必須コンポーネントをネットワーク共有からインストールする (SharePoint Foundation 2010)
適用先: SharePoint Foundation 2010
この記事では、必須コンポーネント インストーラー (PrerequisiteInstaller.exe) ツールを使用して、Microsoft SharePoint Foundation 2010 の必須コンポーネントをオフラインで共有するネットワーク上の場所からインストールする方法について説明します。
必須コンポーネントをオフラインの場所からインストールする必要があるのは、通常、Microsoft SharePoint Foundation のインストール先となるサーバーがインターネットから切り離されている場合です。これに該当しない場合でも、オフラインの主要な場所から必須コンポーネントをインストールすると、既知の管理された一連のイメージのインストールによってファーム サーバーの一貫性を保証できます。
注意
Microsoft SharePoint 製品準備ツールは、PrerequisiteInstaller.exe に組み込まれているユーザー インターフェイスです。Microsoft SharePoint 製品準備ツールは、ユーザーからの入力を受け付けません。
この記事の内容
インストーラーのスイッチおよび引数
必須コンポーネントをダウンロードしてファイル共有に集約する
必須コンポーネントをコマンドラインからインストールする
引数ファイルを使用して必須コンポーネントをインストールする
既知の問題
インストーラーのスイッチおよび引数
PrerequisiteInstaller.exe でスイッチと引数を使用することで、インストールする必須ソフトウェアのバージョンと、インストール元となる場所を制御します。
PrequisiteInstaller.exe には、1 組以上のスイッチと引数のペアを指定できます。スイッチは、必須コンポーネントを識別し、引数は、必須コンポーネントのアクションと場所を指定します。
スイッチと引数のペアは、次の形式で指定します。
/スイッチ: <パス>
ここで、
/スイッチは、必須コンポーネントを識別する有効なスイッチです。たとえば、/NETFX35SP1: は, .NET Framework 3.5 Service Pack 1 を識別するスイッチです。
<パス> は、ローカル ファイルまたはファイル共有へのパスとして表されます。たとえば、"C:\フォルダー名\dotnetfx35.exe "、"\\<サーバー名>\<共有名>\dotnetfx35.exe" です。
各スイッチと引数は、コロンとスペースで区切ります。引数は二重引用符で囲みます。
スイッチと引数のペアは、PrerequisiteInstaller.exe にコマンド プロンプトから渡すことも、引数テキスト ファイルから読み取ることもできます。
必須コンポーネントをダウンロードしてファイル共有に集約する
必須コンポーネントをダウンロードして集約する処理は、以下の手順で構成されます。
必須コンポーネントを識別するには
「ハードウェア要件およびソフトウェア要件 (SharePoint Foundation 2010)」の記事を参照してください。この記事には、SharePoint Foundation 2010 の必須ソフトウェアとオプションのソフトウェアをすべて示すリストが記載されています。また、インターネット経由でダウンロードできる各必須コンポーネントのダウンロード場所も記載されています。
コマンド プロンプトから、SharePoint Foundation 2010 インストール メディアまたはフォルダーの場所のルートにナビゲートします。
コマンド プロンプトで、「PrerequisiteInstaller.exe /?」と入力します。このコマンドは、必須コンポーネントをコマンドラインからインストールする際に使用できるコマンドライン オプション、スイッチ、および対応する引数のリストを表示します。
ヒント
アクティブな [バージョン情報] ウィンドウの内容をクリップボードにコピーするには、Ctrl + C キーを押します。
必須コンポーネントの正確なリストがあることを確認します。必須コンポーネント インストーラーからの出力と、手順 1. で確認した必須コンポーネントのリストを比較します。
インターネットに接続できるコンピューターに必須コンポーネントをダウンロードします。
次に、以下の手順を使用して、SharePoint Foundation の必須コンポーネントをすべてのファーム サービスに 1 箇所からインストールできるようにします。
必須コンポーネントを集約するには
必須コンポーネントのインストール先となるサーバーからアクセスできるコンピューターに共有フォルダーを作成します。
インターネットからダウンロードしたファイルを共有フォルダーにコピーします。
ネットワーク上のアクセス可能な場所に、必須コンポーネントのための場所を作成したら、以下のセクションに記載される手順を使用して、SharePoint Foundation 2010 の必須コンポーネントをサーバーにインストールします。
必須コンポーネントをコマンドラインからインストールする
以下の手順を使用して、コマンドラインから 1 つまたはすべての必須コンポーネントをインストールできます。
