Web アプリケーションをバックアップする (SharePoint Server 2010)

 

適用先: SharePoint Server 2010

トピックの最終更新日: 2016-11-30

ここでは、Web アプリケーションをバックアップする方法について説明します。定期的に Web アプリケーションをバックアップすることで、ハードウェア障害、停電、他の問題によってデータが消失する可能性を低減できます。この簡易なプロセスによって、必要に応じてすべての Web アプリケーション関連のデータと構成を使用して、確実に復元を行うことができます。ファーム レベルでの定期的なバックアップのほかに、Web アプリケーションのバックアップを作成することをお勧めします。

このトピックでは、単一の Web アプリケーションのバックアップ方法について説明します。

このトピックの内容

  • Web アプリケーションをバックアップするときの考慮事項

  • タスクの要件

  • Windows PowerShell を使用して Web アプリケーションをバックアップする

  • サーバーの全体管理を使用して Web アプリケーションをバックアップする

  • SQL Server ツールを使用して Web アプリケーションをバックアップする

Web アプリケーションをバックアップするときの考慮事項

Web アプリケーションをバックアップする準備をするときは、以下の点を検討してください。

  • この記事の手順を使用して一度にバックアップできる Web アプリケーションは 1 つだけです。ただし、ファーム全体をバックアップすると、ファーム内のすべての Web アプリケーションを同時にバックアップできます。

  • Web アプリケーションをバックアップすることで、ファームの状態に影響を与えることはありません。ただし、バックアップはリソースを消費するため、バックアップの実行中はファームのパフォーマンスが多少低下するおそれがあります。パフォーマンスの問題を回避するには、Web アプリケーションのバックアップを、ファームへのアクセスが最も少ない時間帯 (営業時間外など) に実行するようにしてください。

  • Web アプリケーションでオブジェクト キャッシュが使用されている場合は、Web アプリケーションの復元後、Web アプリケーションに対して 2 つの特別なユーザー アカウントを手動で構成する必要があります。オブジェクト キャッシュ、およびこれらのユーザー アカウントを構成する方法の詳細については、「オブジェクト キャッシュのユーザー アカウントを構成する」を参照してください。

  • Web アプリケーションをバックアップするときは、インターネット インフォメーション サービス (IIS) 設定と Web アプリケーションに関連するすべてのコンテンツ データベースもバックアップされます。

  • フォーム ベース認証を使用するように構成されている Web アプリケーションをバックアップするときは、ファイル バックアップ システムを使用して Web.config ファイルを保護する必要もあります。Web.config ファイルは、メンバーシップ プロバイダーとロール プロバイダーを登録するように手動で更新され、Web.config ファイルに対する手動更新はバックアップされないからです。同様に、Web.config ファイルは、Web アプリケーションを復元しても復元されません。Web アプリケーションを復元したら、Web.config ファイルを更新して、プロバイダーに再展開する必要があります。詳細については、「認証方法を計画する (SharePoint Server 2010)」および「クレーム認証を構成する (SharePoint Server 2010)」を参照してください。

タスクの要件

開始する前に、バックアップの保存先となるネットワーク フォルダーを作成する必要があります。Windows SharePoint Services Timer V4 Service アカウントとサーバー ファーム ユーザー アカウントの双方が、このフォルダーに対してフル コントロールの権限を持っている必要があります。バックアップ フォルダーを作成する方法の詳細については、「バックアップと復旧の準備をする (SharePoint Server 2010)」を参照してください。

Windows PowerShell を使用して Web アプリケーションをバックアップする

Windows PowerShell を使用することで、Web アプリケーションを手動でバックアップしたり、スクリプトの一部として Web アプリケーションの定期的なバックアップを実行したりできます。

Windows PowerShell を使用して Web アプリケーションをバックアップするには

  1. 次の最小要件を満たしていることを確認します。 Add-SPShellAdmin を参照してください。 また、この手順を実行するユーザー アカウントは、それぞれのデータベースが格納されているデータベース サーバー上で、SQL Server の db_backupoperator 固定データベース ロールのメンバーである必要があります。

  2. [スタート] メニューの [すべてのプログラム] をクリックします。

  3. [Microsoft SharePoint 2010 製品] をクリックします。

  4. [SharePoint 2010 管理シェル] をクリックします。

  5. Windows PowerShell のコマンド プロンプト (PS C:\>) に次のコマンドを入力し、Enter キーを押します。

    Backup-SPFarm -Directory <BackupFolder> -BackupMethod {Full | Differential} -Item <WebApplicationName> [-Verbose]
    

    ここで、

    • <BackupFolder> は、バックアップ ファイルを格納するときに使用するフォルダーのパスです。

    • <WebApplicationName> は、Web アプリケーションの名前です。

    注意

    Web アプリケーションのバックアップを初めて実行する場合は、必ず Full オプションを使用してください。差分バックアップを実行する前に、完全バックアップを実行する必要があります。

