Configuration Manager のサイトと階層の計画

 

適用対象: System Center 2012 Configuration Manager,System Center 2012 Configuration Manager SP1,System Center 2012 Configuration Manager SP2,System Center 2012 R2 Configuration Manager,System Center 2012 R2 Configuration Manager SP1

運用環境に System Center 2012 Configuration Manager を展開する前に、サイトおよびサイト階層の設計を計画します。 計画段階で、サイトの数と種類、およびサイトの展開を計画する場所を特定します。 各サイトについて計画し、各サイトでサイト システムの役割をインストールする場所を特定します。

System_CAPS_tipヒント

計画では、現在のハードウェア要件に加えて、将来のサーバー ハードウェアの変更も考慮してください。

Configuration Manager は、単一のスタンドアロンのプライマリ サイトとして、または階層内の複数のサイトとして展開できます。 初回の展開を計画するときに、組織で必要になる将来の成長に合わせて拡張できる設計を検討します。 組織の拡張に備えて計画を立てることが重要です。System Center 2012 Configuration Manager の以前のバージョンの製品に加えられた変更によって、Configuration Manager は、少ないサイトで多数のクライアントをサポートできるようになっているためです。

System_CAPS_important重要

Configuration Manager では、ドメイン間でのサイト サーバーの移動はサポートしていません。 サイト サーバーを移動する必要がある場合は、サーバーから Configuration Manager をアンインストールし、サーバーを新しいドメインに移動してから新しい Configuration Manager サイトをインストールしてください。 新しいドメインに移動したサーバーに、元のサイトを正常に復元することはできません。

次のセクションの情報を、サイトの階層を設計するときの参考にしてください。

  • Configuration Manager の階層の計画

    • Configuration Manager のサイトの種類について

      • 中央管理サイトをインストールするかどうかを判断する

      • プライマリ サイトをインストールするかどうかを判断する

      • セカンダリ サイトをインストールするかどうかを判断する

      • サイトをインストールするかコンテンツ管理オプションを使用するかを判断する

    • スタンドアロン プライマリ サイトの拡張の計画

  • Configuration Manager のクライアントおよびサーバーのオペレーティング システムの言語の計画

    • 言語パックについて

    • サーバーの言語パックの計画

    • クライアントの言語パックの計画

    • 言語パックの管理のベスト プラクティス

  • Configuration Manager コンソールの計画

    • 読み取り専用コンソールについて
  • Configuration Manager の複数の管理ユーザーとグローバル データ レプリケーションの計画

    • Configuration Manager のグローバル データの同時編集について

    • Configuration Manager コンソールからのデータ アクセスについて

Configuration Manager の新機能

[!メモ]

このセクションの情報は、次の場所にも表示されます: 「System Center 2012 Configuration Manager の概要」ガイド

System Center 2012 Configuration Manager では、新しく中央管理サイトが導入されただけでなく、プライマリ サイトとセカンダリ サイトにも変更が加えられています。 次の表に、Configuration Manager 2007 からの変更点をまとめます。

サイト

目的

Configuration Manager 2007 からの変更点

中央管理サイト

Configuration Manager データベースのレプリケーション機能によって、階層のサイト間でどのようにデータが複製されるかを調整します。 クライアント エージェントの構成や探索など、階層全体に影響する管理作業を行います。

階層のあらゆる管理作業を行い、レポートを取り扱う中央の場所です。

System Center 2012 Configuration Manager の階層の最上位にあるサイトですが、Configuration Manager 2007 のセントラル サイトとは次の点で異なります。

  • 定期探索によって作成されるデータ レコードを除き、クライアントが送信するデータを処理しません。

  • クライアントは割り当てられません。

  • 限られたサイト システムの役割しか配置できません。

  • データベースのレプリケーションに参加します。

プライマリ サイト

高速ネットワークにあるクライアントを管理します。

System Center 2012 Configuration Manager のプライマリ サイトは、Configuration Manager 2007 のプライマリ サイトと次の点で異なっています。

  • 階層にプライマリ サイトを追加することで、管理するクライアントの数を増やせます。

  • 別のプライマリ サイトの下に、プライマリ サイトの階層を作ることはできません。

  • クライアント エージェント設定やセキュリティの境界としては使用しません。

  • データベースのレプリケーションに参加します。

セカンダリ サイト

帯域幅の狭いネットワークで、リモートにあるクライアントへのコンテンツの配信を制御します。

System Center 2012 Configuration Manager のセカンダリ サイトは、Configuration Manager 2007 のセカンダリ サイトと次の点で異なっています。

  • SQL Server を必要とします。サイトをインストールするときに、SQL Server Express が必要に応じてインストールされます。

  • サイトをインストールするときに、管理ポイントと配布ポイントが自動的に展開されます。

  • 配信用コンテンツを別のセカンダリ サイトに送信できます。

  • データベースのレプリケーションに参加します。

Configuration Manager SP1 の新機能

[!メモ]

このセクションの情報は、次の場所にも表示されます: 「System Center 2012 Configuration Manager の概要」ガイド

Configuration Manager SP1 以降では、スタンドアロン プライマリ サイトを、新しい中央管理サイトが含まれる階層に拡張できます。 新しい中央管理サイトをインストールした後、追加のプライマリ サイトをインストールできます。 詳細については、「スタンドアロンのプライマリ サイトを中央管理サイトがある階層に拡張する」をご覧ください。

Configuration Manager の階層の計画

Configuration Manager の階層を計画するときに、ネットワーク環境とコンピューティング環境を検討し、ビジネス要件を特定します。 これにより、組織の目標を達成するために、最小限の数のサーバーと管理オーバーヘッドで Configuration Manager を実装するように計画できます。

現在 Configuration Manager 2007 を使用している場合は、System Center 2012 Configuration Manager を導入すると、Configuration Manager 2007 から自動的に移行できるようになっています。 ただし、次の 2 つの例外を除き、以前のバージョンの Configuration Manager からのインプレース アップグレードや、Configuration Manager 2007 との相互運用性についてはサポートしていません。 1 つ目の例外は、Configuration Manager 2007 から System Center 2012 Configuration Manager に実際に移行している最中に、Configuration Manager 2007 配布ポイントを System Center 2012 Configuration Manager と共有して、この配布ポイントのコンテンツに System Center 2012 Configuration Manager クライアントがアクセスできることです。 もう 1 つの例外は、Configuration Manager 2007 セカンダリ サイトをアップグレードして System Center 2012 Configuration Manager 配布ポイントにできることです。

したがって、現在の Configuration Manager 2007 のインフラストラクチャを維持するには、System Center 2012 Configuration Manager を新しい階層としてインストールしてから、Configuration Manager 2007 のデータとクライアントを System Center 2012 Configuration Manager に移行する必要があります。 このように古い階層と新しい階層を並存させることによって、サイト サーバーの台数が少なくシンプルな階層を設計することができます。

System Center 2012 Configuration Manager 階層の 1 つ目のサイトをインストールする前に、業務とネットワーク環境に必要な条件を確認して、Configuration Manager でその条件を満たすと共にインフラストラクチャの規模を抑える方法を検討してください。 大量のクライアントとデバイスがあり、サイト 1 つでは管理しきれない場合を除き、スタンドアロンのプライマリ サイトを 1 つだけインストールすることを計画します。 このような階層では、他のサイトを管理するオーバーヘッドも、サイト間でデータベースをレプリケーションするオーバーヘッドも発生しません。 サイト 1 つだけではすべてのデバイスを管理しきれない場合は、最初に中央管理サイトをインストールしてから、子プライマリ サイトをインストールしてください。 サイトでサポートされているクライアントの数の詳細については、「」トピックの「」セクションを参照してください。c1e93ef9-761f-4f60-8372-df9bf5009be0#BKMK_SupConfigClientsperSiteNo text is shown for link 'c1e93ef9-761f-4f60-8372-df9bf5009be0'. The title of the linked topic might be empty.

