リモート BLOB ストレージ (RBS) を使用してドメイン コントローラーのスタンドアロン インストールをアップグレードする (データベース接続)

 

適用先: SharePoint Foundation 2010

ここでは、ドメイン コントローラーで実行されているスタンドアロン Windows SharePoint Services 3.0 システムからリモート BLOB ストレージ (RBS) を使用する Microsoft SharePoint Foundation 2010 にアップグレードする手順について説明します。通常、コンテンツ データベースのサイズが 4 GB 以上の場合に RBS を使用することをお勧めします。

重要

記事「コンテンツ データベースが 4 GB より大きい場合に Windows SharePoint Services 3.0 のスタンドアロン インストールから SharePoint Foundation 2010 にアップグレードする (リモート BLOB ストレージ)」に目を通して、Windows SharePoint Services 3.0 から RBS を使用する SharePoint Foundation 2010 へのアップグレード方法に関する重要な情報と推奨事項を確認しておくことを強くお勧めします。

RBS は、バイナリ ラージ オブジェクト (BLOB) のストレージをデータベース サーバーからストレージ ソリューション製品に移動するために使用できます。RBS は SQL Server 2008 Express と SQL Server 2008 に適用できるアドオンです。

ここで紹介する RBS の実装では、SQL Server FILESTREAM プロバイダーが使用されます。RBS と FILESTREAM プロバイダーの詳細については、「RBS の概要 (SharePoint Foundation 2010)」を参照してください。

SharePoint Foundation 2010 では、コンテンツ データベースが SQL Server 2008 Express に格納されており、1 データベースあたりの最大サイズは 4 GB です。Microsoft SQL Server 2008 R2 Express は最大 10 GB のコンテンツ データベースをサポートするので、コンテンツ データベースをサポートするために SQL Server 2008 R2 Express をインストールすることをお勧めします。

この記事は、SharePoint Foundation 2010 へのアップグレードに関する包括的なガイドではありません。その代わりに、アップグレードを実行するために読む必要がある記事へのリンクを記載しています。ここでは、SharePoint Foundation 2010 がインストールされたドメイン コントローラーに RBS をインストールおよび実装するために必要な追加の手順について説明します。

アップグレード プロセスを開始する前に、次の記事に目を通し、アップグレードの計画を作成してください。

この記事の手順

  • ドメイン コントローラーで RBS を使用する SharePoint Foundation 2010 へのアップグレードを準備する

  • SQL Server 2008 Express R2 をインストールする

  • RBS をインストールする

  • SharePoint Foundation 2010 をインストールする

  • コンテンツ データベースを RBS に移行してインストールを完了する

ドメイン コントローラーで RBS を使用する SharePoint Foundation 2010 へのアップグレードを準備する

  1. アップグレードとインストールに使用するユーザー アカウントが「初期展開に必要な管理アカウントとサービス アカウント (SharePoint Foundation 2010)」に記載されている要件を満たすかどうかを確認します。

  2. ユーザー アカウントが、ローカル サーバー コンピューターの Administrators グループのメンバーであることを確認します。

  3. ハードウェア構成が SharePoint Foundation 2010 をサポートしていることを確認します。詳細については、「ハードウェア要件およびソフトウェア要件 (SharePoint Foundation 2010)」を参照してください。

  4. ディスクの空き容量が次の要件を満たしていることを確認します。

    • 最大のコンテンツ データベースのサイズの少なくとも 2 倍のディスク空き容量がある。

    • すべてのコンテンツ データベースの合計サイズ以上のディスク空き容量がある。

  5. 記事「アップグレード前の手順を実行する (SharePoint Foundation 2010)」に記載されているアップグレード前のタスクを実行します。これらは次のとおりです。

SQL Server 2008 Express R2 をインストールする

  1. SQL Server 2008 R2 Express をサイトからダウンロードします。

  2. 表示される指示に従って、SQL Server 2008 R2 Express をドメイン コントローラーにインストールします。

    SQL Server 2008 R2 Express のインストール方法の詳細については、「SQL Server 2008 をインストールする方法 (セットアップ)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=186119&clcid=0x411) を参照してください。

    ほとんどのインストール オプションについては既定の値を使用します。具体的には、以下のオプションを使用します。

    1. [機能の選択] ページでは、インストールするコンポーネントを選択できます。[SQL Server Management Studio] をインストールする機能として選択してください。

    2. [インスタンスの構成] ページでは、既定のインスタンスと名前付きのインスタンスのどちらをインストールするかを選択できます。名前付きインスタンスを作成する場合は、この記事の後の手順でその名前を使用するので、書き留めておいてください。

    3. [サーバーの構成 - サービス アカウント] ページでは、SQL Server サービス用のログイン アカウントを指定する必要があります。同じログイン アカウントをすべての SQL Server サービスに割り当てるか、サービス アカウントを個別に構成できます。SQL Server データベース エンジンのログイン アカウントとしてドメイン アカウントを使用する必要があります。

    4. [データベース エンジンの構成] ページでは、このインストール作業に使用するドメイン アカウントが SQL Server 管理者として一覧に含まれることを確認します。

RBS をインストールする

  1. https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=168472&clcid=0x411 に移動し、RBS_X64.msi ファイルをダウンロードします。

