プロファイルの同期を計画する (SharePoint Server 2010)

 

適用先: SharePoint Server 2010

トピックの最終更新日: 2016-11-30

この記事では、Microsoft SharePoint Server 2010 でプロファイル同期を実装する方法を計画する場合に役立つガイダンスを提供します。プロファイル同期 ("profile sync" とも呼ばれます) を使用すると、組織で使用されている他のシステムから情報をインポートしてユーザー プロファイルを作成できます。この記事を読む前に、記事「プロファイル同期の概要 (SharePoint Server 2010)」で解説されている概念を理解しておいてください。

この記事では次のことを説明します。

  • プロファイル同期の構成に必要な情報を取得する方法。

  • 必要な情報を収集するために協力する必要のある関係者。

  • 作成する必要のある外部コンテンツ タイプ (ある場合)。

この記事を読みながらワークシートに記入して、決定事項を記録できます。この記事を最後まで読み終わってワークシートが完成したら、サーバーの全体管理を使用してプロファイル同期を構成するために必要な情報がそろっています。完成したワークシートをプロファイル同期の管理者に渡したり、ワークシートを使用して自分で構成を行ったりできます。外部ビジネス システムからの情報を表すために外部コンテンツ タイプが必要な場合は、そのような外部コンテンツ タイプの要件が指定されています。外部コンテンツ タイプを作成する開発者に、その仕様を提供できます。

この記事では、計画を実装する方法については説明しません。実装方法については、記事「プロファイルの同期を構成する (SharePoint Server 2010)」を参照してください。

この記事の計画作業を進める前に、以下のことを済ませておく必要があります。

  • SharePoint Server でプロファイルを提供するユーザーを確認します

  • ユーザー プロファイルのプロパティを確認し、記事「ユーザー プロファイルを計画する (SharePoint Server 2010)」の説明に従って User Profile Properties Planning ワークシートに記入します。

  • ディレクトリ サービスについての一般的な概念を理解します。

この記事の内容

  • プロファイル同期の計画について

  • 同期接続を計画する

  • プロパティのマッピングを識別する

  • グループを同期させる

  • 同期サーバーを計画する

  • 同期スケジュールを計画する

  • アカウントのアクセス許可を計画する

  • 次の手順

  • ワークシート

プロファイル同期の計画について

プロファイル同期の計画の最初の手順として、同期接続を識別し、接続を作成するときに必要な情報を収集します。外部コンテンツ タイプが必要な場合は、外部コンテンツ タイプの要件のドキュメントを作成し、それを開発者に渡して、ビジネス システムへの同期接続を指定するために使用する詳細を受け取ります。

次に、ユーザー プロファイルのプロパティを外部システムの情報にマップする方法を明らかにして、両者を同期できるようにします。

最後に、グループを同期するかどうか、同期サービスの実行に使用するサーバー、プロファイル情報を同期する頻度など、さらに直接的な項目を決定します。

同期接続を計画する

ユーザーのプロファイルの各プロパティは、外部システムから取得できます。外部システムには、ディレクトリ サービスとビジネス システムの 2 種類があります。この記事で "ビジネス システム" という用語を使用する場合は、ディレクトリ サービスではない外部システムを意味します。SAP、Siebel、SQL Server、カスタム アプリケーションは、すべてビジネス システムの例です。

注意

サポートされるディレクトリ サービスについては、記事「プロファイル同期の概要」の「サポートされるディレクトリ サービス」を参照してください。

SharePoint Server では、"同期接続" は外部システムからユーザー プロファイル情報を取得するための手段です。サポートされるディレクトリ サービスのいずれかからプロファイルをインポートするには、そのディレクトリ サービスに対する同期接続を作成します。ビジネス システムから他のプロファイル プロパティをインポートするには、ビジネス システムから SharePoint Server にデータを取り込むための外部コンテンツ タイプを作成した後、外部コンテンツ タイプに対する同期接続を作成します。以下のセクションでは、各同期接続について必要な情報を収集する方法を説明します。

注意

サポートされていないディレクトリ サービスからプロファイルをインポートするには、Lightweight Directory Interchange Format (LDIF) ファイルをインポートできます。他の方法でユーザー プロファイルを作成するには、カスタム プログラムを作成する必要があります。LDIF ファイルをインポートする方法の詳細については、「LDIF (Lightweight Directory Interchange Format) ファイルを使用してプロファイルの同期を構成する (SharePoint Server 2010)」を参照してください。

