組み込みツールを使用して Web アプリケーションをバックアップおよび復元する (Windows SharePoint Services 3.0)

Windows SharePoint Services 3.0 に付属のツールを使用すると、Web アプリケーションのバックアップと復元を実行できます。サーバーの全体管理 Web サイトでは、UI をベースとした簡単な方法で、コンテンツのバックアップと復元を管理でき、ジョブの履歴と状態を表示することもできます。Stsadm コマンドライン ツールを使用すると、コマンドラインをベースとした方法で、より高速かつ柔軟にコンテンツのバックアップと復元を実行できます。Stsadm コマンドライン ツールと Windows のスケジューラを組み合わせて使用すると、遅延バックアップや定期的なバックアップをスケジュールできます。

Windows SharePoint Services 3.0 に付属のデータ保護ツールと、SharePoint データを保護するためのその他のツールとの比較については、「バックアップと復旧のツール選択 (Windows SharePoint Services)」を参照してください。

次のどちらかの方法を使用して、Windows SharePoint Services 3.0 のデータをバックアップおよび復元することができます。

SharePoint の組み込みツールを使用して Web アプリケーションをバックアップする

この手順を使用して、SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトを使用した Web アプリケーションのバックアップを行います。

重要

この手順を完了するには、Farm Administrators SharePoint グループのメンバシップが最低限必要です。

ユーザー インターフェイスを使用して Web アプリケーションをバックアップするには

  1. SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトの [サーバー構成の管理] ページで、[バックアップと復元] セクションの [バックアップの実行] をクリックします。

  2. [バックアップするコンポーネントの選択] ページで、バックアップする Web アプリケーションのチェック ボックスをオンにします。 下位の Web アプリケーションとコンテンツ データベースのチェック ボックスがすべて自動的にオンになります。 [バックアップ オプションへ] をクリックします。

  3. [バックアップ オプションの選択] ページの差分バックアップでは、前回のバックアップ以降に作成または変更されたデータをバックアップします。 完全バックアップと差分バックアップを組み合わせて実行する場合、復元処理では、前回の完全バックアップと前回の差分バックアップのデータが必要になります。

    • [バックアップ コンテンツ] セクションで、選択した Web アプリケーションが表示されていることを確認します。

    • [バックアップの種類] セクションで [完全] を選択します。

    • [バックアップ ファイルの場所] セクションで、バックアップ フォルダの UNC パスを入力します。

  4. [OK] をクリックします。

    [更新] をクリックして、[バックアップと復元の状態] ページでバックアップ ジョブの状態を表示できます。 このページは 30 秒ごとに自動的に更新されます。 バックアップや復元は Timer Service ジョブなので、バックアップが開始されるまで数秒かかる場合があります。

    エラーが表示された場合は、前に指定した UNC パスにある spbackup.log ファイルを表示すると、詳細情報を確認できます。

Stsadm コマンドライン ツールを使用した Web アプリケーションをバックアップするには、以下の手順を使用します。

重要

この手順を実行するには、少なくともローカル コンピュータの Administrators グループのメンバである必要があります。

コマンド ラインを使用して Web アプリケーションをバックアップするには

  1. SharePoint 製品とテクノロジがインストールされたドライブで、%COMMONPROGRAMFILES%\Microsoft shared\Web server extensions\12\Bin に移動します。

  2. どのノードをバックアップするかがまだ判明しない場合は、次のコマンドを入力します。

    stsadm -o backup -showtree

    注意

    角かっこ ([ ]) に囲まれたアイテムは、直接的にはバックアップの対象として選択できませんが、それらの親アイテムが選択された場合にバックアップされます。

  3. Web アプリケーションをバックアップするには、次のコマンドを入力します。

    stsadm -o backup -directory \\<サーバー名>\<フォルダ名> -backupmethod full -item <Web アプリケーション名>

    \\サーバー名\フォルダ名は、バックアップ フォルダへの UNC パスで、Web アプリケーション名は、バックアップする Web アプリケーションの名前です。showtree パラメータによって表示されるファームの完全なパスの表記、または一意の名前が付いている場合はコンポーネントの名前を使用できます (Windows SharePoint Services Web Application\SharePoint-80 など)。

  4. バックアップが正常に終了すると、コマンド プロンプト ウィンドウに次の文字列が表示されます。

    Completed with 0 warnings.
    Completed with 0 errors.
    Backup completed successfully.
    ---------------------------------------------------------
    Operation completed successfully.
    
