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Analysis Services の複数のインスタンスの管理

Microsoft SQL Server 2005 Analysis Services (SSAS) の各インスタンスは、同じコンピュータのハードウェア リソースを共有する点以外は完全に独立しており、独立した実行可能ファイル、プロパティ、セキュリティ モデル、データベース、キューブなどを持っています。各インスタンスは、別々に停止したり開始したりできます。1 台のコンピュータ上に Analysis Services の複数のインスタンスがあると、多くのメリットがもたらされます。たとえば、アプリケーション、フィックス、およびサービス パックをプライマリ インスタンスで実装する前に同じコンピュータのセカンダリ インスタンスでテストしたり、サーバー構成プロパティが異なる別々のインスタンスでアプリケーションを実行したりできます。ただし、単一のコンピュータ上のすべてのインスタンスは同じメモリ リソースを共有するので、プライマリ インスタンス用のメモリを節約するために、テスト目的のみのインスタンスは手動で起動するように構成する必要があります。

Analysis Services の各インスタンスには、クライアントが接続に使用する独自のポートも必要です。このポートは、Analysis Services の管理者が手動で割り当てることも、起動時に使用可能なポートから Analysis Services に動的に選択させることもできます。ポートが手動または動的のどちらで構成されるかにかかわらず、Analysis Services クライアントは、Analysis Services の適切なインスタンスに関連付けられたポートを識別し、このポートに接続できる必要があります。

Analysis Services のインスタンスがリッスンするポートの定義

Analysis Services のインスタンスに関する Port サーバー プロパティは、このインスタンスがクライアント接続をリッスンするポート番号を指定します。Port プロパティの既定値は 0 です。これは、インスタンスが既定のポートである 2383 を使用することを意味します。Analysis Services の管理者は、既定のポート値を特定のポート番号に変更することも、既定値をそのまま使用することもできます。既定値に設定されている場合、インスタンスは既定のポート 2383 を使用しようとします。既定のポートが別のインスタンスによって既に使用されている場合、Analysis Services は動的ポートから使用可能な最初のポートを選択し、このポートをインスタンスに割り当てます。Analysis Services は、名前付きインスタンスの参照を処理するサービスである、SQL Server Browser を使用してポート番号とインスタンス名の記録も行います。

Port サーバー プロパティを変更する方法については、「サーバー構成プロパティの設定」を参照してください。

クライアントが Analysis Services のインスタンスを検索する方法の構成

Analysis Services クライアントは、別のポート番号が指定されない限り、ポート 2383 の Analysis Services のインスタンスに接続しようとします。Analysis Services クライアントが、別のポート番号をリッスンしている Analysis Services の名前付きインスタンスに接続する必要がある場合、名前付きインスタンスが使用しているポートを指定する必要があります。指定しなければ、ポート 2382 の Analysis Services リダイレクタ サービスにリダイレクトされます。Analysis Services リダイレクタ サービスは、SQL Server Browser の一部であり、コンピュータで実行されている Analysis Services のインスタンスごとにポート番号を記録します。リダイレクタ サービスはクライアント要求を、ポート 2382 から名前付きインスタンスの適切なポートにリダイレクトします。

ms174906.note(ja-jp,SQL.90).gif重要 :
動的に割り当てられたポートで実行されている Analysis Services のインスタンスに Analysis Services クライアントがインターネット経由で接続する場合は、クライアントが SQL Server Browser に接続して名前付きインスタンスにリダイレクトされるようにポート 2382 がファイアウォールで開いているか、名前付きインスタンスが使用するポートがファイアウォールで開いて、クライアントがこのポートに直接接続するように構成されている必要があります。

Analysis Services の各インスタンスに割り当てられたポートは SQL Server Browser によって認識されていますが、インスタンスの特定のポート番号を指定しないクライアントに対しては、そのインスタンスを非表示にすることができます。インスタンスを非表示にするには、InstanceVisible サーバー プロパティを 0 に設定します。InstanceVisible サーバー プロパティを 0 に設定すると、SQL Server Browser では、特定のポート番号を指定しないクライアントは名前付きインスタンスに接続されません。InstanceVisible サーバー プロパティを変更する方法の詳細については、「サーバー構成プロパティの設定」を参照してください。

ms174906.security(ja-jp,SQL.90).gifセキュリティ メモ :
クライアントは、コンピュータ上の Analysis Services のインスタンスに対する権限を持っているかどうかにかかわらず、このコンピュータ上の使用可能なインスタンスの一覧を SQL Server Browser で照会できます。SQL Server Browser によって提供される一覧には、非表示になっているインスタンス以外の使用可能なインスタンスがすべて含まれています。

参照

処理手順

Analysis Services アクセスに対して Windows ファイアウォールを構成する方法

概念

オペレーティング システム レベルでのサービスの構成
サービスの開始および停止

ヘルプおよび情報

SQL Server 2005 の参考資料の入手