ネットワーク共有から必須コンポーネントをインストールする (SharePoint Server 2010)
適用先: SharePoint Server 2010
トピックの最終更新日: 2011-04-07
ここでは、必須コンポーネント インストール ツール (PrerequisiteInstaller.exe) を使用して、オフラインの共有のネットワーク上の場所から Microsoft SharePoint Server 2010 の必須コンポーネントをインストールする方法について説明します。
必須コンポーネントをオフラインの場所からインストールする必要があるのは、通常、Microsoft SharePoint Server のインストール先となるサーバーがインターネットから切り離されている場合です。これに該当しない場合でも、オフラインの主要な場所から必須コンポーネントをインストールすると、既知の管理された一連のイメージのインストールによってファーム サーバーの一貫性を保証できます。
注意
Microsoft SharePoint 製品準備ツールは、PrerequisiteInstaller.exe を基に作成されたユーザー インターフェイスです。Microsoft SharePoint 製品準備ツールはユーザー入力を受け入れません。
この記事の内容
インストール ツールのスイッチと引数
必須コンポーネントをファイル共有にダウンロードして統合する
コマンド ラインから必須コンポーネントをインストールする
引数ファイルを使用して必須コンポーネントをインストールする
既知の問題
インストール ツールのスイッチと引数
PrerequisiteInstaller.exe を使用するときにスイッチと引数を指定することで、必須ソフトウェアのどのバージョンをどこからインストールするかを制御できます。
PrequisiteInstaller.exe はスイッチと引数のペアを 1 つ以上受け入れます。スイッチで必須コンポーネントを指定し、引数で必須コンポーネントのアクションと場所を指定します。
スイッチと引数のペアの形式は、以下のとおりです。
/switch: <path>
ここで、
/switch は、必須コンポーネントを指定する有効なスイッチです。たとえば、/NETFX35SP1: は, .NET Framework 3.5 Service Pack 1 のスイッチです。
<path> には、ローカル ファイルのパスまたはファイル共有のパスを指定します。たとえば、"C:\foldername\dotnetfx35.exe "、"\\<servername>\<sharename>\dotnetfx35.exe" のようになります。
各スイッチとその引数は、コロンとスペースで区切ります。引数は引用符で囲みます。
スイッチと引数のペアは、コマンド プロンプトで PrerequisiteInstaller.exe に渡すか、引数のテキスト ファイルから読み取ることができます。
必須コンポーネントをファイル共有にダウンロードして統合する
必須コンポーネントをダウンロードして統合するプロセスは、以下の手順で構成されます。
必須コンポーネントを指定するには
「ハードウェア要件およびソフトウェア要件 (SharePoint Server 2010)」を参照してください。SharePoint Server 2010 に必須ソフトウェアおよびオプション ソフトウェアの一覧が含まれています。また、インターネット上でダウンロードできる各必須コンポーネントのダウンロード場所も記載されています。
コマンド プロンプトで、SharePoint Server 2010 のインストール メディアまたはインストール フォルダーのルートに移動します。
コマンド プロンプトで、「PrerequisiteInstaller.exe /?」と入力します。コマンド ラインから必須コンポーネントをインストールするためのコマンド ライン オプションとスイッチおよび対応する引数の一覧が表示されます。
ヒント
アクティブな [詳細] ウィンドウの内容をクリップボードにコピーするには、CTRL + C キーを押します。
必須のソフトウェアの正確な一覧が表示されていることを確認します。必須コンポーネント インストール ツールの出力と、手順 1. の必須コンポーネントの一覧を比較します。
インターネットにアクセスできるコンピューターに必須コンポーネントをダウンロードします。
次に、以下の手順を使用して、SharePoint Server の必須コンポーネントをすべてのファーム サーバーにインストールする場合に使用できる中央の場所を作成します。
必須コンポーネントを統合するには
必須コンポーネントのインストール先サーバーがアクセスできるコンピューター上に共有フォルダーを作成します。
インターネットからダウンロードしたコピーを共有フォルダーにコピーします。
必須コンポーネント用のアクセス可能なネットワーク上の場所を作成し終えたら、以下の手順を使用して SharePoint Server 2010 の必須コンポーネントをサーバーにインストールします。
コマンド ラインから必須コンポーネントをインストールする
以下の手順を使用して、コマンド ラインから 1 つまたはすべての必須コンポーネントをインストールできます。
コマンド ラインからインストールするには