    重要

    Microsoft SQL Server 2008 R2 用 Feature Pack に含まれる SQL Server リモート BLOB ストア インストール パッケージに含まれるバージョンの RBS をインストールします。RBS は、バージョン 10.50.xxx である必要があります。これよりも前のバージョンの RBS は、SharePoint Foundation 2010 でサポートされません。

  2. このファイルを含むフォルダーを開き、RBS_X64.msi をダブルクリックして、SQL リモート BLOB ストレージのインストール ウィザードを起動します。

  3. SQL リモート BLOB ストレージのインストール ウィザードの [Feature Selection] ページで、[Server] を展開し、[Execute scripts] の横にある下向き矢印をクリックして、[Entire feature will be unavailable] をクリックします。

  4. [FILESTREAM Provider]、[Server] の順に展開し、[Execute scripts] の横にある下向き矢印をクリックして、[Entire feature will be unavailable] をクリックします。

    注意

    このスクリプトをホストするデータベースは、データベースのアップグレード プロセス中に作成されるので、この段階ではまだ存在しません。[Execute scripts] オプションは、SharePoint Foundation 2010 のインストール中に自動的にインストールされます。

  5. 既定値を使用して、ウィザードを完了します。

    インストール中に、RBS Maintainer タスクに関する説明がダイアログ ボックスに表示されます。ダイアログ ボックスの [OK] をクリックしてインストールを続行します。

SharePoint Foundation 2010 をインストールする

  1. コントロール パネルを使用して、ドメイン コントローラーに存在するすべての以前のバージョンの SharePoint 製品とテクノロジをアンインストールします。

  2. SharePoint Foundation 2010 をファーム サーバーにインストールする」に記載されている指示に従って SharePoint Foundation 2010 をインストールします。インストール中は、「SQL Server 2008 Express R2 をインストールする」の手順 2. で作成したデータベース インスタンス名を使用します。この手順で既定の名前のインスタンスを使用した場合は、その名前として「"SQLExpress"」と入力します。既定のインスタンスを使用した場合は、既定のインスタンス名 "SQLExpress" ではなく「" "」と入力します。

    ここでは SharePoint Foundation 2010 の新しいインストールを作成していることに注意してください。一括アップグレードではなくデータベース接続アップグレードを実行しています。

    注意

    SharePoint Foundation 2010 をインストールした後は、この記事で後ほど指示があるまで、Web アプリケーションを作成しないでください。

コンテンツ データベースを RBS に移行してインストールを完了する

  1. この手順を実行しているユーザー アカウントが、SharePoint Foundation 2010 および RBS を実行するファームのインストールに使用したものと同じであることを確認します。

  2. [スタート] メニューの [すべてのプログラム] をクリックします。

  3. [Microsoft SharePoint 2010 製品] をクリックします。

  4. [SharePoint 2010 管理シェル] をクリックします。

  5. Windows PowerShell コマンド プロンプトで、次のコマンドを入力してコンテンツ データベースを RBS に移行します。

    Move-SPBlobStorageLocation -SourceDatabase "<ContentDbName>" -DestinationDataSourceInstance "<InstanceName>"
    

    ここで、

    • <ContentDbName> は、コンテンツ データベースの名前です。

    • <InstanceName> は、「SQL Server 2008 Express R2 をインストールする」の手順 2. で作成した SQL Server データベース インスタンスの名前です。この手順で既定の名前のインスタンスを使用した場合は、その名前として「"SQLExpress"」と入力します。既定のインスタンスを使用した場合は、既定のインスタンス名 "SQLExpress" ではなく「" "」と入力します。

    このコマンドの実行は、コンテンツ データベースごとに繰り返す必要があります。前の「ドメイン コントローラーで RBS を使用する SharePoint Foundation 2010 へのアップグレードを準備する 」の手順 5. でアップグレード前チェック ツールを使用して生成したコンテンツ データベースのリストを参照してください。

  6. コンテンツ データベースの接続先となる Web アプリケーションを作成します。SharePoint Foundation 2010 で Web アプリケーションを作成する方法については、「Web アプリケーションを作成する (SharePoint Foundation 2010)」または「Windows クレーム認証を使用する Web アプリケーションを作成する (SharePoint Foundation 2010)」を参照してください。

  7. コンテンツ データベースを SharePoint Foundation 2010 Web アプリケーションに接続し、アップグレードするには、次のコマンドを入力します。

    Mount-SPContentDatabase "<ContentDbName>" -DatabaseServer "<DbServer>" -WebApplication <http://SiteName>
    

    ここで、

    • <ContentDbName> は、データベースの名前です。

    • <DbServer> は、データベース サーバーの名前です。

    • <http://SiteName> は、Web アプリケーションの URL です。

    詳細については、「Move-SPBlobStorageLocation」および「Mount-SPContentDatabase」を参照してください。

  8. 必要なカスタマイズを新しいシステムに作成するか、または復元します。推奨されるアップグレード後の手順については、「アップグレード後の手順を実行する (SharePoint Foundation 2010)」を参照してください。

See Also

Concepts

RBS を計画する (SharePoint Foundation 2010)
アップグレードでの新機能 (SharePoint Foundation 2010)