プライマリ サイトを 1 つだけインストールするかどうかを決めるときは、System Center 2012 Configuration Manager の新機能を確認してください。System Center 2012 Configuration Manager では、サイトのリモート配付ポイントへのコンテンツ転送用ネットワーク帯域幅を、階層内のサイト間の通信用ネットワーク帯域幅と同じようにして管理できるようになっています。 したがって、Configuration Manager の旧バージョンとは異なり、低速ネットワークにコンテンツを転送するために追加のサイトをインストールする必要はありません。 この他にも、クライアント設定とロールベースの管理に変更が加えられ、カスタム クライアント用のサイトを用意したり、ユーザーの権限や役割を決めるセキュリティ ロールごとにサイトを分けなくてもよくなっています。System Center 2012 Configuration Manager への変更点をすべて把握したら、複数のプライマリ サイトをインストールするかどうかの決断を左右するのは、階層に存在することになるデバイスとクライアントの数です。その場所ではありません。

System Center 2012 Configuration Manager SP1 より前のバージョンでは、階層の設計は永久に変わらないものでした。 具体的にいうと、サービス パックなしの System Center 2012 Configuration Manager では、スタンドアロン プライマリ サイトを、中央管理サイトの下に位置する子プライマリ サイトに変換することはできません。 したがって、この構成を変えるには、スタンドアロン プライマリ サイトをアンインストールしてから、中央管理サイトの下の子プライマリ サイトとして再インストールしなければなりません。 しかし、Configuration Manager SP1 から、スタンドアロン プライマリ サイトを、中央管理サイトを持つ階層に拡張してから、追加の子プライマリ サイトをインストールできるようになっています。 このスタンドアロン プライマリ サイトを大きな階層に拡張する機能は、Configuration Manager SP1 で新しくインストールしたサイトと、サービス パックなしの System Center 2012 Configuration Manager からアップグレードしたサイトの両方で使用できます。 ただし、Configuration Manager では、中央管理サイトを含む階層をスタンドアロン プライマリ サイトに変換することはサポートされていません。 スタンドアロン プライマリ サイトの拡張の詳細については、このトピックで後述する「スタンドアロン プライマリ サイトの拡張の計画」セクションを参照してください。

このスタンドアロン プライマリ サイトを拡張する機能は、まず、Configuration Manager を最小規模のインフラストラクチャ (スタンドアロン プライマリ サイトが 1 つだけ) で展開しておき、後でデバイスの数が増えたら階層を大きくするのに便利です。 さらに、Configuration Manager SP1 から、1 つの System Center 2012 Configuration Manager の階層を、同じサービスパックを実行している別の Configuration Manager 階層に移行できるようになりました。 たとえば、ある Configuration Manager SP1 のサイトまたは階層を、別の Configuration Manager SP1 のサイトまたは階層に移行できます。 したがって、テスト環境から運用環境にデータを移行したり、吸収合併した場合にデータを移行して、両社のユーザーとデバイス環境を 1 つの System Center 2012 Configuration Manager 階層として管理したりできます。 移行の詳細については、「System Center 2012 Configuration Manager の階層の移行」を参照してください。

Configuration Manager のサイトの種類について

Configuration Manager の導入形式は、サイトの階層を形成するか、スタンドアロン サイトにするかのいずれかになります。 階層は複数のサイトで構成され、各サイトに 1 つまたは複数のサイト システム サーバーがあります。 スタンドアロン サイトも、1 つまたは複数のサイト システム サーバーで構成されます。 次の図に、サイト設計のいくつかの例を示します。

サイト デザイン

サイト内のサイト システム サーバーによって、Configuration Manager の機能を拡張します。 たとえば、ソフトウェアを展開したり、モバイル デバイスを管理したりするサイト システムをサイトにインストールできます。 機能性の高いサイト階層をプランニングし、地理的にもネットワーク接続的にも最適な場所にサイト サーバーを配置することが重要です。各サイトの種類に関する情報と、サイトの代わりにコンテンツの展開用サイト システムを使用する方法を確認してください。

階層に必要なサイトの種類を計画するときに、次の表を参考にしてください。

サーバー

目的

説明

中央管理サイト

階層のあらゆる管理作業を行い、レポートを取り扱う中央の場所です。

  • SQL Server が必要です。

  • クライアント データを処理しません。

  • クライアント割り当てをサポートしません。

  • すべてのサイト システムの役割が使用できるわけではありません。

  • データベースのレプリケーションに参加します。

プライマリ サイト

高速ネットワークにあるクライアントを管理します。 すべてのクライアントがプライマリ サイトに割り当てられます。

  • SQL Server が必要です。

  • プライマリ サイトを追加すると、管理できるクライアントが増えます。

  • 別のプライマリ サイトの下に、プライマリ サイトの階層を作ることはできません。

  • データベースのレプリケーションに参加します。

セカンダリ サイト

ネットワーク帯域幅の制御が必要なリモートの場所で、クライアントを管理します。

  • SQL Server Express、または完全版の SQL Server のインスタンスが必要です。 サイトのインストール時にいずれもインストールされていない場合は、SQL Server Express が自動的にインストールされます。

  • 管理ポイントと配布ポイントは、サイトのインストール時に自動的に展開されます。

  • セカンダリ サイトは、プライマリ サイトの下の直接の子サイトである必要がありますが、他のセカンダリ サイトにコンテンツを送信するように構成できます。

  • データベースのレプリケーションに参加します。

Configuration Manager 階層を計画するときには、次の点を考慮してください。

  • 展開のコンテンツを配布ポイントに配布する際に、ネットワーク トラフィックをスケジュールおよび調整できます。 そのため、一部のリモートのネットワークの場所では、サイトの代わりに配布ポイントを使用できます。

