Microsoft Word へのエクスポート

Word の表示拡張機能では、MicrosoftMicrosoft Word 2000 以降と互換性のある Word 文書としてレポートが表示されます。レポートを Word 文書にエクスポートした後は、レポートの内容を変更したり、宛名ラベル、発注書、手紙など、文書形式のレポートをデザインしたりできます。このレンダラーによって生成されるファイルの拡張子は .doc です。

Word のレポート アイテム

Word にエクスポートされたレポートは、そのレポート本文を表す、入れ子の表として表示されます。Tablix データ領域は、レポート内のデータ領域の構造を反映した、入れ子の表としてレンダリングされます。テキスト ボックスおよび四角形は、表内のセルとしてレンダリングされます。テキスト ボックスの値はセル内部に表示されます。

画像、グラフ、およびゲージは、それぞれ表のセル内に静的な画像としてレンダリングされます。これらのレポート アイテムでは、設定されているハイパーリンクやドリルスルー リンクがレンダリングされます。グラフ内のクリック可能なマップや領域はサポートされません。

ニュースレター形式のカラム レポートは、Word ではレンダリングされません。レポート本文およびページ背景の画像およびカラーはレンダリングされません。

ページ割り当て

レポートを Word で開くと、レポート全体の改ページ位置が、ページ サイズに基づいて自動的に修正されます。改ページ位置の修正によって、想定しない場所に改ページが挿入されることがあります。場合によっては、エクスポートされたレポートに連続して 2 つの改ページが挿入されたり、空白のページが追加されたりすることもあります。Word の改ページは、ページ余白を調整することによって変更できます。

このレンダラーでは、論理的な改ページのみがサポートされます。

ページのサイズ設定

Word でレポートをレンダリングするときのページの高さと幅は、各種のレポート定義言語 (RDL) プロパティ (用紙サイズの高さと幅、左右のページ余白、および上下のページ余白) によって設定されます。

ページの幅

Word では、最大 22 インチのページ幅がサポートされます。レポートの幅が 22 インチを超えたとしても、レポートのレンダリングは続行されます。ただし、Word の印刷レイアウト表示または閲覧レイアウト表示では、レポートの内容が表示されません。データを表示するには、下書き表示モードまたは Web レイアウト表示に切り替えてください。この場合、Word によって、空白のサイズが縮小されるため、より多くのレポート コンテンツを表示できるようになります。

レンダリング時には、コンテンツを表示できるように、必要に応じてレポートの幅が最大 22 インチまで拡大されます。レポートの最小幅は、[プロパティ] ペインで設定されている、RDL の Width プロパティに基づきます。

ドキュメント プロパティ

Word レンダラーでは、次のメタデータが DOC ファイルに書き込まれます。

レポート要素のプロパティ

説明

Report Title (レポート タイトル)

タイトル

Report.Author

作成者

Report.Description

コメント

レポートのヘッダーとフッター

レポートのヘッダーとフッターは、Word のヘッダー領域およびフッター領域としてレンダリングされます。レポート ヘッダーまたはレポート フッターに、レポートの合計ページ数を表すページ番号 (または式) が表示される場合、これらは、レンダリング後のレポートに正確なページ番号が表示されるように、Word のフィールドに変換されます。レポートで設定されたヘッダーまたはフッターの高さは、Word では反映されません。RDL のプロパティ PrintOnFirstPage および PrintOnLastPage はサポートされません。

対話性

Word では、いくつかの対話型要素がサポートされています。具体的な動作について説明します。

表示/非表示

Word レンダラーでは、レンダリング時の状態に基づいてレポート アイテムがレンダリングされます。レポート アイテムの状態が非表示であった場合、そのレポート アイテムは Word 文書にレンダリングされません。レポート アイテムが表示状態であった場合、そのレポート アイテムは Word 文書にレンダリングされます。Word で表示と非表示を切り替えることはできません。

見出しマップ

レポートに存在する見出しマップ ラベルは、レポートの各アイテムやグループに対する Word の目次 (TOC) ラベルとしてレンダリングされます。見出しマップ ラベルは、TOC ラベルのラベル テキストとして使用されます。ターゲット リンクは、ラベルが設定されたアイテム付近に配置されます。Word 文書に TOC が自動的に作成されるわけではありませんが、レポートにレンダリングされる見出しマップ ラベルを使用して、独自に TOC を作成することはできます。

