IIS Smooth Streaming について

Microsoft Expression Encoder では、Smooth Streaming テクノロジを活用したビデオをエンコードすることができます。Smooth Streaming は、Microsoft 実装の Adaptive Streaming テクノロジであり、HTTP プログレッシブ ダウンロード テクノロジを用いた Web ベースのオーディオ/ビデオ コンテンツ配信の形式です。ダウンロードによるコンテンツ配信、すなわち CBR (固定ビット レート) ではなく、クライアントに対してコンテンツを一連のフラグメントとして配信します。クライアントがフラグメントを再生すると、ネットワーク状況が変わる場合があります。たとえば、帯域幅が低下したり、CPU 電源に障害が生じる場合があります。このような再生状況の劣化が起こると、クライアントはサーバーからのフラグメントに対して、ローカル システムの状況を補うために、低いビット レートでエンコードするように要求します。これとは逆に、再生状況が良くなれば、クライアントは再生フラグメントを高いビット レートでエンコードするよう要求します。

つまり、これによってクライアントがメディアを再生している間、途切れやバッファリング、フリーズが起こらなくなります。その結果、ストリームが遮られることなく、ユーザーは高質な再生を楽しむことができます。

Web 上でのメディア配信における HTTP 配信の使用は、リアル タイム ストリーミング プロトコル (RTSP) やリアル タイム トランスポート コントロール プロトコル (TRCP) のような従来のストリーム プロトコルの使用とは対照的なものです。ストリーム プロトコルにも良質なメディア ストリームを可能にする多数の機能が備わっていますが、Web 自体が基本的にコンテンツの HTTP 配信向けに設計されているため、HTTP 配信のほうがより Web に最適化されたものであると言えます。Smooth Streaming に代表される Adaptive Streaming テクノロジは、HTTP 配信テクノロジとストリーミング プロトコルの新しい手法を掛け合わせたものです。

エンド ユーザーの場合、Smooth Streaming 再生を利用するために必要なのは Microsoft Silverlight のみです。ただし、Expression Encoder を利用すると、Smooth Streaming 用ビデオをエンコードしたり、Smooth Streaming テクノロジを用いた Sliverlight のクライアントを展開したりすることができます。コンテンツ プロバイダーの場合、完全な Smooth Streaming を配信するためには、Microsoft Windows Server 2008、Microsoft インターネット インフォメーション サービス (IIS)、IIS7 用 Smooth Streaming 拡張子、および Silverlight が必要になります。

Adaptive Streaming を利用する場合は、Silverlight クライアントが必要になりますが、Silverlight テンプレートを使ってエンコードする必要はありません。シンプルな WMV ファイルを Adaptive Streaming ファイルとしてエンコードすることができ、プログレッシブ ダウンロード機能を楽しむことができます。

Adaptive Streaming と Expression Encoder

Expression Encoder では、2 種類の Adaptive Streaming ファイルから選択して作成することができます。IIS Smooth Streaming ファイルまたは IIS Smooth Streaming 単一ファイルを作成できます。いずれの場合も、IIS7 を含む Microsoft Windows Server 2008 と IIS7用 Smooth Streaming 拡張子からストリームする必要があります。IIS Smooth Streaming 出力形式では最終的に複数のファイルが作成され、IIS Smooth Streaming 単一ファイルではファイルは 1 つだけ作成されます。

IIS Smooth Streaming または IIS Smooth Streaming 単一ファイルいずれかの出力形式を使ってメディア アセットをエンコードする場合、Expression Encoder では以下の種類のファイルが作成されます。

  • *.ismv    ビデオとオーディオ両方のコンテンツを含む MP4 ファイルです。IIS Smooth Streaming ファイルをエンコードすることを選択した場合、Expression Encoder は、ビット レートあたり 1 つの .ismv を作成します。たとえば、ビデオを 4 つの異なるビット レートを使ってエンコードすると指定した場合、Expression Encoder では、4 つの .ismv ファイルが作成されます。ただし、IIS Smooth Streaming 単一ファイルをエンコードすることを選択した場合は、Expression Encoder では、各ビット レートのストリームを含むファイルが 1 つだけ作成されます。

  • *.isma   オーディオ コンテンツだけを含む MP4 ファイルです。オーディオのみのファイルをエンコードした場合は、この形式になります。.ismv ファイルに関しては、出力の選択に応じて、Expression Encoder では複数または 1 つだけ .isma ファイルが作成されます。

  • *.ism   "サーバー マニフェスト ファイル"と呼ばれる XML ファイルです。このファイルには、メディア トラック、ビット レート、およびディスク上のファイルの関係が記載されています。このファイルを使用するのは、IIS Smooth Streaming サーバーのみです。

  • *.ismc   "クライアント マニフェスト ファイル"と呼ばれる XML ファイルです。このファイルには、エンコードされたビット レート、使用されたコーデック、その他の情報などエンコード ファイルに関する重要な情報が含まれています。このファイルを使用するのは、Silverlight 再生クライアントのみです。

[出力] タブの [パブリッシュ] カテゴリで既定で利用可能な WebDAV パブリッシュ プラグインを使って、エンコード ファイルを IIS サーバーにパブリッシュすることができます。ビデオをパブリッシュする方法については、「メディアのパブリッシュ」を参照してください。パブリッシュされたビデオは、IIS によって Silverlight クライアントに配信され、ユーザーが視聴できるようになります。

関連項目

概念

メディアのパブリッシュ

その他のリソース

ストリーミングのためのメディアのエンコード