  • 探索データ レコード (DDR) で、ファイルベースのレプリケーションを使用してプライマリ サイトから中央管理サイトに不明なリソースを転送し、処理します。 探索によって多くの DDR が作成される場合があるため、低帯域幅のネットワーク経由で DDR の転送を最小限に抑えるように、中央管理サイトを配置する場所を計画し、探索処理を実行するサイトを検討します。 既知のリソースの DDR は、最初のプライマリ サイトで、これらの DDR を受け入れるように処理されます。ファイルベースのレプリケーションを使用して中央管理サイトに転送されることはありません。 代わりに、この探索情報は、プライマリ サイトで処理された後で、データベース レプリケーションを使用して他のサイトにレプリケートされます。

  • 役割に基づいた管理では、階層に中央管理セキュリティ モデルを利用できるため、セキュリティ境界を提供するためにサイトをインストールする必要はありません。 代わりに、セキュリティ スコープ、セキュリティ ロール、およびコレクションを使用して、階層内で管理ユーザーが何を表示および管理できるようにするかを定義します。

  • Configuration Manager コンソールの警告は、階層全体の操作に関する状態ベースの情報を提供します。

Configuration Manager サイトおよびサイト システムをインストールするかどうかを判断するときに、次のセクションを参考にしてください。

中央管理サイトをインストールするかどうかを判断する

プライマリ サイトが複数必要な場合に、中央管理サイトをインストールします。 ただし、クライアントとデバイスが多数あり、1 つのプライマリ サイトでは管理しきれない場合を除き、スタンドアロン プライマリ サイトを 1 つだけインストールして、管理作業のオーバーヘッドを減らし、プライマリ サイトと中央管理サイト間で不必要なデータベース レプリケーションが行われるのを避けます。 スタンドアロン プライマリ サイトが 1 つだけの階層では、そのスタンドアロン プライマリ サイトが中央管理サイトと同じ役目を果たします。Configuration Manager SP1 より前のバージョンでは、いったんこの階層で導入すると、後で変更できませんでした。 しかし、Configuration Manager SP1 から、スタンドアロン プライマリ サイトを、中央管理サイトを持つ階層に拡張してから、プライマリ サイトを追加できるようになっています。 ただし、System Center 2012 Configuration Manager では、階層をスタンドアロンの階層設計に変換するために階層の中央管理サイトを削除する操作はサポートされていません。

中央管理サイトは、階層全体の設定を構成して、階層内のすべてのサイトとオブジェクトを監視する場所です。 このサイトの種類では、クライアントを直接管理しませんが、階層全体のサイトやクライアントの構成を含め、サイト間のデータ レプリケーションを調整します。

中央管理サイトを計画するときに、次の情報を参考にしてください。

  • 中央管理サイトは、階層の最上位のサイトです。

  • 複数のプライマリ サイトが含まれる階層を構成する場合は、中央管理サイトをインストールする必要があります。また、中央管理サイトが、インストールする最初のサイトである必要があります。

  • 中央管理サイトは、プライマリ サイトのみ子サイトとしてサポートします。

  • 中央管理サイトにクライアントを割り当てることはできません。

  • 中央管理サイトは、すべてのサイト システムの役割をサポートするわけではありません。 詳細については、「サイト システムの役割を階層のどこにインストールするかを検討する」をご覧ください。

  • 中央管理サイトに接続された Configuration Manager コンソールを使用している場合、階層内のすべてのクライアントを管理して、任意のプライマリ サイトに対してサイト管理タスクを実行できます。

  • 中央管理サイトを使用する場合、中央管理サイトは、すべてのサイトのサイト データを表示できる唯一の場所です。 このデータには、インベントリ データやステータス メッセージなどの情報が含まれます。

  • 個々のサイトで実行する探索方法を割り当てて、中央管理サイトから階層全体の探索処理を構成できます。

  • 別々のセキュリティ ロール、セキュリティ スコープ、およびコレクションを異なる管理ユーザーに割り当てて、階層全体のセキュリティを管理できます。 この構成は、階層内の各サイトに適用されます。

  • ファイル レプリケーションとデータベース レプリケーションを構成し、階層内のサイト間の通信を制御できます。 これには、サイト データのデータベース レプリケーションのスケジュール設定と、サイト間のファイルベースのデータの転送に使用する帯域幅の管理が含まれます。

プライマリ サイトをインストールするかどうかを判断する

プライマリ サイトは、クライアントを管理するために使用します。 プライマリ サイトは、中央管理サイトの下の子プライマリ サイトとしてインストールして階層の規模を大きくするか、新しいサイトの 1 番目のサイトとしてインストールすることができます。 新しい階層の 1 番目のサイトとしてインストールしたプライマリ サイトは、スタンドアロン プライマリ サイトになります。 子プライマリ サイトもスタンドアロン プライマリサイトも、その子としてセカンダリ サイトを持つことができます。

次のような場合にプライマリ サイトのインストールを検討します。

  • クライアントを直接管理するため。

  • 1 つの階層で管理するクライアントとデバイスの数を増やすため。 各プライマリ サイトでサポートされるクライアントとデバイスの数については、「」トピックの「」セクションを参照してください。c1e93ef9-761f-4f60-8372-df9bf5009be0#BKMK_SupConfigClientsperSiteNo text is shown for link 'c1e93ef9-761f-4f60-8372-df9bf5009be0'. The title of the linked topic might be empty.

  • 管理者にローカルの接続ポイントを提供するため。

  • 組織の管理要件を満たすため。 たとえば、リモートの場所にプライマリ サイトをインストールして、低帯域幅のネットワーク経由で展開コンテンツの転送を管理できます。 ただし、System Center 2012 Configuration Manager には、データを配布ポイントに転送するときのネットワーク帯域幅を調整するオプションがあるので、追加のサイトをインストールしなくて済む場合があります。

プライマリ サイトを計画するときに、次の情報を参考にしてください。

  • プライマリ サイトをスタンドアロン プライマリ サイトにすることも、大規模な階層内の子プライマリ サイトにすることもできます。 中央管理サイトのある階層にプライマリ サイトを含める場合は、これらのサイト間でデータベースのレプリケーションが行われます。 大量のクライアントとデバイスがあり、1 つのプライマリ サイトでは管理しきれない場合を除き、スタンドアロン プライマリ サイトをインストールすることを検討してください。Configuration Manager SP1 から、1 つのスタンドアロン プライマリ サイトの管理能力の限界に達したときに、大規模な階層に変換できるようになっています。

  • プライマリ サイトの親になれるのは、中央管理サイトだけです。

  • 一方、プライマリ サイトの子になれるのは、セカンダリ サイトだけで、その数は 1 つでも複数でもかまいません。

  • サービス パックなしの Configuration Manager を使用している場合は、プライマリ サイトをいったんインストールしたら、その親サイトとの関係を変更することはできません。 しかし、Configuration Manager SP1 から、既存のスタンドアロン プライマリ サイトの親サイトとして、新しい中央管理サイトをインストールできるようになっています。