  5. エラーや警告が発生した場合、またはバックアップが正常に完了しなかった場合は、手順 3. で指定したフォルダ内の spbackup.log ファイルを確認してください。

バックアップのスケジュールまたは延期

SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトでバックアップをスケジュールすることはできません。ただし、バッチ ファイルを作成し、そのバッチ ファイルを特定の時間に実行するように Windows Server 2003 のタスク スケジューラを設定することで、バックアップ処理を自動化できます。Windows SharePoint Services 3.0 の組み込みツールを使用してバックアップを実行するとパフォーマンスに影響を及ぼす可能性があるため、夜間や週末などのオフピーク時にバックアップをスケジュールすることをお勧めします。

この手順を使用して、Web アプリケーションの完全バックアップを実行するバッチ ファイルを作成します。この手順では、既にバックアップ用の共有フォルダが作成されていることを前提としています。共有フォルダの作成方法の詳細については、「Windows SharePoint Services 3.0 テクノロジのバックアップを準備する」を参照してください。

ヒント

タスク スケジューラを使用する場合、コンピュータのシステム日付と時刻が正確であることを確認してください。 この情報を確認または変更するには、タスク バーの時間インジケータをダブルクリックします。

バッチ ファイルを作成するには

  1. [スタート] ボタンをクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。

  2. notepad」と入力し、[OK] をクリックします。

  3. メモ帳で、次のテキストを入力します。

    @echo off
    echo ===============================================================
    echo Back up sites for the farm to C:\backup
    echo ===============================================================
    cd \Program Files\Common Files\Microsoft Shared\web server extensions\12\BIN
    @echo off
    stsadm -o backup -directory <\\server name\folder name> -backupmethod full -item <Web application name> 
    echo completed
    

    \\サーバー名\フォルダ名は、バックアップ フォルダへの UNC パスで、Web アプリケーション名は、バックアップする Web アプリケーションの名前です。showtree パラメータによって表示されるファームの完全なパスの表記、または一意の名前が付いている場合はコンポーネントの名前を使用できます (Windows SharePoint Services Web Application\SharePoint-80 など)。

  4. メモ帳の [ファイル] メニューの [名前を付けて保存] をクリックします。

  5. [名前を付けて保存] ボックスで、バッチ ファイルを保存するフォルダを選択します。

  6. ".bat" ファイル名拡張子を使用します。[ファイル名] ボックスに、backup_batch.bat などのように、ファイルの名前を入力します。

  7. [ファイルの種類] ボックスで、[すべてのファイル] をクリックします。

  8. [保存] をクリックします。

バックアップをスケジュールするには

  1. スケジュールされたタスク ウィザードを起動し、[次へ] をクリックします。

  2. [参照] をクリックして、作成したバッチ ファイルを指定し、[開く] をクリックします。

  3. タスクの名前 (backup_batch など) を入力します。

  4. このタスクを実行する頻度 (週単位など) を選択し、[次へ] をクリックします。

  5. このバックアップを定期的に自動実行するには、[週単位] や [月単位] などの間隔を選択します。このバックアップを 1 回だけ実行する場合、または 1 回のバックアップを遅延させる場合は、[1 回のみ] を選択します。

  6. バックアップの時刻と開始日を決定します。

  7. ユーザーの名前とパスワードを入力し、[次へ] をクリックします。このタスクは、そのユーザーによって起動されているかのように実行されます。

  8. [完了] をクリックします。

    タスクの詳細設定を構成するには、ウィザードの最後のページで [[完了] をクリックしたときに詳細プロパティを開く] チェックボックスをオンにします。これにより、[完了] をクリックしたときにプロパティ ダイアログ ボックスが開きます。[タスク] タブで実行しているプログラムを変更したり、[スケジュール] タブでスケジュールを調整したり、[設定] タブで設定値をカスタマイズしたり、[セキュリティ] タブでユーザーとグループのアクセス許可を設定したりできます。

