Windows SharePoint Services 3.0 SP1 を使用するための、Windows Server 2008 へのアップグレード

Windows Server 2003 を実行しているコンピュータに Windows SharePoint Services 3.0 Service Pack 1 (SP1) をインストール済みで、それを Windows Server 2008 にアップグレードする場合は、この資料の手順に従って Windows SharePoint Services 3.0 をアップグレードする準備を行います。

はじめに

インストールに関するすべての問題を解決する

Windows Server 2003 を実行しているコンピュータが次のいずれかに該当する場合、Windows Server 2008 のインストーラでアップグレードがブロックされます。

  • Windows SharePoint Services 2.0 がインストールされている。

  • Microsoft の FrontPage 2002 Server Extensions がインストールされている。

  • Windows Internal Database SP1 がインストールされている。

  • Windows SharePoint Services 3.0 SP1 がインストールされていない。

Windows SharePoint Services 3.0 をアップグレードする前に、Windows Server 2003 を実行しているコンピュータでインストールに関連して発生する問題をすべて解決しておく必要があります。

Windows Internal Database SP2 をインストールする

このインストールが、Windows Internal Database (MICROSOFT##SSEE) を既定のバックエンド データベースとして使用する、基本またはスタンドアロンの Windows SharePoint Services 3.0 のインストールである場合、Windows Server 2008 のインストールを開始する前に、Windows Internal Database SP2 をインストールする必要があります。Windows Internal Database では、Windows SharePoint Services、Active Directory Rights Management サービス、UDDI サービス、Windows Server Update Services、Windows システム リソース マネージャなど、Windows の役割と機能に対してのみ、リレーショナル データ ストアとして SQL Server テクノロジが使用されます。

Windows Internal Database SP2 の詳細、および x86 アーキテクチャまたは x64 アーキテクチャ向けのサービス パックのダウンロードは、以下のリンクを参照してください。

Search サービスを停止する

Windows Server 2008 をインストールしているときに Windows SharePoint Services の Search サービス (Spsearch) を実行していると、検索インデックスが破損することがあります。この問題を回避するために、以下の手順を実行する必要があります。

Windows SharePoint Services の Search サービスを停止するには

  1. コマンド プロンプト ウィンドウを開きます。

  2. 次のコマンドを実行して、Windows SharePoint Services の Search サービスの [スタートアップの種類] を [無効] に変更します。

    sc config spsearch start=disabled

    "[SC] ChangeServiceConfig SUCCESS" というメッセージが表示されます。

  3. 次のコマンドを実行して、Windows SharePoint Services の Search サービスを停止します。

    net stop spsearch

    "Windows SharePoint Services の Search サービスの停止に成功しました。" というメッセージが表示されます。

    注意

    SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを開始できない場合、またはアップグレード後に Windows SharePoint Services の Search サービスを開始しようとしたときに、このウィザードが停止しているように見える場合は、検索インデックスが破損している可能性があります。詳細については、この資料の「Windows SharePoint Services Search サービスのインデックスをリセットする」を参照してください。

Windows Server 2008 をインストールする

これで、Windows Server 2008 のインストールを実行できます。Windows Server 2008 のインストールの詳細については、「Windows Server 2008 Technical Library (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=106547&clcid=0x411) を参照してください。

インストール後の手順を実行する

Windows Server 2008 のインストール完了後、バイナリを修復して Windows SharePoint Services 3.0 を構成する必要があります。

Windows Server 2008 で Windows SharePoint Services を構成するには

  1. バイナリを修復します。Windows Server 2008 で、[スタート] ボタン、[コントロール パネル] の順にクリックして、[プログラムと機能] を開き、[Windows SharePoint Services 3.0] を選択して [変更] をクリックします。

    Least User Access (LUA) が有効になっているコンピュータの場合は、以下のどちらかの手順を実行します。

    • LUA をオフにし、以下の手順を繰り返します。

    • インストールを実行した場所 (Updates フォルダに SP1 ファイルを展開する操作を実行した場所) で Setup.exe を実行します。実行するアクションの選択を求める画面が表示されるので、[修復] を選択します。

  2. SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを実行します。

Windows SharePoint Services 3.0 をスタンドアロン インストールとしてインストールした場合、またはサーバー ファームにある Web サーバーにインストールしたが、ファーム アカウントがそのコンピュータの管理者ではない場合、Internet Information Services (IIS) 7.0 から読み取るアクセス許可を Windows SharePoint Services の Timer (SPTimerV3) サービスに付与する必要があります。SPTimerV3 サービスに適切なアクセス許可がない場合に発生する状況の例には、以下のものがあります。