コマンドラインからインストールするには
[スタート] メニューから [管理者として実行] オプションを使用してコマンド プロンプト ウィンドウを開きます。
SharePoint Foundation のソース ディレクトリにナビゲートします。
インストールする必須コンポーネント プログラムのスイッチと対応する引数を入力し、Enter キーを押します。次に例を示します。
PrerequisiteInstaller.exe /SQLNCli: "\\o14-sf-admin\SP_prereqs\sqlncli.msi"
注意
複数の必須コンポーネントをインストールするには、スイッチと引数のペアを個々に入力します。その際、各ペアをスペースで区切ります。次に例を示します。
PrerequisiteInstaller.exe /SQLNCli: "\o14-sf-admin\SP_prereqs\sqlncli.msi" /ChartControl: "\o14-sf-admin\SP_prereqs\MSChart.exe" /W2K8SP2: "\o14-sf-admin\SP_prereqs\Windows6.0-KB948465-X64.exe" /NETFX35SP1: "\o14-sf-admin\SP_prereqs\dotnetfx35setup.exe"
引数ファイルを使用して必須コンポーネントをインストールする
引数ファイルを使用して、必須コンポーネントをファイル共有からインストールできます。この引数ファイルには、インストールする必要があるプログラムのスイッチと、そのプログラムへのパスが記述されます。
引数ファイルを使用して PrerequisiteInstaller.exe を実行すると、次の処理が発生します。
PrerequisiteInstaller.exe は、引数ファイルを読み取ることで、各スイッチが有効で、パスに指定されているプログラムが存在することを確認します。
注意
引数を指定すると、PrerequisiteInstaller.exe は引数ファイルを無視し、コマンドライン引数のみを処理します。
PrerequisiteInstaller.exe は、ローカル システムをスキャンして、既にインストールされている必須コンポーネントがないかどうかを確認します。
PrerequisiteInstaller.exe は、引数ファイルに指定されているプログラムをインストールして、次のいずれかの終了コードを返します。
0 - 成功
1 – このアプリケーションの別のインスタンスが既に実行中です
2 – コマンド ライン パラメーターが正しくありません
1001 – 再起動が保留されていて、インストールがブロックされています
3010 – 再起動が必要です
再起動が必要な場合は、3010 コードが生成され、[終了] をクリックしてシステムを再起動するように指示されます。3010 コードの生成後のインストーラーの動作は、次のどちらの条件がコンピューターに該当するかによって異なります。
Windows Server 2008 Service Pack 2 (SP2) が既にシステムにインストールされている場合は、3010 コードが生成された後も、残りの必須コンポーネントがインストールされます。最後の必須コンポーネントがインストールされた後、システムを再起動するように指示されます。
Windows Server 2008 SP2 が PrerequisiteInstaller.exe によってシステムにインストールされる場合は、インストーラーが 3010 コードを生成すると、残りの必須コンポーネントのインストールはスキップされて、システムを再起動するように指示されます。
システムが再起動する前に作成されるスタートアップ ファイルには /continue フラグが含まれているため、PrerequisiteInstaller.exe は、システムが再起動すると実行を再開します。
再起動後、PrerequisiteInstaller.exe は、引数ファイルを無視して、残りの必須コンポーネントをインターネットからダウンロードし、インストールしようとします。詳細については、「既知の問題」を参照してください。
以下の手順を使用して、引数ファイルを作成します。
引数ファイルを作成するには
テキスト エディターで、PrerequisiteInstaller.Arguments.txt という名前の新しいテキスト ドキュメントを作成します。このファイルは PrerequisiteInstaller.exe と同じ場所に保存します。このファイルには Microsoft SharePoint 製品準備ツールを実行するときに使用するスイッチと引数を記述します。
テキスト エディターで、PrerequisiteInstaller.Arguments.txt を編集して、必須コンポーネントを指定するスイッチごとに、次の構文を使用してインストール ソースへのパスを記述します。
/スイッチ: <パス>
ここで、/スイッチは有効なスイッチ、<パス> はインストール ソースへのパスです。
次の例は、ファイル共有を共通のインストール ポイントとして使用する完全な引数ファイルを示しています。
/SQLNCli: "\\o14-sf-admin\SP_prereqs\sqlncli.msi"