  • プライマリ サイトは、割り当てられたクライアントのすべてのクライアント データを処理します。

  • プライマリ サイトをインストールすると、そのサイトが属する中央管理サイトとのデータベース レプリケーションが自動的に構成されます。

  • プライマリ サイトは、データベース レプリケーションを使用して中央管理サイトと直接通信します。

  • プライマリ サイトのインストール時に、通常使用されるサイト システムの役割をインストールできます。 プライマリ サイトでサポートされるサイト システムの役割の一覧については、「サイト システムの役割を階層のどこにインストールするかを検討する」を参照してください。

セカンダリ サイトをインストールするかどうかを判断する

セカンダリ サイトは、低帯域幅のネットワーク経由で展開コンテンツとクライアント データの転送を管理するために使用します。

セカンダリ サイトは、中央管理サイトまたはセカンダリ サイトの親プライマリ サイトから管理します。 セカンダリ サイトは、プライマリ サイトに接続されている必要があります。また、セカンダリ サイトを別の親サイトに移動するには、セカンダリ サイトをアンインストールして新しいプライマリ サイトの下に子サイトとして再インストールする必要があります。 ピアのセカンダリ サイト間でコンテンツをルーティングでき、展開コンテンツのファイルベースのレプリケーションを管理するのに役立ちます。 セカンダリ サイトは、クライアント データをプライマリ サイトに転送するために、ファイルベースのレプリケーションを使用します。 ただし、親プライマリ サイトと通信するために、データベース レプリケーションも使用します。

次の条件のいずれかが当てはまる場合は、セカンダリ サイトのインストールを検討します。

  • サイトのローカルの管理ユーザーが不要である。

  • 階層内の下位サイトへの展開コンテンツの転送を管理する必要がある。

  • 階層内の上位サイトに送信されるクライアント情報を管理する必要がある。

セカンダリ サイトをインストールしないことを希望しており、リモートの場所にクライアントがある場合は、Windows BranchCache または帯域幅の制御とスケジューリングに対応した配布ポイントを使用することを検討します。 これらのコンテンツ管理オプションはセカンダリ サイトに関係なく使用でき、インストールが必要なサイトとサーバーの数を削減するのに役立ちます。Configuration Manager のコンテンツ管理オプションの詳細については、「サイトをインストールするかコンテンツ管理オプションを使用するかを判断する」を参照してください。

セカンダリ サイトを計画するときに、次の情報を参考にしてください。

  • セカンダリ サイトでは、SQL Server のローカル インスタンスが使用できない場合、サイトのインストール時に SQL Server Express が自動的にインストールされます。

  • セカンダリ サイトのインストールは、Configuration Manager コンソールが中央管理サイトまたはプライマリ サイトに接続したときに、このコンソールから開始されます。

  • セカンダリ サイトのインストール時に、親プライマリ サイトとのデータベース レプリケーションが自動的に構成されます。

  • セカンダリ サイトは、データベース レプリケーションを使用して、親プライマリ サイトと直接通信したり、共有の Configuration Manager データベースのサブセットを取得したりします。

  • セカンダリ サイトは、共通の親プライマリ サイトを持つ他のセカンダリ サイトへの、ファイルベースのコンテンツのルーティングをサポートします。

  • セカンダリ サイトのインストール時に、管理ポイントと配布ポイントが自動的に展開されて、セカンダリ サイト サーバーに配置されます。

サイトをインストールするかコンテンツ管理オプションを使用するかを判断する

リモートのネットワークの場所にクライアントがある場合、プライマリ サイトまたはセカンダリ サイトの代わりにコンテンツ管理オプションを使用することを検討します。 Windows BranchCache を使用するか、帯域幅制御に配布ポイントを構成するか、または配布ポイントにコンテンツを手動でコピー (コンテンツを事前準備) すると、多くの場合、別のサイトは必要なくなります。

次のいずれかの条件が当てはまる場合は、別のサイトをインストールするのではなく、配布ポイントを展開することを検討します。

  • ネットワーク帯域幅が、リモートの場所のクライアント コンピューターが管理ポイントと通信してクライアント ポリシーをダウンロードしたり、インベントリ、レポート ステータス、および探索情報を送信するのに十分である。

  • バックグラウンド インテリジェント転送サービス (BITS) では、ネットワーク要件に対応する十分な帯域幅制御は提供されません。

Configuration Manager のコンテンツ管理オプションの詳細については、「Configuration Manager のコンテンツ管理の概要」を参照してください。

スタンドアロン プライマリ サイトの拡張の計画

System Center 2012 Configuration Manager SP1 以降、新しい中央管理サイトを、既存のスタンドアロン プライマリ サイトの親サイトとしてインストールできます。 この方法で、スタンドアロン プライマリ サイトを、追加の新しいプライマリ サイトのインストールをサポートする大きな階層に拡張できます。 新しい階層に拡張できるのは、1 つの既存のプライマリ サイトだけです。新しい中央管理サイトのデータベースは、スタンドアロン プライマリ サイトのデータベースに基づくためです。 この新しい中央管理サイトをインストールした後で、その他の既存のプライマリ サイトを同一の階層に参加させたり、拡張したりすることはできません。 ただし、新しいプライマリ サイトを、中央管理サイトの下に子サイトとしてインストールできます。

スタンドアロン プライマリ サイトを大きな階層に拡張するには、Configuration Manager SP1 (またはそれより新しいバージョンの Configuration Manager) のメディアから Configuration Manager セットアップを実行して、新しいサーバーに新しい中央管理サイトをインストールします。 セットアップ中に、新しい階層の第 1 のサイトとして新しい中央管理サイトをインストールするか、既存のスタンドアロン プライマリ サイトを階層に拡張できます。 既存のスタンドアロン プライマリ サイトを拡張する場合、拡張するスタンドアロン プライマリ サイト サーバーを指定する必要があります。 セットアップがスタンドアロン プライマリ サイトのサイト サーバーに接続した後、セットアップは通常どおり続行されます。

セットアップが完了した後、プライマリ サイトは、中央管理サイトがある階層の子プライマリ サイトになり、スタンドアロン プライマリ サイトではなくなります。

スタンドアロン プライマリ サイトを階層に拡張した後、階層からプライマリ サイトを切断して復元し、スタンドアロン プライマリ サイトとして運用することはできません。 階層からプライマリ サイトを削除するには、プライマリ サイトをアンインストールする必要があります。

スタンドアロン プライマリ サイトの拡張の前提条件

スタンドアロン プライマリ サイトを中央管理サイトがある階層に拡張するには、スタンドアロン プライマリ サイトが次の前提条件を満たしている必要があります。

前提条件

説明

スタンドアロン プライマリ サイトと新しい中央管理サイトでは、同じバージョンの Configuration Manager を実行している必要があります。

たとえば、SP1 のセットアップを使用して中央管理サイトをインストールし、スタンドアロン プライマリ サイトを拡張する場合、そのスタンドアロン プライマリ サイトも SP1 である必要があります。

スタンドアロン プライマリ サイトは、別の Configuration Manager 階層からデータを移行するように構成できません。

その他の Configuration Manager 階層からの、スタンドアロン プライマリ サイトへのアクティブな移行を停止し、移行のすべての構成を削除する必要があります。これには、まだ完了していない移行ジョブと、アクティブなソース階層の構成が含まれます。

