lightweight pooling オプション

lightweight pooling オプションは、SMP (symmetric multiprocessing) 環境で発生するコンテキストの過度の切り替えによるシステムのオーバーヘッドを削減する手段を提供する場合に使用します。コンテキストの過度の切り替えが発生した場合、lightweight pooling を使用してコンテキストの切り替えをインラインで行い、ユーザーまたはカーネルのリング遷移を削減することによって、スループットを向上できます。

ファイバ モードは、UMS ワーカーのコンテキスト切り替えがパフォーマンスの重大なボトルネックになる状況を対象としています。この状況はまれであるため、一般的なシステムのパフォーマンスやスケーラビリティがファイバ モードで向上することはほとんどありません。また、Microsoft Windows Server 2003 ではコンテキストの切り替えが改良されているため、ファイバ モードの必要性はさらに少なくなっています。ルーチン処理にファイバ モード スケジューリングを使用することはお勧めしません。これは、コンテキストの切り替えがもたらす本来の利点が損なわれることでパフォーマンスが低下する場合があるためと、スレッド ローカル ストレージ (TLS) やスレッド所有オブジェクト (ミューテックス (Win32 カーネル オブジェクトの一種) など) を使用する SQL Server の一部のコンポーネントがファイバ モードでは正常に機能しない場合があるためです。

lightweight pooling を 1 に設定すると、SQL Server はファイバ モード スケジューリングに切り替わります。このオプションの既定値は 0 です。

lightweight pooling オプションは拡張オプションです。sp_configure システム ストアド プロシージャを使用して lightweight pooling の設定を変更するには、show advanced options を 1 に設定する必要があります。この設定は、サーバーを再起動した後に有効になります。

注意

Microsoft Windows 2000 および Microsoft Windows XP では、簡易プーリングはサポートされていません。Windows Server 2003 では、簡易プーリングが完全にサポートされています。

注意

簡易プーリングでは、共通言語ランタイム (CLR) の実行はサポートされていません。"clr enabled" オプションまたは "lightweight pooling" オプションのいずれかを無効にしてください。CLR に依存していてファイバ モードで正しく動作しない機能には、Hierarchy データ型、レプリケーション、およびポリシー ベースの管理があります。