ユーティリティ スポットライト: 仮想マシンを作成して管理する

Windows Virtual PC には、仮想マシンを Windows XP Mode で実行する機能も含め、仮想マシンを管理するのに必要なすべての機能が用意されています。

Lance Whitney

マイクロソフトでは、仮想マシン (VM) を作成して管理する複数のツールを提供しています。Virtual PC 2007 をリリースした後、Windows XP 対応のアプリケーションをサポートする Windows Virtual PC を 2009 年にリリースしました。そのため、Windows 7 では、Virtual PC を使用して、他のデスクトップ OS を実行できるようになりました。Home Basic エディションから Ultimate まで、どのエディションの Windows 7 をホストとして使用している場合でも、ゲスト OS として、Windows XP、Windows Vista、または Windows 7 を実行できます。

残念ながら、Virtual PC では、ゲストとして 32 ビット OS しかサポートしていません。VM で 64 ビット OS を実行するには、Hyper-V またはサードパーティ製のアプリケーションを使用する必要があります。当初、Vitrual PC では、ハードウェア ベースの仮想化のサポートが必要でしたが、2010 年初頭に、この制限を解除する更新プログラムがリリースされました。

Virtual PC は、Windows 7 で Windows XP 対応のレガシ プログラムを実行することを目的に設計されているため、Virtual PC には、既定で Windows XP Mode が組み込まれています。ただし、Vitual PC だけを個別にダウンロードすることは可能です。Windows XP Mode では、Windows XP SP3 のフル ライセンス版をセットアップします。Windows XP Mode は、簡単にインストールできますが、ホスト OS として、Windows 7 Professional、Enterprise、または Ultimate が実行されている必要があります。Windows XP 対応のプログラムを個別に実行する予定がある場合は、Windows XP Mode を使用することをお勧めします。

Virtual PC は、マイクロソフト Web サイトの Virtual PC のホーム ページからダウンロードできます。[Windows XP Mode と Windows Virtual PC を今すぐ入手] をクリックします。Windows 7 のバージョンとコンピューターで使用している言語を選択します。Windows Virtual PC のみをダウンロードするのか、Vitrual PC と Windows XP Mode を一緒にダウンロードするのかを決めます。Virtual PC のみをダウンロードする場合は、[Windows Virtual PC] をクリックしてダウンロードします。

仮想化

Virtual PC のみをダウンロードした場合は、Windows6.1-KB958559-x86-RefreshPkg.msu または Windows6.1-KB958559-x64-RefreshPkg.msu という名前のインストール ファイルが保存されます。インストール ファイルを実行し、Windows Virtual PC を有効にするために必要な更新プログラムをインストールします。インストール完了後にコンピューターを再起動したら、ゲスト OS をセットアップできます。

[スタート] メニューのプログラムの一覧から [Windows Virtual PC] をクリックし、[Windows Virtual PC] をクリックします。エクスプローラーが、VM の既定の保存先フォルダーが表示された状態で開きます。新しい VM を作成するメニュー オプションもあります。

[仮想マシンの作成] をクリックします。VM ファイルの既定の保存先が表示されたら、VM の名前を指定します。次の画面では、VM に割り当てる RAM と VM をネットワークに接続するかどうかを指定します。その次の画面では、[容量可変の拡張仮想ハード ディスクの作成]、[既存の仮想ハード ディスクを使用する]、および [詳細オプションを使用して仮想ハードディスクを作成する] という 3 つのオプションが表示されます (図 1 参照)。

仮想マシンのセットアップでは、さまざまなオプションが用意されています

図 1 仮想マシンのセットアップでは、さまざまなオプションが用意されています

詳細オプションでは、仮想ディスクのサイズを固定または容量可変にするかを指定したり、元のディスクのサイズが変更されないように Virtual PC で変更を個別に保存する必要があるかどうかを指定できます。最初の 2 つのオプションでは、ディスクのサイズを指定できます。3 つ目のオプションでは、親仮想ディスクを選択する必要があります。

オプションを選択したら、[作成] をクリックします。Virtual PC では、既定の場所に仮想ディスクの VHD ファイルが作成されます。指定した名前の新しい VM が .vmcx という拡張子でエクスプローラーに表示されます。