これは、移行操作は階層の最上位のサイトで実行され、スタンドアロン プライマリ サイトの拡張時に、移行の構成は中央管理サイトに転送されないためです。

スタンドアロン プライマリ サイトを拡張した後で、プライマリ サイトで移行を再構成する場合、そのサイトが移行に関する操作を実行する中央管理サイトになります。 移行を構成する方法の詳細については、「System Center 2012 Configuration Manager に移行するためのソース階層とソース サイトの構成」を参照してください。

新しい中央管理サイトをホストするコンピューターのコンピューター アカウントは、スタンドアロン プライマリ サイトの管理者グループのメンバーである必要があります。

スタンドアロン プライマリ サイトを正常に拡張するには、中央管理サイトのコンピューター アカウントが、スタンドアロン プライマリ サイトの管理者グループのメンバーである必要があります。 このアカウントは、サイトの拡張中にのみ必要で、サイトの拡張が完了した後でプライマリ サイトのグループから削除できます。

新しい中央管理サイトをインストールするセットアップ プログラムを実行するユーザー アカウントに、スタンドアロン プライマリ サイトのロールベースの管理権限が必要です。

既存のサイトの拡張シナリオの一環として中央管理サイトをインストールする場合は、その中央管理サイトをインストールするためのセットアップ プログラムを実行するユーザー アカウントが、スタンドアロン プライマリ サイトのロールベース管理において、完全な権限を持つ管理者またはインフラストラクチャ管理者として定義されている必要があります。

サイトを拡張する前に、次のサイト システムの役割をスタンドアロン プライマリ サイトからアンインストールする必要があります。

  • 資産インテリジェンス同期ポイント

  • Endpoint Protection ポイント

  • Microsoft Intune コネクタ

これらのサイト システムの役割は、階層の最上位サイトでのみサポートされます。 そのため、サイトのスタンドアロン プライマリ サイトを拡張する前に、これらのサイト システムの役割をアンインストールする必要があります。 サイトを拡張した後、中央管理サイトでこれらのサイト システムの役割を再インストールできます。

その他のサイト システムの役割は、すべてプライマリ サイトにインストールしたままにできます。

SQL Server Service Broker のポートが、スタンドアロン プライマリ サイトと、中央管理サイトをインストールするコンピューター間で開かれている必要がある

Configuration Manager で、中央管理サイトとプライマリ サイト間でデータを正常にレプリケートするには、SQL Server Service Broker で使用されるポートが 2 つのサイト間で開かれている必要があります。 中央管理サイトをインストールし、スタンドアロン プライマリ サイトを拡張するときに、前提条件のチェックでは、SQL Server Service Broker 用に指定したポートがプライマリ サイトで開かれている状態を確立しません。

スタンドアロン プライマリ サイトを移行向けに構成する場合、サイトを拡張する前に、すべてのアクティブなデータ収集を停止する必要があります。

別の Configuration Manager 階層からデータを移行するために移行を使用する場合、サイトを拡張する前に、すべてのアクティブなデータ収集を停止する必要があります。 サイトの拡張が完了した後で、データの収集を再構成できます。

移行用のデータ収集を停止および再構成する詳細については、「System Center 2012 Configuration Manager のソース階層戦略の計画」トピックの「移行データ収集」セクションを参照してください。

スタンドアロン プライマリ サイトの拡張の考慮事項

スタンドアロン プライマリ サイトを拡張する場合、プライマリ サイト データベースに存在するオブジェクトと構成は、新しい中央管理サイトと共有されます。 次の例外を除き、スタンドアロン プライマリ サイトを拡張するときに特別な考慮事項はありません。

注意事項

説明

ソフトウェアの更新ポイント

スタンドアロン プライマリ サイトを拡張する前に、そのサイトのソフトウェアの更新ポイントの構成を変更する必要はありません。 ただし、スタンドアロン プライマリ サイトを拡張する場合、プライマリ サイトのソフトウェアの更新ポイントは、新しい中央管理サイトのソフトウェアの更新ポイントと同期するように自動的に再構成されます。 そのため、新しい中央管理サイトのインストールが完了した後で、できる限り早くそのサイトにソフトウェアの更新ポイントをインストールし、Windows Server Update Services (WSUS) と同期するように構成します。

中央管理サイトでソフトウェアの更新ポイントを構成するまで、プライマリ サイトのソフトウェアの更新ポイントは、新しいソフトウェア更新プログラムを同期できません。

スタンドアロン プライマリ サイトを拡張した直後、中央管理サイトでは、プライマリ サイトからソフトウェア更新プログラムの情報を同期するため、データ処理量が多くなります。 中央管理サイトは、ソフトウェア更新プログラム管理用の新しいオブジェクトを自動的に作成します。 中央管理サイトのオブジェクトは、階層で信頼できます。

プライマリ サイトの既存の構成は、中央管理サイトで自動的に適用されます。 これらの構成には、同期スケジュール、置き換えの関係の構成、追加の関連設定が含まれます。

ソフトウェア展開のパッケージ

サイトを拡張する前にスタンドアロン プライマリ サイトで作成されたパッケージは、引き続きプライマリ サイトで管理されます。 ただし、これらのパッケージは、階層内のすべてのサイトにグローバル データとしてレプリケートされ、中央管理サイトからこれらのパッケージを管理できます。 これに対する唯一の例外は、クライアント インストール パッケージです。

クライアント インストール パッケージ

スタンドアロン プライマリ サイトを拡張すると、クライアント インストール パッケージの所有権は、中央管理サイトに転送されます。 ただし、このパッケージのパッケージ ID は変更されません。

階層の最上位サイトがこのパッケージを管理し、そのサイトで選択されたクライアント オペレーティング システムの言語のみをサポートするようにパッケージを変更するため、プライマリ サイトで選択されたものと同じクライアント言語が中央管理サイトでサポートされるようにしてください。

詳細については、「クライアントの言語パックの計画」トピックの「Planning for Sites and Hierarchies in Configuration Manager」セクションを参照してください。

クライアント設定

プライマリ サイトを拡張した後、プライマリ サイトで SMS_POLICY_PROVIDER コンポーネントを再起動する必要があります。 ポリシー プロバイダーを再起動するまで、プライマリ サイトは、新しいまたは更新されたクライアント設定をクライアントに提供せず、プライマリ サイトが拡張される前にプライマリ サイトで構成されたクライアント設定を引き続き提供します。