ディレクトリ サービスへの接続

SharePoint Server でプロファイルを作成する各ユーザーは、ディレクトリ サービスに ID を持っている必要があります (ユーザーがディレクトリ サービスに ID を持っていない場合は、ユーザー プロファイルを同期できません)。ユーザーについての情報が含まれるディレクトリ サービスを識別します。ディレクトリ サービスに自分でアクセスできない場合にのみ、ディレクトリ サービスの管理者も明らかにする必要があります。同期接続の作成に必要な情報の中には、収集するために管理者の助力が必要なものがあります。

Connection Planning ワークシート (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=202832&clcid=0x411 (英語)) には、接続の各種類に対して収集する必要のある情報のためのテンプレートが含まれます。各テンプレートは異なるタブになっており、そのテンプレートが適用されるディレクトリ サービス プロバイダーの名前がラベルとして使用されています。識別したディレクトリ サービスごとに、新しいタブを作成してください。ディレクトリ サービスの種類に対するテンプレートを、新しいタブにコピーします。その後、次の表に従って、新しい各タブに情報を入力します。

ワークシートの行名 適用される接続の種類 説明

Synchronization connection name

すべて

接続先のディレクトリ サービスを容易に記憶できる名前を選択します。

Connection type

すべて

接続先のディレクトリ サービスの種類です。

この情報は、各タブに既に入力されています。

Forest

AD DS

ディレクトリ サービスのフォレストの名前です。

Domain controller

AD DS

優先的に使用するドメイン コントローラーの名前です。フォレスト内に複数のドメイン コントローラーがあり、特定のドメイン コントローラーと同期する場合にのみ、この項目を指定する必要があります。

Authentication provider type

すべて

ディレクトリ サービスに接続するために SharePoint Server が使用する必要のある認証の種類です。次のいずれかです。

  • Windows 認証

  • フォームベース認証

  • クレーム ベース認証

この情報はシステム アーキテクトから得ることができます。

Authentication provider

すべて

フォームベース認証またはクレーム ベース認証を使用する場合は、信頼できるプロバイダーの名前を記入します。この情報はシステム アーキテクトから得ることができます。Windows 認証の場合は認証プロバイダーは必要ありません。

Synchronization account

すべて

ディレクトリ サービスへの接続に使用するアカウントです。ドメインを含みます。普通は、ディレクトリ サービスの管理者が同期用に新しいアカウントを作成します。

注意

同期アカウントに必要なアクセス許可については、このトピックの「アカウントのアクセス許可を計画する」セクションを参照してください。

Synchronization account password

すべて

同期アカウントのパスワードです。

セキュリティ メモSecurity Note
同期アカウントのパスワードは知っている必要がありますが、ワークシートには記入しないことをお勧めします。

Connection port

すべて

ディレクトリ サービスへの接続に使用するポートです。

Use SSL?

AD DS

SSL でセキュリティ保護された接続を使用してディレクトリ サービスに接続するかどうかです。SSL は AD DS に接続する場合にのみサポートされます。

Directory service server

Tivoli、Sun、eDirectory

ディレクトリ サービス サーバーの名前です。

Username attribute

Tivoli、Sun、eDirectory

各プロファイルに対する一意の識別子としてディレクトリ サービスで使用される属性の名前です。通常は、既定のユーザー名属性 "uid" で問題ありません。

Containers

すべて

同期対象のプロファイルを含むディレクトリ サービス コンテナーの名前です。組織単位 (OU) とも呼ばれます。

Filter for users

すべて

詳細については、「除外フィルターについて」を参照してください。

Filter for groups

すべて

「グループを同期する」を参照してください。

除外フィルターについて

フィルターを使用してプロファイルを除外しない限り、SharePoint Server では指定したコンテナーのすべてのプロファイルが同期されます。たとえば、アカウントが無効になっているユーザーを除外するフィルターを作成できます。

フィルターは、一連の句と、句を結合するコネクタで構成されます。各句には 3 つの部分があります。

  • 属性: 比較するディレクトリ サービスの属性。

  • 値: 属性と比較する値。

  • 演算子: 比較の種類。Active Directory ドメイン サービス (AD DS) の各データ型に対して使用できる演算子の詳細については、「接続フィルターのデータ型と演算子 (SharePoint Server 2010)」を参照してください。

