同期の定義

適用対象: System Center Data Protection Manager 2010

同期とは、Data Protection Manager (DPM) が保護されたコンピューターから DPM サーバーにデータの変更を転送し、保護されたデータのレプリカにその変更を適用する処理です。この処理により、レプリカを保護されたコンピューター上のデータと同期することができます。

同期の間隔

同期頻度の間隔は 15 分~ 24 時間の範囲で選択できます。回復ポイントを作成する前にのみ同期することも選択できます。1 日をとおして頻繁に変更されるデータを保護する場合は、15 分ごとに同期することができます。あまり変更されないデータを保護する場合は、回復ポイントの作成数を減らし、回復ポイントの作成前にのみデータを同期することができます。詳細については、「保護オプションを変更する方法」を参照してください。

同期のモード

レプリカを同期するには、次の方法があります。

  • 増分同期

  • 整合性チェック付きの同期

"増分同期" は単に "同期" とも呼ばれ、保護されるコンピューターから DPM サーバーにデータの変更を転送し、レプリカにその変更を適用します。保護グループを作成したら、同期スケジュールを指定するか、既定のスケジュールをそのまま使用します。一般に、増分同期では、レプリカとデータ ソースの間の整合性を保つことができます。この方法では、DPM フィルターを使用して変更されたブロックが特定されるため、整合性チェックを実行するよりも高速かつ効率的です。

"整合性チェック付きの同期" は、"整合性チェック" とも呼ばれ、保護されるコンピューターから DPM サーバーにデータの変更を転送します。さらに、ブロックごとに検証を行い、レプリカのすべてのデータが保護されたデータと整合性があることを確認します。データの変更部分のみをレプリカに適用するのではなく、レプリカのすべてのデータを比較するので、整合性チェック付きの同期の処理速度は同期よりも遅くなります。

整合性チェックは、保護されたデータ ソースへの変更を DPM で追跡できない場合に必要となることがあります。変更ジャーナルがディスク領域を使い切ってしまった場合や、同期処理中に保護されるコンピューターが予期せずシャットダウンした場合に、DPM で変更を追跡できなくなることがあります。整合性チェックによる保護されるコンピューターおよび DPM サーバーのパフォーマンスへの影響の度合いは、ネットワーク負荷、CPU 処理能力、およびタイミングによって異なります。整合性チェックを毎日実行する場合は、ネットワーク トラフィックが少ない時間帯にスケジュールしてください。

レプリカが不整合である場合に自動的に整合性チェックを実行するオプションを選択したときや、保護グループに対して整合性チェックを毎日実行するようにスケジュールした場合は、日次タスクとして整合性チェックが自動的に開始されます。また、保護グループを作成し、[データを保持] オプションを使用してそのグループの保護を停止した後、再び同じデータを保護する場合にも、DPM によって整合性チェックが開始されます。

DPM サーバーおよび保護されるコンピューターの処理負荷を考慮して、レプリカとデータ ソースを同期する必要がある場合にのみ、手動で整合性チェックを実行してください。

注意

DPM では、変更ジャーナルがディスク領域を使い切ってしまった場合や、同期処理中に保護されるコンピューターが予期せずシャットダウンした場合は、アラートが生成されます。このアラートで、管理者は整合性チェックを実行するよう指示されます。

変更ジャーナル

"変更ジャーナル" は、追加、削除、変更など、NTFS ボリュームに対する変更内容を追跡する Windows の機能です。

変更ジャーナルは、ボリューム上にスパース ファイルとして存在しています。変更ジャーナルに割り当てられたディスク領域は、必要に応じて増やすことができますが、減らすことはできません。変更ジャーナルは、ファイル サーバーやクライアント コンピューターのバックアップ時に、最後の同期時以降に変更されたファイルのセットを特定するために使用されます。

参照:

タスク

レプリカを同期する方法

概念

整合性チェックの定義
回復ポイントの定義
レプリカの定義