ポリシー プロバイダーを再起動するには、Configuration Manager サービス マネージャーを使用します。 Configuration Manager サービス マネージャーを使用してコンポーネントを管理するには、Configuration Manager コンソールの [監視] ワークスペースの [システムのステータス] にある [コンポーネントのステータス] ノードでコンポーネントを選択します。 コンポーネントを選択した後で、[ホーム] タブの [コンポーネント] グループで、[開始] をクリックして、[Configuration Manager サービス マネージャー] を選択します。 [Configuration Manager サービス マネージャー] で、管理するコンポーネントを特定し、[コンポーネント] をクリックします。 次に、[クエリ] をクリックし、コンポーネントのステータスをクエリした後で、そのコンポーネントのステータスを管理できます。 また、ポリシー プロバイダーは、サイト サーバーで SMS_EXECUTIVE サービスが再起動された場合、または、サイト サーバー コンピューターが再起動した後で、再起動されます。

クライアント言語のサポート

スタンドアロン プライマリ サイトを拡張し、中央管理をインストールする場合、スタンドアロン プライマリ サイトでサポートされるものと同じクライアント言語のサポートを、中央管理サイトに追加します。 同じクライアント言語のサポートを追加することは必要条件ではありませんが、ベスト プラクティスとして、インストールする新しい Configuration Manager クライアントで、使用するクライアント言語をサポートするように構成します。

Configuration Manager で言語を管理する方法の詳細については、「Configuration Manager のクライアントおよびサーバーのオペレーティング システムの言語の計画」トピックの「Planning for Sites and Hierarchies in Configuration Manager」セクションを参照してください。

既定のブート WIM

中央管理サイトは、既定のブート WIM を作成して展開します。 この WIM は、階層で使用する既定の WIM になります。

スタンドアロン プライマリ サイトのブート WIM は変更されず、この WIM に基づくオペレーティング システム展開用のオブジェクトは、引き続き機能します。

System_CAPS_important重要

System Center 2012 R2 Configuration Manager SP1 を使用する場合:System Center 2012 R2 Configuration Manager SP1 を実行するスタンドアロン プライマリ サイトを展開した後は、新しい中央管理サイトで Configmgr2012R2SP1.msi を実行して、階層に対して R2 の機能を使用できるようにしてください。

Configuration Manager のクライアントおよびサーバーのオペレーティング システムの言語の計画

System Center 2012 Configuration Manager は、複数言語での情報の表示をサポートします。 既定では、Configuration Manager のユーザー インターフェイスは英語で表示されますが、管理ユーザーが作成するオブジェクトは、Configuration Manager コンソールとクライアントで、作成に使用された言語で表示されます。 さらに、サーバーとクライアントの言語パックをインストールして、ユーザー インターフェイスを、ユーザーの選択に一致する言語で表示できます。

言語パックのインストールによる言語サポートを計画するには、次のセクションの情報を参照してください。 言語パックの管理方法については、「Configuration Manager サイトの管理言語パック」トピックの「サイトと階層の構成の管理」セクションを参照してください。

Configuration Manager の新機能

[!メモ]

このセクションの情報は、次の場所にも表示されます: 「System Center 2012 Configuration Manager の概要」ガイド

Configuration Manager 2007 以降、言語サポートの項目が次のように新しく追加または変更されています。

  • サイト サーバーのインストールで、特定の言語用に設計されたソース ファイルを使用しません。 また、クライアントで別の言語を使用する場合に、International Client Pack をインストールしません。 代わりに、使用するサーバーとクライアントの言語のみを選択してインストールできます。

    • 使用可能なクライアントとサーバーの言語パックは、Configuration Manager インストール メディアの LanguagePack フォルダーに含まれ、前提条件ファイルの更新プログラムをダウンロードできます。

    • サイトのインストール時に、サイトにクライアント言語パックとサーバー言語パックを追加できます。また、サイトのインストール後に、使用する言語パックを変更できます。

  • 各サイトに複数の言語をインストールできます。インストールが必要なのは、使用する言語のみです。

    • 各サイトで、Configuration Manager コンソール用に複数の言語がサポートされます。

    • 各サイトで、個々のクライアント言語パックをインストールして、サポートが必要なクライアント言語のみサポートを追加できます。

  • コンピューターの表示言語と一致する言語のサポートをインストールすると、そのコンピューターで実行される Configuration Manager コンソールとクライアント ユーザー インターフェイスには情報がその言語で表示されます。

  • コンピューターの Web ブラウザーで使用している言語設定と一致する言語のサポートをインストールすると、アプリケーション カタログや SQL Server Reporting Services などの Web ベースの情報への接続時に情報がその言語で表示されます。

言語パックについて

中央管理サイトとプライマリ サイトにサーバー言語パックとクライアント言語パックのサポートを追加すると、Configuration Manager で組み込みのテキストをユーザーの設定と一致する言語で表示できるようになります。 セカンダリ サイトでは、親プライマリ サイトと同じクライアント言語が自動的にサポートされます。 サポートされている言語の一覧については、「Configuration Manager の言語パックのテクニカル リファレンス」トピックの「サポートされるオペレーティング システム言語」セクションを参照してください。

  • サーバー言語パックは、Configuration Manager コンソールと、レポート サービス ポイントなどのサイト システムの役割に使用します。

  • クライアント言語パックは、Configuration Manager クライアントとアプリケーション カタログに使用します。

言語パックでは、次の言語設定を使用して情報が表示されます。

  • コンピューターの表示言語は、Configuration Manager コンソール、クライアント通知、およびソフトウェア センターに適用されます。

  • Web ブラウザーの表示設定は、レポートの表示とアプリケーション カタログに適用されます。

[!メモ]

言語パックをインストールしている場合でも、管理ユーザーが作成したデータは言語パックの使用に影響を受けません。

セットアップを実行すると、Configuration Manager によって、使用できる言語が Configuration Manager のソース メディアの LanguagePack フォルダーから前提条件のダウンロード用に指定した場所にコピーされます。 ソース メディアにアクセスできない場合、Configuration Manager によって、前提条件ファイルのダウンロードの一部として言語パックがダウンロードされます。 また、不足しているファイルや更新のあったファイルも、前提条件ファイルと共にダウンロードされます。 その後、セットアップ時に、1 つまたは複数の使用可能なサーバー言語パックとクライアント言語パックをサイトに追加するように選択できます。

サイト サーバーのインストール時に言語パックをインストールしない場合は、後でサイト サーバーでセットアップを実行して言語パックを追加できます。 [スタート] メニューからセットアップを実行するか、インストール パスから Setup.exe を開いてセットアップを実行してから、サイトの構成を変更するように選択します。 サイトでサポートされる言語を変更すると、Configuration Manager によって次の処理が行われます。

言語パックの種類

操作

サーバー言語パック

  • サイトでサイトのリセットが実行され、サイトにすべてのサイト システムの役割が再インストールされます。 サイトのリセットの詳細については、「サイトのリセットの実行」の「サイトと階層の構成の管理」セクションを参照してください。

  • 言語ファイルが ConsoleSetup フォルダーにコピーされます。

クライアント言語パック

  • サイトでサイトのリセットが実行され、サイトにすべてのサイト システムの役割が再インストールされます。 サイトのリセットの詳細については、「サイトのリセットの実行」の「サイトと階層の構成の管理」セクションを参照してください。

