ログをバックアップする (Office SharePoint Server 2007)

データ保護に関するシステム全体の戦略には、Microsoft Office SharePoint Server 2007 関連のデータが記録されるログのバックアップを含める必要があります。このデータは、パフォーマンス分析、トラブルシューティング、サービス レベル契約の遵守の監視、および法律、規制、またはビジネス上の目的に沿った作業に役立ちます。そのため、ログをバックアップし、日常の保守の一環としてこのデータを保護するようにしてください。

以下に示す各種ログには、その種類のログのバックアップの重要性を示すラベルが付いています。そのラベルの意味を以下に示します。

  • [Essential][重要] は、環境に不可欠なデータがログに含まれていることを表します。ディスク エラーなどの問題が生じると、データが失われる可能性があります。

  • [Recommended][推奨] は、トラブルシューティング、運用、法律などに関する要件を満たすうえで、ほとんどの環境で役立つデータがログに含まれていることを表します。

  • [Optional][オプション] は、それぞれの IT ポリシーに応じて保管する必要のあるデータがログに含まれていることを表します。

[重要] トランザクション ログをバックアップする

Microsoft SQL Server 2005 のトランザクション ログには、最後のチェックポイントまたは完全バックアップの後にデータベースに加えられたすべての変更が記録されます。これらのログには、ファームの復元に必要なデータが含まれています。

これらのログは、5 ~ 10 分おきにバックアップし、切り捨てることをお勧めします。トランザクション ログのバックアップには、SQL Server 2005 ツールを使用できます。詳細については、SQL Server 2005 のドキュメントの「トランザクション ログ バックアップの作成」(https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/ms191429.aspx?amp;clcid=0x411) を参照してください。

SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトまたは Stsadm コマンド ライン ツールを使用して、ファーム、Web アプリケーション、またはデータベースをバックアップするときに、トランザクション ログも自動的にバックアップされます。Stsadm コマンド ライン ツールの詳細については、「Office SharePoint Server 2007 の計画とアーキテクチャ」を参照してください。

トランザクション ログのサイズがファームのバックアップの所要時間に及ぼす影響

Office SharePoint Server 2007 をバックアップするとき、トランザクション ログのサイズによってバックアップ操作に要する時間が変わってきます。トランザクション ログには、最後のチェックポイントまたは完全バックアップの後にデータベースに加えられたすべての変更が記録されるため、時間がたつにつれてログのサイズが非常に大きくなる可能性があります。トランザクション ログのサイズが非常に大きくなっている場合、バックアップにかなりの時間がかかることがあります。トランザクション ログのサイズが大きくなりすぎるのを防ぐ方法の詳細については、「SQL Server データベースのトランザクション ログが突然拡張されないようにする方法」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=111458&clcid=0x411) を参照してください。

完全復旧モデルを使用している場合は、トランザクション ログのバックアップを通じてログを切り捨てることをお勧めします。SQL Server 2005 では、トランザクション ログのバックアップの際に、ログの使用されていない部分が自動的に切り捨てられます。また、トランザクション ログが自動的に拡張されないように、ログのサイズをあらかじめ大きくしておくこともお勧めします。トランザクション ログのサイズ設定の詳細については、「トランザクション ログ ファイルのサイズの管理」(https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/ms365418.aspx?amp;clcid=0x411) を参照してください。完全復旧モデルの使用の詳細については、「完全復旧モデルでのバックアップ」(https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/ms190217.aspx?amp;clcid=0x411) を参照してください。単純復旧モデルの使用の詳細については、「単純復旧モデルでのバックアップ」(https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/ms191164.aspx?amp;clcid=0x411) を参照してください。

