DBCC CHECKIDENT (Transact-SQL)

SQL Server 2008 R2 で指定されたテーブルの現在の ID 値をチェックし、必要に応じて ID 値を変更します。ID 列の新しい現在の ID 値を手動で設定する場合に DBCC CHECKIDENT を使用することもできます。

トピック リンク アイコンTransact-SQL 構文表記規則

構文

DBCC CHECKIDENT 
 ( 
    table_name
        [, { NORESEED | { RESEED [,new_reseed_value ] } } ]
)
[ WITH NO_INFOMSGS ]

引数

  • table_name
    現在の ID 値をチェックするテーブルの名前を指定します。指定されたテーブルには、ID 列が含まれている必要があります。テーブル名は、識別子の規則に従っている必要があります。

  • NORESEED
    現在の ID 値を変更しないように指定します。

  • RESEED
    現在の ID 値を変更するように指定します。

  • new_reseed_value
    ID 列の現在値として使用する新しい値を指定します。

  • WITH NO_INFOMSGS
    すべての情報メッセージを表示しないようにします。

説明

現在の ID 値に加えられる個々の修正は、指定されているパラメーターによって異なります。

DBCC CHECKIDENT コマンド

加えられる ID の修正

DBCC CHECKIDENT ( table_name, NORESEED )

現在の ID 値はリセットされません。DBCC CHECKIDENT は、ID 列の現在の ID 値と現在の最大値を返します。2 つの値が異なる場合は、エラーが発生しないよう、または連続値の一部が欠落しないように、ID 値をリセットする必要があります。

DBCC CHECKIDENT ( table_name )

または

DBCC CHECKIDENT ( table_name, RESEED )

テーブルの現在の ID 値が、ID 列に格納されている最大の ID 値より小さい場合、テーブルの現在の ID 値は ID 列の最大値にリセットされます。「例外」を参照してください。

DBCC CHECKIDENT ( table_name, RESEED, new_reseed_value )

現在の ID 値を new_reseed_value に設定します。テーブルの作成以降に行が挿入されていない場合、または TRUNCATE TABLE ステートメントによってすべての行が削除されている場合、DBCC CHECKIDENT の実行後に挿入される最初の行の ID には new_reseed_value が使用されます。行が既に挿入されている場合、次に挿入される行には new_reseed_value + 現在の増分値が使用されます。

テーブルが空でない場合、ID 値に ID 列の最大値より小さな値を設定すると、次の状況のいずれかが発生する可能性があります。

  • ID 列に PRIMARY KEY 制約または UNIQUE 制約が設定されている場合、生成される ID 値と既存の値との競合が原因で、テーブルに対する後続の挿入操作でエラー メッセージ 2627 が生成されます。

  • PRIMARY KEY 制約または UNIQUE 制約が設定されていない場合、後続の挿入操作では重複した ID 値が挿入されます。

例外

次の表に、DBCC CHECKIDENT で現在の ID 値が自動的にリセットされないときの条件と、ID 値をリセットする方法を示します。

条件

リセット方法

現在の ID 値がテーブルの最大値より大きい。

  • DBCC CHECKIDENT (table_name, NORESEED) を実行して列の現在の最大値を判定し、その値を new_reseed_value として DBCC CHECKIDENT (table_name, RESEED,new_reseed_value) コマンドに指定します。

または

  • new_reseed_value を非常に低い値に設定して DBCC CHECKIDENT (table_name, RESEED,new_reseed_value) を実行した後、DBCC CHECKIDENT (table_name, RESEED) を実行して値を修正します。

すべての行がテーブルから削除されている。

new_reseed_value を開始値に設定して、DBCC CHECKIDENT (table_name, RESEED,new_reseed_value) を実行します。

シード値の変更

シード値は、テーブルに読み込まれる最初の行の ID 列に挿入される値です。以降の行にはすべて、現在の ID 値 (テーブルまたはビューに対して生成された最後の ID 値) に増分値を加えた値が格納されます。詳細については、「識別子列の作成と変更」を参照してください。

DBCC CHECKIDENT を使用して、次のタスクを実行することはできません。

  • テーブルまたはビューの作成時に ID 列に指定された、元のシード値を変更する。

  • テーブルまたはビュー内の既存の行にシード値を再生成する。

元のシード値を変更したり任意の既存の行にシード値を再生成したりするには、ID 列を削除し、新しいシード値を指定して作り直す必要があります。テーブルにデータが含まれている場合、ID 番号が、指定のシード値および増分値を使用して既存の行に追加されます。行の更新順序は保証されません。

結果セット

ID 列を含むテーブルに対してオプションが指定されているかどうかにかかわらず、DBCC CHECKIDENT が返されます (値は異なります)。

Checking identity information: current identity value '290', current column value '290'. DBCC execution completed. If DBCC printed error messages, contact your system administrator.

権限

呼び出し元は、テーブルを所有しているか、sysadmin 固定サーバー ロール、db_owner 固定データベース ロール、または db_ddladmin 固定データベース ロールのメンバーである必要があります。

A. 必要に応じて現在の ID 値をリセットする

次の例では、必要に応じて、AdventureWorks2008R2 データベース内の AddressType テーブルの現在の ID 値をリセットします。

USE AdventureWorks2008R2;
GO
DBCC CHECKIDENT ("Person.AddressType");
GO

B. 現在の ID 値を報告する

次の例では、AdventureWorks2008R2 データベース内の AddressType テーブルの現在の ID 値を報告します。ID 値が正しくない場合でも、ID 値の修正は行いません。

USE AdventureWorks2008R2;
GO
DBCC CHECKIDENT ("Person.AddressType", NORESEED);
GO

C. 現在の ID 値を強制的に新しい値に設定する

次の例では、AddressType テーブルの AddressTypeID 列の現在の ID 値を強制的に 10 に設定します。テーブルには既存の行があるため、次に挿入される行では値に 11 が使用されます。この値は、現在の ID 値に、列について定義された現在の増分値 1 を加えた値です。

USE AdventureWorks2008R2;
GO
DBCC CHECKIDENT ("Person.AddressType", RESEED, 10);
GO