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VLAN ID の検索

 

トピックの最終更新日: 2012-10-17

デバイスは、VoIP (Voice over IP) トラフィックをサブネット内の他のトラフィックから分離するために、仮想 LAN (VLAN) に参加できます。Lync Server に接続しているデバイスにとっての最初の手順は、参加する VLAN の ID を確認することです。

Lync Server を実行しているデバイスは、最初に LLDP (Linked Layer Discovery Protocol) 要求をスイッチに送信します。スイッチが一定時間内に応答しない場合、デバイスは VLAN 探索のために DHCP へのフォールバックを行います。すべてのスイッチが LLDP に対応しているわけではなく、Lync Server がリリースされるまでは、DHCP がデバイスによる VLAN ID の探索に使用できる唯一の方法でした。

問題 1: スイッチから応答がない

問題: スイッチは VLAN ID を提供するように設定されていますが、何らかの理由で応答に失敗します。スイッチまたはデバイス側の問題が原因である可能性があります。デバイスのサインイン画面には、"IP アドレスを取得しています" と表示されます。

デバイスが VLAN を取得できていないことを確認するには、デバイスのシステム情報を確認します。

システム情報を確認するには、IP アドレス取得中の画面で [キャンセル] をクリックします。サインインの画面で、使用できるオプションの [詳細設定]、[システム情報] の順に選択します。VLAN ID が表示されるまで画面を下にスクロールします。その値が 0 の場合、デバイスは VLAN ID を取得できていません。

解決法: デバイスがネットワークに正しく接続されていません。デバイスに LAN ケーブルが正しく接続されていることを確認してください。1 本の LAN ケーブルがデバイスをネットワークに接続し、もう 1 本がデバイスのダウンストリーム側 (コンピューターなど) との接続に使用されます (ネットワーク ポートの数が限られている場合は、コンピューターと壁の間に位置するようにデバイスを接続すると、デバイス向けの追加の専用ポートがなくてもデバイスを導入できます)。そのためには、デバイスをリセットします。デバイスが起動し、ブートストラップ処理を経て、資格情報を入力するオプションがユーザーに表示されるか (初回使用時など、デバイスに有効な資格情報がない場合)、レジストラーに接続してホーム画面が表示されます。

解決法: スイッチが VLAN ID を返すように正しく設定されていません。スイッチがデバイスに VLAN を提供するようにネットワークが設定されている場合は、デバイスの接続しているスイッチが VLAN を公開するように設定されていることを確認してください。

問題 2: DHCP から応答がない

問題 スイッチが VLAN を提供するように設定されておらず、代わりに DHCP によってこの情報がデバイスに提供されることが想定されています。詳細については、このトピックの「問題 1: スイッチから応答がない」セクションを参照してください。

解決法: デバイスが DHCPDiscover クエリを送信する DHCP サーバーを確認します。デバイスが接続するアドレス範囲の DHCP サーバーの設定では、オプション 43: VLAN が有効になっている必要があります。

ほとんどの DHCP サーバーでは、オプション 43 が既定では有効になっていません。Lync を実行しているデバイスがサインインを行うすべてのスコープで、このオプションを有効にする必要があります。オプション 43 は、ベンダー固有の情報を提供するのに使用されます。Lync Server の場合、すべてのデバイスは DHCPDiscover および DHCPRequest の送信時にこのオプションと自らのクラス ID を含めます。これにより、DHCP サーバーは固有の ms-uc-client クラスを認識し、VLAN など、適切な情報を返すことができます。

追加情報

以下の記述は、問題 1 および 2 に当てはまります。

  • VLAN の初期探索により、それまでに取得されたデバイスの IP アドレスはすべて解放されます。

  • デバイスは、スイッチに送信された LLDP クエリに対する応答を 6 秒間待ちます。スイッチは、LLDP クエリに対するエラー応答を返しません。そのため、タイムアウトはエラー (ネットワークの切断とタイムアウトのどちらか、またはその両方) と見なすことができます。

  • VLAN ID は、その再利用によってデバイスが再起動時にすばやく接続できるように、キャッシュされます。キャッシュされた VLAN ID が正しくない場合、デバイスはその ID を放棄し、新しい ID の取得を試みます。

  • Lync を実行しているデバイスのクラス ID は、MS-UC-Client です。

  • DHCPUtil.exe は Lync Server Resource Kit に用意されているツールであり、Windows DHCP サーバーで設定されている DHCP オプションの確認や、見つからないオプションの適切な設定に役立ちます。詳細については、「DHCPUtil の使用」を参照してください。

  • DHCP プロトコルの詳細については、「How DHCP Technology Works」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=202876&clcid=0x411) を参照してください。

  • VLAN ID はすべてのネットワーク接続に必要なわけではありませんが、VoIP トラフィックが他のネットワーク トラフィックから分離されるので、すべてのエンタープライズ展開で使用することをお勧めします。

関連項目

概念

デバイス接続プロセス