Configuration Manager のコンテンツ管理の計画

 

適用対象: System Center 2012 Configuration Manager,System Center 2012 Configuration Manager SP1,System Center 2012 Configuration Manager SP2,System Center 2012 R2 Configuration Manager,System Center 2012 R2 Configuration Manager SP1

System Center 2012 Configuration Manager のコンテンツ管理機能には、アプリケーション、パッケージ、ソフトウェア更新プログラム、およびオペレーティング システムの展開用のコンテンツ ファイルを管理するツールが備わっています。Configuration Manager は、配置ポイントを使用して、クライアント コンピューターで実行するソフトウェアに必要なファイルを格納します。 これらの配布ポイントは、コンテンツ ファイルを配布するための拠点として機能します。ユーザーは配布ポイントからソフトウェアをダウンロードして実行できます。 クライアントは、ファイルがダウンロード可能な少なくとも 1 つの配布ポイントにアクセスできる必要があります。

このトピックの次のセクションを使用して、Configuration Manager 階層内のコンテンツを管理する方法を計画します。

  • 配布ポイントの計画

    • 配布ポイントの構成

    • 優先配布ポイントと代替の配布ポイントの計画

      • コンテンツ ソースの場所

      • コンテンツ ソースの場所へのネットワーク接続の速度

      • オンデマンドのコンテンツ配布

      • コンテンツ ソースの場所の例

    • BranchCache サポートの計画

    • 配布ポイントのネットワーク帯域幅に関する考慮事項

      • スケジュールと調整の計画

      • コンテンツを事前設定するかどうかの判断

    • プル配布ポイントの計画

    • クラウドベースの配布ポイントの計画

      • クラウドベースの配布ポイントの前提条件

      • クラウドベースの配布にかかるコストの計画

      • クラウドベースの配布ポイントのサブスクリプションと証明書について

      • サイト サーバーからクラウドベースの配布ポイントへの通信

      • クライアントからクラウドベースの配布ポイントへの通信

    • 配布ポイントのインフラストラクチャの決定

  • 配布ポイント グループの計画

  • 配布ポイントの優先順位の計画

  • コンテンツ ライブラリの計画

  • バイナリ差分レプリケーションの計画

  • Package Transfer Manager について

[!メモ]

コンテンツ管理の依存関係およびサポートされる構成の詳細については、「Configuration Manager のコンテンツ管理の前提条件」を参照してください。

配布ポイントの計画

階層内の配布ポイントを計画するときは、現在の環境に必要な配布ポイントの属性、ネットワークとシステムにかかる負荷を配布ポイントに分散する方法、および配布ポイントのインフラストラクチャを検討します。

配布ポイントの構成

配布ポイントにはさまざまな構成を設定できます。 次の表に、利用可能な構成の説明を示します。

配布ポイントの構成

説明

優先配布ポイント

配布ポイントに境界グループを割り当てます。 これらの配布ポイントは、割り当てた境界グループ内のクライアントによって優先的に使用される配布ポイントになります。 クライアントは、優先配布ポイントをコンテンツ ソースの場所として使用します。 優先配布ポイントでコンテンツを取得できない場合、クライアントは別の配布ポイントをコンテンツ ソースの場所として使用します。 境界グループ内にないクライアントが代替のコンテンツの場所として使用するように配布ポイントを構成することもできます。

PXE

配付ポイントで [PXE] オプションを有効にして、Configuration Manager クライアントへのオペレーティング システムの展開を有効にします。 PXE オプションは、ネットワーク上の Configuration Manager クライアントからの PXE ブート要求に応答し、Configuration Manager インフラストラクチャと対話して、適切なインストール アクションを決定できるように構成する必要があります。

System_CAPS_important重要

PXE を有効にできるのは、Windows 展開サービスがインストールされているサーバーのみです。 PXE を有効にすると、Configuration Manager は Windows 展開サービスを配布ポイント サイト システムにインストールします (まだインストールされていない場合)。

マルチキャスト

配布ポイントで [マルチキャスト] オプションを有効にして、オペレーティング システムを配布するときにマルチキャストを使用します。

System_CAPS_important重要

マルチキャストを有効にできるのは、Windows 展開サービスがインストールされているサーバーのみです。 マルチキャストを有効にすると、Configuration Manager は Windows 展開サービスを配布ポイント サイト システムにインストールします (まだインストールされていない場合)。

プル

System Center 2012 Configuration Manager SP1 以降:

コンピューターが配布ポイントに配布されたコンテンツを取得する動作を変更するには、配布ポイントでプル配布ポイント オプションを有効にします。 配布ポイントをプル配布ポイントに構成する場合、プル配布ポイントがコンテンツを取得するソース配布ポイントを 1 つまたは複数指定します。

System_CAPS_important重要

プル配布ポイントは HTTP と HTTPS による通信をサポートしていますが、Configuration Manager コンソールで、HTTP 用に構成されているソース配布ポイントだけを指定することができます。Configuration Manager SDK を使用して、HTTPS 用に構成されているソース配布ポイントを指定することができます。

モバイル デバイスのサポート

モバイル デバイスをサポートするには、HTTPS 通信を受け入れるように配布ポイントを構成する必要があります。

インターネット ベースのクライアントのサポート

インターネット ベースのクライアントをサポートするには、HTTPS 通信を受け入れるように配布ポイントを構成する必要があります。

アプリケーションの仮想化

クライアントに仮想アプリケーションをストリーミングするために、配布ポイントで特に必要とする条件はありませんが、アプリケーション管理を行うための前提条件があります。 詳細については、「Configuration Manager のアプリケーション管理の前提条件」をご覧ください。

優先配布ポイントと代替の配布ポイントの計画

配布ポイントを作成する場合、配布ポイントに境界グループを割り当てるオプションがあります。 その配布ポイントは、配布ポイントに割り当てられている境界グループ内のクライアントによって優先的に使用されます。

コンテンツ ソースの場所

ソフトウェアをクライアントに展開する場合、クライアントはコンテンツ要求を管理ポイントに送信し、管理ポイントは優先配布ポイントのリストをクライアントに送信します。クライアントはリスト上のいずれかの優先配布ポイントをコンテンツ ソースの場所として使用します。 優先配布ポイントでコンテンツを取得できない場合、管理ポイントはコンテンツを利用できる配布ポイントのリストをクライアントに送信します。 クライアントは、いずれかの配布ポイントをコンテンツ ソースの場所として使用します。

配布ポイントのプロパティ、および展開の種類またはパッケージのプロパティで、代替のコンテンツ ソースの場所をクライアントが使用できるようにするかどうかを構成できます。 優先配布ポイントにコンテンツがなく、代替の設定が有効にされていない場合、クライアントはコンテンツのダウンロードに失敗し、ソフトウェアの展開が失敗します。

コンテンツ ソースの場所へのネットワーク接続の速度

各配布ポイントのネットワーク接続の速度は、割り当てられている境界グループに構成できます。 クライアントは、配布ポイントに接続するときにこの値を使用します。 ネットワーク接続速度は既定で [高速] に構成されていますが、[低速] に構成することもできます。 クライアントが優先ではない配布ポイントを使用する場合、その配布ポイントへの接続は自動的に低速と見なされます。 ネットワーク接続の速度は、クライアントが配布ポイントからコンテンツをダウンロードできるかどうかを判別するために役立ちます。 ネットワーク接続の速度に応じてどのように展開するかは、展開する特定のソフトウェアの展開プロパティで構成します。 たとえば、ネットワーク接続が低速と見なされた場合はソフトウェアをインストールしないようにするオプションや、ソフトウェアをダウンロードしてインストールするオプションなどがあります。

