Microsoft Visual Studio: Microsoft eMbedded Visual C++ 4.0 - デバイス開発

Microsoft eMbedded Visual C++ 4.0

Microsoft Windows CE .NET のプログラミング

日本において、2002 年 2 月 19 日に発表された Microsoft Windows® CE .NET は、 スマート デバイスを構築するための堅牢なリアルタイム プラットフォームです。 開発者はデバイス エミュレーション、 新しいプラットフォーム・ウィザード、豊富なマルチメディア機能と Web ブラウジング機能、 Bluetooth などの無線技術のサポートなど、 さまざまな新機能や強化された機能に気づくでしょう。

Windows CE .NET は、 4 つの主要な CPU (中央処理装置) アーキテクチャ ファミリと、 200 種以上の CPU 上で動作します。 Windows CE .NET はモジュール構成になっているので、 特定の動作環境を満たすようにプログラムのメモリ サイズをカスタマイズできます。このほかにも、Windows CE .NETは、以下のような広範囲のデバイスをサポートするための多くの要素を備えています。

  • PDA (個人用携帯端末)
  • Windows ベースのシン クライアント
  • スマートフォン
  • Web パッド
  • インターネット家電
  • セットトップ ボックス
  • マルチメディア家電
  • セキュリティ システム
  • 商業用 POS 端末
  • 産業用制御システム

eMbedded Visual C++ 4.0 の特長

Windows CE .NET には、 強力な開発ツール eMbedded Visual C++® 4.0 が含まれています。 このツールは、 次世代の Windows CE ベースのデバイス向けにネイティブ コードのアプリケーションを構築している企業に多大な利益をもたらします。 このスタンドアロン IDE (統合開発環境) によって、 柔軟性、パフォーマンス、または制御を低下させることなく、 Windows CE 開発に新しいレベルの生産性を提供します。

開発者は、 eMbedded Visual C++ を使って、 馴染みのある開発環境で Windows CE ベースのアプリケーションを構築できます。 また、 ユーザーは開発者のワークステーションにインストールされているプラットフォーム SDK (ソフトウェア開発キット) を対象にした Windows CE 固有のドキュメントにアクセスできます。 Windows CE 版の MFC (Microsoft Foundation Classes) および ATL (Active Template Library) を使用することにより、 時間とコストを節約できます。

開発者は追加のコードを必要とせずに、 基本となるオペレーティング システムの機能に直接アクセスできるようになります。 つまり、デバイス ハードウェアとオペレーティング システムのサービスを完全に制御できます。

eMbedded Visual C++ は、Windows CE ,NETをターゲットとしたプログラミング言語製品で、企業は最新の Windows CE プラットフォーム SDK が入手できるようになったら、これらを使用して革新的な Windows CE ベースのデバイスに対応したソフトウェアをいち早く構築できます。

開発者は、使いやすく、ある作業に特化した Windows CE ベースのデバイスを求めるユーザーを対象にしたアプリケーションを開発できます。 たとえば、インターネットにアクセスするようなデバイス、 ある作業に特化したビジネス プロセス向けのデバイス、 娯楽用デバイスなどが考えられます。 また、リモート データ ストアや、ネットワークに接続されたサーバーにアクセスする高度なモバイル アプリケーションを構築できます。

eMbedded Visual C++ 4.0 の機能

開発者の生産性の向上

  • 以前の Windows アプリケーションで使用していたのと同じ開発環境で Windows CE ベースのソリューションを構築することで、 開発者の既存の知識を応用できます。
  • ステートメントの完成機能、 パラメータ情報、 構文エラーのチェックなどをプログラミング作業を支援する Microsoft IntelliSense® テクノロジを使うことで、 プログラマの生産性が向上します。
  • 再利用可能な Microsoft ActiveX® コントロールを構築することで、 ソフトウェア開発の時間と労力を最小限にします。
  • 広範囲な Windows CE 互換のデバイスとプロセッサを対象とする開発環境で、 プロジェクト配置情報をすばやく選択して構成します。

容易になったデバッグと配置

  • Windows CE ベースのデバイス エミュレータは、デスクトップ PC 上でのデバイス表示と機能性を再現します。 このエミュレータを使ってまずテストを行うことで、不必要なハードウェアへの投資を回避します。
  • eMbedded Visual C++ は、モバイル デバイスまたはエミュレータへのアプリケーションの自動的なコピーや起動を可能にします。 その結果、アプリケーションをすばやくテスト、実行できます。
  • デバイスやエミュレータでアプリケーションを実行中、 エラー除去に役立つ統合デバッガでバグをすばやく解決できます。
  • アプリケーション実行時の詳細を提供するツールを使って、 Windows CE 開発を最大限に制御します。