/ChartControl: "\\o14-sf-admin\SP_prereqs\MSChart.exe"
/W2K8SP2: "\\o14-sf-admin\SP_prereqs\Windows6.0-KB948465-X64.exe"
/NETFX35SP1: "\\o14-sf-admin\SP_prereqs\dotnetfx35setup.exe"
/PowerShell: "\\o14-sf-admin\SP_prereqs\Windows6.0-KB968930-x64.msu"
/KB976394: "\\o14-sf-admin\SP_prereqs\Windows6.0-KB976394-x64.msu"
/KB976462: "\\o14-sf-admin\SP_prereqs\Windows6.1-KB976462-v2-x64.msu"
/IDFX: "\\o14-sf-admin\SP_prereqs\Windows6.0-KB974405-x64.msu"
/Sync: "\\o14-sf-admin\SP_prereqs\Synchronization.msi"
/FilterPack: "\\o14-sf-admin\SP_prereqs\FilterPackx64.exe"
/ADOMD: "\\o14-sf-admin\SP_prereqs\SQLSERVER2008_ASADOMD10.msi"
/ReportingServices: "\\o14-sf-admin\SP_prereqs\rsSharePoint.msi"
/Speech: "\\o14-sf-admin\SP_prereqs\SpeechPlatformRuntime.msi"
/SpeechLPK: "\\o14-sf-admin\SP_prereqs\MSSpeech_SR_en-US_TELE.msi"重要
前述の例では、スイッチとパスを読みやすいように 1 行ずつ表示しています。PrerequisitesInstaller.Arguments.txt ファイルを実際に作成する場合は、改行を使用するのではなく、スイッチとパスの各ペアをスペースで区切ります。詳細については、「既知の問題」を参照してください。
PrerequisiteInstaller.Arguments.txt の編集が終了したら、編集内容を保存して、このファイルが PrerequisiteInstaller.exe と同じディレクトリにあることを確認します。
以下の手順を使用して、必須コンポーネントをインストールします。
引数ファイルを使用して必須コンポーネントをインストールするには
コマンド プロンプトから PrerequisiteInstaller.exe を実行して、必須コンポーネントをインストールします。
警告
[終了] をクリックしてシステムを再起動するように指示されますが、ここでは [キャンセル] をクリックします。次の手順に進む前に、「既知の問題」を参照して詳細を確認してください。
システムを手動で再起動します。
コマンド プロンプトから PrerequisiteInstaller.exe を実行します。
既知の問題
引数ファイルの使用に影響する 2 つの既知の問題があります。
引数ファイル内での改行の使用
引数ファイルに、スイッチと引数の各ペアを改行して 1 行ずつ入力すると、必須コンポーネント インストーラーでエラーが発生します。このエラーを回避するには、スイッチと引数のすべてのペアを改行せずに 1 行で入力します。
コンピューターの再起動後に、引数ファイルが使用されない
再起動後、PrerequisiteInstaller.exe は、/continue フラグを含むスタートアップ コマンド ファイルを実行します。/continue フラグがあると、インストーラーは引数ファイルを強制的に無視します。
このコマンド ファイル内のスタートアップ タスクを削除して、再起動を回避する必要があります。そのためには、次のどちらかのオプションを使用します。
オプション 1
PrerequisiteInstaller.exe をダブルクリックして実行します。必須コンポーネントのリストを示す最初の画面が表示されます。
[キャンセル] をクリックします。PrerequisiteInstaller.exe によってスタートアップ タスクが削除されます。
オプション 2
[スタート] メニューの [ファイル名を指定して実行] を選択し、「regedit」と入力してレジストリを開きます。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Shell Folders キーを開きます。
"Common Startup" の値を調べます。この値は、スタートアップ タスクがリストされるディレクトリを示します。
何も変更しないでレジストリ エディターを閉じます。
スタートアップ ディレクトリにナビゲートします。通常は、<システム ディレクトリ>\ProgramData\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup です。
"SharePointServerPreparationToolStartup_0FF1CE14-0000-0000-0000-000000000000.cmd" を削除することで、スタートアップ タスクを削除します。