Notification Services の配置オプション

Notification Services は多くの配置オプションをサポートしているので、最適に動作するように配置ツールや構成を選ぶことができます。配置ツールは 3 組の中から選択できます。Notification Services のインスタンスは、さまざまなハードウェア構成に配置できます。複数のインスタンスやバージョンをサイドバイサイドで配置できます。また、Notification Services エンジンは Windows サービスを使用して実行することも、独自のアプリケーションをホストにすることもできます。

配置の概要

インスタンスを配置するときには、以下の作業を実行します。

  • インスタンス構成をコンパイルすることにより、インスタンス オブジェクトおよびアプリケーション データベース オブジェクトを作成します。
  • Notification Services のインスタンスを登録します。
  • Notification Services エンジンをインストールします。このエンジンは、ホストされるイベント プロバイダ、ジェネレータ、およびディストリビュータを実行します。このエンジンは、Microsoft Windows サービスにすることができ、その場合はインスタンスの登録時にインストールします。あるいは、カスタム アプリケーションをこのエンジンのホストにすることもできます。
  • ホストされないイベント プロバイダまたはサブスクリプション管理インターフェイスをアプリケーションで使用する場合には、それらのコンポーネントを配置することも必要です。

配置を行うための詳細な指示については、「Notification Services の配置」を参照してください。

配置ツール

Notification Services は、インスタンスをデプロイするために次の 3 組のツールを提供しています。

  • SQL Server Management Studio。オブジェクト エクスプローラで Notification Services を右クリックして、ショートカット メニュー コマンドを利用します。インスタンスを配置した後は、インスタンスを右クリックすると、追加のショートカット メニュー コマンドを利用できます。
    SQL Server Management Studio を使用して Notification Services のインスタンスを配置する方法について調べるには、「SQL Server Notification Services サンプル」および「Notification Services のチュートリアル」を参照してください。
  • nscontrolnscontrol コマンド プロンプト ユーティリティは、SQL Server Management Studio の機能すべてを提供します。nscontrol ユーティリティを使用すると、配置および管理のタスクをスクリプト化できます。
    nscontrol を利用して配置タスクのスクリプトを作成する方法を調べるには、「Notification Services の配置」にある配置のチュートリアルを参照してください。
  • Notification Services 管理オブジェクト (NMO)。Notification Services のインスタンスは個々に配置することもできますが、NMO を使用してカスタム配置ソリューションを開発することもできます。ほとんどの配置メソッドは Instance クラスのメンバですが、他のいくつかのクラスにも、これらのコンポーネントの操作を制御する Enable() メソッドと Disable() メソッドがあります。NMO オブジェクトは Microsoft.SqlServer.Management.Nmo 名前空間にあります。

ハードウェア構成

Notification Services は、次のようなハードウェア構成をサポートしています。

  • Notification Services エンジンのコンポーネントは、データベース サーバー上で実行できます。これは、多くの一般の人々が利用できるようにはしない、小規模な通知アプリケーションの場合にお勧めします。
  • Notification Services エンジンのコンポーネントは、リモート サーバー上で実行することもできます。一般に、Notification Services エンジンをデータベースと分離すると、大規模なアプリケーションで配信パフォーマンスが向上します。また、エンジンとデータベースを分けることにより、セキュリティも向上させることができます。
  • Notification Services エンジンのコンポーネントはスケールアウトが可能です。これは通常、より多くのディストリビュータを通知アプリケーションに提供するために行います。複雑な書式設定を行う非常に大規模なアプリケーションや、大量の通知を Simple Mail Transfer Protocol (SMTP) を使って送信するアプリケーションの場合、複数のディストリビュータを構成する利点を活かせます。
    同一サーバー上に複数のディストリビュータを構成することにはメリットがないため、Notification Services ではこれを許可していません。
  • フェールオーバー クラスタリング、ログ配布、データベース ミラーリングといった高可用性オプションを使用できます。詳細については、「高可用性の維持」を参照してください。

これらの配置構成の例については、「ハードウェア構成」を参照してください。

インスタンスのサイドバイサイド実行

Notification Services は、1 つのサーバー上に複数のインスタンスを配置することをサポートしています。サーバー上で実行できる Notification Services インスタンスの数や、SQL Server データベース エンジンの 1 つのインスタンス内に保持できる Notification Services データベースの数に関して、事前に構成された制限はありません。

SQL Server 2005 の容量制限については、「SQL Server 2005 の最大容量仕様」を参照してください。

バージョンのサイドバイサイド実行

1 つのサーバー上に、複数バージョンの Notification Services をサイドバイサイドでインストールすることができます。ただし、Notification Services 2.0 のインスタンスは SQL Server 2000 データベースを使用する必要があり、SQL Server 2005 Notification Services のインスタンスは SQL Server 2005 データベースを使用する必要があります。

Notification Services のインスタンスを新しいバージョンまたは上位エディションにアップグレードすることについては、「Notification Services インスタンスの移行」を参照してください。

ホスト可能な Notification Services エンジン

Notification Services のインスタンスを配置するときには、そのインスタンスを登録し、必要であれば NS$instanceName Windows サービスをインストールします。この Windows サービスが Notification Services エンジンを実行します。

別の方法として、Notification Services エンジンを独自のアプリケーションまたはプロセス内でホストすることにして、そのインスタンスの始動および停止をそのアプリケーションまたはプロセスを使用して行うこともできます。詳細については、「Notification Services エンジンのホスト」を参照してください。

参照

概念

Notification Services の定義
Notification Services の利用シナリオ
Notification Services アーキテクチャ
Notification Services プログラミング フレームワーク
Notification Services のセキュリティ、信頼性、スケーラビリティ、および可用性
Notification Services と他のテクノロジ
Notification Services のエディション

その他の技術情報

Notification Services の配置
Notification Services の管理

ヘルプおよび情報

SQL Server 2005 の参考資料の入手