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管理パック ライフ サイクルの管理

適用対象: Operations Manager 2007 R2, Operations Manager 2007 SP1

管理パックが、監視しているアプリケーションまたはテクノロジに関して必要な情報をすべて通知し、知る必要のないことは通知しないのが理想的です。管理パックは、ほとんどの環境で有益な監視エクスペリエンスを提供するように設計されていますが、ユーザの組織のニーズに合わせて最適な結果を出すために各監視パックをテスト、調整、準備してください。

管理パックのライフ サイクルは、ユーザー環境に追加した各管理パックを遂行する段階を包含します。

管理パックのライフ サイクル

以下の表に示している管理パックのライフ サイクルは、管理パック使用のための推奨アプローチです。表の次のセクションでは、各段階の詳細を説明します。

段階 説明

運用前環境での管理パックの確認と評価

運用環境に管理パックを展開する前に、管理パックのコンテンツに習熟し運用前環境またはテスト環境にインポートする必要があります。また、仮想コンピュータ環境で管理パックを表示することもできます。

管理パック設定の調整とカスタム管理パックへの保存

上書きによって管理パックの設定 (モニタ、ルール、オブジェクト検出、属性など) を調整し、組織のニーズにより適合させます。上書きを作成した管理パックに保存する必要があります。

運用環境への管理パックの展開

展開する管理パックに関連付けられた上書きを含む管理パックをエクスポートして、運用環境に管理パックをインポートします。

管理パックの維持

展開後、以下のような状況で管理パックに追加の調整が必要になる場合があります。

  • 新しいハードウェアまたは新しいオペレーティング システムなどの環境の変化

  • 運用環境への新しいアプリケーションの追加

  • アプリケーションのバージョンのアップグレード

  • 管理パックの新しいバージョンまたは更新バージョンが利用可能になった

  • ビジネス上のニーズに基づいて監視が増加または減少するという結果を生むポリシーの変更

確認と評価

各管理パックには、管理パックと同じフォルダにインストールされた管理パック ガイドが付属します。管理パック ガイドには管理パックのインストールと構成の手順と、管理パックが検出したオブジェクトやヘルスロールアップの状態などといった管理パックに関する情報が含まれます。目的に応じて管理パックをカスタマイズするためにこの情報を使用できます。管理パックをインストールする前に、管理パック ガイドを確認してください。

作成コンソールで管理パックを開くことで、管理パックをインポートすることなくコンテンツを表示することができます。詳細については、System Center Authoring Console.

管理パックのコンテンツを確認するためのもうひとつのツールは MPViewer です。これは、管理パックのルール、モニタ、ビュー、タスク、コンソール タスク、レポートといったコンテンツを表示できます。また MPViewer は、特定の管理パック項目に関連付けられたナレッジを表示します。Operations Manager のオペレーション コンソールがインストールされたどのコンピュータにでも MPViewer をインストールできます。最新バージョンの MPViewer は、「OpsMgr ++ blog」 (https://blogs.msdn.com/boris\_yanushpolsky/default.aspx) (英語版の可能性があります) を検索してください。

注意

Microsoft はこのサード パーティ製品について是認も提供もしていません。サポートに関しては指定プロバイダにお問い合わせください。

新しい管理パックがある場合は、運用前環境にインポートする必要があります。Operations Manager では、運用アプリケーションおよび運用環境との相互作用が最小限であった運用前実装の監視に使用される運用実装を持つことをお勧めします。運用前管理グループは、管理パックが運用環境に展開される前に管理パック機能のテストおよび調整に使用されます。

管理パックが収集したデータを正確に測定するには、運用環境の要求にエージェントを公開する必要があります。運用前環境の管理サーバーのハードウェアは、運用環境で使用中のハードウェアを反映します。運用前管理グループは、運用管理グループの管理パックと同じ管理パックを管理サーバーにインポートします。相互運用性をテストするには、運用前環境に運用環境のものと同じ種類のサーバー ロールも含める必要があります。ただし、これは小規模スケールの場合です。

Operations Manager 2007 エージェントを複数の管理グループに割り当てることが可能で、これはマルチホームと呼ばれます。運用環境および運用前環境のエージェントの代表的なサブセットをマルチホームする場合、運用前環境は管理パックを正しく調整するために必要な多くの情報を提供します。エージェントのマルチホームの詳細については、「Operations Manager 2007 で管理されるオブジェクトを構成する」を参照してください。.

