簡単な URL の計画

 

トピックの最終更新日: 2011-03-23

簡単な URL を使用すると、ユーザーは会議への参加が容易になり、管理者は Microsoft Lync Server 2010 管理ツールへのアクセスが容易になります。

Microsoft Lync Server 2010 通信ソフトウェアは、次に示す 3 つの簡単な URL をサポートします。

  • 会議 URL は、サイトまたは組織内のすべての会議のベース URL として使用されます。 たとえば、https://meet.contoso.com が簡単な会議 URL です。この場合、個別の会議 URL は、https://meet.contoso.com/ユーザー名/7322994 などになります。

    簡単な会議 URL を使用すると、会議に参加するためのリンクが覚えやすくなり、通知も配布も簡単になります。

  • ダイヤルイン URL を使用すると、[ダイヤルイン会議の設定] Web ページにアクセスできます。 このページには、使用可能な言語、割り当て済み会議情報 (すなわち、スケジュールされる必要がない会議用)、および会議内 DTMF コントロールと組み合わされた会議のダイヤルイン番号が表示されます。また、このページは、暗証番号 (PIN) および割り当て済みの会議情報の管理をサポートします。 簡単なダイヤルイン URL は、すべての会議への招待に含まれるため、会議にダイヤルインするユーザーは、必要な電話番号および PIN 情報にアクセスできます。 たとえば、https://dialin.contoso.com が簡単なダイヤルイン URL です。

  • 管理 URL を使用すると、Microsoft Lync Server 2010 コントロール パネルに迅速にアクセスできます。 管理者は、組織のファイアウォール内の任意のコンピューターから、簡単な管理 URL をブラウザーに入力して Lync Server 2010 コントロール パネルを開くことができます。 簡単な管理 URL は、組織内部の URL です。 たとえば、https://admin.contoso.com が簡単な管理 URL です。

簡単な URL の範囲

簡単な URL には、グローバル スコープを適用できます。また、組織内の各セントラル サイトで別々の簡単な URL を指定することもできます。 簡単なグローバル URL と簡単なサイト URL の両方が指定されている場合は、簡単なサイト URL が優先されます。

ほとんどのケースでは、簡単な URL はグローバル レベルだけで設定することをお勧めします。そうしておけば、ユーザーがサイト間で移動した場合に、ユーザーの簡単な会議 URL が変更される心配がなくなります。 ただし、これは、各サイトのダイヤルイン ユーザーごとに別々の電話番号を使用する必要がある組織には該当しません。 あるサイトで任意のタイプの簡単な URL (簡単なダイヤルイン URL など) をサイト・レベルの簡単な URL として設定すると、そのサイトでは残りの 2 つの簡単な URL もサイト レベルで設定する必要があることに注意してください。

簡単なグローバル URL は、トポロジ ビルダーで設定できます。 サイト レベルで簡単な URL を設定するには、Set-CsSimpleURLConfiguration コマンドレットを使用します。

簡単な URL の命名

簡単な URL の命名には、推奨される 3 つのオプションがあります。 選択するオプションによって、簡単な URL をサポートする DNS A レコードと証明書の設定方法が影響を受けます。 各オプションでは、組織内の SIP ドメインごとに簡単会議 URL を 1 つ構成する必要があります。 簡単なダイヤルインおよび管理 URL については、所有している SIP ドメインの数とは関係なく、組織全体で必要な数は、常に 1 つだけです。

必要な DNS A レコードおよび証明書の詳細については、「計画」のドキュメントの「簡易 URL の DNS 要件」および「内部サーバーに対する証明書要件」を参照してください。

オプション 1 では、簡単な URL ごとに、新しい SIP ドメイン名を作成します。

このオプションを使用する場合は、簡単な URL ごとに独立した DNS A レコードが必要であり、証明書で各簡単な会議 URL を指定する必要があります。

簡単な URL 命名オプション 1

簡単な URL

会議

https://meet.contoso.com、https://meet.fabrikam.com、など (組織内の SIP ドメインに 1 つずつ割り当てます)

ダイヤルイン

https://dialin.contoso.com

管理

https://admin.contoso.com

オプション 2 では、簡単な URL のベースとしてドメイン名の lync.contoso.com を使います。このため、必要な DNS A レコードは 1 つだけであり、この DNS A レコードで、簡単な URL の 3 つのタイプすべてを有効にします。 この DNS A レコードは、lync.contoso.com を参照します。この場合も、組織内の他の SIP ドメインについては、独立した DNS A レコードが必要です。

簡単な URL 命名オプション 2

簡単な URL

会議

https://lync.contoso.com/Meet、https://lync.fabrikam.com/Meet、など (組織内の SIP ドメインに 1 つずつ割り当てます)

ダイヤルイン

https://lync.contoso.com/Dialin

管理

https://lync.contoso.com/Admin

SIP ドメインの数が多く、これらのドメインに独立した簡単会議 URL を持たせて、これらの簡単な URL の DNS レコードと証明書の要件をできるだけ少なくする場合は、オプション 3 が最も便利です。

簡単な URL 命名オプション 3

簡単な URL

会議

https://lync.contoso.com/contosoSIPdomain/Meet

https://lync.contoso.com/fabrikamSIPdomain/Meet

ダイヤルイン

https://lync.contoso.com/Dialin

管理

https://lync.contoso.com/Admin

簡単な URL の命名および入力規則

トポロジ ビルダーおよび Lync Server 管理シェル コマンドレットは、簡単な URL についてのいくつかの入力規則を強制的に適用します。 ユーザーは、簡単な会議 URL およびダイヤルイン URL の設定を要求されますが、簡単な管理 URL の設定はオプションです。 各 SIP ドメインは独立した簡単な会議 URL を持つ必要がありますが、簡単なダイヤルイン URL と簡単な会議 URL については組織全体で必要な数は 1 つだけです。

組織内の各簡単 URL は、一意の名前を持つ必要があり、別の簡単な URL のプレフィックスにすることはできません (たとえば、簡単な会議 URL として lync.contoso.com/Meet、簡単なダイヤルイン URL として lync/contoso.com/Meet/Dialin を設定することはできません)。 簡単な URL 名には、プールの FQDN、またはポート情報を含めることはできません (たとえば、https://FQDN:88/meet は許可されません)。 簡単な URL は、すべてプレフィックス https:// で始まる必要があります。

簡単な URL の名前には、英数字 (すなわち、a ~ z、A ~ Z、0 ~ 9) およびピリオド (.) 以外は使用できません。 他の文字を使用すると、簡単な URL が予想どおりに機能しない可能性があります。

展開後の簡単な URL の変更

初回の展開後に簡単な URL を変更する場合は、どのような変更が簡単な URL の DNS レコードと証明書に影響を及ぼすのかについて注意した上で変更する必要があります。変更が簡単な URL の基本部分に影響する場合は、DNS レコードと証明書も変更する必要があります。たとえば、https://lync.contoso.com/Meet を https://meet.contoso.com に変更すると、ベース URL が lync.contoso.com から meet.contoso.com に変更されるため、meet.contoso.com を参照するためには DNS レコードと証明書を変更する必要があります。簡単な URL を https://lync.contoso.com/Meet から https://lync.contoso.com/Meetings に変更した場合は、lync.contoso.com のベース URL は同じなので、DNS と証明書の変更は必要ありません。

ただし、簡単な URL 名を変更する場合は必ず、各ディレクターおよびフロント エンド サーバーで Enable-CsComputer を実行して変更を登録する必要があります。

関連項目

概念

簡易 URL の DNS 要件