カスタム データ処理拡張機能の接続の指定

サード パーティ製のカスタム データ処理拡張機能をレポート サーバー上で作成または使用して、サポートされているデータ ソースのデータ処理能力を向上したり、Reporting Services の既定のインストールで使用できないその他の種類のデータ ソースをサポートしたりできます。接続の処理方法は実装によって異なります。データ処理拡張機能に使用できる実装は次のとおりです。

  • カスタム .NET Framework データ プロバイダ (DB2.NET、Oracle、ODP.NET、または Teradata データ ソースからデータへアクセスしている場合は、カスタム .NET データ プロバイダを使用している可能性があります)

  • IDbConnection をサポートするカスタム データ処理拡張機能

  • IDbConnectionExtension をサポートするカスタム データ処理拡張機能

注意注意

カスタム データ処理拡張機能の実装方法はサード パーティ プロバイダに問い合わせてください。

権限借用とカスタム データ処理拡張機能

権限借用を使用してカスタム データ処理拡張機能がデータ ソースへ接続する場合は、IDbConnection または IDbConnectionExtension のインターフェイスで Open メソッドを使用して要求を行う必要があります。または、ユーザー ID オブジェクト (System.Security.Principal.WindowsIdentity) を格納後、他のデータ処理拡張機能 API でそのユーザー ID オブジェクトを再利用できます。

以前のリリースの Reporting Services では、すべてのカスタム データ処理拡張機能はユーザーの権限借用により呼び出されました。このリリースでは、ユーザーの権限を借用している間に Open メソッドのみ呼び出されます。統合セキュリティを必要とする既存のデータ処理拡張機能の場合は、Open メソッドを使用するように、またはユーザー ID オブジェクトを格納するようにコードを変更する必要があります。

カスタム .NET Framework データ プロバイダの接続

レポートを構成して特定のデータ ソースを使用する場合、データ ソースの種類、接続文字列、およびデータ ソースへのアクセスに使用される資格情報を決定するプロパティを設定します。次の表では、.NET Framework データ プロバイダでサポートされている資格情報の種類を示します。レポート データ ソースのプロパティの設定の詳細については、「レポート データ ソースに関する資格情報と接続情報の指定」を参照してください。

資格情報

接続

統合セキュリティ

データ プロバイダがこの資格情報をサポートする場合は、Windows 統合セキュリティを使用できます。現在のユーザーの資格情報を使用して要求が送信されます。

接続文字列を定義する場合は、統合セキュリティを指定する引数を指定してください (たとえば、SQL Server のデータ ソースへ接続する場合は接続文字列に Integrated Security=SSPI を含めます)。

Windows 認証

データ プロバイダがこの資格情報をサポートする場合は、Windows ドメイン ユーザー アカウントを使用できます。レポート サーバーでは、データ処理拡張機能が呼び出される前にユーザー アカウントの権限が借用されます。

接続文字列を定義する場合は、統合セキュリティを指定する引数を指定してください (たとえば、SQL Server のデータ ソースへ接続する場合は接続文字列に Integrated Security=SSPI を含めます)。

データベース資格情報

データベース認証は、カスタム .NET データ プロバイダ経由の接続に対してはサポートされていません。すべての場合において、レポート サーバーは接続に失敗します。

資格情報なし

カスタム .NET データ プロバイダでは、資格情報なしのオプションを使用できます。自動実行アカウントが指定されている場合、使用する資格情報は接続文字列によって決定されます。レポート サーバーでは、自動実行アカウントの権限が借用され、接続が行われます。

自動実行アカウントが定義されていない場合、レポート サーバーは接続に失敗します。アカウントの定義の詳細については、「自動実行アカウントの構成」を参照してください。

IDbConnection の接続

IDbConnection のみサポートするカスタム データ処理拡張機能を使用する場合、次の方法で接続を指定する必要があります。

  1. 自動実行アカウントを構成します。IDbConnection を使用する接続を行うためにはこのアカウントを構成する必要があります。レポート サーバーでは、接続時にアカウントの権限が借用されます。

  2. [資格情報なし] を使用するためにデータ ソース プロパティをレポート上に構成します。

  3. データ ソースへの接続に使用した資格情報を接続文字列に指定します。

IDbConnection を使用する場合には、統合セキュリティ、Windows ユーザー アカウント、およびデータベース資格情報はサポートされません。データ ソース接続にこれらのオプションを使用した場合、レポート サーバーは接続に失敗します。

IDbConnectionExtension の接続

カスタム データ処理拡張機能を使用し、IDbConnectionExtension がサポートされる場合、次の方法で接続を指定できます。

資格情報

接続

統合セキュリティ

データ プロバイダがこの資格情報をサポートする場合は、IDbConnectionExtension を使用するカスタム データ処理拡張機能を持つ Windows 統合セキュリティを使用できます。

接続文字列を定義する場合は、統合セキュリティを指定する引数を指定してください (たとえば、SQL Server のデータ ソースへ接続する場合は接続文字列に Integrated Security=SSPI を含めます)。

Windows 認証

データ プロバイダがこの資格情報をサポートする場合は、IDbConnectionExtension を使用するカスタム データ処理拡張機能の Windows ドメイン ユーザー アカウントを使用できます。

レポート サーバーでは、データ処理拡張機能が呼び出される前にユーザー アカウントの権限が借用されます。接続文字列を定義する場合は、統合セキュリティを指定する引数を指定してください (たとえば、SQL Server のデータ ソースへ接続する場合は接続文字列に Integrated Security=SSPI を含めます)。

データベース資格情報

データベース認証を使用して、IDbConnectionExtension を使用するカスタム データ処理拡張機能の接続を構成できます。

資格情報なし

自動実行アカウントが指定されている場合、使用する資格情報は接続文字列によって決定されます。

自動実行アカウントが定義されていない場合、レポート サーバーは接続に失敗します。