オンデマンドのコンテンツ配布

アプリケーションまたはパッケージの [このパッケージのコンテンツを優先配布ポイントに配布する] プロパティを選択すると、優先配布ポイントへのオンデマンドのコンテンツ配布が有効になります。 このプロパティを有効にすると、管理ポイントは、クライアントが要求したパッケージのコンテンツが優先配布ポイントにない場合に、リスト内のすべての優先配布ポイントに配布マネージャーによってコンテンツが配布されるようにするトリガーを作成します。 クライアントは、状況に応じて、コンテンツが優先配布ポイントで利用可能になるまで待機するか、代替のコンテンツ ソースの場所として有効になるように構成されている配布ポイントからコンテンツをダウンロードできます。

コンテンツ ソースの場所の例

ソフトウェアをクライアントに展開する場合、クライアントが使用するコンテンツ ソースの場所は、次の設定によって異なります。

  • 代替のコンテンツ ソースの場所の使用を許可する:この配布ポイントのプロパティを使用すると、優先配布ポイントでコンテンツを取得できない場合に、クライアントがこの配布ポイントを代替のコンテンツ ソースの場所として使用できます。

  • ネットワーク接続の速度に関する展開のプロパティ:ネットワーク速度に関する展開のプロパティは、展開するオブジェクト (アプリケーションの展開、ソフトウェア更新プログラム、タスク シーケンスによる展開など) のプロパティとして構成します。 展開オブジェクトごとに異なる設定がありますが、このプロパティで、ネットワーク接続が低速と見なされる場合に、ソフトウェア コンテンツをダウンロードしてインストールするかどうかを設定します。

  • このパッケージのコンテンツを優先配布ポイントに配布する:このアプリケーションの展開の種類またはパッケージのプロパティを選択すると、優先配布ポイントへのオンデマンドのコンテンツ配布が有効になります。

次の表に、コンテンツの場所と代替の場所の使用例を示します。

通信の種類

例 1

シナリオ 2

シナリオ 3

代替の構成、および低速ネットワークでの展開の動作

フォールバック可能 

無効

低速ネットワークでの展開の動作 

任意の構成

フォールバック可能 

有効

低速ネットワークでの展開の動作 

コンテンツをダウンロードしない

展開 - フォールバック オプション 

有効

低速ネットワークでの展開の動作 

コンテンツをダウンロードしてインストールする

配布ポイントはオンラインで、次の条件を満たしている:

  • 優先配布ポイントでコンテンツを取得できる。

  • 代替の配布ポイントでコンテンツを取得できる。

  • この場合は、オンデマンドのパッケージ配布のパッケージ構成は関係がない。

クライアントは、管理ポイントにコンテンツ要求を送信します。

コンテンツが存在する優先配布ポイントが設定されているコンテンツの場所のリストが、管理ポイントからクライアントに返されます。

クライアントは、リスト上の優先配布ポイントからコンテンツをダウンロードします。

クライアントは、管理ポイントにコンテンツ要求を送信します。 クライアントは、代替の配布ポイントが許可されることを示すフラグを要求に含めます。

コンテンツが存在する優先配布ポイントおよび代替の配布ポイントが設定されているコンテンツの場所のリストが、管理ポイントからクライアントに返されます。

クライアントは、リスト上の優先配布ポイントからコンテンツをダウンロードします。

クライアントは、管理ポイントにコンテンツ要求を送信します。 クライアントは、代替の配布ポイントが許可されることを示すフラグを要求に含めます。

コンテンツが存在する優先配布ポイントおよび代替の配布ポイントが設定されているコンテンツの場所のリストが、管理ポイントからクライアントに返されます。

クライアントは、リスト上の優先配布ポイントからコンテンツをダウンロードします。

配布ポイントはオンラインで、次の条件を満たしている:

  • 優先配布ポイントでコンテンツを取得できない。

  • 代替の配布ポイントでコンテンツを取得できる。

  • パッケージがオンデマンド パッケージ配布用に構成されていない。

クライアントは、管理ポイントにコンテンツ要求を送信します。

コンテンツが存在する優先配布ポイントが設定されているコンテンツの場所のリストが、管理ポイントからクライアントに返されます。 そのリストには優先配布ポイントがありません。

クライアントは、[コンテンツは利用できません] というメッセージを受け取って失敗し、再試行モードに入ります。 新しいコンテンツ要求が 1 時間ごとに開始されます。

クライアントは、管理ポイントにコンテンツ要求を送信します。 クライアントは、代替の配布ポイントが許可されることを示すフラグを要求に含めます。

コンテンツが存在する優先配布ポイントおよび代替の配布ポイントが設定されているコンテンツの場所のリストが、管理ポイントからクライアントに返されます。 コンテンツが存在する優先配布ポイントはありませんが、少なくとも 1 つの代替の配布ポイントにコンテンツがあります。

クライアントが代替の配布ポイントを使用する場合の展開のプロパティが [ダウンロードしない] に設定されているため、コンテンツはダウンロードされません。 クライアントは、[コンテンツは利用できません] というメッセージを受け取って失敗し、再試行モードに入ります。 クライアントは新しいコンテンツ要求を 1 時間ごとに送ります。

クライアントは、管理ポイントにコンテンツ要求を送信します。 この要求には、代替の配布ポイントが有効になっていることを示すフラグが付いています。

コンテンツが存在する優先配布ポイントおよび代替の配布ポイントが設定されているコンテンツの場所のリストが、管理ポイントからクライアントに返されます。 コンテンツが存在する優先配布ポイントはありませんが、少なくとも 1 つの代替の配布ポイントにコンテンツがあります。

クライアントが代替の配布ポイントを使用する場合の展開のプロパティが [コンテンツをダウンロードしてインストールする] に設定されているため、リストにある代替の配布ポイントからコンテンツがダウンロードされます。

配布ポイントはオンラインで、次の条件を満たしている:

  • 優先配布ポイントでコンテンツを取得できない。

  • 代替の配布ポイントでコンテンツを取得できる。

  • パッケージがオンデマンド パッケージ配布用に構成されている。

クライアントは、管理ポイントにコンテンツ要求を送信します。

コンテンツが存在する優先配布ポイントが設定されているコンテンツの場所のリストが、管理ポイントからクライアントに返されます。 コンテンツが存在する優先配布ポイントはありません。

クライアントは、[コンテンツは利用できません] というメッセージを受け取って失敗し、再試行モードに入ります。 新しいコンテンツ要求が 1 時間ごとに送られます。

管理ポイントは、コンテンツ要求を送ったクライアントのすべての優先配布ポイントにコンテンツを配布するトリガーを配布マネージャーに作成します。

配布マネージャーは、すべての優先配布ポイントにコンテンツを配布します。

クライアントがコンテンツ要求を 1 時間ごとに管理ポイントに送ります。

コンテンツが存在する優先配布ポイントが設定されているコンテンツの場所のリストが、管理ポイントからクライアントに返されます。 ほとんどの場合、1 時間以内にコンテンツが優先配布ポイントに配付されます。

クライアントは、リスト上の優先配布ポイントからコンテンツをダウンロードします。

クライアントは、管理ポイントにコンテンツ要求を送信します。 クライアントは、代替の配布ポイントが許可されることを示すフラグを要求に含めます。

コンテンツが存在する優先配布ポイントおよび代替の配布ポイントが設定されているコンテンツの場所のリストが、管理ポイントからクライアントに返されます。 コンテンツが存在する優先配布ポイントはありませんが、少なくとも 1 つの代替の配布ポイントにコンテンツがあります。

クライアントが代替の配布ポイントを使用する場合の展開のプロパティが [ダウンロードしない] に設定されているため、コンテンツはダウンロードされません。 クライアントは、[コンテンツは利用できません] というメッセージを受け取って失敗し、再試行モードに入ります。 クライアントは新しいコンテンツ要求を 1 時間ごとに送ります。

