差分バックアップの基になるバックアップ

このトピックは、すべての種類のデータベースに関連しています。

差分バックアップの基になる、通常のデータベース バックアップ、部分バックアップ、またはファイル バックアップは、差分のベースまたは差分ベースといいます。コピーのみのバックアップを差分ベースとして使用することはできません。ファイルの差分バックアップのベース バックアップは、完全バックアップ、ファイル バックアップ、または部分バックアップ内に格納できます。詳細については、「単純復旧モデルでのバックアップ」または「完全復旧モデルでのバックアップ」を参照してください。

差分バックアップでは、最後の差分ベース以降に変更されたデータだけが記録されます。差分バックアップは差分ベースよりも小規模かつ高速なので、頻繁なバックアップも容易に実行でき、データが失われる危険性も低くなります。

データベース内の各ファイルの差分ベースに関する情報は、プライマリ ファイル グループのカタログに格納されています (ただし、読み取り専用データベースは除きます)。各データベースの差分ベースに関する情報は、master データベースにも格納されています。現在の差分ベースに関する情報は、次の列に格納されています。

列名

説明

differential_base_lsn

差分バックアップのベースです。この LSN の後に変更されたデータ エクステントが差分バックアップに含まれます。

differential_base_guid

差分バックアップの基になるベース バックアップの一意識別子です。

differential_base_time

differential_base_lsn に対応する時間です。

オンラインの読み取り/書き込みデータベースの場合、sys.database_files カタログ ビューにクエリを実行することによってこれらの列を表示できます。読み取り専用またはオフラインのデータベースの場合は、sys.master_files カタログ ビューにクエリを実行します。

マルチベースの差分

単純復旧モデルでは、差分バックアップに 1 つのベースしか使用できません。マルチベースの差分バックアップは禁止されており、使用すると失敗となりエラーが表示されます。

ただし、完全復旧モデルでは、差分バックアップに差分ベースが異なるファイルを含めることができます。このようなバックアップをマルチベースの差分バックアップといいます。マルチベースの差分バックアップは、管理とメンテナンスが困難な場合があります。この理由から、できるだけ単一ベースの差分を使用することをお勧めします。詳細については、「マルチベースの差分バックアップの使用」を参照してください。