■ 標準コントロールのプロパティ

  • 変更されたプロパティ
  • 強化されたプロパティ

変更ポイント

Visual Basic 6.0 の標準コントロールの多くは、多くの共通するプロパティを持ちます。ここではこれらのうち、Visual Basic .NET で強化/変更されたものを中心に紹介します。

Text プロパティ

もっとも大きなプロパティの変更は、フォームやラベルコントロールに文字列を表示するための Caption プロパティが、すべて Text プロパティに変更・統一されたことでしょう。もう、Caption プロパティは使いません。常に Text プロパティを使います。

Location プロパティ

位置を指定、参照する Left と Top プロパティの代わりに、Location プロパティを利用して同時に指定、参照できます。この Location プロパティは、X (Left に相当) とY (Top に相当) をメンバとしてもつ構造体で、GDI+ (グラフィックスコマンドのセット) のメソッドで利用されます。なお、Left と Top プロパティは、 (今のところは) コード中で利用できますが、プロパティウィンドウには表示されません。プロパティウィンドウの Location プロパティの[+]をクリックして展開すると、X と Y が参照できます。

Size プロパティ

サイズを指定する Width と Height も、その代わりに Size プロパティという Width と Height をメンバとして持つ構造体を利用します。Location と同様、2 つの要素を同時に設定でき、GDI+ のメソッドで利用されます。そして現在はもともとのプロパティ (Width、Height) をコード中で利用可能ですが、 (展開しなければ) プロパティウィンドウに表示されないということも同じです。

Anchor と Dock プロパティ

Anchor プロパティを利用すると、配置のときに、上下左右の各方向からの位置を固定することができます。たとえば、上からの位置と右からの位置を固定して指定する (図 10) と、フォームがリサイズされたとしても、常に指定したフォームの "辺" からの位置が固定されます (図 11)。

図 10:上と右からの位置を固定する

図 10:上と右からの位置を固定する

図 11:ウィンドウをリサイズしても右上からの位置は変わらない

図 11:ウィンドウをリサイズしても右上からの位置は変わらない

また、Dock プロパティを利用すると、コントロールの Align を指定することができます (図 12)。常に、上、下、あるいは右、左の辺にドッキングするコントロールを利用できます (図 13)。

図 12:Dock プロパティを利用してコントロールの Align を指定

図 12:Dock プロパティを利用してコントロールの Align を指定

図 13:リサイズしても、コントロールは常にぴったり下方に配置

図 13:リサイズしても、コントロールは常にぴったり下方に配置

ZOrder プロパティ

コントロールの重なり順を指定するために、ZOrder プロパティを使いますが、これに加え、Visual Basic .NET では、この重なり順を変更するメソッドが追加されました。BringToFront メソッドを利用すると最前面、SendToBack メソッドで最背面に表示することができます。

アップグレードウィザードによる変更点

Text プロパティ、Location プロパティ、Size プロパティなどは、それぞれCaption プロパティ、Left/Top プロパティ、Width/Height プロパティをもとに、適切にアップグレードされます。Caption プロパティが正しくアップグレードされないパターンなど、利用時の注意事項については、第 4 章の 「プロパティの変更」 を参考にしてください。

今、何をしておくべきか?

コントロールを配置したときに、最初に自動的に付けられる名前が Visual Basic 6.0 のものから変わっているコントロールがあります。たとえば、CommandButton コントロールは、Button コントロールと呼ばれるようになりました。これにともない、デフォルトで付けられる名前が、「Command1」 から 「Button1」 に変わっています。また、TextBox コントロールのデフォルトで付けられる名前も、「TextBox1」 から、「Text1」 に変わります。しかし、この変更は、開発においては大きな問題ではないでしょう。