バックアップと復元のプロセスの概要
トピックの最終更新日: 2011-05-12
このセクションでは、Microsoft Lync Server 2010 のバックアップと復元のプロセスの概要について説明します。すべての Standard Edition サーバーおよび Enterprise Edition サーバーに対して同じプロセスを使用します。それらのサーバーの場所は関係しません。
一般に、バックアップは次の手順で行います。
プールに含まれていないスタンドアロン コンピューター上の共有フォルダーをバックアップ場所として作成します。バックアップの場所は $Backup で参照します。
このドキュメントで説明する手順に従って、「バックアップと復元の要件: データ」で説明されているすべての Lync Server データベースおよびすべてのファイル ストアを定期的なスケジュールでバックアップします。中央管理ストアには、サーバーの設定と構成がすべて含まれています。
その後のバックアップの実行ごとに、新しい共有フォルダーを作成し、$Backup が参照するパスを変更します。
一般に、復元は次の手順で行います。
障害または停止が発生した場合は、このドキュメントで説明する手順に従って、$Backup が参照する場所のデータを新しいコンピューターまたはクリーンな状態のコンピューターに復元します。
重要: この復元プロセスでは、既存のサーバーの状態に対してはデータが復元されません。つまり、この手順を実行するには、サーバーがクリーンまたは新しい状態である必要があります。 Lync Server 2010 は、SQL Server データベースの単純復旧モデルのみをサポートしています。単純復旧モデルでは、データベースは最後の完全バックアップの時点の状態に復元されます。つまり、障害が発生した時点や特定の時点の状態にデータベースを復元することはできません。
注: Lync Server 2010 の SQL Server バックエンド (Rtc.mdf) データベースは実際にはトランザクション ログ ファイルよりも小さく、一般的な基幹業務 (LOB) データベース アプリケーションのものと比べて非常に小さいため、単純復旧モデルが最適です。 ドメイン ネーム システム (DNS) の構成、動的ホスト構成プロトコル (DHCP) の構成、ドメイン名、コンピューターの完全修飾ドメイン名 (FQDN)、ファイル ストアのパスなどのすべてが、バックアップした時点と復元の時点で同じである必要があります。
復元には次のような場合があります。
Standard Edition サーバーに障害が発生。
中央管理サーバーに障害が発生。
Enterprise Edition バックエンド サーバーに障害が発生。
Lync Server プールのメンバーのサーバーに障害が発生。
Lync Server プールに障害が発生。
注: Lync Server プールとしては、フロントエンド、ディレクター、仲介、音声ビデオ会議、アーカイブ、監視、およびエッジの各プールがあります。 ファイル ストアに障害が発生。
データベースと共に配置されたアーカイブ サーバーまたは監視サーバーに障害が発生。
スタンドアロンのアーカイブ データベースまたは監視データベースに障害が発生。
Lync Server 2010 を実行するサーバーに障害が発生した場合、復旧には以下の手順が必要になります。
新しいコンピューターまたはクリーンな状態のコンピューターに、障害が発生したコンピューターと同じ FQDN でオペレーティング システムをインストールします。
証明書を再インストールします。
サーバーでデータベースをホストしていた場合は、SQL Server 2008 R2、SQL Server 2008、または SQL Server 2005 をインストールします。
一般に、サーバーでデータベースをホストしていた場合は、トポロジ ビルダーを実行して、データベースを作成およびインストールし、アクセス制御リスト (ACL) をセットアップします。
一般に、サーバーでサーバーの役割をホストしていた場合は、Lync Server 2010 展開ウィザードの手順 1. ~ 手順 4. を実行して、ローカル構成ファイルのインストール、サーバーの役割のコンポーネントのインストール、証明書の割り当て、およびサービスの開始を行います。
注: サーバーでデータベースをサーバーの役割と併置してホストしていた場合は、Lync Server 展開ウィザードの手順 2. を実行してデータベースを再作成します。 サーバーでデータベースをホストしていた場合は、バックアップ データを復元します。