  • 最上階層にあるサイト (中央管理サイトまたはスタンドアロン プライマリ サイト) でクライアント言語を変更すると、サイトでクライアント インストール パッケージが変更されて、階層内の各配布ポイントでこのパッケージが更新されます。

  • プライマリ サイトでクライアント言語を変更すると、そのサイト内のサイト サーバーと管理ポイントの Client フォルダーが更新されます。

  • サイトで、更新されたファイルが各アプリケーション カタログ Web サイト ポイントと管理ポイントにコピーされます。また、モバイル デバイス クライアントのサポートを変更すると、登録プロキシ ポイントのファイルも更新されます。

サーバーの言語パックの計画

サーバー言語のサポートをサイトに追加すると、Configuration Manager コンソールとレポート サービス ポイントで情報をサポートされる言語で表示できるようになります。 階層内の各サイトに複数のサーバー言語パックをインストールできます。

サイトでサポートされる各サーバー言語パックが、そのサイト サーバーの Configuration Manager コンソール インストール ソース ファイルに追加されます。Configuration Manager コンソールで情報をサポートされる言語で表示するためには、サイトに言語パックを追加して、その言語が含まれたソース ファイルから Configuration Manager コンソールをインストールする必要があります。

レポート サービス ポイントは、サイトにインストールした言語パックで情報を表示するように、自動的に更新されます。

クライアントの言語パックの計画

Configuration Manager では、デバイス クライアントとモバイル デバイス クライアントのクライアント言語をサポートしています。

  • Configuration Manager クライアントをデバイスにインストールすると、クライアント インストール ファイルに含まれた各クライアント言語パックのサポートが追加されます。

  • Configuration Manager クライアントをモバイル デバイスにインストールすると、すべての言語のサポートが同時に追加されます。

サイトのインストール時に、クライアント言語のサポートを追加できます。また、サイトのインストール後に、サイト サーバー コンピューターでセットアップを再実行して、クライアント言語のサポートを追加することもできます。 クライアントで情報をサポートされる言語で表示するためには、クライアントのサイトに言語のサポートを追加して、その言語が含まれたソース ファイルからクライアントをインストールする必要があります。 クライアントをインストールする前に、クライアント言語パックのサポートを追加する必要があります。

サイトでクライアント言語パックのサポートを追加すると、サイトのクライアント インストール ファイルが更新されます。 サイトで更新されるクライアント インストール ファイルのセットは、階層内のサイトの場所によって異なります。

  • 階層内の最上階層にあるサイトで、クライアント インストール パッケージが管理されます。 このパッケージは、階層内の各配布ポイントに自動的に配布されます。 既定では、クライアントのインストール時に、このパッケージのクライアント インストール ソース ファイルが使用されます。

    [!メモ]

    最上階層にあるサイトは、中央管理サイトまたはスタンドアロン プライマリ サイトのいずれかです。

  • プライマリ サイトでは、クライアント アップグレード パッケージが管理され、そのサイトのサイト サーバーと管理ポイントの Client フォルダーでサポートされる言語が更新されます。 クライアントのインストール プロセスで配布ポイントのクライアント インストール パッケージにアクセスできない場合や、クライアント インストールのコマンド ライン プロパティ /source を使ってこれらのファイルを指定する場合は、クライアントではプライマリ サイトのインストール ソース ファイルが使用されます。

    System_CAPS_tipヒント

    中央管理サイトを使用する場合は、中央管理サイトと各プライマリ サイトに各言語パックのサポートを追加して、必要なクライアント言語パックが確実にクライアントにインストールされるようにしてください。

最上階層にあるサイトでサポートされるクライアント言語を変更するときには、階層内の配布ポイントにクライアント インストール パッケージがレプリケートされるまでの時間を考慮します。Configuration Manager コンソールの [監視] ワークスペースの [コンテンツのステータス] ノードを使用すると、配布ポイントへのパッケージの再配布を監視できます。 詳細については、「コンテンツの監視」トピックの「Configuration Manager のコンテンツ管理の操作とメンテナンス」セクションを参照してください。

または、パッケージの再配布のステータス メッセージを表示して、進行状況を監視することもできます。

  • クライアント インストール パッケージの名前は、Configuration Manager クライアント パッケージです。

  • 配布ポイントでパッケージが正常に更新されると、その配布ポイントで メッセージ ID 2330 のステータス メッセージが生成されます。

新しいサイト サーバーをクライアント言語パックのサポートと共にインストールした後で、または、既存のサイト サーバーで言語パックを変更し、配布ポイントを更新した後で、コンピューターに新しいクライアントをインストールするか、または既存のクライアントを再インストールして、サポートされるクライアント言語パックのサポートを追加できます。

System_CAPS_important重要

Configuration Manager では、まずモバイル デバイスをワイプしないと、モバイル デバイス クライアントを再インストールすることはできません。 そのため、英語以外のモバイル デバイスをサポートすることを計画している場合は、Configuration Manager のモバイル デバイス クライアントをインストールする前に、モバイル デバイスのクライアント言語のサポートを有効にしてください。

Configuration Manager クライアントを新しいコンピューターにインストールすると、CCMSetup によって、クライアント インストール ソース ファイルに含まれている各言語パックのサポートを追加するように、Windows インストーラーのコマンド ラインが変更されます。 既存のクライアントを新しい言語パックで更新するためには、クライアントをアップグレードするか再インストールする必要があります。

たとえば、クライアント プッシュ インストールまたはソフトウェアの展開を使用してクライアント ソフトウェアを再展開するときに、コンピューターのサポートされる言語を変更できます。

次の表に、以前にインストールしたクライアントで言語パックのサポートが処理されない、クライアントのアップグレード方法とインストール方法を示します。

メソッド

説明

修復

Windows インストーラーの修復処理で、クライアント コンピューターのレジストリに保存されている、クライアントをインストールするために前回使用した Windows インストーラー コマンド ラインが使用されます。 このコマンド ラインでは、新しいクライアント言語パックが参照されません。

自動クライアント アップグレード

自動アップグレードはクライアント バージョンの変更に基づくため、この種類のアップグレードは失敗します。 言語パックが新しくなっても、クライアント バージョンは変更されません。

ソフトウェアの更新に基づいたクライアント インストール

ソフトウェアの更新ポイントでは、クライアント バージョンの変更に基づいてクライアントのインストールが行われます。 言語パックが新しくなっても、クライアント バージョンは変更されません。

クライアントでソース ファイルにアクセスしてインストールを行う方法については、「Configuration Manager で Windows ベースのコンピューターにクライアントをインストールする方法」を参照してください。

クライアント インストール プロパティの詳細については、「Configuration Manager のクライアント インストール プロパティについて」を参照してください。 

言語パックの管理のベスト プラクティス

System Center 2012 Configuration Manager で言語パックを使用するときに、以下のベスト プラクティス情報を参照してください。