トランザクション ログのサイズを手動で縮小したり、Truncate メソッドを使用してログを手動で切り捨てたりすることはお勧めしません。

[推奨] IIS ログをバックアップする

インターネット インフォメーション サービス (IIS) ログには、ユーザー アクティビティに関する情報 (サイトの閲覧者、閲覧者が閲覧したコンテンツ、情報が最後に閲覧された時刻など) が記録されます。このログを使用すると、コンテンツの人気の高さを評価したり、情報のボトルネックを発見したりできます。IIS ログ ファイルのバックアップ方法の詳細については、「ログ ファイルを保存する」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=124883&clcid=0x411) を参照してください。

[推奨] SMTP 電子メール ログをバックアップする

簡易メール転送プロトコル (SMTP) 電子メール ログには、ファームの受信および送信メール トラフィックに関する情報が記録されます。Office SharePoint Server 2007 における電子メールの詳細については、「章の概要 : 通信を計画する (Office SharePoint Server)」を参照してください。

SMTP 電子メール ログは、テキスト ファイルとデータベース ログの 2 種類の形で記録できます。テキスト ファイルの場合は、ファイルをバックアップします。データベース ログの場合は、SQL Server 2005 ツールを使用してデータベースをバックアップします。形式と場所に関する情報は、インターネット インフォメーション サービス (IIS) マネージャ スナップインで確認できます。SMTP 電子メール ログの詳細については、「プロトコル ログの記録を有効にする (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=124884&clcid=0x411).

注意

組織のセキュリティ ポリシーやその他のポリシーにより、DBA が、ログを含むデータベースをバックアップまたは復元しなければならない場合があります。

(オプション) 利用状況レポートをバックアップする

利用状況分析を使用すると、Web サイトがどのように使用されているかを追跡できます。ログ ファイルは、利用状況を追跡するために毎日作成されます。利用状況分析の詳細については、Office SharePoint Server 2007 サーバーの全体管理ヘルプの「利用状況の分析処理の有効化 (Office SharePoint Server)」を参照してください。

ログ ディレクトリの場所はファームレベルの設定であり、この設定で指定されるディレクトリは、ファーム内のすべてのサーバーに存在する必要があります。

重要

次の手順を完了するには、SharePoint の Farm Administrators グループのメンバである必要があります。

利用状況レポートをバックアップする

  1. SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトの [サーバー構成の管理] ページで、[ログおよびレポートの作成] セクションの [利用状況の分析処理] をクリックします。

  2. [利用状況の詳細な分析処理の構成] ページで、[ログ ファイルの場所] テキスト ボックスにファイルの場所を記録します。

  3. ファイルやディレクトリを安全な場所にコピーできます。

(オプション) 診断ログをバックアップする

診断ログでは、ファームの操作に関する詳細情報が提供されます。ログに記録される詳細のレベルを構成できます。診断ログ記録を構成する方法の詳細については、Office SharePoint Server 2007 サーバーの全体管理ヘルプの「診断ログを構成する (Office SharePoint Server)」を参照してください。

診断ログをバックアップする

  1. SharePoint サーバーの全体管理 Web サイトの [サーバー構成の管理] ページで、[ログおよびレポートの作成] セクションの [診断ログ] をクリックします。

  2. [診断ログ] ページの [トレース ログ] セクションで、[パス] テキスト ボックスにファイルの場所を記録します。

  3. ファイルやディレクトリを安全な場所にコピーできます。

(オプション) Windows イベント ログをバックアップする

Windows イベント ログは、システム、システム コンポーネント、およびアプリケーションがイベントを記録するために使用する一連のイベント ログを提供します。これらのログには、サーバーの運用、ファーム、および関連技術に関する詳細情報が含まれます。ログをアーカイブして、この情報を保存できます。これらのログをアーカイブする方法の詳細については、Windows Server 2003 ヘルプ コレクションの「イベント ログを保存する」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=127989&clcid=0x411) を参照してください。

関連項目

概念

診断ログを構成する (Office SharePoint Server)
利用状況の分析処理の有効化 (Office SharePoint Server)
ファームのバックアップと復元 (Office SharePoint Server 2007)