キャスト (SSIS 式): SSIS データ型の変換

式のあるデータ型を別のデータ型に明示的に変換します。キャスト演算子は、切り捨て演算子としても機能できます。

構文

        (type_spec) expression
      

引数

  • type_spec
    有効な SSIS データ型です。

  • expression
    有効な式です。

戻り値の型

type_spec のデータ型です。詳細については、「Integration Services のデータ型」を参照してください。

説明

次の図は、有効なキャスト演算を示しています。

データ型間の有効および無効なキャスト

一部のデータ型にキャストする場合、パラメーターが必要となります。次の表に、パラメーターが必要なデータ型とそのパラメーターの一覧を示します。

データ型

パラメーター

DT_STR

charcount

codepage

(DT_STR,30,1252) は、1252 コード ページを使用して、30 バイトまたは 30 文字を DT_STR データ型にキャストします。

DT_WSTR

Charcount

(DT_WSTR,20) は、20 バイト ペアまたは 20 Unicode 文字を DT_WSTR データ型にキャストします。

DT_BYTES

Bytecount

(DT_BYTES,50) は、50 バイトを DT_BYTES データ型にキャストします。

DT_DECIMAL

Scale

(DT_DECIMAL,2) は、数値を小数点以下 2 桁の DT_DECIMAL データ型にキャストします。

DT_NUMERIC

Precision

Scale

(DT_NUMERIC,10,3) は、数値を有効桁数 10 桁で小数点以下 3 桁の DT_NUMERIC データ型にキャストします。

DT_TEXT

Codepage

(DT_TEXT,1252) は、1252 コード ページを使用して、値を DT_TEXT データ型にキャストします。

文字列を DT_DATE にキャストする場合、またはその逆のキャストを行う場合、変換のロケールが使用されます。ただし、ロケール設定で ISO 形式を使用するかどうかにかかわらず、日付は YYYY-MM-DD の ISO 形式となります。

注意

文字列を DT_DATE 以外の日付データ型に変換するには、「Integration Services のデータ型」を参照してください。

コード ページがマルチバイト文字の場合、バイト数と文字数は異なる場合があります。DT_WSTR データ型から同じ charcount 値の DT_STR データ型にキャストすると、変換された文字列で最後の文字が切り捨てられる場合があります。変換先のテーブルの列で十分なストレージが使用できる場合、charcount パラメーターの値は、マルチバイト コード ページで必要となるバイト数を反映するように設定します。たとえば、936 コード ページを使用して、文字データを DT_STR データ型にキャストする場合、データに含まれると考えられる文字数の 2 倍の値を charcount に設定する必要があります。また、UTF-8 コード ページを使用して文字データをキャストする場合、charcount は、予想される文字数の 4 倍の値に設定する必要があります。

日付データ型の構造の詳細については、「Integration Services のデータ型」を参照してください。

SSIS データ型の変換例

この例では、数値を整数にキャストします。

(DT_I4) 3.57

この例では、1252 コード ページを使用して整数を文字列にキャストします。

(DT_STR,1,1252)5

この例では、3 文字の文字列を 2 バイト文字にキャストします。

(DT_WSTR,3)"Cat"

この例では、整数を小数点以下 2 桁の 10 進数にキャストします。

(DT_DECIMAl,2)500

この例では、整数を有効桁数 7 桁で小数点以下 3 桁の数値にキャストします。

(DT_NUMERIC,7,3)4000

この例では、nvarchar データ型で定義され、長さが 50 の FirstName 列の値を、1252 コード ページを使用して文字列にキャストします。

(DT_STR,50,1252)FirstName

この例は、文字リテラル "True" をブール型にキャストします。

(DT_BOOL)"True"

この例では、文字列リテラルを DT_DBDATE にキャストします。

(DT_DBDATE) "1999-10-11"

この例では、秒の小数部に 5 桁を使用する DT_DBTIME2 データ型に文字列リテラルをキャストします (DT_DBTIME2 データ型では、秒の小数部に 0 ~ 7 桁まで指定できます)。

(DT_DBTIME2, 5) "16:34:52.12345"

この例では、秒の小数部に 4 桁を使用する DT_DBTIMESTAMP2 データ型に文字列リテラルをキャストします (DT_DBTIMESTAMP2 データ型では、秒の小数部に 0 ~ 7 桁まで指定できます)。

(DT_DBTIMESTAMP2, 4) "1999-10-11 16:34:52.1234"

この例では、秒の小数部に 7 桁を使用する DT_DBTIMESTAMPOFFSET データ型に文字列リテラルをキャストします (DT_DBTIMESTAMPOFFSET データ型では、秒の小数部に 0 ~ 7 桁まで指定できます)。

(DT_DBTIMESTAMPOFFSET, 7) "1999-10-11 16:34:52.1234567 + 5:35"