64 ビット データベース アプリケーションの管理

SQL Server Compact 4.0 はインプロセス データベースです。そのため、アプリケーション内に埋め込まれるデータベースのニーズに合わせて配置/運用環境のリソースが最小限に抑えられています。コンポーネントはインプロセスであるため、32 ビット環境と 64 ビット環境の両方で実行できる必要があります。32 ビット版ランタイムでも 64 ビット版ランタイムでも、データベースのデータ形式は同じです。

SQL Server Compact 64 ビット版で作成されたデータベースには 32 ビット版ランタイムでもアクセスでき、SQL Server Compact 32 ビット版で作成されたデータベースには 64 ビット版ランタイムでもアクセスできます。

サイド バイ サイドの互換性

SQL Server Compact では、32 ビット版および 64 ビット版ランタイムがサイド バイ サイドでサポートされます。サイド バイ サイドのサポートは、古いデータベース形式を使用する古いクライアントを新しい形式と共にサポートする必要がある場合に便利です。

SQL Server Compact 3.5 SP2 の 32 ビット版および 64 ビット版ランタイムは、SQL Server Compact 4.0 の 32 ビット版および 64 ビット版がインストールされているコンピューターにインストールできます。

レガシ アプリケーションでのデータベースの使用

古いバージョンの SQL Server Compact で作成したデータベース ファイルを開く場合は、データベース ファイルを SQL Server Compact 4.0 バージョンにアップグレードする必要があります。データベースは、SQL Server Compact 3.5 SP2 と下位互換性がありません。古いデータベース ファイルのアップグレードの詳細については、「以前のバージョンからのアップグレード (SQL Server Compact)」または「Upgrade」を参照してください。

SQL Server Compact 4.0 64 ビット版で作成したデータベース ファイルの形式は、SQL Server Compact 4.0 32 ビット版で作成したファイルの形式と同じです。64 ビットのコンピューターでは、SQL Server Compact 4.0 の 32 ビット版および 64 ビット版ランタイムは、同じデータベース ファイル上で同時に動作できます。

Visual Studio サーバー エクスプローラー

ここでは、Visual Studio サーバー エクスプローラーの 64 ビット互換性について説明します。

ランタイムの互換性

Visual Studio 2010 SP1 は、64 ビット クライアントでは WOW64 モードで実行されます。このため、Visual Studio 2010 SP1 内で使用可能なツールを使用するには、SQL Server Compact の 32 ビット コンポーネントがインストールされている必要があります。32 ビット版ランタイム コンポーネントは 64 ビット版セットアップ プログラムによってインストールされるため、64 ビット版ランタイムのセットアップを完了するだけで、この目的には十分です。さらに、SQL Server Compact 4.0 用に Visual Studio 2010 SP1 でデザイナーをサポートするには、SQL Server Compact 4.0 のデザイン時コンポーネントが既存の Visual Studio 2010 SP1 にインストールされている必要があります。デザイン時コンポーネントは、MicrosoftVisual Studio 2010 SP1 Tools for SQL Server Compact 4.0 の Windows Installer (.MSI) ファイルを実行することによりインストールできます。

注意

  • WOW64 は、32 ビット アプリケーションを 32 ビット プラットフォーム上で実行する場合と同じように実行できるエミュレーション層です。

データベース ファイルの互換性

Visual Studio 2010 SP1 は、SQL Server Compact 3.5 SP2 および SQL Server Compact 4.0 のアプリケーション開発をサポートしています。サーバー エクスプローラーを使用すると、SQL Server Compact 3.5 SP2 または SQL Server Compact 4.0 データベース ファイルに接続でき、そこでデータを参照できます。

インストールと配置の管理

ネイティブ DLL を直接プロジェクトに含めることによってすべての必要なリソースを自分で配置する場合は、それらのリソースをプロジェクトの最上位フォルダーに配置する必要があります。プロセッサ アーキテクチャ タイプ (x86 や AMD64 など) ごとにフォルダを作成してください。Itanium 64 はサポートされていません。特定のコンピュータのプロセッサ アーキテクチャ タイプを表示するには、コマンド プロンプトを開いて次のコマンドを実行します。

echo %PROCESSOR_ARCHITECTURE%

VBScript を使用して同じ情報をウィンドウに表示するには、次のコードを実行します。

Set WshShell = WScript.CreateObject("WScript.Shell")
Set WshSysEnv = WshShell.Environment("SYSTEM")
WScript.Echo WshSysEnv("PROCESSOR_ARCHITECTURE")

64 ビット アプリケーションの配置の詳細については、Visual Studio ドキュメントの「64 ビット アプリケーションの配置」を参照してください。SQL Server Compact を使用したデスクトップ アプリケーション ビルドの配置の詳細については、「デスクトップ アプリケーションの配置」を参照してください。

注意

SQL Server Compact 4.0 では、64 ビット版 SQL Server Compact Runtime MSI は、ClickOnce 配置に統合されています。ClickOnce テクノロジを使用して、64 ビット システム上に SQL Server Compact 4.0 で構築されたアプリケーションをインストールする場合、パブリッシャーによって SQL Server Compact 4.0 がインストールの前提条件として選択されていると、SQL Server Compact の WOW64 コンポーネントと x64 コンポーネントの両方がインストールされるため、64 ビット版 SQL Server Compact ランタイムがインストールされます。同様に、32 ビット コンピューターでは、64 ビット版 SQL Server Compact ランタイムがインストールされます。

関連項目

参照

64-Bit Integer Structures

概念

SQL Server Compact バージョンのサイド バイ サイド サポート

OLE DB 64-Bit Information