[スタート] メニューから、[管理者として実行] オプションを使用して [コマンド プロンプト] ウィンドウを表示します。
SharePoint Server のソース ディレクトリに移動します。
インストールする必須プログラムのスイッチとその対応する引数を入力して、Enter キーを押します。たとえば、以下のように入力します。
PrerequisiteInstaller.exe /SQLNCli: "\\o14-sf-admin\SP_prereqs\sqlncli.msi"
注意
複数の必須コンポーネントをインストールするには、スイッチと引数の各ペアをスペースで区切って入力します。たとえば、以下のように入力します。
PrerequisiteInstaller.exe /SQLNCli: "\o14-sf-admin\SP_prereqs\sqlncli.msi" /ChartControl: "\o14-sf-admin\SP_prereqs\MSChart.exe" /W2K8SP2: "\o14-sf-admin\SP_prereqs\Windows6.0-KB948465-X64.exe" /NETFX35SP1: "\o14-sf-admin\SP_prereqs\dotnetfx35setup.exe"
引数ファイルを使用して必須コンポーネントをインストールする
インストールする必要があるプログラムのスイッチとその対応するパス ステートメントで構成される引数ファイルを使用して、ファイル共有から必須コンポーネントをインストールできます。
引数ファイルを指定して PrerequisiteInstaller.exe を実行すると、以下の処理が行われます。
PrerequisiteInstaller.exe は引数ファイルを読み取り、各スイッチが有効であること、およびパス ステートメントで指定されたプログラムが存在することを確認します。
注意
引数を指定した場合、PrerequisiteInstaller.exe は引数ファイルを無視し、コマンド ラインの引数のみを処理します。
PrerequisiteInstaller.exe はローカル システムをスキャンし、必須コンポーネントのいずれかが既にインストールされているかどうかを判断します。
PrerequisiteInstaller.exe は引数ファイル内のプログラムをインストールし、以下の終了コードのいずれかを返します。
0 - 成功
1 – このアプリケーションの別のインスタンスが既に実行している
2 – コマンド ライン パラメーターが無効である
1001 – 再起動が保留中のためにインストールがブロックされている
3010 – 再起動が必要である
必須コンポーネントが再起動を必要とする場合は、3010 コードが生成され、[完了] をクリックしてシステムを再起動することが求められます。3010 コード後のインストール ツールの動作は、コンピューター上での以下のいずれかの状態によって異なります。
Windows Server 2008 Service Pack 2 (SP2) がシステムに既にインストールされている場合は、3010 コードが生成され、残りの必須コンポーネントがインストールされます。最後の必須コンポーネントがインストールされた後でシステムの再起動が求められます。
Windows Server 2008 SP2 が PrerequisiteInstaller.exe によってシステムにインストールされた場合は、3010 コードが生成され、残りの必須コンポーネントのインストールはスキップされます。システムの再起動が求められます。
システムが再起動した後、PrerequisiteInstaller.exe は、再起動の前に作成されたスタートアップ ファイルに /continue フラグが含まれているため、実行を再開します。
再起動後、PrerequisiteInstaller.exe は引数ファイルを無視し、残りの必須コンポーネントをインターネットからダウンロードしてインストールすることを試みます。詳細については、「既知の問題」を参照してください。
以下の手順を使用して、引数ファイルを作成します。
引数ファイルを作成するには
テキスト エディターを使用して、PrerequisiteInstaller.Arguments.txt という名前の新しいテキスト ドキュメントを作成します。このファイルを PrerequisiteInstaller.exe と同じ場所に保存します。このファイルには、Microsoft SharePoint 製品準備ツールを実行するときに使用するスイッチと引数が入ります。
テキスト エディターを使用して PrerequisiteInstaller.Arguments.txt を編集し、必須コンポーネントの各スイッチごとに、以下の構文を使用してインストール ソースへのファイル パスを指定します。
/switch: <path>
ここで、/switch は有効なスイッチで、<path> はインストール ソースへのパスです。
以下の例は、共通のインストール ポイントとしてファイル共有を使用する完全な引数ファイルを示します。
/SQLNCli: "\\o14-sf-admin\SP_prereqs\sqlncli.msi"