除外フィルターの句を結合するには 2 つの方法があります。

  • すべてが該当 (AND): すべての句が該当する場合に、アカウントはフィルターと一致します。

  • いずれかが該当 (OR): いずれかの句が該当する場合に、アカウントはフィルターと一致します。

1 つのフィルターで AND と OR の両方は使用できません。

たとえば、組織内の臨時従業員には、"T-" で始まる Active Directory アカウントが与えられるものとします。アカウントが無効ではないすべての正社員 (臨時従業員以外) のプロファイルを同期する必要があります。このような場合は、次の表の句を使用するフィルターを作成できます。

属性 演算子

sAMAccountName

starts with

T-

userAccountControl

bit on equals

2

これらの句をいずれかが該当 (OR) で結合します。

注意

AD DS では、userAccountControl はユーザー アカウントのステータスについての役に立つ複数の情報を表すビットマスクです。userAccountControl 属性を使用して作成できる使用頻度の高いフィルターの一覧については、https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=217163&clcid=0x411 を参照してください。

ディレクトリ サービス グループ内のメンバーシップに基づくフィルターは作成できません (配布リストなど)。グループ メンバーシップに基づくユーザーのインポートに代わる手段については、https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=220892&clcid=0x411 (英語) を参照してください。

ビジネス システムへの接続

ビジネス システムからプロパティをインポートするには、外部システムと SharePoint Server 2010 の間でプロパティ値を結び付ける外部コンテンツ タイプが必要です。この記事では、外部コンテンツ タイプの作成方法については説明しません。この作業は、通常、開発者が行います。この記事では、収集して開発者に渡す必要のあるデータ、および受け取った情報に対する処理について説明します。開発者に関する情報については、「[方法] 外部コンテンツ タイプを作成する」を参照してください。

External Content Type Planning ワークシート (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=202832&clcid=0x411 (英語)) を使用して、作成する外部コンテンツ タイプを指定できます。記事「ユーザー プロファイルを計画する (SharePoint Server 2010)」を読みながら作成した User Profile Properties Planning ワークシートを検討します。External Content Type Planning ワークシートでは、ビジネス システムから取り込むユーザー プロファイルのプロパティごとに 1 つの行を作成します。次の表に説明に従って、各行の最初の 3 列に記入します。

ワークシートの列 指示

Business system

プロパティを含むビジネス システムを示す適当な名前。

Item

プロパティに対応するビジネス システム内のデータ。できる限り具体的に記述します。たとえば、ビジネス システムがデータベースの場合、既知であれば、テーブルと列の名前を指定します。

Possible identifiers

ユーザーを一意に識別できるユーザー プロファイル プロパティのリスト。

各行の最初の 3 列に記入した後、ワークシートを外部コンテンツ タイプの開発者に渡します。開発者は次の作業を行った後、ワークシートを戻します。

  • ワークシートで説明されている外部システム データを提供するための外部コンテンツ タイプを作成します。

  • 各外部コンテンツ タイプに適切な識別子を選択します。

  • ユーザー プロファイルと外部コンテンツ タイプの項目の間に 1 対 1 の関係がある場合は、Specific Finder メソッドを作成します。ユーザーの生年月日を含む外部コンテンツ タイプは、1 対 1 の関係の例です。各ユーザー プロファイルは、外部コンテンツ タイプの 1 つの項目と一致します。

  • ユーザー プロファイルと外部コンテンツ タイプの項目の間に 1 対多の関係がある場合は、Finder メソッドと比較フィルターを作成します。ユーザーが所有する自動車のナンバーを含む外部コンテンツ タイプは、1 対多関係の例です。1 人のユーザーが複数の自動車を所有する場合があるので、各ユーザー プロファイルは外部コンテンツ タイプの複数の項目と一致する可能性があります。

  • ワークシートを更新し、作成した外部コンテンツ タイプを記述します。

Connection Planning ワークシート (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=202832&clcid=0x411 (英語)) には、ビジネス システムに対する接続に関するタブが含まれます。外部コンテンツ タイプの開発者から戻された情報を受け取ったら、同じ外部コンテンツ タイプを共有するすべてのユーザー プロファイル プロパティをまとめます。外部コンテンツ タイプごとに Connection Planning ワークシートに新しいタブを作成し、[Business systems] タブから各新規タブに情報をコピーします。次の表の説明に従って、作成した各タブに情報を記入します。

