Configuration Manager のタスク シーケンス組み込み変数

 

適用対象: System Center 2012 Configuration Manager,System Center 2012 Configuration Manager SP1,System Center 2012 Configuration Manager SP2,System Center 2012 R2 Configuration Manager,System Center 2012 R2 Configuration Manager SP1

タスク シーケンス組み込み変数は System Center 2012 Configuration Manager が提供します。 組み込み変数は、タスク シーケンスが実行されている環境に関する情報を提供し、その値は、タスク シーケンス全体を通じて使用できます。 通常、組み込み変数はタスク シーケンス内で最初のステップが実行される前に初期化されます。 たとえば、組み込み変数 _SMSTSLogPath は、タスク シーケンスの実行中に Configuration Manager コンポーネントがログ ファイルの書き込みに使用するパスを指定します。この環境変数は、すべてのタスク シーケンス ステップからアクセスできます。 しかし、_SMSTSCurrentActionName など、一部の変数は各手順の前に評価されます。 この組み込み変数の値は通常読み取り専用です。 アンダースコアで始まる名前を持つ組み込み変数の値は読み取り専用です。

タスク シーケンス組み込み変数の一覧

次の一覧では Configuration Manager で利用できる組み込み変数について説明します。

組み込み変数名

説明

_SMSTSAdvertID

現在実行中のタスク シーケンスの一意の ID を格納します。Configuration Manager のソフトウェア配布展開 ID と同じフォーマットを使用します。 タスク シーケンスがスタンドアロン メディアから実行されている場合は、この変数は未定義になります。

例:

ABC20001

_TSAppInstallStatus

System Center 2012 R2 Configuration Manager 以降:

タスク シーケンスによって、_TSAppInstallStatus 変数に [アプリケーションのインストール] タスク シーケンス ステップでのアプリケーションのインストール ステータスが設定されます。 タスク シーケンスによって、この変数に次のいずれかの値が設定されます。

  1. 未定義:[アプリケーションのインストール] タスク シーケンス ステップがまだ実行されていない場合に設定されます。

  2. エラー:[アプリケーションのインストール] タスク シーケンス ステップで、エラーのために少なくとも 1 つのアプリケーションが失敗した場合に設定されます。

  3. 警告:[アプリケーションのインストール] タスク シーケンス ステップでエラーが発生しなかったが、要件を満たしていなかったために 1 つまたは複数のアプリケーションまたは必要な依存関係がインストールされなかった場合に設定されます。

  4. 成功:[アプリケーションのインストール] タスク シーケンス ステップで、エラーまたは警告が検出されなかった場合に設定されます。

_SMSTSBootImageID

現在実行中のタスク シーケンスにブート イメージ パッケージが関連付けられている場合に、Configuration Manager のブート イメージ パッケージ ID を格納します。Configuration Manager ブート イメージ パッケージが関連付けられていない場合、この変数は設定されません。

例:

ABC00001

_SMSTSBootUEFI

System Center 2012 Configuration Manager SP1 以降:

タスク シーケンスが UEFI モードで起動するコンピューターを検出した場合に、SMSTSBootUEFI 変数を設定します。

_SMSTSClientGUID

Configuration Manager クライアントの GUID を格納します。 タスク シーケンスがスタンドアロン メディアから実行されている場合、この変数は設定されません。

例:

0a1a9a4b-fc56-44f6-b7cd-c3f8ee37c04c

_SMSTSCurrentActionName

現在実行中のタスク シーケンス ステップの名前です。 この変数は、タスク シーケンス マネージャーが個々のステップを実行する前に設定されます。

例:

コマンド ラインの実行

_SMSTSDownloadOnDemand

現在のタスク シーケンスがオン デマンド ダウンロード モードで実行されている場合は TRUE に設定されます。このモードでは、コンテンツが必要になった場合にのみ、タスク シーケンス マネージャーがコンテンツをローカルにダウンロードします。

_SMSTSInWinPE

この変数は、タスクの現在のステップが Windows PE 環境で実行されている場合は TRUE に、それ以外の場合は FALSE に設定されます。 このタスク シーケンス変数をテストして、現在のオペレーティング システム環境を特定できます。

_SMSTSLastActionRetCode

最後に実行されたアクションが返したリターン コードを格納します。 この変数は、次の手順が実行されるかどうかを決定するための条件として使用できます。

例:

0

_SMSTSLastActionSucceeded

この変数は、最後のアクションが成功した場合は TRUE に、失敗した場合は FALSE に設定されます。 ステップが無効化されていたために、または関連する条件が FALSE と評価されたために最後のアクションがスキップされた場合も、この変数はリセットされません。前のアクションの値が引き続き保持されます。

_SMSTSLaunchMode

タスク シーケンスの起動方法です。 タスク シーケンスは次の値を取ることができます。

  • SMS - タスク シーケンスは Configuration Manager クライアントを使用して起動されます。

  • UFD - タスク シーケンスは USB メディアを使って起動されます。このメディアは Windows XP/2003 によって作成されました。

  • UFD+FORMAT - タスク シーケンスは USB メディアを使って起動されます。このメディアは Windows Vista またはそれ以降の Windows オペレーティング システムによって作成されました。

  • CD - タスク シーケンスは CD を使用して起動されます。

  • DVD - タスク シーケンスは DVD を使用して起動されます。

  • PXE - タスク シーケンスは PXE から起動されます。

  • HD – タスク シーケンスはハード ディスクを使用して起動されます (事前設定されたメディアのみ)。

_SMSTSLogPath

ログ ディレクトリへの完全なパスを格納します。 この値は、アクションが記録される場所を特定するために使用できます。 ハード ドライブが利用できない場合、この値は設定されません。

_SMSTSMachineName

コンピューター名を格納します。 タスク シーケンスがすべてのステータス メッセージを記録するために使用するコンピューターの名前を格納します。 新しいオペレーティング システムで使用するコンピューター名を変更するには、OSDComputerName 変数を使用します。

例:

ABC

_SMSTSMDataPath

SMSTSLocalDataDrive の値が定義するパスを指定します。 コレクション変数の設定などのように、タスク シーケンスが起動する前に SMSTSLocalDataDrive を定義すると、Configuration Manager はそのタスク シーケンスが起動された後で _SMSTSMDataPath 値を定義します。

_SMSTSMediaType

インストールを開始するために使用するメディアの種類を指定します。 メディアの種類の例としては、ブート メディア、フル メディア、PXE、事前設定されたメディアなどがあります。

_SMSTSMP

Configuration Manager の管理ポイントの IP アドレスを格納します。

_SMSTSMPPort

Configuration Manager の管理ポイントの管理ポイント番号を格納します。

例:

80

_SMSTSOrgName

タスク シーケンスの進行状況を示すユーザー インターフェイス ダイアログ ボックスに表示されるブランド タイトル名を格納します。

例:

XYZ 社

_SMSTSPackageID

現在実行中のタスク シーケンス ID を格納します。 この ID では Configuration Manager のソフトウェア パッケージ ID と同じ形式が使用されます。

例:

HJT00001

_SMSTSPackageName

現在実行中のタスク シーケンスの作成時に Configuration Manager 管理者によって指定されたタスク シーケンス名を格納します。

例:

Windows 7 タスク シーケンスの展開

_SMSTSRunFromDP

現在のタスク シーケンスが配布ポイントからの実行モードで実行されている場合は TRUE に設定されます。このモードでは、タスク シーケンス マネージャーは、配布ポイントから必要なパッケージ共有を取得します。

_SMSTSSiteCode

Configuration Manager サイトのサイト コードを格納します。

例:

ABC

_SMSTSType

現在実行中のタスク シーケンスの種類です。 次の値のいずれかを取ります。

1 - 一般タスク シーケンスを示します。

2 - オペレーティング システムの展開タスク シーケンスを示します。

_SMSTSTimezone

タイム ゾーン情報を次の形式で (スペースなしで) 格納します。

Bias, StandardBias, DaylightBias, StandardDate.wYear, wMonth, wDayOfWeek, wDay, wHour, wMinute, wSecond, wMilliseconds, DaylightDate.wYear, wMonth, wDayOfWeek, wDay, wHour, wMinute, wSecond, wMilliseconds, StandardName, DaylightName

例:

米国およびカナダ東部標準時の場合、この値は 300,0,-60,0,11,0,1,2,0,0,0,0,3,0,2,2,0,0,0,Eastern Standard Time,Eastern Daylight Time となります。 

_SMSTSUseCRL

管理ポイントとの通信に SSL (Secure Sockets Layer) 証明書を使用する場合に、タスク シーケンスが証明書失効リストを使用するかどうかを指定します。