詳細については、「Backup-SPFarm」を参照してください。

注意

コマンドライン管理タスクを実行するときには Windows PowerShell を使用することが推奨されています。Stsadm コマンドライン ツールは推奨されていませんが、製品の以前のバージョンとの互換性をサポートするために含まれています。

サーバーの全体管理を使用して Web アプリケーションをバックアップする

サーバーの全体管理を使用して Web アプリケーションをバックアップできます。

サーバーの全体管理を使用して Web アプリケーションをバックアップするには

  1. この手順を実行しているユーザー アカウントが Farm Administrators グループのメンバーであることを確認します。

  2. [サーバーの全体管理] ホーム ページの [バックアップと復元] セクションで、[バックアップの実行] をクリックします。

  3. [バックアップの実行 - ステップ 1/2: バックアップするコンポーネントの選択] ページで、コンポーネントの一覧から Web アプリケーションを選択し、[次へ] をクリックします。

    注意

    Web アプリケーションは、複数のコンポーネントで構成されている場合があります。最上位のコンポーネントを選択する必要があります。

  4. [バックアップの実行 - ステップ 2/2: バックアップ オプションの選択] ページの [バックアップの種類] セクションで、[完全] または [差分] を選択します。

    注意

    Web アプリケーションのバックアップを初めて実行する場合は、必ず [完全] オプションを使用してください。差分バックアップを実行する前に、完全バックアップを実行する必要があります。

  5. [構成設定のみのバックアップ] セクションで、[コンテンツと構成設定をバックアップ] をクリックします。

  6. [バックアップ ファイルの場所] セクションで、バックアップ フォルダーの汎用名前付け規則 (UNC) パスを入力し、[バックアップの開始] をクリックします。

  7. [バックアップと復元のジョブ状態] ページの上部にある [準備] セクションで、すべてのバックアップ ジョブの全体的な状態を確認できます。現在のバックアップ ジョブの状態は、このページの下部にある [バックアップ] セクションで確認できます。この状態ページは 30 秒ごとに自動的に更新されます。また、[更新] をクリックすることで、手動で状態を更新できます。バックアップと復元は Timer Service ジョブです。したがって、バックアップが開始されるまで数秒かかる場合があります。

    エラーが表示された場合は、[バックアップと復元のジョブ状態] ページの [エラー メッセージ] 列を確認します。手順 6. で指定した UNC パスにある Spbackup.log を表示すると、より詳細な情報を確認できます。

SQL Server ツールを使用して Web アプリケーションをバックアップする

SQL Server ツールを使用して Web アプリケーション全体をバックアップすることはできません。ただし、Web アプリケーションに関連付けられているデータベースはすべてバックアップできます。Web アプリケーション全体をバックアップするには、Windows PowerShell またはサーバーの全体管理のどちらかを使用します。

SQL Server ツールを使用して Web アプリケーションをバックアップするには

  1. データベースのバックアップに使用するユーザー アカウントは、それぞれのデータベースが格納されているデータベース サーバー上で、SQL Server の db_backupoperator 固定データベース ロールのメンバーである必要があります。また、そのユーザー アカウントがバックアップ フォルダーに対してフル コントロールの権限を持っていることを確認してください。

  2. SQL Server Management Studio を開き、データベース サーバーに接続します。

  3. オブジェクト エクスプローラーで、[データベース] を展開します。

  4. バックアップするデータベースを右クリックし、[タスク] をポイントしてから、[バックアップ] をクリックします。

  5. [データベースのバックアップ] ダイアログ ボックスの [ソース] 領域で、実行するバックアップの種類を [バックアップの種類] の一覧から選択します。使用するバックアップの種類の詳細については、「復旧モデルの概要」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=114396&clcid=0x411) を参照してください。

  6. [バックアップ コンポーネント] 領域で [データベース] をクリックします。

  7. あらかじめ入力されている既定の名前を使用するか、バックアップ セットの名前を [名前] ボックスで指定します。

  8. バックアップ セットの有効期限を指定します。この日付によって、以降の同名のバックアップ セットで上書きできる期間または日付が決定されます。既定で、バックアップ セットは無期限 (0 日) に設定されます。

  9. [バックアップ先] 領域で、バックアップを格納する場所を指定します。

  10. [OK] をクリックして、データベースをバックアップします。

  11. Web アプリケーションに関連付けられているデータベースごとに、手順 1. ~ 10. を繰り返します。

関連するコンテンツ

リソース センター

Business Continuity Management for SharePoint Server 2010 (英語) (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=199235&clcid=0x411) (英語)

IT 担当者向けコンテンツ

Web アプリケーションを復元する (Search Server 2010)

Web アプリケーションを復元する (SharePoint Server 2010)

ファームをバックアップする (SharePoint Server 2010)

SharePoint Server 2010 でのバックアップと復元を計画する

バックアップと復旧 (SharePoint Server 2010)

開発者向けコンテンツ

データの保護と回復 (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=199237&clcid=0x411)