ワークシートの行 指示

Synchronization connection name

接続先のビジネス システムを容易に記憶できる名前を選択します。

Connection type

"Business data connectivity"

この情報は、既に入力されています。

Business data connectivity entity

外部コンテンツ タイプの名前です。

One-to-one or one-to-many mapping

特定のユーザー プロファイルと一致する可能性のある外部コンテンツ タイプの項目の数です。"1 対 1" または "1 対多" のどちらか該当する方を入力します。

Profile property to match against

外部コンテンツ タイプの識別子に対応するユーザー プロファイル プロパティの名前です。

Comparison filter

比較フィルターの名前です。

フィルターは、1 対多マッピングに対してのみ必要です。

プロパティのマッピングを識別する

ユーザー プロファイル プロパティが外部システムからのものであることを示すには、プロパティを外部システムの特定の属性にマップします。一部のユーザー プロファイル プロパティは、既定でマップされます。ディレクトリ サービスの各種類に対する既定のマッピングの一覧については、「既定のユーザー プロファイル プロパティのマッピング (SharePoint Server 2010)」を参照してください。プロファイル プロパティのデータ型と互換性のあるデータ型の属性に対してのみ、プロパティをマップできます。たとえば、SPS-HireDate ユーザー プロファイル プロパティは homePhone Active Directory 属性にマップできません。SPS-HireDate が日付であるのに対し、homePhone は Unicode 文字列であるためです。ユーザー プロファイル プロパティのデータ型と AD DS のデータ型の互換性の一覧については、「ユーザー プロファイルのプロパティのデータ型 (SharePoint Server 2010)」を参照してください。

プロファイル情報を同期するときは、プロファイル プロパティを外部システムからインポートするだけでなく、ディレクトリ サービスにデータを書き戻すこともできます。ビジネス システムにデータを書き戻すことはできません。SharePoint Server がユーザー プロファイル プロパティをエクスポートする必要があることを示すには、プロパティをマップし、マッピングの方向をエクスポートに設定します。各プロパティは 1 方向にのみマップできます。1 つのユーザー プロファイル プロパティに対してインポートとエクスポートの両方を行うことはできません。データをエクスポートすると、ディレクトリ サービスに既に値が存在する場合は上書きされます。これは複数値のプロパティにも当てはまります。エクスポートされた値は既存の値に追加されるのではなく、既存の値に上書きされます。

ユーザー プロファイルを計画する (SharePoint Server 2010)」トピックを読みながら作成した User Profile Properties Planning ワークシートを検討します。値が外部システムからインポートされる各行 (プロパティ) については、次の表の説明に従って最後の 3 列を記入します。

ワークシートの行 指示

Direction

"インポート"。プロパティが SharePoint Server にインポートされることを示します。

Synchronization connection

このプロパティが提供される同期接続の名前。

Attribute

ユーザー プロファイル プロパティの値を提供する外部システム要素の名前。

同期接続がディレクトリ サービスに対するものである場合、これはディレクトリ サービスの属性の名前です。

同期接続がビジネス システムに対するものである場合、これは外部コンテンツ タイプの列の名前です。

注意

ビジネス システムへの接続を使用して、Stream アクセサー メソッドを実装するプロパティに、バイナリ プロパティをマップすることはできません。

値がディレクトリ サービスにエクスポートされる各行 (プロパティ) については、次の表の説明に従って最後の 3 列を記入します。

ワークシートの行 指示

Direction

"エクスポート"。プロパティが SharePoint Server からディレクトリ サービスにエクスポートされることを示します。

Synchronization connection

このプロパティがエクスポートされる同期接続の名前。ディレクトリ サービスに対する接続のみが有効です。

Attribute

ユーザー プロファイル プロパティの値で値を更新する必要のあるディレクトリ サービス属性の名前。

グループを同期させる

既定では、SharePoint Server はユーザー プロファイルを同期するときに、配布リストなどのグループを同期します。サーバーの全体管理の [同期設定の構成] ページで、この機能を無効にできます。グループの同期は、AD DS でのみサポートされます。

