アップグレード アドバイザを使用したアップグレードの準備

SQL Server アップグレード アドバイザは、SQL Server 2008 へのアップグレードの準備に役立ちます。アップグレード アドバイザでは、以前のバージョンの SQL Server でインストールされたコンポーネントが分析され、アップグレードの前または後に修正する必要がある問題を示すレポートが生成されます。

アップグレード アドバイザの機能

アップグレード アドバイザを実行すると、アップグレード アドバイザのホーム ページが表示されます。ホーム ページからは、次のツールを起動できます。

  • アップグレード アドバイザの分析ウィザード

  • アップグレード アドバイザのレポート ビューア

  • アップグレード アドバイザのヘルプ

最初にアップグレード アドバイザを使用するときに、アップグレード アドバイザの分析ウィザードを実行して SQL Server のコンポーネントを分析します。ウィザードによる分析が完了したら、アップグレード アドバイザ レポート ビューアで結果のレポートを表示します。各レポートにはアップグレード アドバイザのヘルプへのリンクが示されており、既知の問題の修正または影響の軽減に役立つ情報を参照できるようになっています。

アップグレード アドバイザの分析

アップグレード アドバイザでは、次の SQL Server コンポーネントを分析します。

  • データベース エンジン

  • Analysis Services

  • Reporting Services

  • Integration Services

  • データ変換サービス

    注意注意

    Notification Services は、SQL Server 2008 で廃止されたため、アップグレード アドバイザではスキャンされません。

分析では、スクリプト、ストアド プロシージャ、トリガ、トレース ファイルなどのアクセス可能なオブジェクトが調べられます。デスクトップ アプリケーションや暗号化されたストアド プロシージャは、アップグレード アドバイザで分析できません。

出力は XML レポートの形式で行われます。XML レポートを表示するには、アップグレード アドバイザ レポート ビューアを使用します。

注意注意

レポートに "アップグレードに関するその他の問題" という項目が示される場合があります。この項目は、サーバーやアプリケーションに存在する可能性があってもアップグレード アドバイザでは検出されない問題の一覧にリンクされています。この検出できない問題の一覧を確認し、これらの問題のためにサーバーやアプリケーションを変更する必要があるかどうかを判断してください。

アップグレード アドバイザのインストールおよび実行方法

SQL Server アップグレード アドバイザのインストール先は、分析対象のコンポーネントによって異なります。アップグレード アドバイザでは、Reporting Services 以外のサポートされているすべてのコンポーネントをリモートで分析できます。Reporting Services のインスタンスをスキャンしない場合は、SQL Server のインスタンスに接続でき、かつアップグレード アドバイザの前提条件を満たす任意のコンピュータにアップグレード アドバイザをインストールできます。詳細については、「バージョンとエディションのアップグレード」を参照してください。Reporting Services のインスタンスをスキャンする場合は、アップグレード アドバイザをレポート サーバーにインストールする必要があります。

アップグレード アドバイザは、SQL Server インストール メディアの Servers\redist\Upgrade Advisor フォルダ、および Microsoft ダウンロード センターで入手できます。

アップグレード アドバイザをインストールして実行するための前提条件は、次のとおりです。

  • Windows XP SP2 以降、Windows Vista、Windows Server 2003 SP1 以降、または Windows Server 2008。

  • Windows インストーラ 4.5 以降のバージョン。

    .NET Framework 2.0 を実行するには、Windows Installer 4.5 が必要です。Windows Installer は、Windows Installer Web サイトからインストールできます。

  • .NET Framework 2.0 以降のバージョン。.NET Framework 2.0 は、SQL Server 2005 の製品メディア、および SDK、再頒布パッケージ、サービス パックのダウンロード Web サイトから入手できます。

    • SQL Server 2005 メディアから .NET Framework 2.0 をインストールするには、ディスク ドライブのルートに移動します。次に、redist フォルダ、2.0 フォルダの順にダブルクリックし、使用しているオペレーティング システムに応じて dotnetfx.exe (32 ビットの場合) または dotnetfx64.exe (64 ビットの場合) を実行してください。
  • SQL Server 2000 Decision Support オブジェクト (DSO) は、Analysis Services のアップグレードに関する問題をスキャンする場合に必要です。DSO をインストールするには、SQL Server 2000 メディアをディスク ドライブに挿入します。SQL Server 2000 セットアップ プログラムが起動します。[SQL Server 2000 コンポーネント] をクリックします。[Analysis Services] をクリックして、Analysis Services セットアップ プログラムを起動します。[コンポーネントの選択] で、[Decision Support オブジェクト] コンポーネントが選択されていることを確認します。

  • SQL Server 2000 クライアント コンピュータは、SQL Server 2000 DTS パッケージをスキャンする場合に必要です。クライアント コンポーネントをインストールするには、SQL Server 2000 インストール ディスクを使用します。

  • SQL Server 2005 下位互換コンポーネントは、SQL Server 2000 から移行された SQL Server 2005 DTS パッケージをスキャンする場合に必要です。下位互換コンポーネントをインストールするには、SQL Server 2005 インストール ディスクを使用します。

アップグレード アドバイザを Web からインストールするには、ダウンロード ページのダウンロード ボタンをクリックします。その後すぐにインストールを実行するか、または SQLUA.msi ファイルを保存して後から実行できます。製品ディスクからインストールする場合は、製品ディスクから直接 SQLUA.msi を実行します。

インストールしたアップグレード アドバイザは、[スタート] メニューから次のように起動できます。

  • [スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム]、[Microsoft SQL Server 2008] の順にポイントして、[SQL Server 2008 アップグレード アドバイザ] をクリックします。

詳細については、アップグレード アドバイザのマニュアル、およびアップグレード アドバイザと共にインストールされる Readme ファイルを参照してください。