管理ポイントは、コンテンツ要求を送ったクライアントのすべての優先配布ポイントにコンテンツを配布するトリガーを配布マネージャーに作成します。

配布マネージャーは、すべての優先配布ポイントにコンテンツを配布します。

クライアントがコンテンツ要求を管理ポイントに送ります。

コンテンツが存在する優先配布ポイントが設定されているコンテンツの場所のリストが、管理ポイントからクライアントに返されます。 通常、1 時間以内にコンテンツが優先配布ポイントに配付されます。

クライアントは、リスト上の優先配布ポイントからコンテンツをダウンロードします。

クライアントは、管理ポイントにコンテンツ要求を送信します。 クライアントは、代替の配布ポイントが許可されることを示すフラグを要求に含めます。

コンテンツが存在する優先配布ポイントおよび代替の配布ポイントが設定されているコンテンツの場所のリストが、管理ポイントからクライアントに返されます。 コンテンツが存在する優先配布ポイントはありませんが、少なくとも 1 つの代替の配布ポイントにコンテンツがあります。

クライアントが代替の配布ポイントを使用する場合の展開のプロパティが [コンテンツをダウンロードしてインストールする] に設定されているため、リストにある代替の配布ポイントからコンテンツがダウンロードされます。

管理ポイントは、コンテンツ要求を送ったクライアントのすべての優先配布ポイントにコンテンツを配布するトリガーを配布マネージャーに作成します。

配布マネージャーは、すべての優先配布ポイントにコンテンツを配布します。

BranchCache サポートの計画

Windows BranchCache が Configuration Manager に統合されました。 ソフトウェアの展開に BranchCache の設定を構成できます。 BranchCache のすべての要件を満たしていると、リモートの場所にあるクライアントは、この機能を使用して、コンテンツの最新のキャッシュを持っているローカルのクライアントからコンテンツを取得できます。 たとえば、BranchCache が有効な最初のクライアント コンピューターが配布ポイントからコンテンツを要求するとき、この配布ポイントで Windows Server 2008 R2 が実行され、さらに BranchCache サーバーとして構成されている場合、クライアント コンピューターはコンテンツをダウンロードしてキャッシュします。 これと同じコンテンツを要求する同じサブネット上のクライアントは、このコンテンツを利用できるようになります。また、これらのクライアントもそのコンテンツをキャッシュします。 このため、同じサブネット上の後続のクライアントは配布ポイントからコンテンツをダウンロードする必要がなく、その後の転送ではコンテンツは複数のクライアントから配布されます。Configuration Manager での BranchCache サポートの詳細については、「」トピックの「」セクションを参照してください。c1e93ef9-761f-4f60-8372-df9bf5009be0#BKMK_SupConfigBranchCacheNo text is shown for link 'c1e93ef9-761f-4f60-8372-df9bf5009be0'. The title of the linked topic might be empty.

配布ポイントのネットワーク帯域幅に関する考慮事項

階層内の配布ポイントのインフラストラクチャを計画するときは、コンテンツ管理で使用するネットワーク帯域幅を減らす方法を検討してください。

パッケージの作成、コンテンツのソース パスの変更、または配布ポイントのコンテンツの更新を行うと、ソース パスにあるファイルがサイト サーバーのコンテンツ ライブラリにコピーされます。 その後、コンテンツはサイト サーバー上のコンテンツ ライブラリから配布ポイント上のコンテンツ ライブラリにコピーされます。 コンテンツのソース ファイルが更新され、ソース ファイルが既に配布されている場合、Configuration Manager は新しいファイルまたは更新されたファイルのみを取得して、配布ポイントに送信します。 サイト間の通信、およびサイト サーバーとリモート配布ポイント間の通信に対しては、スケジュールおよび調整の制御を構成できます。 スケジュールおよび調整を構成した後でも、サイト サーバーとリモート配布ポイント間のネットワーク帯域幅が限定されている場合は、コンテンツを配布ポイントに事前設定することを検討できます。

スケジュールと調整の計画

Configuration Manager では、コンテンツの配布を実行するタイミングと方法を決定する、スケジュールの構成および調整の設定を、リモート配布ポイントに対して行うことができます。 各リモート配布ポイントは、サイト サーバーとリモート配布ポイントの間のネットワーク帯域幅の制限に対応するために個別の構成にすることができます。 リモート配布ポイントのスケジュールと調整用の画面は、標準センダーのアドレス設定用の画面に似ていますが、前者の設定は Package Transfer Manager という新しいコンポーネントで使われます。 Package Transfer Manager は、サイト サーバー (プライマリ サイトまたはセカンダリ サイト) からサイト システムにインストールされている配布ポイントにコンテンツを配布します。 サイト サーバー上にない配布ポイントの調整設定は [転送率の制限] タブで、スケジュール設定は [スケジュール] タブで構成します。 時刻の設定は、配布ポイントではなく、送信元のサイトのタイム ゾーンに基づきます。

System_CAPS_warning警告

[転送率の制限] タブおよび [スケジュール] タブは、サイト サーバーにインストールされていない配布ポイントのプロパティにのみ表示されます。

リモート配布ポイントのスケジュール設定および調整設定の構成の詳細については、「配布ポイント構成設定の変更」の「Configuration Manager のコンテンツ管理の構成」セクションを参照してください。

コンテンツを事前設定するかどうかの判断

次のような場合は、アプリケーションおよびパッケージのコンテンツを事前設定することを検討してください。

  • サイト サーバーから配布ポイントへのネットワーク帯域幅が限られている:コンテンツをネットワーク経由でリモート配布ポイントに配布する際の問題をスケジュールおよび調整によって解決できない場合は、コンテンツを配布ポイントに事前設定することを検討します。 各配布ポイントには、配布ポイントのプロパティで構成できる [事前設定されたコンテンツ用にこの配布ポイントを有効にする] 設定があります。 このオプションを有効にすると、配布ポイントは事前設定された配布ポイントとして識別され、パッケージごとにコンテンツを管理する方法を選択できます。

    事前設定されていると識別されたリモート配布ポイントでコンテンツの配布を管理する方法を構成するために、アプリケーション、パッケージ、ドライバー パッケージ、ブート イメージ、オペレーティング システムのインストーラー、およびイメージのプロパティで次の設定を利用できます。

    • パッケージが配布ポイントに割り当てられたときにコンテンツを自動的にダウンロードする:このオプションは、スケジュール設定および調整設定でコンテンツの配布を十分に制御できる小さいパッケージの場合に使用します。

    • 配布ポイントにコンテンツの変更箇所のみダウンロードする:このオプションは、最初のパッケージが大きくて、そのパッケージ内のコンテンツへの今後の更新の大部分が小さいことが予想される場合に使用します。 たとえば、Microsoft Office 2010 の最初のパッケージのサイズは 700 MB 以上あり、ネットワークで送信するには大きすぎるので事前設定します。 しかし、このパッケージのコンテンツの更新ファイルは 10 MB 以下なので、ネットワーク経由で配布できます。 別の例としてはドライバー パッケージがあります。最初のパッケージのサイズは大きくても、パッケージに追加される付加的なドライバーは小さい可能性があります。

    • このパッケージのコンテンツを配布ポイントに手動でコピーする:このオプションは、オペレーティング システムなどのコンテンツが含まれている大きなパッケージがあり、コンテンツを配布ポイントに配布するためにネットワークを使用しない場合に選択します。 このオプションを選択したら、コンテンツを配布ポイントに事前設定する必要があります。

    System_CAPS_warning警告

    上記のオプションは、パッケージごとに適用でき、配布ポイントにコンテンツが事前設定されている場合だけ使用されます。 事前設定されていない配布ポイントでは、上記の設定が無視されます。 この場合は、コンテンツがサイト サーバーから配布ポイントにネットワーク経由で配付されます。