ユーザーだけでなくグループも同期する場合、SharePoint Server は、グループについての情報と、グループのメンバーになっているユーザーの情報をインポートします。グループを同期しても、グループのプロファイルは作成されず、新しいユーザー プロファイルが作成されることもありません。SharePoint Server では、グループは、対象ユーザーを作成する目的、および訪問者とその訪問者が参照中の個人用サイトを所有するユーザーが共通に持っているメンバーシップを表示する目的でのみ使用されます。

グループを同期する場合、フィルターを使用してグループを除外しない限り、SharePoint Server では、同期しているディレクトリ サービス コンテナー内に存在するすべてのグループについての情報がインポートされます。グループを除外するためのフィルターはユーザーを除外するためのフィルターとは別のものですが、どちらも形式は同じです。

Connection Planning ワークシートに戻り、[Filter for groups] セルに入力します。

同期サーバーを計画する

同期接続を決定し、プロパティ マッピングを識別したら、次にプロファイルの同期のさらに直接的な部分を計画する必要があります。まず最初に、同期サーバーを識別します。

1 つのファームで実行できる User Profile Synchronization Service のインスタンスは 1 つだけです。User Profile Synchronization Service が実行されるコンピューターは、"同期サーバー" と呼ばれます。User Profile Service アプリケーションを作成するときに、同期サーバーを指定します。SharePoint Server はこのコンピューターで Microsoft Forefront Identity Manager (FIM) のバージョンを準備して、同期に参加します。

SharePoint Server は、プロファイルを同期するときに、ネットワークを大量に使用して、同期サーバーとドメイン コントローラーの間で通信を行います。ドメイン コントローラーに物理的に近い同期サーバーを選択すると、同期に要する時間が短くなります。

同期スケジュールを計画する

SharePoint Server と外部システムの間でプロファイル情報を初めて同期するときは、完全な同期を実行する必要があります。その後、ユーザー プロファイルの増分同期タイマー ジョブを構成し、定期的に増分同期を実行します。タイマー ジョブを実行する間隔は、数分ごと、毎時間、毎日、毎週、毎月などに構成できます。毎時間、毎日、毎週、毎月の場合は、タイマー ジョブを開始する日時を指定します。

同期タイマー ジョブの実行間隔が短いほど、同期される変更は少なくなり、したがってジョブは短時間で終了します。既定の頻度は毎日です。ネットワークの使用量が少ないときに同期が開始するようにスケジュール設定することをお勧めします。

ユーザー プロファイルの増分同期タイマー ジョブの構成方法については、「定期的なプロファイルの同期のスケジュールを設定する (SharePoint Server 2010)」を参照してください。

アカウントのアクセス許可を計画する

Connection Planning ワークシートでは、ディレクトリ サービスごとに同期アカウントの名前を指定しました。同期サービスがディレクトリ サービスから必要な情報を取得できるように、これらの同期アカウントには特定のアクセス許可を付与する必要があります。以下のセクションでは、ディレクトリ サービスの種類ごとに必要なアクセス許可を示します。ディレクトリ サービスの管理者と協力して、アカウントに適切なアクセス許可を付与してください。

Active Directory ドメイン サービス (AD DS)

Active Directory ドメイン サービス (AD DS) に接続する同期アカウントには、次のアクセス許可が必要です。

  • 同期対象のドメインに対するディレクトリの変更のレプリケート アクセス許可が必要です。詳細については、「プロファイルを同期するために Active Directory ドメイン サービスのアクセス許可を付与する」手順参照記事の「ドメインに対するディレクトリの変更のレプリケート アクセス許可を付与する」セクションを参照してください。

    注意

    ディレクトリの変更のレプリケート アクセス許可を付与されたアカウントは、ディレクトリでの変更をクエリできます。ただし、ディレクトリで変更を行うことはできません。

  • ドメイン コントローラーが Windows Server 2003 を実行している場合は、同期アカウントは Pre-Windows 2000 Compatible Access 組み込みグループのメンバーである必要があります。詳細については、「プロファイルを同期するために Active Directory ドメイン サービスのアクセス許可を付与する」手順参照記事の「アカウントを Pre-Windows 2000 Compatible Access グループに追加する」セクションを参照してください。

