アドレス] ボックスに電子メール サーバーの表示名 (例、mail.fabrikam.com) を入力します。

    ヒント

    リストまたはグループの受信メール アドレスを作成したときに表示される電子メール サーバー アドレスを指定することができます。より使いやすい電子メール アドレスを指定するには、この設定を Microsoft SharePoint Directory Management Service と一緒に使用します。

  9. [安全な電子メール サーバー] セクションで、以下のオプションのどちらかを選択します。

    • すべての電子メール サーバーからメールを受け取る

    • [指定した安全な電子メール サーバーからメールを受け取る]。このオプションを選択した場合は、安全であると指定する電子メール サーバーの IP アドレス (1 行に 1 つ) を対応するボックスに入力します。

  10. [電子メール ドロップ フォルダ] セクションで、[電子メール ドロップ フォルダ] ボックスに、SMTP サービスからの受信メールを Microsoft Windows SharePoint Services がポーリングするフォルダの名前を入力します。

    このオプションは、詳細設定モードを選択した場合のみ有効です。

  11. [OK] をクリックします。

SharePoint サイトの受信メールを構成する

受信メール設定を構成した後、サイト管理者は電子メール対応のリストおよびドキュメント ライブラリを構成することができます。電子メール対応のドキュメントライブラリの詳細については、サイト管理者のヘルプ ドキュメントを参照してください。

これらのドキュメント ライブラリ用に作成された連絡先アドレスは、Windows SharePoint Services 3.0 の組織単位の [Active Directory ユーザーとコンピュータ] に自動的に表示されます。また、Active Directory の管理者により管理される必要があります。Active Directory 管理者は、連絡先ごとにさらに電子メール アドレスを追加できます。Active Directory で連絡先を管理する方法の詳細については、Active Directory のヘルプ ドキュメントを参照してください。

または、新しい Exchange Server Global 受信者ポリシーを追加して Exchange Server を構成し、Windows SharePoint Services 3.0 のサブドメインまたはホストではなく、第 2 レベル ドメイン名を使用する外部アドレスを自動的に追加できます。Exchange Server の管理方法の詳細については、Exchange Server のヘルプ ドキュメントを参照してください。

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このトピックは、簡単に読んだり印刷したりできるように、次のダウンロード可能なドキュメントに収録されています。

入手可能なドキュメントの詳細な一覧については、「Windows SharePoint Services のダウンロード可能なブック」を参照してください。

関連項目

概念

受信メールを計画する (Windows SharePoint Services)