ハイパーリンクとドリルスルー リンク

テキスト ボックスや画像のレポート アイテムに設定されているハイパーリンクおよびドリルスルー リンクは、Word 文書ではハイパーリンクとしてレンダリングされます。ハイパーリンクをクリックすると、既定の Web ブラウザーが開いて、対応する URL に移動します。ドリルスルー ハイパーリンクをクリックした場合は、生成元のレポート サーバーがアクセスされます。

対話的な並べ替え

レポート コンテンツは、現在の並べ替え状態に基づいて、レポート データ領域内にレンダリングされます。Word では、対話的な並べ替えがサポートされません。レポートのレンダリング後は、Word の表の並べ替え機能を使用してください。

ブックマーク

レポート内のブックマークは、Word のブックマークとしてレンダリングされます。ブックマーク リンクは、文書内のブックマーク ラベルに接続するハイパーリンクとしてレンダリングされます。ブックマーク ラベルは 40 文字未満にする必要があります。ブックマーク ラベルに使用できる特殊文字はアンダースコア (_) だけです。サポート外の特殊文字はブックマーク ラベルの名前から削除されます。また、40 文字を超えた場合、名前が切り詰められます。レポートに重複するブックマーク名が存在した場合、それらのブックマークは、Word ではレンダリングされません。

Word スタイルのレンダリング

以降、Word におけるスタイルのレンダリングについて簡単に説明します。

色パレット

レポートにレンダリングされた色は、Word 文書にレンダリングされます。

罫線

ページ罫線を除く、レポート アイテムの罫線は、Word の表のセル罫線としてレンダリングされます。レポートのページ罫線は、Word のページ罫線としてレンダリングされます。

Word の制限

Microsoft Word では、次の制限事項が適用されます。

  • Word の表でサポートされる列数は、最大 63 です。列数が 63 を超えるレポートをレンダリングしようとすると、Word によって表が分割されます。追加列は 63 列目と隣接するように、レポート本文に配置されます。そのため、レポートの列位置にずれが生じる場合があります。

  • Word でサポートされるページの幅と高さの最大値は、22 インチ × 22 インチです。コンテンツのサイズが 22 インチを超えた場合、印刷レイアウト表示で一部のデータが表示されない場合があります。

  • Word では、ページ ヘッダーとページ フッターに適用されている高さの設定が無視されます。

  • Word レンダラーによって作成された文書は、Office 2007 の DOCX ファイル形式ではありません。ただし、Word 2007 は、DOC 形式を完全にサポートしているため、作成された文書を Word 2007 で使用することは可能です。

  • Word 1997 でレポートを表示することはできますが、レイアウトが適切に表示されません。Word 97 では、入れ子になった表、24 ビット カラー、セル内のスペースなど、Word レンダラーで使用されている機能がサポートされていません。

  • レポートのエクスポート後、Word によって改ページ位置の自動修正が再度実行されます。これにより、レンダリングされたレポートに余分な改ページが追加される場合があります。

  • Tablix (テーブル、マトリックス、または一覧) の静的なヘッダー行の RepeatOnNewPage プロパティを true に設定しても、Word では、2 ページ目以降にヘッダー行が表示されません。新しいページにヘッダー行を表示するには、レポートで明示的な改ページを定義します。ただし、Word では、独自の改ページ位置の自動修正が、Word にエクスポートされた表示レポートに適用されるため、結果は異なる可能性があり、ヘッダー行が予測どおりに表示されない場合があります。静的なヘッダー行とは、列見出しを含む行のことです。

  • 改行をしないスペースが含まれている場合、テキスト ボックスが大きくなります。

  • テキストを Word にエクスポートすると、特定のフォントのフォント装飾付きテキストによって、レンダリング後のレポートに予期しないグリフや存在しないグリフが生成される場合があります。

デバイス情報設定

このレンダラーでは、デバイス情報設定を変更することによって、一部の既定の設定を変更できます。たとえば、ハイパーリンクやドリルスルー リンクを省略することも、展開表示と縮小表示の切り替えが可能な項目について、レンダリング時の状態に関係なく、すべての項目を展開することもできます。詳細については、「Reporting Services デバイス情報設定」を参照してください。