  • ドメインの NetBIOS 名が完全修飾ドメイン名と異なる場合は、同期カウントには、cn=configuration コンテナーに対するディレクトリの変更のレプリケート アクセス許可が必要です。たとえば、NetBIOS ドメイン名が contoso で、完全修飾ドメイン名が contoso-corp.com である場合は、cn=configuration コンテナーに対するディレクトリの変更のレプリケート アクセス許可を付与する必要があります。詳細については、「プロファイルを同期するために Active Directory ドメイン サービスのアクセス許可を付与する」手順参照記事の「cn=configuration コンテナーに対するディレクトリの変更のレプリケート アクセス許可を付与する」セクションを参照してください。

  • プロパティの値を SharePoint Server から AD DS にエクスポートする場合は、同期アカウントには、同期対象の組織単位 (OU) に対する子オブジェクトの作成 (このオブジェクトとすべての子孫) とすべてのプロパティの書き込み (このオブジェクトとすべての子孫) アクセス許可が必要です。詳細については、「プロファイルを同期するために Active Directory ドメイン サービスのアクセス許可を付与する」手順参照記事の「子オブジェクトの作成と書き込みのアクセス許可を付与する」セクションを参照してください。

Novell eDirectory version 8.7.3

Novell eDirectory に接続する同期アカウントには、次のアクセス許可が必要です。

  • 入力の権限: 指定されたツリーの参照の権限。

  • すべての属性の権限: 指定されたツリーの読み取り、書き込み、および比較の権限。

Sun Java System Directory Server version 5.2

Sun Java System Directory Server に接続する同期アカウントには、次のアクセス許可が必要です。

  • RootDSE に対する読み取り、書き込み、比較、および検索の権限。

  • 増分同期を実行するには、同期アカウントに変更ログ (cn=changelog) に対する読み取り、比較、および検索の権限が必要です。変更ログがない場合は、同期する前にそのログを作成する必要があります。

IBM Tivoli version 5.2

IBM Tivoli に接続する同期アカウントには、次のアクセス許可が必要です。

  • 同期アカウントは、管理グループのメンバーである必要があります。

ファーム アカウント

User Profile Synchronization Service は、ファーム アカウントで実行します。プロファイル同期を構成するには、ファーム アカウントに特定のアクセス許可が必要です。同期サーバーでの管理者権限があれば、これらのアクセス許可を付与できます。

  • アカウントは、同期サーバーの Administrators グループのメンバーである必要があります。このアクセス許可は、User Profile Synchronization Service を構成した後で削除できます。

  • アカウントは、同期サーバーにローカルでログオンできる必要があります。

    注意

    ファーム アカウントとファーム管理者のアカウントは同じではありません。ファーム アカウントを確認するには、サーバーの全体管理で [サービス アカウントの構成]、[ファーム アカウント] の順にクリックします。

外部コンテンツ タイプを使用してユーザー プロファイルをビジネス システムと同期する場合は、ファーム アカウントには外部コンテンツ タイプに対して操作を実行するためのアクセス許可も必要です。ファーム管理者は、「外部コンテンツ タイプに対するアクセス許可を設定する」の手順を使用して、同期対象の各外部コンテンツ タイプに対する実行アクセス許可をファーム アカウントに付与できます。

次の手順

プロファイル同期計画を実装するには、記事「プロファイルの同期を構成する (SharePoint Server 2010)」の手順に従います。プロファイル同期を構成し、プロファイル情報を初めて同期した後は、記事「定期的なプロファイルの同期のスケジュールを設定する (SharePoint Server 2010)」で説明されている手順に従って同期スケジュールを実装します。

ワークシート

Connection planning ワークシート、External content type planning ワークシート、および User profile planning ワークシートは、https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=202832&clcid=0x411 (英語) からダウンロードできます。

See Also

Concepts

プロファイル同期の概要 (SharePoint Server 2010)
ユーザー プロファイルを計画する (SharePoint Server 2010)
プロファイルの同期を構成する (SharePoint Server 2010)
プロファイルを同期するために Active Directory ドメイン サービスのアクセス許可を付与する (SharePoint Server 2010)

Other Resources

リソース センター: Enterprise Collaboration in SharePoint Server 2010 (英語)
リソース センター: Social Computing in SharePoint Server 2010 (英語)