スタンドアロン サーバーで SharePoint 統合を構成する方法

SharePoint 統合モードで Reporting Services を実行するための配置シナリオの 1 つとして、すべてのサーバー コンポーネントとアプリケーション データベースを 1 台のスタンドアロン サーバーにインストールするシナリオが挙げられます。この構成は、テクノロジの連携方法を学習する場合や、カスタム アプリケーションの開発時に 1 台のコンピュータにすべてのサービスを簡単に配置できるようにする場合に便利です。次の図に、インストールする必要があるコンポーネントを示します。

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必要条件

コンポーネントをインストールする前に、次の手順を実行する必要があります。

  • 配置構成の概要を確認し、インストールするコンポーネントについて理解します。詳細については、「SharePoint 統合モードでの Reporting Services の配置トポロジ」を参照してください。

  • 構成の概要のトピックでサービス アカウント構成に関する推奨事項を確認し、構成手順の詳細について理解します。詳細については、「SharePoint 3.0 統合用の Reporting Services の構成」を参照してください。

  • SharePoint 統合モードの Reporting Services が含まれるすべての配置シナリオに適用されるハードウェアとソフトウェアの要件を確認します。詳細については、「Reporting Services を SharePoint 統合モードで実行する要件」を参照してください。

  • このトピックの残りのセクションを確認し、スタンドアロン サーバーの構成に適用される追加の要件について理解します。

スタンドアロン サーバーの構成に関するデータベースの注意事項

Reporting Services でも、SharePoint の製品およびテクノロジでも、アプリケーション データの格納に SQL Server リレーショナル データベースが使用されます。Reporting Services には、互換性のあるエディションのデータベース エンジン インスタンスが必要です。SharePoint の製品およびテクノロジでは、既存のデータベース サーバーを指定すれば、それを使用できます。指定しなかった場合は、セットアップ プログラムによって、SQL Server Embedded Edition が内部コンポーネントとしてインストールされ、アプリケーション データベース用に使用されます。Reporting Services 用にデータベース エンジンを既にインストールしているので、SharePoint アプリケーション データベース用にその同じインスタンスを使用することもできます。

ただし、SQL Server Embedded Edition をインストールして使用するように指定すると、インストールと構成の手順の数が大幅に少なくなります。十分なディスク領域がある場合は、SharePoint が提供する Embedded Edition を使用することをお勧めします。

コンピュータに SQL Server の複数のインスタンスを配置する必要がない場合は、SharePoint の構成データベースとコンテンツ データベース用にデータベース エンジンを使用できます。そのためには、SharePoint 製品またはテクノロジのインストール時に [詳細設定] インストール オプションを選択する必要があります。

注意注意

レポート サーバー インスタンスの場合、データベースに Embedded Edition を使用することはできません。ただし、SharePoint 製品またはテクノロジによってインストールされた Embedded Edition インスタンスの場合、他のデータベース エンジン エディションをインストールすればこれをサイド バイ サイドで使用できます。レポート サーバー データベースに関するエディションの要件の詳細については、「レポート サーバー データベースの作成」を参照してください。

インストールの順序

コンポーネント テクノロジは任意の順序でインストールできますが、最適な結果を得るには、SharePoint 製品またはテクノロジをインストールする前に、まず Reporting Services をインストールして環境の有効性を確認しておく必要があります。

手順を省略するには、Reporting Services とデータベース エンジンの両方を同時にインストールします。データベース エンジンと Reporting Services を一緒にインストールするので、通常は、Reporting Services を既定の構成でインストールします。既定の構成では、仮想ディレクトリ、サービス アカウント、およびレポート サーバー データベースがインストール時に自動的に構成されます。

実行する必要のある配置タスクを次に示します。

  1. Reporting Services とデータベース エンジンをインストールします。可能であれば、Reporting Services のインストール時に [SharePoint モードの既定の構成をインストールする] オプションを選択します。それ以外の場合は、[サーバーを構成せずにインストールする] オプションを選択してサーバーをセットアップ後のタスクとして構成できます。

  2. レポート サーバーが構成されていない場合は構成し、環境の有効性を確認します。

  3. Microsoft.NET Framework 3.0 再配布可能パッケージをダウンロードしてインストールします。

  4. Windows SharePoint Services または Office SharePoint Server 2007 をインストールします。[基本] インストール オプションを選択します。

  5. SharePoint の製品とテクノロジの構成ウィザードを実行し、SharePoint サイトを開いて環境の有効性を確認します。

  6. SharePoint テクノロジ用 Reporting Services アドインをダウンロードしてインストールします。

  7. サーバーの全体管理でレポート サーバーの統合機能を構成します。

Reporting Services とデータベース エンジンをインストールするには

セットアップが完了したら、レポート サーバーに接続することによってインストールが正しく行われたかどうかを確認できます。接続をテストするには、ブラウザ ウィンドウの URL アドレスに「https://localhost/reportserver」と入力します。