サイトのインストール時に言語をインストールする

階層内の最上階層にあるサイトでサポートされている言語パックを変更すると、階層内の各配布ポイントでクライアント インストール パッケージの更新が開始されて、適用可能なサイト システムの役割が再インストールされ、サイトのリセットが実行されます。 また、サイトに追加した新しい言語パックをクライアントで使用するためには、クライアントを再インストールする必要があります。

中央管理サイトにクライアント言語パックのサポートを追加するときに、各プライマリ サイトにもこれらのクライアント言語パックを追加する

サイトでクライアント言語パックを変更したときに、更新されるクライアント インストール ファイルは階層内のサイトの場所によって異なります。 クライアントのインストール時に、配布ポイントのクライアント インストール パッケージにクライアントがアクセスできない場合、クライアントは、階層内の最上階層にあるサイトで管理されているクライアント インストール パッケージを使用することがあります。また、クライアントに割り当てられたサイト内の管理ポイントのソース ファイルを使用するように、フォールバックすることもあります。

Configuration Manager コンソールの計画

管理ユーザーは、Configuration Manager コンソールを使用して Configuration Manager 環境を管理します。 各 Configuration Manager コンソールは、中央管理サイトとプライマリ サイトのどちらかに接続します。 1 回目の接続が確立されたら、Configuration Manager コンソールは他のサイトに接続することができます。 ただし、Configuration Manager をセカンダリ サイトに接続することはできません。

Configuration Manager コンソールを使用して異なるサイトに接続するには、[アプリケーション メニュー][新しいサイトに接続] を選択し、サイト サーバーの名前を指定します。Configuration Manager コンソールの新しいインスタンスを開くときに、特定のサイトへの接続を指定することもできます。 これを行うには、コマンド ラインの一部としてサイト サーバー名を指定して Configuration Manager コンソールを開く必要があります。 たとえば、Server1 で実行されているサイトに接続するには、コマンド プロンプトで「%path%\microsoft.configurationmanagement.exe Server1」と入力します。

Configuration Manager では、プライマリ サイトまたは中央管理サイトへの Configuration Manager コンソールの同時接続数は制限されません。 中央管理サイトに接続すると、階層内のすべてのサイトのデータを表示および構成できます。 中央管理サイトがあるが、Configuration Manager コンソールをプライマリ サイトに直接接続している場合、この接続から Configuration Manager データを表示および管理できますが、他のプライマリ サイトのデータや、他のプライマリ サイトのセカンダリ サイトのデータを表示することはできません。 ただし、階層にスタンドアロンのプライマリ サイトが含まれているために、中央管理サイトがない場合は、Configuration Manager コンソールを使用して階層内のすべてのデータにアクセスできます。

System_CAPS_important重要

階層内の子プライマリ サイトに接続された Configuration Manager コンソールを使用して、オブジェクトやクライアントを他のプライマリ サイトと共に管理している場合、他のプライマリ サイトのデータを表示できない場合でも、行った変更は、階層全体でこれらの他のプライマリ サイトにレプリケートされます。

[!メモ]

Configuration Manager コンソールを Configuration Manager の評価版に接続すると、コンソールのタイトル バーに、評価版が期限切れになるまでの日数が表示されます。 ただし、この日数は自動的に更新されず、サイトに新しく接続した場合だけ更新されます。 評価期間が終了すると、Configuration Manager コンソールは読み取り専用のコンソールとして接続します。

読み取り専用コンソールについて

Configuration Manager コンソールをプライマリ サイトに接続する場合、Configuration Manager コンソールが読み取り専用のコンソールとして接続する特定の条件があります。 読み取り専用のコンソールでは、オブジェクトと構成設定を表示できますが、変更は行うことができません。プライマリ サイトの初期化が完了したときや、レプリケーションの問題が解決した後でプライマリ サイトを中央管理サイトを同期したときに、行った変更が失われる可能性があるためです。

読み取り専用のコンソールは、次の理由から設定されています。

  • プライマリ サイトで Configuration Manager サイトのインストールが完了する前に、プライマリ サイトに接続できるようにするため。

  • サイト間のレプリケーションの問題があるプライマリ サイトに接続できるようにするため。

  • プライマリ サイトのサイト復元中に、そのプライマリ サイトに接続できるようにするため。

  • プライマリ サイトでグローバル データを初期化しているときに、そのプライマリ サイトに接続できるようにするため。

プライマリ サイトが完全に初期化されるか、そのプライマリ サイトと中央管理サイト間のレプリケーションの問題が解決されたら、コンソールを閉じてから Configuration Manager コンソールを再接続して、オブジェクトと構成を管理できる通常のセッションを確立する必要があります。

[!メモ]

180 日間の評価期間が終了すると、Configuration Manager の評価版に接続している Configuration Manager コンソールは、読み取り専用コンソールとして接続します。

Configuration Manager の複数の管理ユーザーとグローバル データ レプリケーションの計画

オブジェクトにアクセスする複数の管理ユーザーおよびサイト間で共有する構成設定を計画するときに、次のセクションを参考にしてください。 このデータはグローバル データと呼ばれ、階層全体で利用できます。

Configuration Manager のグローバル データの同時編集について

複数の管理ユーザーが同時に同じオブジェクトを管理しようとする可能性があるので、Configuration Manager では、階層内のある管理ユーザーがオブジェクトを編集している間、別の管理ユーザーが同じオブジェクトを編集できないようになっています。 管理が必要なオブジェクトが既に使用中である場合、そのオブジェクトを読み取り専用インスタンスとして表示するか、オブジェクトの所有権を取得するように再度試みることができます。 所有権を取得するように再度試みたときに、そのオブジェクトを別の管理者が使用していない場合は、所有権が付与されてそのオブジェクトを編集できるようになります。 管理が必要なオブジェクトの読み取り専用の状態と、読み取り専用の Configuration Manager コンソールを混同しないようにしてください。 読み取り専用のコンソールとは異なり、このオブジェクトの読み取り専用の状態は、個々のオブジェクトが現在利用できるかどうかに基づいた、一時的なオブジェクト固有の状態です。 この状態は、Configuration Manager コンソールが接続しているサイトの状態には関連しません。

また、Configuration Manager は、この編集が複数のサイトで行われている場合、いずれかのサイトでデータをレプリケートできないときに、オブジェクトへの編集を解決します。 これは、ネットワーク リンクが切断された場合に発生する可能性があります。 この場合は、中央管理サイトにレプリケートされているオブジェクトへの最初の編集は、データをレプリケートできなかったプライマリ サイトの以降の編集よりも優先されます。

Configuration Manager コンソールからのデータ アクセスについて

役割に基づいた管理を使用して、Configuration Manager コンソールで管理ユーザーが見ることのできる階層内のオブジェクトと、そのオブジェクトへのアクセス許可を定義します。 セキュリティ ロール、セキュリティ スコープ、およびコレクションの組み合わせを使用すると、各管理ユーザーの階層全体のデータ アクセスを管理するのに役立ちます。 詳細については、「Planning for Security in Configuration Manager (Configuration Manager でのセキュリティ計画)」をご覧ください。