  • サイト サーバーのコンテンツ ライブラリの復元:サイト サーバーで障害が発生した場合に、コンテンツ ライブラリに含まれているパッケージとアプリケーションに関する情報は復元処理の一部でサイト データベースに復元されますが、コンテンツ ライブラリ ファイルは復元されません。 コンテンツ ライブラリを復元するためのファイル システム バックアップがない場合は、必要なパッケージおよびアプリケーションがある別のサイトから事前設定のコンテンツ ファイルを作成して、回復したサイト サーバーに展開できます。 サイト サーバーのバックアップおよび回復の詳細については、「バックアップと回復の計画」の「Configuration Manager のサイト運用の計画」セクションを参照してください。

事前設定のコンテンツ ファイルの詳細については、「コンテンツの事前設定」の「Configuration Manager のコンテンツ管理の操作とメンテナンス」セクションを参照してください。

プル配布ポイントの計画

Configuration Manager SP1 以降では、サイト サーバーにない配布ポイントをプル配布ポイントに構成できます。 1 つのサイトの多くの配布ポイントにコンテンツを展開する場合、プル配布ポイントを使用すると、サイト サーバーの処理負荷を減らし、各配布ポイントにコンテンツを転送する速度を向上させることができます。 つまり、サイト サーバーの配布マネージャー プロセスから、各配布ポイントへのコンテンツの転送プロセスによる負荷を取り除きます。 各プル配布ポイントが個別にコンテンツの転送を受け持ち、既にコンテンツのコピーを持っている別の配布ポイントからコンテンツをダウンロードします。 プル配布ポイントは、ソース配布ポイントとして指定された配布ポイントからのみコンテンツを取得できます。

プル配布ポイントは、通常の Configuration Manager 配布ポイントと同じ構成と機能をサポートします。 たとえば、マルチキャストと PXE を構成でき、コンテンツの検証、オンデマンドによるコンテンツの配布にも対応しています。 プル配布ポイントは、クライアントからの HTTP または HTTPS 通信、他の配布ポイントと同じ証明書オプションをサポートし、個別または配布ポイントのメンバーとして管理できます。 ただし、次の構成は、プル配布ポイントのサポートの例外です。

  • クラウドベースの配布ポイントは、プル配布ポイントとして構成できません。 同様に、クラウドベースの配布ポイントをソース配付ポイントとして使用することもできません。

  • サイト サーバーの配布ポイントは、プル配布ポイントとして構成できません。

  • 配布ポイントの事前設定コンテンツの構成は、プル配布ポイントの構成よりも優先されます。 事前設定済みコンテンツ用に構成されているプル配布ポイントは、コンテンツを待ちます。 ソース配布ポイントからコンテンツをプルしません。また、事前設定コンテンツが構成されている標準の配布ポイントと同様に、サイト サーバーからコンテンツを受信しません。

  • プル配布ポイントとして構成された配布ポイントは、コンテンツを転送するときに、転送率の制限の構成を使用しません。 事前にインストールされた配布ポイントをプル配布ポイントに構成する場合、転送率の制限の構成は保存されますが、使用されません。 後でプル配布ポイント構成を削除した場合は、前と同じ転送率の制限が使われるようになります。

    [!メモ]

    配布ポイントをプル配布ポイントとして構成すると、配布ポイントのプロパティの [転送率の制限] タブは表示されません。 詳細については、「配布ポイント構成設定の変更」トピックの「Configuration Manager のコンテンツ管理の構成」セクションを参照してください。

  • プル配布ポイントとして構成された配布ポイントは、コンテンツを配布するときに [再試行の設定] を使用しません。 各サイトで、[ソフトウェアの配布コンポーネントのプロパティ] の一部として [再試行の設定] を構成できます。 これらのプロパティを表示または構成するには、Configuration Manager コンソールの [管理] ワークスペースで、[サイトの構成] を展開し、[サイト] を選択します。 次に、結果ウィンドウでサイトを選択し、[ホーム] タブで [サイト コンポーネントの構成] を選択してから [ソフトウェアの配布] を選択します。 ソフトウェアをプル配布ポイントに配布するときは、次の処理が順番に行われます。

    • プル配付ポイントへのコンテンツの配布を開始するときは、まず、サイト サーバーの Package Transfer Manager がサイト データベースを調べ、該当するコンテンツがソース配付ポイントにあるかどうかを確認します。 ソース配布ポイントにコンテンツがあるかどうかを確認できない場合は、その後 20 分おきに確認を繰り返します。

    • Package Transfer Manager が、ソース配付ポイントにコンテンツがあることを確認できたら、プル配布ポイントにコンテンツをダウンロードするように指示します。 プル配布ポイントは、この通知を受信すると、ソース配布ポイントからコンテンツのダウンロードを試行します。

    • プル配布ポイントは、コンテンツのダウンロードを完了すると、そのステータスを管理ポイントに送信します。 しかし、60 分経っても、このステータスを管理ポイントが受信しなかった場合は、Package Transfer Manager が稼働状態に戻り、プル配布ポイントがコンテンツのダウンロードを完了したかどうかを確認します。 コンテンツのダウンロードが進行中の場合は、Package Transfer Manager は、60 分後にプル配布ポイントをもう一度確認するまで休止状態に入ります。 この一連の動作が、プル配布ポイントがコンテンツの転送を完了するまで繰り返されます。

  • リモート フォレストにあるソース配付ポイントからコンテンツを転送するには、プル配付ポイントのあるコンピューターに Configuration Manager クライアントがインストールされていなければなりません。 ソース配付ポイントにアクセスに使用するネットワーク アクセス アカウントを構成する必要があります。

プル配布ポイントの構成は、配布ポイントをインストールするときか、インストールした後で、配布ポイント サイト システムの役割のプロパティを編集することによって行います。 プル配布ポイントとして構成する配布ポイントは、HTTP または HTTPS によるクライアントへのコンテンツ転送をサポートできます。 プル配付ポイントを構成するときは、ソース配付ポイントを 1 つまたは複数指定する必要があります。 このとき、ソース配付ポイントになることができる配付ポイントだけが表示されます。Configuration Manager コンソールを使用する場合、ソース配布ポイントとして指定できるのは、HTTP をサポートする配布ポイントだけです。 ただし、Configuration Manager SDK を使用すると、HTTPS 用に構成されているソース配布ポイントを指定することができます。 HTTPS 用に構成されているソース配布ポイントを使用するには、プル配布ポイントが Configuration Manager クライアントを実行するコンピューターに併置されている必要があります。 プル配布ポイントは、他のプル配布ポイントのソース配布ポイントとして指定できます。

コンテンツをプル配付ポイントに配布するときに、Package Transfer Manager は、コンテンツについて配付ポイントに知らせますが、配付ポイントのコンピューターにコンテンツ自体を転送することはありません。 通知を受け取った後、プル配布ポイントは、ソース配布ポイントのリストで最初のソース配布ポイントからコンテンツのダウンロードを試行します。 コンテンツを利用できない場合、プル配布ポイントは、リストの次の配布ポイントからのコンテンツのダウンロードを試行し、正常にコンテンツをダウンロードするか、すべてのソース配布ポイントでコンテンツにアクセスできないことを確認するまで、試行を続けます。 すべてのソース配布ポイントからコンテンツをダウンロードできない場合、プル配布ポイントは 30 分間待機し、処理を再開します。

System Center 2012 R2 Configuration Manager 以降では、優先順位があるリストで、各ソース配布ポイントを構成できます。 各ソース配布ポイントに別の優先順位を割り当てるか、複数のソース配布ポイントを同じ優先順位に割り当てることができます。 優先順位によって、プル配布ポイントがソース配布ポイントのコンテンツを要求する順序が決まります。 プル配布ポイントは、まず優先順位が最も低いソース配布ポイントに接続します。 同じ優先順位のソース配布ポイントが複数ある場合、プル配布ポイントはその優先順位を共有するソース配布ポイントのいずれかをランダムに選択します。 コンテンツを使用できない場合、プル配布ポイントは優先順位が同じ別の配布ポイントからコンテンツのダウンロードを試行します。 優先順位が同じ配布ポイントのいずれにもコンテンツがない場合は、次に大きい優先順位を持つ配布ポイントからのダウンロードを試みます。この操作をコンテンツが見つかるまで繰り返し、どの配付ポイントにもコンテンツが見つからなかった場合は、30 分間休止してから再開します。