ゲスト OS をインストールするには、.vmcx ファイルを選択し、[設定] メニューをクリックします。設定パネルの左側で [DVD ドライブ] を選択し、ISO ファイルまたはインストールする OS が格納されている物理ディスクをポイントします (図 2 参照)。インストール メディアを選択し、[OK] をクリックします。これで、エクスプローラーで .vmcx ファイルをダブルクリックして、イメージを起動し、ゲスト OS をインストールできるようになりました。

仮想マシンのゲスト OS をインストールするときに選択できるオプションもいくつかあります

図 2 仮想マシンのゲスト OS をインストールするときに選択できるオプションもいくつかあります

VM のウィンドウでゲスト OS をインストールしているときには、キーボードの Windows キーを押して、ホスト PC に戻ることができます。VM にマウスの制御を戻すには、VM のウィンドウをクリックします。

ゲスト OS をインストールしたら、[ツール] メニューの [統合コンポーネントのインストール] をクリックします。指示に従って、統合コンポーネントと他の推奨更新プログラムをインストールします。インストールが完了すると、ホスト ウィンドウとゲスト ウィンドウの間でマウスの制御を切り替えられるようになります。VM では、USB ドライブなど、ホストに接続されている外付けデバイスがサポートされます。

多くの VM アプリケーションと同様に、Virtual PC では、ゲストの表示を全画面表示のウィンドウとリサイズ可能なウィンドウで切り替えることができます。また、一度に複数のゲストを実行することもできます。

Windows XP Mode

Windows Virtual PC と Windows XP Mode を併用する場合は、追加でいくつかの手順を実行する必要があります。まず、Windows XP Mode アプリケーションをダウンロードしてインストールする必要があります。その後、Virtual PC をインストールして、コンピューターを再起動します。お使いのコンピューターに既に Windows 7 SP1 が適用されている場合、この処理は完了しています。SP 1 が適用されていない場合は、ダウンロード ページにアクセスし、ハードウェアの仮想化要件を解除する更新プログラムをダウンロードする最後の手順に従ってください。

[スタート] メニューをクリックし、[Windows Virtual PC]、[Windows XP Mode] を順にクリックして、Windows XP Mode を起動し、フル ライセンス版の Windows XP をインストールします。使用許諾契約書に同意すると、VM の既定の保存先が表示され、Windows XP の VM を使用するためのパスワードの入力が求められます。必要に応じて、自動更新を有効にして、Windows XP と Windows 7 のフォルダーを共有できます。これで Windows XP のインストールは完了です (図 3 参照)。

Windows XP と Virtual PC を一緒にインストールすると、Windows XP 対応のアプリケーションを実行できます

図 3 Windows XP と Virtual PC を一緒にインストールすると、Windows XP 対応のアプリケーションを実行できます

Windwos XP の VM のセットアップが完了したら、個々のレガシ アプリケーションや他のソフトウェアをインストールできます。Windows XP 対応のアプリケーションは、[スタート] メニューをクリックし、[Windows Virtual PC]、[Windows XP Mode アプリケーション] を順にクリックして、プログラムを選択することで、直接実行できます。

Windows Virtual PC には、64 ビット OS や Windows Server のサポートなど、他の VM アプリケーションで提供されている高度な機能がありません。ですが、Windows Virtual PC は、すき間市場に対応する便利なツールです。

Virtual PC は、ホスト環境に影響を与えることなく、さまざまな OS を実行してアプリケーションや機能をテストするツールとして適しています。Windows XP Mode は、Windows 7 と互換性がないレガシ アプリケーションを実行する選択肢の 1 つです。Virtual PC の詳細については、FAQ ページを参照してください。

 

Lance Whitney

Lance Whitney は、ライターであり、IT コンサルタントであり、ソフトウェア トレーナーでもあります。Windows のワークステーションおよびサーバーをカスタマイズすることに数えきれないほどの時間を費やしてきました。元々はジャーナリストでしたが、1990 年代前半に IT 業界への転向を実現しました。

 

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