サブスクリプションと配信 (Reporting Services)

サブスクリプションとは、特定の時刻やイベントの発生時に、指定したアプリケーション ファイル形式でレポートを受け取ることができるようにする予約された配信要求です。 サブスクリプションは、要求時にレポートを実行する以外のレポート実行方法を提供します。 要求時にレポートを実行するには、レポートを表示したいときに、毎回レポートを選択する必要があります。 一方、サブスクリプションを使用すると、レポートの配信をスケジュールして自動実行することができます。

サブスクリプションは、レポート サーバーに展開された配信拡張機能を使用して、サーバーで処理されます。 既定では、共有フォルダーまたは電子メール アドレスにレポートを送信するサブスクリプションを作成できます。 レポート サーバーが SharePoint 統合モード用に構成されている場合は、レポートを SharePoint ライブラリに送信することもできます。

サブスクリプションを作成する場合、レポートでは保存された資格情報を使用する必要があります。 レポートを閲覧するための権限のほか、各サブスクリプションを作成するための権限を所有していることが必要です。 レポート サーバーでは、[定期的なイベントおよびレポート配信] が有効になっている必要があります。 詳細については、「サブスクリプションの管理 (ネイティブ モード)」を参照してください。

1 つのレポートに複数のサブスクリプションを作成して、サブスクリプションのオプションを変更することができます。たとえば、異なるパラメーター値を指定して、西支社の売上レポートと東支社の売上レポートのように、2 つのバージョンのレポートを作成できます。 ただし、この逆は当てはまりません。単一の標準のサブスクリプションを使用して、1 つのレポートの複数のバージョンを作成することはできません。 同じサブスクリプションから 1 つのレポートの複数のバージョンを作成する場合は、データ ドリブン サブスクリプションを使用する必要があります。

作成するサブスクリプションごとに、配信オプションを指定する必要があります。 配信オプションは、選択する配信拡張機能によって決まります。 配信拡張機能は、いくつかの配信方法をサポートするモジュールです。 Reporting Services には複数の配信拡張機能があります。 追加の配信拡張機能は、サード パーティ ベンダーから利用できる可能性があります。

注意

サブスクリプションは、SQL Server のすべてのエディションで使用できるわけではありません。 SQL Server の各エディションでサポートされる機能の一覧については、「SQL Server 2012 の各エディションがサポートする機能」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=232473) を参照してください。

このトピックの内容

  • サブスクリプションのシナリオ

  • 標準のサブスクリプションとデータ ドリブン サブスクリプション

  • サブスクリプションの要件

  • 配信拡張機能

  • サブスクリプションの要素

  • このセクションの内容

サブスクリプションおよび配信のシナリオ

次の表では、Reporting Services と共にインストールされるサブスクリプションおよび配信機能を使用するシナリオについて説明します。 開発者は、その他のシナリオをサポートするために、カスタムの配信拡張機能を作成できます。 詳細については、「配信拡張機能の実装」を参照してください。

シナリオ

説明

電子メールでレポートを送信する

個々のユーザーおよびグループにレポートを電子メールで送信します。 サブスクリプションを作成し、配布するレポートを受信するグループの別名または電子メールの別名を指定します。 実行時に Reporting Services によってサブスクリプション データが決定されるようにすることができます。 変化するメンバーの一覧を持っているグループに同じレポートを送信する場合は、クエリを使用して、実行時にサブスクリプションの一覧を取得できます。

オフラインでレポートを表示する

ユーザーは、サブスクリプションで PDF、Microsoft Excel、または Web アーカイブ形式を選択できます。 オフラインでレポートを表示するには、これらの形式を推奨します。 アーカイブするレポートは、夜間スケジュールでバックアップされる共有フォルダーに直接送信できます。 ブラウザーに読み込むには時間がかかりすぎる、サイズが大きなレポートは、デスクトップ アプリケーションで表示できる形式で共有フォルダーに送信できます。

キャッシュを事前に読み込む

パラメーター化されたレポートの複数のインスタンスがあったり、レポートを表示するユーザーが多数存在したりする場合は、レポートをキャッシュに事前に読み込むことで、レポートの表示にかかる処理時間を短縮できます。

レポートをデータ ドリブンにする

データ ドリブン サブスクリプションを使用して、実行時にレポート出力、配信オプション、およびレポート パラメーター設定をカスタマイズします。 サブスクリプションはクエリを使用して、実行時にデータ ソースから入力値を取得します。 データ ドリブン サブスクリプションを使用すると、サブスクリプションの処理時に決定されるサブスクライバーの一覧にレポートを送信する、文書の差し込み操作を実行できます。

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標準のサブスクリプションとデータ ドリブン サブスクリプション

Reporting Services は、標準およびデータ ドリブンの 2 種類のサブスクリプションをサポートします。 標準のサブスクリプションは、各ユーザーが作成して管理します。 標準のサブスクリプションは、サブスクリプションの処理中には変化しない静的な値で構成されます。 標準のサブスクリプションごとに、レポート表示オプション、配信オプション、およびレポート パラメーターのセットが 1 つ用意されます。

データ ドリブン サブスクリプションでは、外部のデータ ソースをクエリすることによって、サブスクリプション情報が実行時に取得されます。受信者、レポート パラメーター、またはアプリケーション形式を指定する値は、この外部のデータ ソースが提供します。 データ ドリブン サブスクリプションは、受信者の一覧が非常に大きい場合、または受信者ごとにレポートの出力を変更する場合に使用できます。 データ ドリブン サブスクリプションを使用するには、クエリの作成に関する専門知識を持っていて、パラメーターの使用方法を理解していることが必要です。 通常、レポート サーバー管理者が、これらのサブスクリプションを作成して管理します。 詳細については、「データ ドリブン サブスクリプション」を参照してください。