コンテンツの転送を管理するために、プル配布ポイントは、Configuration Manager クライアント ソフトウェアの CCMFramework コンポーネントを使用します。 このフレームワークは、配布ポイントをプル配布ポイントとして構成するときに Pulldp.msi によってインストールされます。Configuration Manager クライアントがインストールされている必要はありません。 プル配布ポイントのインストール後に、そのコンピューターで CCMExec サービスが実行されていないと、プル配付ポイントが正常に機能しません。 プル配布ポイントがコンテンツを転送するときに、バックグラウンド インテリジェント転送サービス (BITS) を使用してコンテンツが転送され、配布ポイントのコンピューターの datatransferservice.log と pulldp.log に操作が記録されます。

[!メモ]

プル配布ポイントとして構成し、Configuration Manager クライアントを実行するコンピューターでは、Configuration Manager クライアントのバージョンが、プル配布ポイントをインストールする Configuration Manager サイトと同じでなければなりません。 これは、プル配布ポイントと Configuration Manager クライアントの両方に共通する CCMFramework を使用するプル配布ポイントの場合の要件です。

System_CAPS_tipヒント

プル配布ポイントがソース配布ポイントからコンテンツをダウンロードすると、そのプル配布ポイントは、[配布ポイントの使用状況の概要] レポートの [アクセスしたクライアント数 (固有)] 列でクライアントとしてカウントされます。 このレポートは、System Center 2012 R2 Configuration Manager 以降で表示されます。

既定では、プル配布ポイントは、ソース配布ポイントからのコンテンツの転送に、プル配布ポイントのコンピューターのアカウントを使用します。 ただし、プル配布ポイントが、リモート フォレストにあるソース配布ポイントからコンテンツを転送する場合、プル配布ポイントは常にネットワーク アクセス アカウントを使用します。 このためには、コンピューターに Configuration Manager クライアントをインストールし、使用するネットワーク アクセス アカウントを構成して、ソース配布ポイントへのアクセス権を設定する必要があります。 ネットワーク アクセス アカウントの詳細については、「Configuration Manager で使用されるアカウントのテクニカル リファレンス」の「ネットワーク アクセス アカウント」セクションを参照してください。 ネットワーク アクセス アカウントを構成する方法の詳細については、「ネットワーク アクセス アカウントの構成」トピックの「Configuration Manager のコンテンツ管理の構成」を参照してください。

プル配布ポイントの構成は、配布ポイントのプロパティを編集することで削除できます。 プル配布ポイントの構成を削除すると、通常の配布ポイントの動作に戻り、その後の配布ポイントへのコンテンツの転送はサイト サーバーが制御することになります。

[!メモ]

System Center 2012 R2 Configuration Manager 以降、Configuration Manager コンソールには、プル配布ポイントを特定する情報が表示されます。System Center 2012 Configuration Manager SP1 で、配布ポイントがプル配布ポイントとして構成されているかどうかを識別するには、配布ポイントのプロパティを参照する必要があります。

クラウドベースの配布ポイントの計画

Configuration Manager SP1 以降では、Microsoft Azure のクラウド サービスを使用して、配布ポイントをホストできます。 クラウドベースの配布を使用する場合、クライアント設定を構成して、ユーザーとデバイスによるコンテンツへのアクセスを有効にし、プライマリ サイトで配布ポイントへのコンテンツ転送の管理を指定します。 さらに、配布ポイントに格納するコンテンツの量のしきい値と、クライアントが配布ポイントから転送できるコンテンツの量のしきい値を指定します。 配布ポイントに格納されたコンテンツの合計量が、指定したストレージ容量のしきい値に近づくか、クライアントが転送したデータの量がしきい値に近づくと、Configuration Manager からアラートが送信されます。

クラウドベースの配布ポイントは、社内配布ポイントでもサポートされる次の機能をサポートします。

  • クラウドベースの配布ポイントは、個別に、または、配布ポイント グループのメンバーとして管理します。

  • クラウドベースの配布ポイントを、代替のコンテンツの場所として使用できます。

  • イントラネットとインターネットの両方にクライアントを配置できます。

クラウドベースの配布ポイントのその他の利点は、次のとおりです。

  • クラウドベースの配布ポイントに送信されるコンテンツは、Configuration Manager が Microsoft Azure に送信する前に Configuration Manager によって暗号化されます。

  • Microsoft Azure では、クライアントによるコンテンツ要求の需要の変化に合わせて、クラウド サービスの規模を調節できます。このとき、追加の配布ポイントをインストールして準備する必要はありません。

  • クラウドベースの配布ポイントは、Windows BranchCache が構成されているクライアントによるコンテンツのダウンロードをサポートしています。

クラウドベースの配布ポイントには、次の制限があります。

  • クラウドベースの配布ポイントを使用して、ソフトウェア更新プログラム パッケージをホストすることはできません。

  • クラウドベースの配布ポイントを、PXE やマルチキャストを有効にした環境で使用することはできません。

  • 展開オプション [実行中のタスク シーケンスでコンテンツが必要になったときにローカルにダウンロードする] を使用して展開されたタスク シーケンスの場合、クライアントにはコンテンツの場所としてクラウドベースの配布ポイントが提示されません。 ただし、[タスク シーケンスを開始する前にすべてのコンテンツをローカルにダウンロードする] オプションを使用して展開するタスク シーケンスでは、有効なコンテンツの場所としてクラウドベースの配布ポイントを使用できます。

  • クラウドベースの配布ポイントからパッケージを実行することはできません。 すべてのコンテンツは、クライアントによってダウンロードされ、その後、ローカルで実行する必要があります。

  • クラウドベースの配布ポイントから、アプリケーションの仮想化プログラムを使って、アプリケーションをストリーミングすることはできません。

  • クラウドベースの配布ポイントにコンテンツを事前設定することはできません。 配布ポイントを管理するプライマリ サイトの配布マネージャーが、配布ポイントにすべてのコンテンツを転送します。

  • クラウドベースの配布ポイントをプル配布ポイントとして構成することはできません。

クラウドベースの配布ポイントの前提条件

クラウドベースの配布ポイントを使用するための前提条件は、次のとおりです。

  • Microsoft Azure へのサブスクリプション。

  • Configuration Manager プライマリ サイト サーバーから Microsoft Azure のクラウド サービスへの通信用の証明書 (自己署名または PKI)。

  • Configuration Manager クライアントが、クラウドベースの配布ポイントへの接続と、この配布ポイントからの HTTPS を使用したコンテンツのダウンロードに使用するサービス証明書 (PKI)

  • デバイスまたはユーザーがクラウドベースの配布ポイントのコンテンツにアクセスするには、[クラウド サービス] の [クラウド配布ポイントへのアクセスを許可する] を [はい] に設定したクライアント設定を受け取る必要があります。 既定では、この値は [いいえ] に設定されています。

  • クライアントがクラウド サービスの名前を解決できなければなりません。これには、ドメイン ネーム システム (DNS) 名前空間の DNS エイリアス (CNAME レコード) が必要です。

  • クライアントは、クラウドベースの配布ポイントを使用するためにインターネットにアクセスできなければなりません。

クラウドベースの配布にかかるコストの計画

クラウドベースの配布ポイントを使用したデータ転送にかかるコストを管理するために、Configuration Manager には、データ アクセスを制御および監視するオプションが用意されています。 クラウド サービスに格納するコンテンツの量を監視したり、クライアントによる月間ダウンロード量が一定の制限に達した場合や超過した場合に Configuration Manager からアラートを受け取るように構成したりできます。 これらのアラートを使用して、クラウドベースの配布ポイントを使用する場合に、データ量を事前対応的に管理します。