調整とカスタマイズ

上書きを使ってモニタ、ルール、オブジェクト検出、属性といった Operations Manager 2007 の監視オブジェクトを調整できます。[無効化] では設定を既定の管理パックに保存する一方で上書きは特定の管理パックに保存することができるため、[無効化] アクションを使用せずに上書きを使ってモニタおよびルールを無効化することをお勧めします。

上書きの使用の詳細については、Operations Manager 2007 のヘルプにある「上書きを使用して監視する方法」 を参照してください。カスタム管理パックの作成の詳細については、「管理パックのカスタマイズ」を参照してください。

展開

運用前環境の管理パックのパフォーマンスおよび結果が満足できるものであれば、管理パックとそのカスタマイズを運用環境に展開できます。カスタマイズを保存した管理パックは、その他のコンピュータにインポートすることができるようにエクスポートする必要があります。詳細については、「管理パックのカスタマイズをエクスポートする方法」を参照してください。この管理パックは設定した上書きを含む管理パックに依存するため、インストールされた元の管理パックを持つ管理グループに対してのみインポート可能です。

維持

管理パックの展開後は、定期的に運用環境におけるそのパフォーマンスと結果を評価して、引き続きビジネス上のニーズに適合していることを確認する必要があります。次の表は、管理パックへの変更が必要となる可能性がある共通イベントを示しています。

  • 新しいハードウェアまたは新しいオペレーティング システムなどの環境の変化

    運用環境に追加する予定の新しいハードウェアまたは新しいオペレーティング システムをテストする際は、テスト計画に既存の管理パックを含め、必要となる可能性がある追加調整を特定する必要があります。新しいオペレーティング システムの場合は、そのオペレーティング システムに固有の新しい管理パックをインポートしなければならない可能性があります。

  • 運用環境への新しいアプリケーションの追加

    新しいアプリケーションには、新しい管理パックまたは既存の管理パックの調整が必要となる場合があります。

  • アプリケーションのバージョンのアップグレード

    組織がアプリケーションのバージョンをアップグレードする場合は、通常、両バージョンのアプリケーションがネットワーク上に存在する、段階的なアップグレードであるか、すべてのアプリケーションのインストールを同時にアップグレードするかのいずれかとなります。新しいバージョンで管理パックをテストし必要な調整を行った後は、アップグレードの展開に使用する管理パックの展開にも同じアプローチを行う必要があります。両バージョンのアプリケーションが同時に使用される場合は、各バージョンに対応した管理パックをインストールする必要があります。アプリケーションのすべてのインストールを同時にアップグレードする場合は、旧バージョンのアプリケーションの管理パックを削除して新バージョンの管理パックをインストールします。

  • 管理パックの新しいバージョンまたは更新バージョンが利用可能になった

    新しいバージョンまたは更新されたバージョンの管理パックを確認し調整するには運用前環境を使用する必要があります。

  • ポリシーの変更

    ユーザーのビジネスまたは組織の現状の変更によって、監視の増加または減少のために管理パックの調整が必要になる場合があります。

変更管理のためのベスト プラクティス

Operations Manager 管理パックを管理する際は、以下のことを行うことをお勧めします。

  • 必要に応じて変更のロールバックを可能にするために、管理パックのバージョンのアーカイブを維持します。アーカイブを維持するための効果的な方法は、Microsoft Team Foundation Server や Windows SharePoint Services などのバージョン管理ソフトウェアを使用することです。もうひとつの方法は、各管理パック バージョン用の個別フォルダとのネットワーク上のファイル共有の使用です。

  • 管理パック用の上書きを設定する際は、ManagementPack が上書きが適用される封印された監視パックの名前になっている、ManagementPack_Override という名前の管理パックに保存します。たとえば、管理パック Microsoft.InformationWorker.Office.XP.mp への上書きは Microsoft.InformationWorker.Office.XP_Overrides.xml に保存されます。上書きを既定の管理パックではなく一意の管理パックに保存する利点の詳細については、「管理パックのカスタマイズ」のトピックを参照してください。

  • 管理パックが更新されたら、corresponding _Overrides.xml ファイルを新しいバージョン番号に更新します。_Overrides.xml ファイルのバージョン番号の更新には XML エディタを使用しなければなりません。 _Overrides.xml ファイルに変更を行ったがバージョン属性は変更しなかった場合は、ファイルのインポートは可能ですがファイルの設定は適用されません。

  • 管理パックに作成した上書きを記録します。上書きを設定する際は、[上書きプロパティ] ダイアログ ボックスの [詳細] ウィンドウにある [編集] をクリックして、行ったアクションの説明とその理由を説明フィールドに追加します。また、スプレッドシートまたはその他のフォームを維持して管理パックに行う変更を記録しなければならない場合もあります。