  • 今後のソフトウェア更新プログラムのインストールに失敗します。

  • 複数の Web アプリケーションを持つサーバー ファームで、Web アプリケーションの作成に失敗します。

  • タイマ ジョブを使用して IIS Web サイトのプロパティを問い合わせる操作に失敗します。

IIS 7.0 から読み取るアクセス許可を SPTimerV3 サービスに付与するには

  1. ローカル コンピュータの Administrators グループのメンバであるドメイン アカウントでコンピュータにログオンします。

  2. 管理者特権でコマンド プロンプト ウィンドウを開きます。[スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム] をポイントして [アクセサリ] をクリックします。[コマンド プロンプト] を右クリックし、[管理者として実行] をクリックします。

  3. ディレクトリを %COMMONPROGRAMFILES%\Microsoft Shared\Web server extensions\12\BIN に変更します。

  4. 次のコマンドを実行します。

    stsadm -o grantiis7permission

    次のメッセージの表示で変更を確認します。

    Granting permission to SPTimerV3 service to read from IIS 7.0 or above.

    Operation completed successfully.

Windows Server バックアップを構成する

Windows SharePoint Services 3.0 で Windows Server バックアップを使用する場合は、所定のレジストリ キーを構成する必要があります。これらのレジストリ キーを構成していないと、Windows SharePoint Services 3.0 では Windows Server バックアップが正しく機能しません。Windows Server バックアップ向けにレジストリ キーを構成する方法の詳細については、「Windows Server 2008 にスタンドアロン サーバーをインストールする (Windows SharePoint Services)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=106802&clcid=0x411) の「Windows Server バックアップを構成する」を参照してください。

既知の問題

Least User Access が有効な場合には修復が不可能

Windows Server 2008 のインストール完了後、[プログラムと機能] を開いて Windows SharePoint Services 3.0 または言語テンプレート パックを修復しようとしても、LUA が有効 (既定の設定) になっていると、修復操作を実行できません。必ず LUA を無効にした後、修復を実行してください。

Windows Internal Database Service Pack 2 なしでアップグレードした後の問題を解決する

Windows Internal Database SP1 がインストールされていると、Windows Server 2008 のインストーラでアップグレードがブロックされます。この場合、アップグレードがブロックされた後で Windows Internal Database SP1 をアンインストールしていたとしても、Windows Internal Database SP2 をインストールしていない状況が考えられます。これに該当する状況で、Windows Internal Database SP1 をアンインストールした後、Windows Server 2008 を正常にインストールできている場合は、Windows Internal Database SP2 をインストールし、次の手順を使用して各自のサイトと Search サービスが適切に稼働していることを確認します。

アップグレード後にサイトと検索機能を修復するには

  1. Windows SharePoint Services 3.0 の以下のサービスをすべて停止します。

    • Windows SharePoint Services Timer

    • Windows SharePoint Services Administration

    • Windows SharePoint Services Tracing

    • Windows SharePoint Services Search

  2. コマンド プロンプト ウィンドウを開き、以下のコマンドで IIS を再開します。

    restartiis

  3. Windows Server 2008 に付属する Windows Internal Database をインストールするには、[サーバー マネージャ] を開き、[機能]、[機能の追加] の順にクリックします。[Windows Internal Database] チェック ボックスをオンにし、[インストール] をクリックして機能の追加ウィザードを完了します。

  4. Microsoft SQL Server 2005 Command Line Query Utility (sqlcmd) を次のように使用して Windows Internal Database を起動します。

    sqlcmd -S \\.\pipe\mssql$microsoft##ssee\sql\query -E

    注意

    sqlcmd ユーティリティは無料でダウンロードできます。sqlcmd は Microsoft SQL Server Native Client を必要とするので、Microsoft SQL Server 2005 用 Feature Pack (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=70728&clcid=0x411) 全体をダウンロードすることをお勧めします。sqlcmd ユーティリティの詳細については、「sqlcmd ユーティリティ」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=81183&clcid=0x411) を参照してください。

  5. Windows SharePoint Services 3.0 のデータベース (*.mdf) およびログ ファイル (*_log.ldf) ごとに、以下のコマンドを実行します。既定では、すべてのファイルは次のフォルダに格納されています。

    %Windows%\SYSMSI\SSEE\MSSQL.2005\MSSQL\Data

    EXEC sp_attach_db @dbname = '<dbname>', @filename1 = '<drive:\path\Data>\<dbname>.mdf', @filename2 = <drive:\path\Data>\<dbname>_log.ldf'