詳細については、「クラウドベースの配布ポイントのコストの制御」の「Configuration Manager のクラウド サービスの管理」セクションを参照してください。

クラウドベースの配布ポイントのサブスクリプションと証明書について

クラウドベースの配布ポイントで、Configuration Manager による配布ポイントをホストするクラウド サービスの管理を有効にし、クライアントが配布ポイントのコンテンツにアクセスできるようにするには、証明書が必要です。 次の表に、これらの証明書の概要情報を示します。 詳細については、「Configuration Manager での PKI 証明書の要件」を参照してください。

証明書

説明

サイト サーバーから配布ポイントへの通信用の管理証明書

管理証明書は、Microsoft Azure 管理 API と Configuration Manager 間の信頼関係を確立します。 これは、コンテンツの展開、クラウド サービスの開始と停止などを行うときに、Configuration Manager から Microsoft Azure API を呼び出すための認証です。 Microsoft Azure では、利用者が自分の管理証明書を作成できます。この証明書は、自己署名証明書か、証明機関 (CA) によって発行される証明書のいずれかです。

  • Configuration Manager で Microsoft Azure を構成するときに、管理証明書の .cer ファイルを Microsoft Azure に送信します。 .cer ファイルは、管理証明書の秘密キーが含まれているファイルです。 クラウドベースの配布ポイントをインストールする前に、この証明書を Microsoft Azure にアップロードする必要があります。 この証明書によって、Configuration Manager は Microsoft Azure API にアクセスできるようになります。

  • クラウドベースの配布ポイントをインストールするときに、管理証明書の .pfx ファイルを Configuration Manager に送信します。 .pfx ファイルには管理証明書の公開キーが含まれています。Configuration Manager はサイト データベースにこの証明書を格納します。 .pfx ファイルに秘密キーが含まれるため、その証明書を Configuration Manager データベースにインポートするためにパスワードを指定する必要があります。

自己署名証明書を作成する場合、まず .cer ファイルとして証明書をエクスポートしてから、それを .pfx ファイルとして改めてエクスポートする必要があります。

必要に応じて、Microsoft Azure SDK 1.7 のバージョン 1 の .publishsettings ファイルを指定できます。 .publishsettings ファイルの詳細については、Microsoft Azure のドキュメントを参照してください。

詳細については、MSDN ライブラリの Microsoft Azure プラットフォーム セクションの「管理証明書を作成する方法」および「Microsoft Azure サブスクリプションへの管理証明書の追加方法」を参照してください。

配布ポイントに対するクライアント通信用のサービス証明書

Configuration Manager のクラウドベースの配布ポイント サービス証明書は、Configuration Manager クライアントとクラウドベースの配布ポイント間に信頼関係を確立し、クライアントが配布ポイントからダウンロードするデータを Secure Socket Layer (SSL) で保護します (HTTPS 接続で送信します)。

System_CAPS_important重要

サービス証明書のサブジェクトの共通名は、ドメイン内で固有でなければなりません。ドメインに参加しているデバイスと同じ名前にすることはできません。

この証明書の展開の例については、「クラウドベースの配布ポイント用のサービス証明書の展開」トピックの「Configuration Manager PKI 証明書の展開手順の例:Windows Server 2008 証明機関」セクションを参照してください。

サイト サーバーからクラウドベースの配布ポイントへの通信

クラウドベースの配布ポイントをインストールする場合、コンテンツの転送を管理する 1 つのプライマリ サイトをクラウド サービスに割り当てる必要があります。 これは、配布ポイント サイト システムの役割を特定のサイトにインストールする場合と同じです。

クライアントからクラウドベースの配布ポイントへの通信

デバイスまたはデバイスのユーザーのクライアント設定でクラウドベースの配布ポイント有効にすると、そのデバイスは、有効な配付ポイントとしてクラウドベースの配付ポイントを受け取るようになります。 クライアントが使用できるコンテンツの場所を評価するときに、クラウドベースの配布ポイントはリモート配布ポイントと見なされます。 社内の配布ポイントを使用できない場合、イントラネットのクライアントのみがフォールバックとしてクラウドベースの配布ポイントを使用します。

クラウドベースの配布ポイントを Microsoft Azure の特定の領域にインストールしても、クラウドベースの配布ポイントを使用するクライアントは、Microsoft Azure に領域があることを認識しないので、クラウドベースの配布ポイントを無作為に選択します。 したがって、クラウドベースの配布ポイントを複数の領域にインストールし、クライアントがコンテンツのある場所として複数のクラウドベースの配布ポイントを受け取った場合は、クライアントが自分と同じ Microsoft Azure 領域にあるクラウドベースの配布ポイントを使うとは限りません。

クラウドベースの配布ポイントを使用できるクライアントは、コンテンツ場所の要求を実行するときに、次のシーケンスを使用します。

  1. クラウドベースの配布ポイントを使用するように構成されているクライアントは、まず、優先配布ポイントからコンテンツを取得しようとします。 優先配布ポイントの詳細については、「優先配布ポイント」トピックの「Configuration Manager のコンテンツ管理の概要」セクションを参照してください。

  2. 優先配布ポイントを使用できない場合は、クライアントはリモート配布ポイントを使用します (リモート配布ポイントが使用可能で、その使用が許可されている場合)。

  3. 優先配布ポイントまたはリモート配布ポイントを使用できない場合、クライアントは代わりにクラウドベースの配布ポイントのコンテンツを取得できます。

    [!メモ]

    展開のコンテンツの場所として、インターネットベースの配布ポイントとクラウドベースの配布ポイントの両方を受信するインターネットのクライアントは、インターネットベースの配布ポイントからのみコンテンツの取得を試行します。 インターネット上のクライアントがインターネットベースの配布ポイントからコンテンツを取得できなかった場合、クライアントは次にクラウドベースの配布ポイントへのアクセスを試行します。

クライアントがコンテンツの場所としてクラウドベースの配布ポイントを使用する場合、クライアントは、Configuration Manager アクセス トークンを使用してクラウドベースの配布ポイントに対して自身を認証します。 クライアントが Configuration Manager のクラウドベースの配布ポイント証明書を信頼する場合、クライ��ントは要求したコンテンツをダウンロードできます。

配布ポイントのインフラストラクチャの決定

Configuration Manager 階層内の各サイトには、少なくとも 1 つの配布ポイントが必要です。 既定では、プライマリ サイト サーバーが配布ポイントとして構成されます。 ただし、可能な場合は、この役割をリモート サイト システムに割り当て、サイト サーバーから削除します。 この役割の割り当てにより、サイト サーバーのリソース要求が減少してパフォーマンスが向上し、負荷分散にも役立ちます。 セカンダリ サイト サーバーをインストールすると、配布ポイント サイト システムの役割が自動的に構成されます。 ただし、セカンダリ サイトでは、配布ポイント サイト システムの役割は必要ありません。 クライアントは、セカンダリ サイトの配布ポイントが利用できない場合、親プライマリ サイトの配布ポイントに接続します。 境界グループの割り当てに配布ポイントを構成する場合は、配布ポイントとサイト サーバーの間のネットワーク接続の速度と物理的な場所を考慮します。

次の点を考慮して、サイトにインストールする配布ポイントの適切な数を決定します。

  • 配布ポイントにアクセスする可能性があるクライアントの数

  • 配布ポイントの構成 (PXE、マルチキャストなど)

  • クライアントと配布ポイントの間で利用可能なネットワーク帯域幅

  • クライアントが配布ポイントから取得するコンテンツのサイズ

  • リモートのクライアントがローカルのクライアントからコンテンツを取得できるようにする BranchCache の設定

配布ポイントの作成および構成の詳細については、「配布ポイントのインストールと構成」の「Configuration Manager のコンテンツ管理の構成」セクションを参照してください。

