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レジストラー FQDNおよび Web サービス URL の取得

 

トピックの最終更新日: 2012-06-21

IP アドレスの取得後、デバイスは Web サービスの Web アドレスと、レジストラーのアドレスを取得する必要があります。これらを使用して、最初に認証が行われ、次に Lync Server による通信が開始されます。デバイスでこの情報が必要となるのは、デバイスの初回の起動時と、デバイスのキャッシュに情報がない場合です。

デバイスは、Lync Server クラス ID (ms-uc-client) と共に DHCPInform を送信し、オプション 43 および 120 が必要であることを条件として指定します。DHCP サーバーは、これらがセットアップされていれば、必要な値と共に DHCPack を送信します。オプション 120 はレジストラー (つまり、Lync Server レジストラー サーバーの役割) 完全修飾ドメイン名 (FQDN) を示し、オプション 43 は Web サーバーの URL を示します。

この DHCP 要求に加えて、デバイスはレジストラーのために DNS 参照も送信します。ただし、FQDN 付きの最初の DHCP 応答が使用され、その他の応答は無視されます (FQDN 付きの DHCP 応答がなければその限りではありません) 。

問題 1: DHCP が Web サービスの URL を提供しない

問題: DHCP サーバーは、オプション 43 で Web サービスの URL を返すようにセットアップされていなければなりません (クラス ID が ms-uc-client の要求の場合)。そのようにセットアップされていないと、デバイスはフェールオーバーして代わりに DNS を使用します。しかし、デバイスが接続を開始するその接続元のサイトにレジストラー クラスターのための冗長な DNS サーバー エントリが存在しないこともあるので、DNS はそれほど頼りになりません。

解決策: 最初に、Lync Server 管理シェルを開き、test-CsPhoneBootstrap 代理トランザクションを実行します。

test-CsPhoneBootstrap -TargetFQDN <fqdn of DHCP server>-PhoneOrExt <phone or extension of the user on the device seeing this failure> -PIN <pin of the user on the device seeing this failure>  -verbose

これで、DHCP から URL が返されるかどうかがわかります。

DHCP から URL が返されない場合は、返されるように DHCP を構成します。これを行うには、DHCPUtil.exe を使用します。これで、DHCP サーバーにどの DHCP オプションがセットアップされているかがわかります。DHCPUtil では不足しているオプションを正しくセットアップすることもできます。これでオプション 43 をセットアップできます。DHCPUtil の詳細については、「IP 電話へのサインインを有効にするための DHCP オプションの構成」を参照してください。

URL が名前解決されて正しく Web サービスをポイントするかどうかもチェックしてください。これを行うには、Web ブラウザーに URL を入力して、「HTTP 404 – File Not Found」エラーが出ないことを確認します。

問題 2: DHCP がレジストラー FQDN を提供しない

問題: DHCP サーバーは、オプション 120 で レジストラー FQDN を返すようにセットアップされていなければなりません (クラス ID が ms-uc-client の要求の場合)。そのようにセットアップされていないと、デバイスはフェールオーバーして代わりに DNS を使用します。しかし、デバイスが接続を開始するその接続元のサイトにレジストラー クラスターのための冗長な DNS サーバー エントリが存在しないこともあるので、DNS はそれほど頼りになりません。この場合、デバイスは認証に成功しても、Lync Server との SIP 通信を開始できません。

解決策: 最初に、Lync Server 管理シェルを開き、test-CsPhoneBootstrap 代理トランザクションを実行します。

test-CsPhoneBootstrap -PhoneOrExt <phone number or extension> -PIN <pin for that user> -verbose

これが失敗した場合は、DHCP にオプション 120 がセットアップされていないものと考えられます。これをセットアップするには、DHCPUtil.exe を使用します。これで、DHCP サーバーにオプション 120 がセットアップされているかどうか、また DHCP サーバーがレジストラーのために正しい FQDN を返すかどうかをチェックできます。

このレコードに最大 2 つのレジストラー FQDN を含めることもできます。クライアントはクエリの応答が正しく返されるまで、各 FQDN の使用を試行します。レジストラーのために優先 DNS SRV レコードがセットアップされているかどうかも確認してください。

デバイスが正しい DHCP オプションを受け取らない

問題: Aries デバイスが接続しようとしているその接続先の DHCP サーバーが接続に必要なオプション 120 および 43 を返さない場合があります。\DSK1\logs\cpsw3g.log にあるデバイスの DHCP ログを取得すれば、これを確認できます。詳細については、「ログ ファイルをデバイスから送出する方法」を参照してください。

解決策: DHCP サーバーがオプション 120 および 43 を返すように構成されているかどうかを確認します。詳細については、「DHCPUtil の使用」を参照してください。これらのオプションを返すように構成されていない場合、オプションの構成のしかたを知るためにレジストラー上または Windows DHCP サーバー上の DHCP サーバーを使うつもりなら、「DHCP を使用した IP アドレスのデバイスへの割り当て」と「IP 電話へのサインインを有効にするための DHCP オプションの構成」を参照してください。別の DHCP サーバーを使う場合は、そのサーバーの構成に関するドキュメントを参照してください。

追加情報

デバイスは、DNS SRV 参照と並行して、DHCP オプション 120 のクエリを実行します。

FQDN が含まれている DHCP 応答は、DNS SRV 参照の結果とは関係なく、常にキャッシュされます。

デバイスが認証に成功してレジストラーへの接続が確立されると、以前の DHCP/DNS 結果をキャッシュからクリアした後に値が格納されます。