Microsoft.Synchronization.SimpleProviders 名前空間

この名前空間には、Sync Framework の簡易プロバイダーを作成するための型が含まれています。

Sync Framework には、ドメイン固有の API (ファイル同期プロバイダーなど) からあらゆる種類のデータ ストアを同期できる柔軟なコア API まで、さまざまな API が用意されています。簡易プロバイダー API は、この API 群の中で中堅に位置しています。コア API に匹敵するパフォーマンスと柔軟性が得られますが、コア API よりも習得が容易でコードの量も少なく、変更追跡がほとんどサポートされないレプリカに特に適しています。簡易プロバイダー API は拡張可能ですが、主に次の 2 種類のレプリカを対象としています。

• 変更追跡をまったくサポートしないレプリカ。このタイプのレプリカは "完全列挙プロバイダー" (FullEnumerationSimpleSyncProvider) を使用します。このプロバイダーは、同期のたびに、同期元レプリカのすべての項目を列挙します。

• アンカー ベースの変更追跡をサポートするレプリカ。このタイプのレプリカは "アンカー ベース プロバイダー" (AnchorEnumerationSimpleSyncProvider) を使用します。このプロバイダーは、特定のアンカーが設定された後 (一般的には特定の時点) で変更された同期元レプリカの項目を列挙します。

簡易プロバイダーの詳細については、「マネージ簡易プロバイダーを作成する方法」を参照してください。カスタム プロバイダー全般の詳細については、「カスタム プロバイダーの基礎」(特に「簡易プロバイダーか標準プロバイダーかの選択」のセクション) を参照してください。

クラス

	クラス	説明
	AnchorEnumerationContext	AnchorEnumerationSimpleSyncProvider オブジェクトに渡される同期セッション コンテキストです。
	AnchorEnumerationSimpleSyncProvider	アンカーを使用して変更を追跡するレプリカのプロバイダーを表します。
	ChangeDetectionCompletedEventArgs	ChangeDetectionCompleted イベントのデータを提供します。
	ChangeUnitVersionDefinition	Sync Framework ランタイムが変更単位のバージョンを更新する必要があるかどうかを判定するために使用するフィールドのセットを表します。
	ConflictVersionInformation	競合している特定の項目について、リモート プロバイダーが認識している項目のバージョンに関する情報を表します。
	CustomFieldDefinition	メタデータ ストア内の項目を識別したり、項目または変更単位のバージョンに関連する情報を格納したりするために使用できるフィールドを表します。
	FullEnumerationContext	FullEnumerationSimpleSyncProvider オブジェクトに渡される同期セッション コンテキストです。
	FullEnumerationSimpleSyncProvider	どの種類の変更追跡もサポートしていないレプリカのプロバイダーを表します。
	IdentityRule	レプリカ内で項目を識別する方法を定義します。
	ItemEnumerationContext	プロバイダーに渡される同期セッション コンテキストを表します。
	ItemField	変更を同期先に適用するときに項目を識別する方法を表します。
	ItemFieldDictionary	項目とそれに関連付けられているフィールドを表します。
	ItemMetadataSchema	項目と項目のバージョン情報を識別する方法や変更単位を定義する方法など、項目のメタデータ スキーマを表します。
	LocalItemChange	EnumerateChanges(array<Byte>[]()[][], AnchorEnumerationContext, array<Byte>[]()[][]%) によって返されたローカル レプリカの項目に対する変更を表します。
	MetadataStoreInitializedEventArgs	MetadataStoreInitialized イベントのデータを提供します。
	RecoverableErrorReportingContext	一部の呼び出しにおいてプロバイダーに渡される同期セッション コンテキストを表します。これにより、プロバイダーは、この呼び出しのコンテキスト内で発生する可能性があるすべての復旧可能なエラーを報告できるようになります。
	SimpleSyncItemConflictingEventArgs	ItemConflicting イベントのデータを提供します。
	SimpleSyncItemConstraintEventArgs	ItemConstraint イベントのデータを提供します。
	SimpleSyncProvider	レプリカの同期に使用される簡易プロバイダーを表します。通常は、FullEnumerationSimpleSyncProvider または AnchorEnumerationSimpleSyncProvider を拡張して使用します。
	SimpleSyncServices	簡易プロバイダーを使用するレプリカ用に設計されたサービスのセットを表します。
	UnmanagedSimpleSyncProviderWrapper	アンマネージ簡易プロバイダーをラップするマネージ オブジェクトを表します。

インターフェイス

	インターフェイス	説明
	IFilteredSimpleSyncProvider	データをフィルターするプロバイダーを表します。フィルター処理の結果、2 つのレプリカの間で、それぞれの使用可能なデータのサブセットのみが同期される可能性があります。
	ISimpleSyncProviderConcurrencyConflictResolver	同じ項目がローカル レプリカで更新されると同時にリモート レプリカで削除された場合など、同時実行の競合を処理するカスタム競合回避モジュールを表します。
	ISimpleSyncProviderConstraintConflictResolver	複数のレプリカで挿入されている重複した項目など、制約の競合を処理するカスタム競合回避モジュールを表します。
	ISimpleSyncProviderIdGenerator	メタデータ ストア内のレプリカおよび項目を識別するために使用するカスタム形式の ID を生成する方法を提供します。

列挙体

	列挙体	説明
	ConcurrencyConflictKind	ローカル レプリカとリモート レプリカにある同じ項目に対して行われた変更が原因で発生する可能性がある競合の種類を表します。
	LocalItemChangeType	ローカル レプリカの項目に対して発生する変更の種類を表します。
	SimpleSyncProviderDeleteMode	ローカルの項目の削除が他のレプリカに反映されるかどうかを指定するオプションを表します。
	SimpleSyncProviderFilterOptions	フィルターされた同期で使用できるオプションを表します。