.NET Framework 3.0 再配布可能パッケージをダウンロードしてインストールするには

  1. Microsoft ダウンロード センターから .NET Framework 3.0 再配布可能パッケージをダウンロードします。

  2. セットアップを実行します。セットアップはバックグラウンドで実行され、完了するまでに時間がかかることがあります。進行状況を確認するには、タスク バーの通知領域にある Microsoft.NET Framework 3.0 のインストール アイコンをクリックします。

Windows SharePoint Services または Office SharePoint Server をインストールして構成するには

  1. インストール メディアから Setup.exe を実行します。

  2. 25 文字のプロダクト キーを入力します。

  3. ソフトウェア使用許諾契約に同意します。

  4. [基本] をクリックします。

    このオプションを使用すると、インストール手順が最も少なくなります。すべての既定値を使用してソフトウェアがすぐにインストールされます。また、サーバーの全体管理と既定の SharePoint サイトを設定する構成手順が自動化されます。

    既存のデータベース エンジン インスタンスを使用する場合は、[詳細設定] をクリックします。このオプションを選択すると、[完全] インストール オプションで、使用するデータベース サーバーを指定できるようになります。[詳細設定] インストール オプションを選択すると、後で実行する構成手順が複雑になることに注意してください。[詳細設定] インストールを指定して構成する方法の詳細については、「複数のサーバーで SharePoint 統合を構成する方法」の「SharePoint 製品またはテクノロジをインストールするには」で説明されている手順を参照してください。複数サーバー配置に関するトピックで説明されている [詳細設定] インストールと構成の手順が完了したら、このトピックに戻り、ポートの割り当てを変更して残りのタスクを続行します。

  5. [終了しました] ページで、[SharePoint の製品とテクノロジの構成ウィザードを実行する] チェック ボックスがオンになっていることを確認します。

  6. [閉じる] をクリックします。

    セットアップの終了後に、SharePoint の製品とテクノロジの構成ウィザードが実行されます。[基本] インストール オプションを選択した場合は、構成タスクがバックグラウンドで実行され、構成タスクの完了時に [完了] をクリックできます。

  7. インストールが正しく行われたことを確認します。既定では、構成タスクの完了後に SharePoint サイトがブラウザ ウィンドウで開きます。これによって、インストールおよび構成プロセスが正しく行われたことを確認できます。

既定では、SharePoint の製品とテクノロジの構成ウィザードによって SharePoint Web アプリケーションにポート 80 が割り当てられ、レポート サーバーが使用できなくなります。したがって、別のポートが使用されるようにレポート サーバーの構成設定を変更して、既定の Web サイトを開始する必要があります。

レポート サーバー データベースが SharePoint 統合モード用に構成されているかどうかの確認

  1. Reporting Services 構成ツールを起動して、レポート サーバー インスタンスに接続します。手順については、「Reporting Services 構成を開始する方法」を参照してください。

  2. [レポート サーバーの状態] ページで、[レポート サーバー モード][SharePoint 統合] に設定されていることを確認します。

  3. レポート サーバーが SharePoint 統合モード用に構成されていない場合は、[データベース] をクリックして SharePoint 統合モード用のレポート サーバー データベースを作成します。手順については、「レポート サーバー データベースを作成する方法 (Reporting Services 構成)」および「SharePoint 統合モード用のレポート サーバー データベースを作成する方法 (Reporting Services 構成)」を参照してください。

新しくインストールした Reporting Services を使用して作業する場合、レポートの自動実行をサポートするには、自動レポート処理アカウントも構成する必要があります。必要に応じて、電子メール配信を行うようにレポート サーバーを構成します。詳細については、「自動実行アカウントの構成」および「電子メール配信用のレポート サーバーの構成」を参照してください。

SharePoint テクノロジ用 Reporting Services アドインをダウンロードしてインストールするには

  1. クリックして、Microsoft Web サイトのダウンロード ページを開きます。

    重要な注意事項重要

    Reporting Services アドインをインストールするには、SharePoint Web ファームの管理者であるか、サイト コレクションの管理者である必要があります。

  2. インストールする言語を選択します。

  3. [このダウンロードに含まれるファイル] で、[ダウンロード] をクリックして 32 ビット版または 64 ビット版の Reporting Services アドインをインストールします。

  4. [保存] をクリックして、コンピュータ上の場所にファイルを保存します。

  5. Windows エクスプローラを開き、ファイルが保存されているフォルダを参照します。

  6. SharePointRS.msi をダブルクリックしてインストールを開始します。詳細については、「Reporting Services アドインをインストールまたはアンインストールする方法」を参照してください。

  7. Reporting Services アドインの最新バージョンの Readme ファイルを取得し、最新の変更内容と既知の問題を確認します。Microsoft Web サイトのダウンロード ページの [このダウンロードに含まれるファイル] で、[ダウンロード] をクリックして readme_rsaddin.htm ファイルを開き、コンピュータに保存します。