    Go

    注意

    configdb、contentdb、admin contentdb、および searchdb は必ず存在します。

  6. Windows SharePoint Services 3.0 の以下のサービスを開始します。

    • Windows SharePoint Services Timer

    • Windows SharePoint Services Administration

    • Windows SharePoint Services Tracing

    注意

    Windows SharePoint Services Search サービスは開始しないでください。

  7. 以下の手順で、Windows Internal Database サービスを再開します。

    1. [スタート] ボタンをクリックし、[管理ツール] をポイントして [サービス] をクリックします。

    2. サービスの一覧で [Windows Internal Database (MICROSOFT##SSEE)] を右クリックして [停止] をクリックします。

    3. [Windows Internal Database (MICROSOFT##SSEE)] を右クリックして [開始] をクリックします。

    注意

    この手順を開始する前から Windows SharePoint Services Search サービスを実行していた場合は、以下のコマンドを実行し、その Search サービスを再開する必要があります。

    stsadm -o spsearch -action start -databaseserver %_be% -databasename wsssearch

  8. 「インストール後の手順を実行する」でバイナリの修復を完了している場合は、ここの手順を省略できます。バイナリを修復していない場合、修復を実行するには、[ スタート] ボタン、[コントロール パネル]、[プログラムと機能] の順にクリックし、[Windows SharePoint Services 3.0] を選択して [ 変更] をクリックします。

  9. SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを実行して、Windows SharePoint Services 3.0 を構成します。

Windows SharePoint Services Search サービスのインデックスをリセットする

アップグレードの実行中に Windows SharePoint Services Search サービスを停止していなかった場合、Windows SharePoint Services Search サービスの検索インデックスのリセットが必要になることがあります。リセットするには、以下の手順を実行します。

注意

Windows SharePoint Services Search サービスの実行中に SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを実行した場合は、ウィザードによって検索インデックスが破損している可能性があります。その場合は、この資料の「Windows SharePoint Services Search サービスの破損したインデックスをリセットするには」の手順に従う必要があります。

Windows SharePoint Services Search サービスのインデックスをリセットするには

  1. SharePoint サーバーの全体管理を開きます。[スタート] ボタンをクリックして [管理ツール] をポイントし、[SharePoint 3.0 サーバーの全体管理] をクリックします。

  2. [サーバー構成の管理] タブの [サーバーのサービス] をクリックします。

  3. サービスの一覧で [停止] をクリックし、Windows SharePoint Services Search サービスを停止します。

  4. 警告のダイアログ ボックスで [OK] をクリックします。

    処理が完了するまで待機します。

  5. [サーバーのサービス] ページで、[開始] をクリックして、Windows SharePoint Services Search を開始します。

    [Windows SharePoint Services Search サービスの設定] ページが表示されます。

  6. [Windows SharePoint Services Search サービスの設定] ページで、[検索データベース] セクションまでスクロールし、[データベース名] を変更します。 下にスクロールして [開始] をクリックします。

    処理が完了するまで待機します。

SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードで Spsearch サービスを開始できない場合は、検索インデックスが破損している可能性があります。ここでサーバーの全体管理を使用して、サーバー構成の管理 Web ページおよびサーバーのサービス Web ページを開くと、Spsearch のステータスが starting になっていることがわかります。しかし、サーバーの全体管理からの停止要求にサービスが応答しなくなっているので、以下の手順を実行する必要があります。

Windows SharePoint Services Search サービスの破損したインデックスをリセットするには

  1. SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを手動で閉じます。

    1. [タスク マネージャ] を開き、[プロセス] タブをクリックします。

    2. [Psconfig] を選択して [プロセスの終了] をクリックします。

  2. Spsearch サービスを停止するには、コマンド プロンプト ウィンドウを開いて以下のコマンドを入力します。

    stsadm -o spsearch -action stop

  3. サーバーの全体管理を開きます。[スタート] ボタンをクリックして [管理ツール] をポイントし、[SharePoint 3.0 サーバーの全体管理] をクリックします。

  4. [サーバー構成の管理] タブの [サーバーのサービス] をクリックします。

  5. [サーバーのサービス] ページで、[開始] をクリックして、Windows SharePoint Services Search を開始します。

    [Windows SharePoint Services Search サービスの設定] ページが表示されます。

  6. [Windows SharePoint Services Search サービスの設定] ページで、[検索データベース] セクションまでスクロールし、[データベース名] を変更します。 下にスクロールして [開始] をクリックします。

  7. 処理が完了するまで待機します。

  8. SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを開始します。

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