組み込みツールを使用して SharePoint Web アプリケーションを復元する

組み込みツールを使用して SharePoint Web アプリケーションを復元するには、以下の手順を実行します。

重要

この手順を完了するには、Farm Administrators SharePoint グループのメンバシップが最低限必要です。

ユーザー インターフェイスを使用して Web アプリケーションを復元するには

  1. SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトの [サーバー構成の管理] ページの [バックアップと復元] セクションで、[バックアップからの復元] をクリックします。

  2. [バックアップの場所の選択] ページの [バックアップ ファイルの場所] セクションで、バックアップ フォルダの汎用名前付け規則 (UNC) パスを入力します。

  3. [復元するバックアップの選択] ページで、復元に使用するバックアップ ファイルを選択し、[復元の続行] をクリックします。

  4. [復元するコンポーネントの選択] ページで、復元する Web アプリケーションを選択し、[復元の続行] をクリックします。

  5. [復元オプションの選択] ページで、以下を行います。

    1. [復元するコンポーネント] セクションで、選択した Web アプリケーションが表示されていることを確認します。

    2. [復元オプション] セクションで、[同じ構成] を選択します。
      現在のファームが上書きされることを通知するメッセージが表示されます。[OK] をクリックします。

    3. [新しい名前] セクションで、各コンポーネントの新しい名前と URL を入力するか、または既定値をそのまま使用します。

  6. [OK] をクリックします。

Stsadm コマンドライン ツールを使用して Web アプリケーションを復元するには、以下の手順を実行します。

重要

この手順を実行するには、少なくともローカル コンピュータの Administrators グループのメンバである必要があります。

コマンド ラインを使用して Web アプリケーションを復元するには

  1. SharePoint 製品とテクノロジがインストールされているドライブで、ディレクトリ %COMMONPROGRAMFILES%\Microsoft shared\Web server extensions\12\Bin に移動します。

  2. 復元する特定のバックアップのバックアップ GUID を取得するには、次のコマンドを入力して Enter キーを押します。

    stsadm -o backuphistory -directory <UNC パス>

    ここで、UNC パスは、バックアップが格納されている共有フォルダへのパスです。

  3. 復元する Web アプリケーションの名前が不明な場合は、次のコマンドを入力して Enter キーを押します。

    stsadm -o restore -showtree -directory <UNC パス> -backupid <backuphistory の GUID>

    ここで、UNC パスは、バックアップが格納されている共有フォルダへのパス、バックアップ履歴の GUID は、復元するバックアップ パッケージの GUID です。

    注意

    角かっこ ([ ]) で囲まれたアイテムは復元できません。

  4. Web アプリケーションを復元するには、次のコマンドを入力し、Enter キーを押します。

    stsadm -o restore -directory <UNC パス> -backupid <backuphistory の GUID> -item <ツリーから作成されたパス> -restoremethod overwrite

    ここで、UNC パスは、バックアップの共有フォルダへの UNC パス、バックアップ履歴の GUID は、復元する特定のバックアップ パッケージの GUID、ツリーの作成したパスは、-showtree パラメータを指定した場合に表示される完全ファーム パス表記です。

  5. 選択したすべてのアイテムが上書きされることを示す警告が表示された場合は、「y」と入力して Enter キーを押します。

  6. 指示に従って、Web アプリケーションおよびコンテンツ データベースのユーザー名とパスワードを入力します。

  7. 復元が正常に完了すると、コマンド プロンプト ウィンドウに次の文字列が表示されます。

    Completed with 0 warnings.
    Completed with 0 errors.
    Restore completed successfully.
    ---------------------------------------------------------
    Operation completed successfully.
    
  8. 復元が正しく完了しなかった場合は、次のメッセージが表示されます。

    The restore job failed. For more information, see the error log that is located in the backup directory. 
    

    参照対象エラー ログは、バックアップ共有フォルダの sprestore.log ファイルです。

関連項目

概念

コンテンツの保護と復旧 (Windows SharePoint Services 3.0)
Windows SharePoint Services 3.0 テクノロジのバックアップと復旧を管理する
ごみ箱が使用されていない場合のドキュメントの復元 (Windows SharePoint Services 3.0)
組み込みツールを使用してサイト コレクションをバックアップおよび復元する (Windows SharePoint Services 3.0)
コンテンツ データベースをバックアップおよび復元する (Windows SharePoint Services 3.0)
サイト オブジェクトをバックアップおよび復元する (Windows SharePoint Services)
DPM を使用してアイテムをバックアップおよび復元する (Windows SharePoint Services 3.0)
DPM を使用してサイトをバックアップおよび復元する (Windows SharePoint Services 3.0)