_SMSTSUserStarted

タスク シーケンスがユーザーによって開始されたかどうかを示します。 この変数は、タスク シーケンスがソフトウェア センターから開始された場合のみ設定されます。 たとえば、_SMSTSLaunchModeSMS に設定されている場合などです。 この変数は次の値のいずれかを取ります。

  • TRUE - タスク シーケンスがユーザーによってソフトウェア センターから手動で開始されたことを示します。

  • FALSE - タスク シーケンスが Configuration Manager スケジューラによって自動的に開始されたことを示します。

_SMSTSUseSSL

タスク シーケンスが Configuration Manager 管理ポイントとの通信に SSL を使用するかどうかを表します。 サイトがネイティブ モードで実行されている場合、値は TRUE に設定されます。

_SMSTSWTG

System Center 2012 Configuration Manager SP1 以降:

コンピューターが Windows To Go デバイスとして動作しているかどうかを指定します。

SMSTSAssignmentsDownloadInterval

System Center 2012 Configuration Manager SP1 以降:

この変数は、ポリシーが返されなかった前回の試行から、ポリシーのダウンロードをクライアントが試行するまで待機する秒数を指定するために使用します。 既定では、クライアントは 0 秒待機してから再試行します。

この変数は、メディアまたは PXE から起動前コマンドを使用して設定できます。

SMSTSAssignmentsDownloadRetry

System Center 2012 Configuration Manager SP1 以降:

この変数は、初回の試行でポリシーが見つからなかった場合に、ポリシーのダウンロードをクライアントが試行する回数を指定するために使用します。 既定では、クライアントは 0 回再試行します。

この変数は、メディアまたは PXE から起動前コマンドを使用して設定できます。

SMSTSAssignUsersMode

タスク シーケンスがユーザーを対象コンピューターと関連付ける方法を示します。 値を次のいずれかに設定します。

  • 自動: タスク シーケンスは、オペレーティング システムを展開先コンピューターに展開するとき、指定されたユーザーと展開先コンピューター間の関係を作成します。

  • 保留中: このタスク シーケンスは、指定されたユーザーと展開先コンピューター間の関係を作成しますが、この関係が設定される前に、管理者からの許可を待ちます。

  • 無効: このタスク シーケンスは、オペレーティング システムの展開時に、ユーザーを展開先コンピューターに関連付けません。

SMSTSDownloadProgram

System Center 2012 Configuration Manager SP1 以降:

代替のコンテンツ プロバイダーを指定するときに使用します。代替のコンテンツ プロバイダーは、タスク シーケンスの既定の Configuration Manager ダウンローダーの代わりに、コンテンツのダウンロードに使用されるダウンローダー プログラムです。 コンテンツのダウンロード プロセスの一部として、タスク シーケンスは、指定されているダウンローダー プログラムの変数を確認します。 指定されている場合、タスク シーケンスはそのプログラムでダウンロードを実行します。

SMSTSDownloadRetryCount

System Center 2012 R2 Configuration Manager 以降:

配布ポイントからコンテンツをダウンロードするように Configuration Manager が試行する回数を指定するために使用します。 既定では、クライアントは 2 回再試行します。 

SMSTSDownloadRetryDelay

System Center 2012 R2 Configuration Manager 以降:

配布ポイントからコンテンツをダウンロードするように再試行する前に Configuration Manager が待機する秒数を指定するために使用します。 既定では、クライアントは 15 秒待機してから再試行します。

SMSTSErrorDialogTimeout

タスク シーケンスでエラーが発生すると、ダイアログが表示されます。このダイアログは、既定のタイムアウト値が経過すると自動的に閉じられます。 既定では、900 秒 (15 分) 後にダイアログ ボックスが自動的に閉じます。

TSErrorOnWarning

System Center 2012 R2 Configuration Manager 以降:

タスク シーケンス エンジンがタスク シーケンスのステップのアプリケーションのインストール中に、検出された警告をエラーとしてと見なされるかどうかを指定するには、この変数を使用します。 1 つまたは複数のアプリケーション、または、必要な依存関係がインストールされていない場合、要件を満たしていないため、タスク シーケンスは _TSAppInstallStatus 変数を 警告に設定します。 TSErrorOnWarning 変数を True に設定し、_TSAppInstallStatus 変数を [警告] に設定すると、エラーとして扱われます。 値 False が既定の動作です。

SMSTSLanguageFolder

System Center 2012 Configuration Manager SP1 以降:

言語に依存しないブート イメージの表示言語を変更するときに使用します。

SMSTSLocalDataDrive

タスク シーケンスの実行中に一時ファイルを対象コンピューターに格納する場所を指定します。

この変数は、コレクション変数の設定によって行うなど、タスク シーケンスが開始する前に設定される必要があります。 タスク シーケンスが開始された後で、Configuration Manager は _SMSTSMDataPath を定義します。

SMSTSMPListRequestTimeout

System Center 2012 R2 Configuration Manager 以降:

タスク シーケンスでロケーション サービスから管理ポイント一覧を取得できなかった場合に、アプリケーションのインストールを再試行するまでの待ち時間をミリ秒単位で指定します。 既定では、タスク シーケンスは 60,000 ミリ秒 (60 秒) 待機してからステップを再試行します。再試行は 3 回までです。 この変数の値は、[アプリケーションのインストール] ステップにのみ適用されます。

SMSTSPersistContent

System Center 2012 Configuration Manager SP1 以降:

コンテンツをタスク シーケンス キャッシュに一時的に保存するときに使用します。

SMSTSPostAction

System Center 2012 Configuration Manager SP1 以降:

タスク シーケンスの完了後に実行されるコマンドを指定します。 たとえば、指定のデバイスにタスク シーケンスがオペレーティング システムを展開した後、埋め込みデバイスでフィルターを有効にするスクリプトを記述するのにこの変数を使用できます。

SMSTSPreferredAdvertID

対象のコンピューターで特定の展開が実行されるように強制します。 これはメディアまたは PXE から起動前コマンドを使って設定できます。 この変数が設定されると、タスク シーケンスは要求されたすべての展開を上書きします。

OSDPreserveDriveLetter

System Center 2012 Configuration Manager SP1 以降:

この変数は、タスク シーケンスが、対象コンピューターにそのイメージを適用するときに、オペレーティング システム イメージ WIM ファイルにキャプチャされたドライブ文字を使用するかどうかを判断します。 サービス パックなしの Configuration Manager では、WIM ファイルにキャプチャされたドライブ文字がオペレーティング システム イメージの WIM ファイルに適用されている場合は、このドライブ文字が使用されていました。Configuration Manager SP1 では、この変数の値を False に設定して、[オペレーティング システムの適用] タスク シーケンス ステップの [適用先] 設定で指定した場所を使用できます。 [オペレーティング システムの適用] タスク シーケンス ステップの詳細については、「オペレーティング システム イメージの適用」トピックの「Configuration Manager のタスク シーケンス ステップ」セクションを参照してください。

SMSTSRebootDelay

コンピューターが再起動するまでの待機時間を秒単位で指定します。 この変数を 0 以外に設定すると、タスク シーケンス マネージャーは再起動の前に通知ダイアログ ボックスを表示します。

例:

0

30

SMSTSRebootMessage

再起動が要求されたときにスケジュール ダイアログ ボックスに表示するメッセージを指定します。 この変数を設定しなかった場合、既定のメッセージが表示されます。

例:

このコンピューターはタスク シーケンス マネージャーによって再起動されます

SMSTSRebootRequested

現在のタスク シーケンスのステップを完了した後で再起動が必要であることを示します。 再起動が必要な場合は、この変数を TRUE に設定すると、このタスク シーケンス ステップの後で、タスク シーケンス マネージャーが自動的にコンピューターを再起動します。 タスク シーケンス ステップの完了に再起動が必要な場合は、タスク シーケンス ステップでこのタスク シーケンス変数を設定する必要があります。 コンピューターの再起動後、タスク シーケンスは次のタスク シーケンス ステップから続行されます。

SMSTSRetryRequested

現在のタスク シーケンスのステップを完了した後で再試行を要求します。 このタスク シーケンス変数を設定した場合、SMSTSRebootRequestedTRUE に設定する必要があります。 コンピューターの再起動後、タスク シーケンス マネージャーは同じタスク シーケンスのステップを再実行します。

SMSTSUDAUsers

対象のコンピューターのプライマリ ユーザーを指定します。 次の形式を使ってユーザーを指定します。 複数のユーザーは、コンマ (,) で区切ります。

例:

domain\user1, domain\user2, domain\user3

ユーザーを対象コンピューターに関連付ける方法の詳細については、「ユーザーと対象のコンピューターを関連付ける方法」を参照してください。