Windows CE プラットフォームへの包括的なアクセス

  • 赤外線ポート、シリアル ポートのいずれかを使用して、 TCP/IP などの通信メカニズムを最大限に活用できる魅力的なモバイル アプリケーションを構築します。
  • 世界で最も成功した、最も強力なコンポーネント モデルである COM を活用して、 Windows CE ベースのデバイス用に再利用可能なソリューションを構築します。
  • Windows CE プラットフォーム用に作成した既存の ActiveX コントロールを再利用して、開発効率を最大限にします。
  • eMbedded Visual C++ を使用して、 すべての Windows CE ベースのデバイス上のすべての API (アプリケーション プログラミング インターフェイス) にアクセスすることにより、 Windows CE の全機能を利用します。
  • アプリケーションのテストと実行を行うために、 Platform Manager が接続された Windows CE ベースのデバイスを自動的に設定することが出来ます。
  • Windows CE 版の ATL を使用して、 小規模で効率的な COM サーバーを構築します。
  • DOC/View アーキテクチャを使用するアプリケーションなど、 Windows CE ベースのデバイス向けにソリューションを構築するための確立されたアプリケーション フレームワークである MFC for Windows CE を使用します。

最新の Windows CE デバイスの構築

  • Windows CE .NET オペレーティング システムを実行するデバイス向けのソリューションを構築することで、 最大限の携帯性を提供し、保守と管理の必要性を最小限に抑えることが可能です。
  • 最新の Windows CE 用の開発キットにプラグインすることにより、 Windows CE Toolkit の機能を追加し、柔軟性の高い開発環境を得ることが出来ます。

Version 4.0 の新機能

Windows CE .NET オペレーティング システムをターゲットとしたデバイスソリューションを構築する場合、以下の機能が提供されます。

C++ 例外処理、RTTI、STL、および組み込み

  • 標準の Win32® API SEH (構造化例外処理) 以外に、 C++ 例外処理を利用できるようになりました。 これにより、あらゆる型の例外を処理できるようになり、 コードの移植性と柔軟性が向上します。
  • RTTI (Run Time Type Information) が、 オブジェクトのクラスを判断する標準的な方法を提供します。 これにより、互換性のがないベンダ固有の技術を使用し、 その情報を扱うことで発生する可能性のある問題を回避することが出来ます。
  • STL (Standard Template Library) コンポーネントは、 C++ プログラムに最も広く使用されているアルゴリズムとデータ構造のサブセットへのアクセスを提供します。
  • コンパイラは関数を組み込みとして指定するので、 関数は関数呼び出しとしてではなく、 インライン コードとして生成されます。

プロセスへのアタッチが可能

  • eMbedded Visual C++ 4.0 デバッガを実行プロセスにアタッチするために、 Attach to Process (プロセスへのアタッチ) が有効になりました。 これにより、開発者はアタッチ前にプロセスを起動したり、 プロセスを停止する必要なくプロセスをデバッグできます。

プロセス内のすべてのスレッドを停止できるデバッガ

  • この新機能によって、マルチスレッドのアプリケーションで、実行中のすべてのスレッドをいっせいに停止できるため、 デバッグ作業が簡単になります。

新しいアウト プロセス アプリケーション ウィザード

  • 開発者は必要なスタータ ファイルを生成することで、 eMbedded Visual C++ 4.0 に ALT アウト プロセス アプリケーション プロジェクトを自動的に作成できます。 この機能によって、同じ作業を手動で行う場合に比べ、 処理が高速になり、エラー発生の可能性が減少します。

Just-in-Time デバッグ

  • 以前は、アプリケーション内の処理されない例外が発生すると、アプリケーションが停止するだけでしたが、eMbedded Visual C++ 4.0では、Just-in Timeデバッグ機能を有効にすると、 アプリケーション開発者は eMbedded Visual C++ デバッガを使用して、このような例外を診断できるようになりました。

必要なシステム

Microsoft eMbedded Visual C++ 4.0 を使用するには、以下のシステムが必要です。

  • Pentium クラスのプロセッサ搭載のコンピュータ。 Pentium 150 MHz 以上のプロセッサを推奨します。
  • Service Pack 2 を適用した Microsoft Windows 2000 Professional、または Microsoft Windows XP 以上
  • 32 MB RAM (48 MB 以上 推奨)
  • マルチメディア デスクトップ コンピュータの仕様と互換性がある CD-ROM ドライブ
  • VGA 以上の解像度を持つモニタが必須です。Super VGA モニタを推奨します。
  • マウス デバイスまたは互換性があるポインティング デバイス
  • 十分なハード ディスク容量。(eMbedded Visual C++ と 1 つの SDK の) 最小インストールに必要な空き容量は 360 MB です。

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