配布ポイント グループの計画

配布ポイントを論理的な "配布ポイント グループ" に分けることができます。 配布ポイント グループにコンテンツを配布すると、その配布ポイント グループに属するすべての配布ポイントがコンテンツを受信します。 最初にコンテンツを配布した後に、配布ポイント グループに配布ポイントを追加すると、新しい配布ポイント メンバーにコンテンツが自動的に配布されます。Configuration Manager 階層のどのサイトにある配布ポイントでも、配布ポイント グループに含めることができます。 配布ポイントを複数の配布ポイント グループに追加して、複数のサイトにまたがる配布ポイントのコンテンツを中央から管理および監視することもできます。

配布ポイント グループにコレクションを追加することもできます。これは、関連付けを作成してから、コンテンツをコレクションに配布します。 コンテンツをコレクションに配布すると、コレクションに関連付けられているすべての配布ポイント グループにコンテンツが割り当てられます。 その後、コンテンツは、それらの配布ポイント グループのメンバーであるすべての配布ポイントに配布されます。 コレクションに関連付けることができる配布ポイント グループの数、または配布ポイント グループに関連付けることができるコレクションの数に制限はありません。 コレクションを配布ポイント グループに追加しても、配布ポイント グループは、関連付けられたコレクションに以前に配布されたコンテンツを自動的に受信しません。 ただし、配布ポイント グループは、コレクションに配布されたすべての新しいコンテンツを受信します。

[!メモ]

コンテンツをコレクションに配布して、コレクションを新しい配布ポイント グループに関連付けたら、コンテンツが新しい配布ポイント グループに配布される前に、コンテンツをコレクションに再配布する必要があります。

配布ポイント グループの作成および構成の詳細については、「配布ポイント グループの作成と構成」の「Configuration Manager のコンテンツ管理の構成」セクションを参照してください。

配布ポイントの優先順位の計画

System Center 2012 R2 Configuration Manager から、Configuration Manager では、前回のコンテンツを展開で配付ポイントがネットワークにコンテンツを転送するのにかかった時間を基に、配付ポイントに優先順位が付くようになりました。 同時に複数の配布ポイントにコンテンツを配布するとき、または 1 つの配布ポイント グループに配布するとき、Configuration Manager は最も優先順位が高いコンテンツを配布ポイントに送信してから、優先順位が低い配布ポイントに同じコンテンツを送信します。 このプロセスは自動調整されるため、Configuration Manager は旧バージョンよりも短い処理時間で、より多くの配布ポイントにコンテンツを配布できます。 既定では、すべての新しい配布ポイントが同じ優先順位を共有します。

配布ポイントの優先順位によって、パッケージ配布の優先順位が置き換わることはありません。 配付するパッケージが複数あるときは、パッケージの転送される順番が、常に、その配布の優先順位 (高、中、または低) によって決まります。 たとえば、配布の優先順位が高いコンテンツを、低い優先順位を持つ配布ポイントに配布する場合は、この配布の優先順位が高いパッケージが、常に、配布の優先順位が低いパッケージより前に転送されます。 配付の優先順位が低いパッケージを、高い優先順位を持つ配付ポイントに配布する場合でも、配付の優先順位が考慮されます。 つまり、Configuration Manager では、配付の優先順位の高いパッケージが配付ポイントに転送されるより前に、それより配付の優先順位の低いパッケージが転送されることはありません。

配付ポイントの優先順位は、Configuration Manager で自動的に決められて管理されます。Configuration Manager コンソールに、この優先順位を表示したり調整したりするオプションはありません。 ただし、Configuration Manager SDK を使用すると、配布ポイントの優先順位を手動で管理することができます。

[!メモ]

プル配布ポイントは、優先順位の概念を使用して、ソース配布ポイントのシーケンスを決定しています。 配布ポイントにコンテンツを転送するための配布ポイントの優先順位は、プル配布ポイントがソース配布ポイントのコンテンツを検索するときに使用する優先順位とは異なります。 プル配布ポイントの詳細については、このトピックの「プル配布ポイントの計画」を参照してください。

コンテンツ ライブラリの計画

Configuration Manager は、各サイト サーバーと各配布ポイントにコンテンツ ライブラリを作成します。 ソフトウェア更新プログラム、アプリケーション、オペレーティング システムの展開で使用するすべてのコンテンツ ファイルが、コンテンツ ライブラリに格納されます。 ただし、この仕組みは、中央管理サイトでは異なります。 中央管理サイトのコンテンツ ライブラリには、中央管理サイトで作成されたコンテンツと、別のサイトから移行して中央管理サイトで管理するように割り当てられたコンテンツのみが格納されます。

コンテンツ管理を計画するときは、展開する各配布ポイント、および作成するコンテンツや別の Configuration Manager サイトから移行するコンテンツを管理する各サイト サーバーに、コンテンツ ライブラリ用の十分な空きディスク領域を確保してください。 コンテンツ ライブラリの詳細については、「コンテンツ ライブラリ」トピックの「Configuration Manager のコンテンツ管理の概要」セクションを参照してください。

System_CAPS_important重要

System Center 2012 Configuration Manager SP1 以降:

インストール後にコンテンツ ライブラリを配布ポイントの別の場所に移動するには、System Center 2012 Configuration Manager Service Pack 1 Toolkit の Content Library Transfer Tool を使用します。 この Toolkit は、Microsoft ダウンロード センターからダウンロードできます。

バイナリ差分レプリケーションの計画

System Center 2012 Configuration Manager はバイナリ差分レプリケーション (差分レプリケーションとも呼ばれます) を使用して、リモート サイトおよび配布ポイントのアプリケーションとパッケージのコピーを更新します。 このプロセスは、コンテンツ ソース ファイルが変更されるたびにすべてのファイルを送信するのではなく、新しいコンテンツまたは変更されたコンテンツのみを再送信することで、配布コンテンツの更新を送信するために使用されるネットワーク帯域幅を最小限に抑えます。

バイナリ差分レプリケーションを使用する場合、Configuration Manager は、以前に配布された各コンテンツ セットについて、ソース ファイルに加えられた変更を特定します。 ソース コンテンツのファイルに変更がある場合、Configuration Manager は新しい増分バージョンのコンテンツ セットを作成し、変更されたファイルのみを対象のサイトと配布ポイントにレプリケートします。 ファイルの名前が変更された場合、移動された場合、内容が変更された場合、ファイルは変更されたと見なされます。 たとえば、以前に複数のサイトに配布したオペレーティング システム展開パッケージの 1 つのドライバー ファイルを置き換える場合、変更されたドライバー ファイルのみが、その対象サイトにレプリケートされます。

Configuration Manager は、全体のコンテンツ セットを再送信するまでに、最大 5 バージョンのコンテンツ セットを保持できます。 5 番目の更新の後で、コンテンツ セットを次に変更すると、Configuration Manager はコンテンツ セットの新しいバージョンを作成します。Configuration Manager はその後、コンテンツ セットの新しいバージョンを配布し、前のセットとその増分バージョンを置換します。 新しいコンテンツ セットが配布された後は、バイナリ差分レプリケーションによって、またソース ファイルの増分の変更がレプリケートされます。

バイナリ レプリケーションは、同じ階層内の親サイトと子サイト間でサポートされます。 また、バイナリ レプリケーションは、同じサイト内のサイト サーバーとその配布ポイント間でサポートされます。Configuration Manager Service Pack 1 以降、このサポートにはプル配布ポイントは含まれますが、クラウドベースの配布ポイントは含まれません。 クラウドベースの配布ポイントは、バイナリ差分アプリケーションによるコンテンツの転送をサポートしません。