/ChartControl: "\\o14-sf-admin\SP_prereqs\MSChart.exe"
/W2K8SP2: "\\o14-sf-admin\SP_prereqs\Windows6.0-KB948465-X64.exe"
/NETFX35SP1: "\\o14-sf-admin\SP_prereqs\dotnetfx35setup.exe"
/PowerShell: "\\o14-sf-admin\SP_prereqs\Windows6.0-KB968930-x64.msu"
/KB976394: "\\o14-sf-admin\SP_prereqs\Windows6.0-KB976394-x64.msu"
/KB976462: "\\o14-sf-admin\SP_prereqs\Windows6.1-KB976462-v2-x64.msu"
/IDFX: "\\o14-sf-admin\SP_prereqs\Windows6.0-KB974405-x64.msu"
/Sync: "\\o14-sf-admin\SP_prereqs\Synchronization.msi"
/FilterPack: "\\o14-sf-admin\SP_prereqs\FilterPackx64.exe"
/ADOMD: "\\o14-sf-admin\SP_prereqs\SQLSERVER2008_ASADOMD10.msi"
/ReportingServices: "\\o14-sf-admin\SP_prereqs\rsSharePoint.msi"
/Speech: "\\o14-sf-admin\SP_prereqs\SpeechPlatformRuntime.msi"
/SpeechLPK: "\\o14-sf-admin\SP_prereqs\MSSpeech_SR_en-US_TELE.msi"重要
読みやすくするため、前述の例のスイッチとパス ステートメントは別々の行に表示されています。実際に PrerequisitesInstaller.Arguments.txt ファイルを作成するときは、改行を使用せずに、各スイッチとパス ステートメントをスペースで区切ってください。詳細については、「既知の問題」を参照してください。
PrerequisiteInstaller.Arguments.txt を編集し終えたら、編集内容を保存し、このファイルが PrerequisiteInstaller.exe と同じディレクトリにあることを確認します。
以下の手順を使用して、必須コンポーネントをインストールします。
引数ファイルを使用して必須コンポーネントをインストールするには
コマンド プロンプトで、PrerequisiteInstaller.exe を実行して必須コンポーネントをインストールします。
警告
[完了] をクリックしてシステムを再起動するように求められても、その指示に従わずに、[キャンセル] をクリックしてください。詳細については、次の手順に進む前に「既知の問題」を参照してください。
システムを手動で再起動します。
コマンド プロンプトで、PrerequisiteInstaller.exe を実行します。
既知の問題
引数ファイルの使用に影響する既知の問題が 2 つあります。
引数ファイルに改行を使用している
引数ファイルを作成するときに改行を使用して各スイッチと引数を別々の行に入力すると、必須コンポーネント インストール ツールは失敗します。回避策は、スイッチと引数のペアすべてを 1 行に入力することです。
コンピューターの再起動後に引数ファイルが使用されない
再起動後、PrerequisiteInstaller.exe は、/continue フラグが入っているスタートアップ コマンド ファイルを実行します。/continue フラグがあると、インストール ツールは引数ファイルを無視します。
以下のオプションのいずれかを使用してこのコマンド ファイル内のスタートアップ タスクを削除することで、再起動を防ぐ必要があります。
オプション 1
PrerequisiteInstaller.exe をダブルクリックして実行します。最初の画面に必須コンポーネントの一覧が表示されます。
[キャンセル] をクリックします。PrerequisiteInstaller.exe はスタートアップ タスクを削除します。
オプション 2
[スタート] メニューの [ファイル名を指定して実行] をクリックし、「regedit」と入力してレジストリを表示します。
キー HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Shell Folders を開きます。
[共通スタートアップ] の値を確認します。この値は、スタートアップ タスクが一覧されているディレクトリを示します。
変更を加えずにレジストリ エディターを閉じます。
スタートアップ ディレクトリに移動します。通常、このディレクトリは <systemdir>\ProgramData\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup です。
"SharePointServerPreparationToolStartup_0FF1CE14-0000-0000-0000-000000000000.cmd" を削除してスタートアップ タスクを削除します。