THROW (Transact-SQL)

SQL Server 2012 で、例外を発生させ、TRY...CATCH 構造の CATCH ブロックに実行制御を移します。

トピック リンク アイコン Transact-SQL 構文表記規則

構文

THROW [ { error_number | @local_variable },
        { message | @local_variable },
        { state | @local_variable } ] 
[ ; ]

引数

  • error_number
    例外を表す定数または変数です。 error_number のデータ型は int で、50000 以上、2147483647 以下にする必要があります。

  • message
    例外を説明する文字列または変数です。 message のデータ型は nvarchar(2048) です。

  • state
    メッセージに関連付けられる状態を示す、0 ~ 255 の範囲の定数または変数です。 state のデータ型は tinyint です。

説明

THROW ステートメントの前のステートメントでは、ステートメントのターミネータとしてセミコロン (;) が必要です。

TRY...CATCH 構造を使用できない場合は、セッションが終了します。 例外が発生する行番号およびプロシージャが設定されます。 重大度は 16 に設定されます。

パラメーターを使用せずに THROW ステートメントを指定する場合は、ステートメントが CATCH ブロック内に存在する必要があります。 これによりキャッチされた例外が発生します。 THROW ステートメント内でエラーが発生すると、ステートメント バッチが終了します。

RAISERROR と THROW の違い

次の表では、RAISERROR ステートメントと THROW ステートメントの違いを示します。

RAISERROR ステートメント

THROW ステートメント

msg_id が RAISERROR に渡される場合、ID は sys.messages で定義する必要があります。

error_number パラメーターは、sys.messages で定義する必要はありません。

msg_str パラメーターでは、printf 書式スタイルを指定できます。

message パラメーターでは、printf 書式スタイルは使用できません。

severity パラメーターは、例外の重大度を指定します。

severity パラメーターはありません。 例外の重大度は常に 16 に設定されます。

使用例

A. THROW を使用して例外を発生させる

次の例は、THROW ステートメントを使用して例外を発生させる方法を示します。

THROW 51000, 'The record does not exist.', 1;

以下に結果セットを示します。

Msg 51000, Level 16, State 1, Line 1

The record does not exist.

B. THROW を使用して例外を再度発生させる

次の例は、THROW ステートメントを使用して最後に発生した例外を再度発生させる方法を示します。

USE tempdb;
GO
CREATE TABLE dbo.TestRethrow
(    ID INT PRIMARY KEY
);
BEGIN TRY
    INSERT dbo.TestRethrow(ID) VALUES(1);
--  Force error 2627, Violation of PRIMARY KEY constraint to be raised.
    INSERT dbo.TestRethrow(ID) VALUES(1);
END TRY
BEGIN CATCH

    PRINT 'In catch block.';
    THROW;
END CATCH;

以下に結果セットを示します。

PRINT 'In catch block.';

Msg 2627, Level 14, State 1, Line 1

Violation of PRIMARY KEY constraint 'PK__TestReth__3214EC272E3BD7D3'. Cannot insert duplicate key in object 'dbo.TestRethrow'.

The statement has been terminated.

C. FORMATMESSAGE を THROW と共に使用する

次の例は、FORMATMESSAGE 関数を THROW と共に使用して、カスタマイズされたエラー メッセージをスローする方法を示します。 この例では、まず、sp_addmessage を使用して、ユーザー定義のエラー メッセージを作成します。 THROW ステートメントでは、RAISERROR のように、message パラメーターで書式引数が考慮されないため、エラー メッセージ 60000 で必要とされる 3 つのパラメーター値を渡すために FORMATMESSAGE 関数が使用されます。

EXEC sys.sp_addmessage
     @msgnum   = 60000
,@severity = 16
,@msgtext  = N'This is a test message with one numeric parameter (%d), one string parameter (%s), and another string parameter (%s).'
    ,@lang = 'us_english'; 
GO

DECLARE @msg NVARCHAR(2048) = FORMATMESSAGE(60000, 500, N'First string', N'second string'); 

THROW 60000, @msg, 1; 

以下に結果セットを示します。

Msg 60000, Level 16, State 1, Line 2

This is a test message with one numeric parameter (500), one string parameter (First string), and another string parameter (second string).

関連項目

参照

FORMATMESSAGE (Transact-SQL)

ERROR_LINE (Transact-SQL)

ERROR_MESSAGE (Transact-SQL)

ERROR_NUMBER (Transact-SQL)

ERROR_PROCEDURE (Transact-SQL)

ERROR_SEVERITY (Transact-SQL)

ERROR_STATE (Transact-SQL)

RAISERROR (Transact-SQL)

@@ERROR (Transact-SQL)

GOTO (Transact-SQL)

BEGIN...END (Transact-SQL)

XACT_STATE (Transact-SQL)

SET XACT_ABORT (Transact-SQL)

概念

データベース エンジン エラーの重大度