レポート サーバーの統合を構成するには

  1. [スタート] ボタンをクリックし、[管理ツール] をポイントし、[SharePoint 3.0 サーバーの全体管理] をクリックします。

    重要な注意事項重要

    次の手順を完了するには、SharePoint ファームの管理者グループのメンバであるか、サイト コレクションの管理者である必要があります。

  2. [アプリケーション構成の管理] をクリックします。Reporting Services という名前の新しいセクションが表示され、統合設定に使用するページへのリンクが示されます。このセクションが表示されない場合は、レポート サーバーの統合機能をアクティブ化する必要があります。詳細については、「SharePoint のサーバー全体管理でレポート サーバー機能をアクティブ化する方法」を参照してください。

    少なくとも、レポート サーバーの URL を設定し、認証モードを選択して、レポート サーバーに SharePoint データベースへのアクセス権を与える必要があります。詳細については、「SharePoint サーバーの全体管理でレポート サーバー統合を構成する方法」を参照してください。

  3. サーバーの管理を終了します。

次の手順

統合を確認するには、Reporting Services 構成ツールを起動し、[SharePoint 統合] ページを開いてサーバーの状態を表示します。SharePoint のサーバー管理を開始するためにクリックするリンクが表示されます。

環境の有効性は、ブラウザ ウィンドウでレポート サーバーを開くことによって確認することもできます。URL は http://example-server-name:8080/reportserver のような形式で指定します。これはプロキシ エンドポイントに対する URL です。レポート サーバー アイテムを SharePoint ライブラリに追加した後、ブラウザ ウィンドウでこの URL を開き、サイト上のアイテムを表示できます。

最終的には、SharePoint Web アプリケーションを起動して、レポートや他のドキュメントを SharePoint ライブラリにアップロードできるようになります。

すべてのコンポーネントをインストールし、サーバー コンポーネントを接続するための設定を構成した後は、権限を割り当ててコンテンツの種類を追加し、レポート サーバー アイテムを SharePoint ライブラリに追加する必要があります。

サーバーの統合のための配置タスクを完了するには

  1. SharePoint Web アプリケーションを起動します。既定の URL は http://<your-server-name> です。

  2. ユーザーが SharePoint サイトにアクセスできるように権限を設定します。セキュリティは必要ですが、既存の権限を継承する場合は、特定のアイテムに対して権限を設定する必要はありません。詳細については、「SharePoint サイトのレポート サーバー アイテムに対する権限の付与」または「サイト上のレポート サーバー アイテムに対する権限を設定する方法 (Reporting Services の SharePoint 統合モード)」を参照してください。

  3. 新しい共有データ ソース、レポート モデル、およびレポート ビルダ レポートを作成する場合は、Reporting Services のコンテンツの種類を追加します。詳細については、「レポート サーバー コンテンツの種類をライブラリに追加する方法 (Reporting Services の SharePoint 統合モード)」を参照してください。

  4. レポートおよびモデルで使用する共有データ ソースを作成します。詳細については、「共有データ ソースを作成および管理する方法 (Reporting Services の SharePoint 統合モード)」を参照してください。

  5. サブスクリプションまたは自動レポート処理で使用する共有スケジュールを作成します。詳細については、「共有スケジュールを作成および管理する方法 (Reporting Services の SharePoint 統合モード)」を参照してください。

  6. レポート定義ファイル (.rdl)、データ ソース ファイル (.rds)、およびレポート モデル ファイル (.smdl) を SharePoint ライブラリにパブリッシュします。また、SharePoint ライブラリでアップロード コマンドを使用して、.rdl ファイルと .smdl ファイルをアップロードすることもできます。ただし、.rds ファイルはアップロードできません。権限に応じて、レポート ビルダでレポートを作成してライブラリに保存することもできます。共有データ ソースまたは外部ファイルへの参照がレポートに含まれている場合、参照を更新する必要があります。詳細については、「SharePoint サイトへのモデルおよび共有データ ソースの配置」および「SharePoint ライブラリにドキュメントをアップロードする方法 (Reporting Services の SharePoint 統合モード)」を参照してください。

レポートをアップロードする場合、レポートのデータ ソース プロパティが正しいことを確認してください。このデータ ソースでは、外部データ ソースに対する有効な接続文字列が必要です。資格情報の種類は、ネットワーク トポロジに対して有効である必要があります。具体的には、Kerberos 認証がドメインに対して有効ではない場合、資格情報の種類に Windows 統合セキュリティは使用できません。代わりに、保存された資格情報を指定する必要があります。データ ソース プロパティが正しいことを確認したら、レポート名をクリックしてレポートを開くことができます。レポートは、レポート ビューア Web パーツに自動的に表示されます。

レポートが表示されない場合は、レポートに対する権限と、外部データ ソースへの接続を定義するデータ ソース プロパティを確認します。サイトまたはファームでは、SharePoint の権限を使用して、レポート、レポート モデル、共有データ ソース、およびアドホック レポートの作成に使用されるレポート ビルダ ツールへのアクセスを制御しています。これらのアイテムがユーザーに表示されない場合、権限が正しく設定されているかどうかを確認する必要があります。

SharePoint 統合モードで実行されるレポート サーバーは、レポート マネージャまたは SQL ServerManagement Studio では管理できません。サポートされている機能とサポートされていない機能の一覧については、「SharePoint 統合モードで Reporting Services がサポートする機能」を参照してください。