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サブスクリプションの要件

レポートに対するサブスクリプションを作成する前に、以下の必要条件を満たす必要があります。

要件

説明

権限

レポートへのアクセス権は必須です。 レポートをサブスクライブするには、レポートを表示する権限が必要です。

ロールの割り当てには、"個別のサブスクリプションを管理" タスクを含める必要があります。

格納された資格情報

実行時にデータを取得するには、保存された資格情報を使用するレポート、または資格情報を使用しないレポートが必要です。 現在のユーザーの資格情報の権限借用や委任を使用して外部データ ソースに接続するように構成されているレポートは、サブスクライブすることはできません。 保存された資格情報は、Windows アカウントまたはデータベース ユーザー アカウントのいずれかです。 詳細については、「レポート データ ソースに関する資格情報と接続情報を指定する」を参照してください。

レポート内のユーザー依存の値

標準的なサブスクリプションに限り、ユーザー アカウント情報をフィルターに組み込んだレポートや、レポートに表示されるテキストとしてのレポートのサブスクリプションを作成できます。 レポートでは、現在のユーザーとして解釈される User!UserID 式を使用して、ユーザー アカウント名を指定します。 サブスクリプションを作成する時点では、サブスクリプションを作成するユーザーが現在のユーザーとして想定されます。

モデル アイテム セキュリティは無効

モデルにモデル アイテム セキュリティの設定が含まれている場合、データ ソースとしてモデルを使用するレポート ビルダー レポートをサブスクライブすることはできません。 この制限は、モデル アイテム セキュリティを使用するレポートのみが対象となります。

パラメーターの値

レポートでパラメーターを使用する場合、レポート自体または定義するサブスクリプションでパラメーター値を指定する必要があります。 レポートで既定値が定義されている場合は、パラメーター値でその既定値を使用するように設定できます。

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配信拡張機能

サブスクリプションは、配信拡張機能を使用してレポートの配信方法と配信形式を決定します。 ユーザーがサブスクリプションを作成するとき、レポートの配信方法を決定するために、利用可能な配信拡張機能の 1 つを選択できます。 Reporting Services には、次の配信拡張機能があります。 開発者は、追加の配信拡張機能を作成して、他の場所にレポートを送信できます。

配信拡張機能

説明

Windows ファイル共有

レポートを静的なアプリケーション ファイルとして、ネットワーク上の共有フォルダーに配信します。

電子メール

通知またはレポートを、電子メールの添付ファイルまたは URL リンクとして配信します。

SharePoint ライブラリ

SharePoint サイトからアクセスできる SharePoint ライブラリに対し、レポートを静的なアプリケーション ファイルとして配信します。 このサイトは、SharePoint 統合モードで実行されたレポート サーバーと統合されている必要があります。

Null

NULL 配信プロバイダーは、特殊な用途向けの配信拡張機能です。表示する準備が整った、パラメーター化されたレポートを事前にキャッシュする場合に使用されます。ユーザーが個別のサブスクリプションでこの方法を使用することはできません。 NULL 配信は、データ ドリブン サブスクリプションで、事前にデータをキャッシュすることによってレポート サーバーのパフォーマンスを向上させるために管理者が使用します。

注意

レポート配信は、Reporting Services アーキテクチャの拡張可能な部分です。 サード パーティ ベンダーが作成したカスタム配信拡張機能を使用して、レポートを別の場所やデバイスに送信することができます。 カスタム配信拡張機能の詳細については、「配信拡張機能の実装」を参照してください。

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サブスクリプションの要素

サブスクリプション定義は、以下の要素で構成されています。

  • 自動的に実行できるレポート (つまり、格納された資格情報を使用するか、資格情報を使用しないレポート) へのポインター。

  • 配信方法 (たとえば電子メール) および配信モード (たとえば電子メール アドレス) の設定。

  • 特定の形式でレポートを表示する表示拡張機能。

  • サブスクリプションを処理する条件。この条件は、イベントとして示されます。

    通常、レポートを実行する条件は時間ベースです。 たとえば、特定のレポートを火曜日の午後 3:00 (UTC) に実行できます。 (UTC)。 ただし、レポートをスナップショットとして実行している場合は、スナップショットが更新されたときに常に実行するようにサブスクリプションを指定できます。

  • レポートの実行時に使用するパラメーター。

    パラメーターは省略可能で、パラメーター値を許可するレポートにのみ指定されます。 通常、サブスクリプションはユーザーが所有しているので、指定されるパラメーター値はサブスクリプションごとに異なります。 たとえば、異なる部門の営業部長は、それぞれ所属する部門のデータを返すパラメーターを使用します。 すべてのパラメーターで値が明示的に定義されているか、有効な既定値が定義されている必要があります。

サブスクリプション情報は、個別のレポートと共にレポート サーバー データベースに格納されます。 サブスクリプションが関連付けられているレポートから切り離して、サブスクリプションを管理することはできません。 説明やその他のカスタム テキスト、またはその他の要素を含むようにサブスクリプションを拡張することはできない点に注意してください。 サブスクリプションには、以前に一覧表示したアイテムのみを含めることができます。

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このセクションの内容

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関連項目

タスク

データ ドリブン サブスクリプションの作成 (SSRS チュートリアル)

概念

スケジュール

Reporting Services レポート サーバー (ネイティブ モード)