モビリティのトポロジとコンポーネント

 

トピックの最終更新日: 2012-09-11

モバイル デバイスで Lync モバイル アプリケーションをサポートするために、Lync Server 2010 の累積的な更新プログラム: 2011 年 11 月で 3 つのサービスが新しく提供されています。このセクションでは、これらのコンポーネントについて簡単に説明し、モビリティをサポートする Lync Server 2010 トポロジを特定します。

important重要:
外部ユーザー接続 (フェデレーション、外部ユーザー アクセス、モビリティ機能など) を計画している場合、Standard Edition サーバー、およびフロントエンド サーバーまたはフロントエンド プールとともに、エッジ サーバーを使用する必要があります。Standard Edition サーバー、およびフロントエンド サーバーまたはフロントエンド プールには、外部ユーザーが内部展開にアクセスしたり、内部展開から外部ユーザーと通信したりするために必要なコンポーネントがありません。モビリティなど、外部ユーザーが内部ユーザーと共同作業や通信を行うようなすべてのシナリオのために、少なくとも 1 つのエッジ サーバーと 1 つのリバース プロキシを展開する必要があります。
プッシュ通知は Lync Online サービスへの一種のフェデレーションを使用します。このサービスによって、プッシュ通知情報センター (PNCH) がホストされます。プッシュ通知とは、アプリケーションから Apple iPhone、iPad、iPod、および Windows Phone にプッシュされる通知音、画面上の通知 (テキスト) およびバッジです。PNCH は、Lync Server からプッシュ通知を受信します。PNCH は、メッセージの通知を受信すると、そのメッセージが意図しているモバイル クライアントに基づいて、Apple プッシュ通知サービスまたは Lync Server 2010 プッシュ通知サービスのどちらかを介して、モバイル クライアントに通知を転送します。PNCH は、こうしたモバイル クライアントに必要なサービスです。Lync Online にフェデレーションを行うために、PNCH は、エッジ サーバー、機密性と認証を確保するための証明書、ポリシー、および適切に構成されたドメイン ネーム システム (DNS) レコードを使用します。Nokia Symbian および Android ベースの Lync 2010 Mobile クライアントは、PNCH を使用しません。エッジ サーバーの計画および展開の詳細については、このトピックの下部に記載したリンクを参照してください。

モビリティ コンポーネント

モビリティをサポートする新しいサービスは次のとおりです。

  • Microsoft Lync Server 2010 Mobility Service   この新しいサービスは、インスタント メッセージング (IM)、プレゼンス、連絡先などの Lync 2010 機能をモバイル デバイスでサポートします。

    note注:
    モバイル デバイスでサポートされる Lync 機能の完全な一覧については、「モバイル クライアントの比較表」を参照してください。

    Mobility Service は、各プールのすべてのフロントエンド サーバーにインストールされ、モバイル デバイス上で Lync 機能をサポートします。

    Mobility Service をインストールすると、新しい仮想ディレクトリ (Mcx) が、フロントエンド サーバーの内部 Web サイトおよび外部 Web サイトの両方に作成されます。

  • Microsoft Lync Server 2010 自動検出サービス   この新しいサービスはユーザーの場所を特定します。さらに、Lync Server Web サービス用の内部および外部 URL、新しい Mobility Service 用の URL などのリソースを、ネットワークの場所にかかわらず、モバイル デバイスが検出できるようにします。自動検出は、ハードコードされたホスト名 (ネットワーク内部のユーザーの場合は lyncdiscoverinternal、ネットワーク外部のユーザーの場合は lyncdiscover) およびユーザーの SIP ドメインを使用します。また、HTTP または HTTPS のどちらかを使用してクライアント接続をサポートします。

    自動検出サービスは、すべてのフロントエンド サーバーと各プールのすべてのディレクターにインストールされ、モバイル デバイスで Lync 機能をサポートします。自動検出サービスをインストールすると、新しい仮想ディレクトリ (Autodiscover) がフロントエンド サーバーとディレクターの内部および外部 Web サイトに作成されます。

  • Microsoft Lync Server 2010 プッシュ通知サービス   このサービスは、クラウドベースのサービスで、Lync Online データ センターに存在します。サポートされている Apple iOS デバイスまたは Windows Phone の Lync モバイル アプリケーションは、非アクティブの場合、新しいインスタント メッセージング (IM) の招待状、不在着信のインスタント メッセージ、不在着信、ボイス メールなどの新しいイベントに応答できません。これは、これらのデバイスがバックグラウンドで動作するモバイル アプリケーションをサポートしていないためです。このような場合、新しいイベント用のプッシュ通知と呼ばれる通知がモバイル デバイスに送信されます。Mobility Service は、通知をクラウドベースの Microsoft Lync Server 2010 プッシュ通知サービスに送信し、プッシュ通知サービスはその通知を Apple プッシュ通知サービス (APNS) (サポートされている Apple iOS デバイス用) または Microsoft プッシュ通知サービス (MPNS) (Windows Phone 用) に送信します。最後に、APNS または MPNS がその通知をモバイル デバイスに送信します。その後、ユーザーはモバイル デバイス上でこの通知にアクセスしてアプリケーションをアクティブにすることができます。

    note注:
    Lync モバイル アプリケーションは、Android および Nokia デバイスでバックグラウンドで動作することができるため、これらのデバイスではプッシュ通知は必要ありません。

以下の図は、プッシュ通知サービスが Lync Server 2010 トポロジとどのように適合しているかを示しています。

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サポートされるトポロジ

以下のトポロジでモビリティ機能を展開できます。

  • Lync Server 2010 Standard Edition

  • Lync Server 2010 Enterprise Edition

エッジ サーバーは Lync Server 2010エッジ サーバーになります。または Lync Server 2010 への移行中の場合は、Microsoft Office Communicator 2007 R2エッジ サーバーになります。

important重要:
仲介サーバーの役割が併置されているフロントエンド サーバーで、フロントエンド サーバーがデュアルホームになっている場合 (つまり、フロントエンド サーバーのトラフィックと仲介サーバーのトラフィックを分離するために、フロントエンド サーバーに複数のネットワーク インターフェイスがある場合)、Mobility Service がサポートされません。具体的には、トポロジ ビルダーでプライマリ IP アドレスおよび公衆交換電話網 (PSTN) IP アドレスを定義し、ドメイン ネーム システム (DNS) にプライマリ IP アドレスのみを登録する場合、このトポロジを Mobility Service で使用することはできません。