アプリケーションは、常にバイナリ差分レプリケーションを使用します。 パッケージの場合、バイナリ差分レプリケーションはオプションであり、既定では無効です。 パッケージにバイナリ差分レプリケーションを使用するには、各パッケージでこの機能を有効にする必要があります。 有効にするには、新しいパッケージを作成するとき、またはパッケージ プロパティの [データ ソース] タブを編集するときに、オプション [バイナリ差分レプリケーションを有効にする] をオンにします。

Package Transfer Manager について

Package Transfer Manager は、System Center 2012 Configuration Manager サイトの SMS_EXECUTIVE サービスの新しいコンポーネントです。このコンポーネントは、サイト サーバー コンピューターから、サイトのリモート配付ポイントへのコンテンツの転送を管理します。 サイトのリモート配付ポイントにコンテンツを配布するときは、配付マネージャーがコンテンツ転送ジョブを作成して、プライマリ サイト サーバーとセカンダリ サイト サーバーに、リモート配付ポイントにコンテンツを転送することを知らせます。

[!メモ]

Configuration Manager の旧バージョンでは、配付マネージャーがリモート配付ポイントへのコンテンツの配布を管理していました。 配付マネージャーは、サイト間のコンテンツの転送も管理します。System Center 2012 Configuration Manager でも、配付マネージャーは、2 つのサイト間のコンテンツの転送を管理します。 ただし、Package Transfer Manager により、Configuration Manager はコンテンツの転送に必要な操作を配布マネージャーからさまざまな配布ポイントに分散できます。 したがって、旧バージョンに比べると、サイト間だけでなく、サイト内の配布ポイントへのコンテンツの展開のパフォーマンスが向上しています。

標準配付ポイントにコンテンツを転送するときは、Package Transfer Manager は、Configuration Manager の旧バージョンの配付マネージャーと同じように動作します。 つまり、各リモート配付ポイントへのファイルの転送に、Package Transfer Manager 自体が介入します。 しかし、プル配付ポイントにコンテンツを配布するときは、Package Transfer Manager は、コンテンツがあることをプル配付ポイントに知らせるだけで、そのコンテンツの転送プロセスをプル配付ポイントに引き継がせます。

次の表に、Package Transfer Manager が標準配付ポイントにコンテンツを転送するときと、プル配付ポイントとして構成されている配付ポイントにコンテンツを転送するときに行われる処理をまとめます。

操作

標準配布ポイント

プル配布ポイント

管理ユーザーがサイトの 1 つまたは複数の配布ポイントにコンテンツを展開します。

配付マネージャーが、そのコンテンツの転送ジョブを作成します。

配付マネージャーが、そのコンテンツの転送ジョブを作成します。

配付マネージャーが、転送前のチェックを行います。

配付マネージャーが、各配付ポイントがコンテンツを受け取る準備ができているかどうかをチェックします。 チェックが終わったら、配付マネージャーが Package Transfer Manager に配布ポイントへのコンテンツ転送を開始してもよいことを知らせます。

配付マネージャーが Package Transfer Manager を起動します。Package Transfer Manager は、プル配付ポイントに、新しいコンテンツ転送ジョブがあることを知らせます。 配付マネージャーは、リモートのプル配付ポイントの状態をチェックしません。というのは、それぞれのプル配付ポイントが、そのコンテンツの転送を受け持つからです。

Package Transfer Manager が、コンテンツの転送の準備を行います。

Package Transfer Manager が、指定された各リモート配付ポイントのコンテンツの単一インスタンス ストアを調べ、その配付ポイントに既にファイルがあるかどうかを判別します。 次に、配付ポイントに存在しないファイルだけの転送処理をキューに並べます。

[!メモ]

コンテンツの [再配布] アクションを指定した場合は、Package Transfer Manager が、配信ポイントの単一インスタンス ストアに配付対象のファイルが存在する場合でも、そのファイルを配付ポイントにコピーします。

Package Transfer Manager が、各プル配付ポイントのソース配付ポイントにコンテンツがあるかどうかをチェックします。

  • 少なくとも 1 つのソース配付ポイントにコンテンツがある場合は、Package Transfer Manager が、そのプル配付ポイントにコンテンツの転送を開始するように指示します。 この指示には、ファイル名とサイズ、属性、ハッシュ値が含まれています。

  • ソース配付ポイントにコンテンツがない場合は、Package Transfer Manager は、プル配付ポイントに指示を送信しません。 その代わりに、20 分おきにコンテンツがあるかどうかをチェックします。 コンテンツが見つかったら、該当するプル配付ポイントにコンテンツを転送するように指示します。

[!メモ]

コンテンツの [再配布] アクションを指定した場合は、プル配付ポイントが、プル配付ポイントの単一インスタンス ストアに配付対象のファイルが存在する場合でも、そのファイルをプル配付ポイントにコピーします。

コンテンツの転送を開始します。

Package Transfer Manager が、各リモート配付ポイントにファイルをコピーします。 転送中に次の処理が行われます。

  • 既定では、Package Transfer Manager は、同時に 3 つのパッケージを処理でき、5 箇所の配付ポイントに並行して配付できます。 これを「同時配付」といい、各サイトの [ソフトウェアの配布コンポーネントのプロパティ] の [全般] タブの [同時配付設定] で構成できます。

  • Package Transfer Manager は、コンテンツを配布ポイントに転送するときに、その配付ポイントのスケジュールとネットワーク帯域幅の構成に従います。 これらの設定は、各リモート配付ポイントの [プロパティ] の [スケジュール] タブと [転送率の制限] タブで行えます。 詳細については、「配布ポイント構成設定の変更」トピックの「Configuration Manager のコンテンツ管理の構成」セクションを参照してください。

プル配付ポイントが転送の通知ファイルを受け取ると、コンテンツの転送プロセスを開始します。 転送プロセスは、プル配付ポイントごとに独立して実行されます。

  • プル配付ポイントが、配付するコンテンツのうち、その単一インスタンス ストアに存在しないファイルを識別して、そのソース配付ポイントの 1 つからダウンロードする準備を整えます。

  • プル配付ポイントが、目的のコンテンツがあるかどうか、ソース配付ポイントを順番にチェックしていきます。 目的のコンテンツのあるソース配付ポイントが見つかると、そのコンテンツのダウンロードを開始します。

[!メモ]

プル配付ポイントがコンテンツをダウンロードするプロセスは、Configuration Manager クライアントがダウンロードするプロセスと同じです。 プル配付ポイントがコンテンツを転送するときは、標準配付ポイントに構成している同時転送設定も、スケジュールと調整オプションも使われません。

コンテンツの転送を完了します。

Package Transfer Manager が、各リモート配付ポイントにファイルを転送し終わったら、配付ポイントにあるコンテンツのハッシュを検証して、配付マネージャーに配付が完了したことを知らせます。

プル配付ポイントが、コンテンツをダウンロードし終わったら、コンテンツのハッシュを検証して、サイトの管理ポイントに、配付が正常に完了したことを知らせるステータス メッセージを送信します。 しかし、60 分経っても、このステータスを管理ポイントが受信しなかった場合は、Package Transfer Manager が稼働状態に戻り、プル配布ポイントがコンテンツのダウンロードを完了したかどうかを確認します。 コンテンツのダウンロードが進行中の場合は、Package Transfer Manager は、60 分後にプル配布ポイントをもう一度確認するまで休止状態に入ります。 この一連の動作が、プル配布ポイントがコンテンツの転送を完了するまで繰り返されます。

Package Transfer Manager が、行った処理を pkgxfermgr.log ファイルに記録して、サイト サーバーに保存します。 このログ ファイルは、Package Transfer Manager による処理を確認できる唯一の手段です。

コンテンツ管理のための補足の計画に関するトピック

次のトピックを使用して、Configuration Manager でのコンテンツの管理を計画します。