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ダッシュボード デザイナーで [接続式] ダイアログ ボックスを使用してフィルター接続を構成する

 

適用先: SharePoint Server 2010 Enterprise

トピックの最終更新日: 2016-11-30

PerformancePoint ダッシュボード デザイナーを使用してフィルターをビューに接続する場合、[接続式] ダイアログ ボックスを使用して数式を指定できます。指定する数式に基づいて、ビューは特定の情報を表示します。たとえば、過去 6 か月間など、動的な期間のデータを表示する数式を指定できます (これを、タイム インテリジェンスと呼びます)。この記事では、[接続式] ダイアログ ボックスの動作の仕組みとダッシュボード フィルターでの使用方法の概要を説明します。

[接続式] ダイアログ ボックス

[接続式] ダイアログ ボックスは、ダッシュボード フィルターをビューに接続した後、タイム インテリジェンス計算式をビューに接続するときに使用します。指定する数式に基づいて、[接続式] ダイアログ ボックスを使用して、過去 1 年間、過去 6 か月間など、動的な期間の情報をビューに表示できます。また、フィルター出力より詳細な結果をビューに表示することもできます。

たとえば、Products というダッシュボード フィルターを作成したものとします。このフィルターにより、ダッシュボード ユーザーは、リストから製品カテゴリーを選択し、フィルターに接続されているビューにその製品カテゴリーに関する情報を表示できます。ここで、フィルターが適用されるときに、各製品カテゴリーで売上トップ 5 製品のみを表示する 1 つのビューが必要だとします。[接続式] ダイアログ ボックスを使用すると、このような情報をビューに表示するクエリを指定できます。

[接続式] ダイアログ ボックスを使用する場合は、表示する情報に応じて、タイム インテリジェンス計算式または多次元式 (MDX) クエリを指定します。

例: タイム インテリジェンス計算式を指定する

組織のマネージャー用のダッシュボードを作成するものとします。マーケティング マネージャーは、最近のマーケティング キャンペーンにより、販売チームにとって何名の潜在顧客が生じたかを知る必要があります。また、その潜在顧客のうちの何名が、たとえば過去 3 か月間など、特定の期間で実際の販売に結びついたかを知る必要もあります。

現在のダッシュボードには、各マーケティング キャンペーンによって生じた潜在顧客数と、実績に結び付いた人数を示すビューが含まれています。マーケティング マネージャーによれば、ダッシュボードによって高レベルな情報は適切に得られますが、特定の期間に関するデータは十分ではありません。

解決策として、タイム インテリジェンス フィルターを作成し、それをビューに接続します。[接続式] ダイアログ ボックスで、過去 3 か月間の情報を表示する数式を指定します。その後、ダッシュボードを再展開します。

マネージャーがタイム インテリジェンス フィルターを使用して調査期間を指定すると、ビューに該当の結果が表示されます。

例: MDX クエリを指定する

組織のマネージャー用のダッシュボードを作成するものとします。ある営業マネージャーのチームは、複数の地域を担当しています。地域の営業担当者によっては、他の営業担当者より高い業績を上げています。さらに、各地域の主要都市の営業担当者は皆、売上金額がそれぞれ異なります。マネージャーは、個々の地域で最も売上金額の高い都市を把握し、特定の地域内のすべての都市の売上金額を比較する必要があります。マネージャーは、この情報をすべて、1 つのダッシュボードで表示することを求めています。

解決策として、地域のリストを含む Geography フィルターを作成します。フィルターを分析ビューに接続し、[接続式] ダイアログ ボックスを使用して MDX クエリを指定します。このクエリにより、フィルターに接続されたビューは、都市レベルの情報を表示します。次に、フィルターを分析グラフにリンクし、ダッシュボードを再展開します。

マネージャーが Geography フィルターを使用して販売地域を指定すると、ビューにはその地域固有の情報が自動的に表示されます。あるビューには地域で最も業績の良い都市が表示され、別のビューには地域内のすべての都市の売上金額が表示されます。

接続式の構文

[接続式] ダイアログ ボックスには、タイム インテリジェンス計算式と MDX クエリの 2 種類の式を入力できます。

  • タイム インテリジェンス式では、STPS (Simple Time Period Specification) 構文を使用します。

    STPS 式は、(Period + n) または (Period - n) の形式です。"n" は、フィルターに含める期間数を表す正の整数です。フィルターで使用されるデータ ソースとフィルターに接続されるアイテムに応じて、Year、Month、Day などの間隔を使用できます。たとえば、(Year - 6) は、過去 6 か月間の情報を取得するフィルターを構成するための STPS 式です。

  • MDX クエリには、<<SourceValue>><<UniqueName>> など、1 つ以上のモニカーを含めることができます。このようなモニカーは、単独で使用することも、大きな MDX クエリの一部として使用することもできます。

重要

フィルターで使用されるデータ ソースとフィルターに接続しているアイテムに応じて、使用する具体的な数式はそれぞれ異なります。すべての数式が、すべての種類のレポートとスコアカードで動作するわけではありません。たとえば、フィルターを接続するレポートまたはスコアカードで使用するデータ ソースが、タイム インテリジェンスで動作するように構成されていないものとします。この場合、フィルター接続で STPS 式は動作しません。さらに、タイム インテリジェンス接続計算式フィルターなど、ある種のフィルターを使用する場合は、[接続式] ダイアログ ボックスで数式を指定する必要があります。

以下に示すいくつかの式の例を参照することで、[接続式] ダイアログ ボックスで使用できる式の種類を理解できます。

タイム インテリジェンス式の例

説明 構文

期間の先頭から現在の日付までの結果を示す Period-To-Date 関数

YearToDate または MonthToDate

過去 6 か月間など、一連の期間を示す関数

(Month-5):Month

MDX 式の例

説明 構文

選択されているメンバーの子を表示するクエリ

<<UniqueName>>.Children または <<SourceValue>>.Children

選択されているメンバーの 2 つ下のレベルのトップ 10 アイテムを表示する関数

TopCount({Descendants(<<UniqueName>>,2)}

See Also

Other Resources

[接続式] ダイアログ ボックスで MDX を使用する
多次元式 (MDX) リファレンス (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=186166&clcid=0x411)